――・・・


紬「・・・」フゥ

梓「お腹いっぱいです」フゥ

さわ子「いい味だったわ。満足ね」フゥ

唯「カレーラーメンだ!」ヒャッホゥ

律「どれどれ・・・。お、あと4人くらいは食べられるな」

澪「あ、律・・・」

律「ん?」

澪「あれ、見て」

唯「キミにときめき恋かもねアワアワ~。はい、冬ちゃん」

冬「いただきまーす。はい夏」

夏「よっ・・・と」ヒョイ

姫子「夏、次貸して」

夏「どうぞ。おぉーいい匂い」ウキウキ

姫子「カレー好きなの?」

夏「好きですよ~。いつか札幌のスープカレーを食べたいと思ってて」

澪「札幌か・・・」

律「・・・これはどういう事かな」

梓「綺麗になくなったことですし、片付けましょうか」

紬「・・・」コクリ

さわ子「・・・そういえば、あなたたちお風呂に入ったの?」

紬「・・・」コクリ

梓「入りましたよ。銭湯に行きました」

さわ子「・・・・・・いつよ」

夏冬「「 さわ子先生が来る前にです 」」モグモグ

さわ子「・・・くっ」

冬「おいし~」パァア

律「・・・くっ・・・食べたかったのに・・・!」

夏「あ・・・その・・・律先輩どうぞ」スッ

律「いい子じゃないか。・・・あーん」

夏「・・・食べさせろって事ですか?」

姫子「私に聞くの?・・・そうなんじゃないかな」モグモグ

唯「恥ずかしいねりっちゃん」

律「それをあなたたちはやっていたんだよっ」

冬「ど、どうぞ・・・」フルフル

律「いや、震えてんだろ・・・」

紬「・・・」パクッ

梓「あ・・・」

紬「・・・」ニコニコ

唯「おぉ」

紬「・・・」パァア

律「なんか、おいしそうだな・・・」

姫子「ごちそうさま」

唯「私も食べちゃったよ」

律「残るは・・・」

夏「・・・ど、どうぞ」フルフル

律「なんで震えてんだよ」

澪「・・・」パクッ

夏「み、澪先輩が・・・!?」

律「・・・」

澪「本当だ、美味しく感じる」モグモグ

さわ子(今、自分が何をしたのか分かっているのかしら)

夏「・・・すいません・・・もう無いです・・・」

律「いいって、気にするな」キラキラ

唯純「「 さわやか! 」」


――・・・


唯「よいしょっとーっ!」ピョン

モフッ

唯「おぉーお日様の匂いがするよ~」モフモフ

梓「もう寝るんですか?」

唯「だって、散歩で疲れたんだもん」ゴロゴロ

春子「唯、まだちゃんと敷いていないんだから」

唯「でっへっへ」

澪「敷布団干していたんだ?」

春子「提供できる分だけ・・・だけどね」

律「数は限られているのか・・・」

純「恒例のジャンケンターイム!」

冬「恒例?」

純「布団争奪戦」

冬「よ、よし」グッ

夏「負けた人は?」

春子「・・・さわ子先生が持ってきてくれたシュラフと・・・寝茣蓙」

風子「・・・」メラッ

英子「・・・」

夏香「私泊まるつもりじゃなかったのに・・・」

姉「思い出は積極的に作らなきゃいけないのよ」

冬「そうですよね!」

姉「与えられる道なんて必要ないの」

夏「おぉ・・・かっこいい」

梓「道・・・。それは決まっているんじゃないんですか?」

姉「!」キラン

夏香「・・・」ハァ

姉「道だと?私たちが行く所に、道は必要ない」キリ

夏冬「「 !!! 」」

梓「道は・・・ないんだ・・・・・・」

姫子「どうしたの?」

梓「いえ・・・。ここに私たちがいることって・・・決められていたのかなって思うときがあって」

律「運命ってやつか?」

澪「・・・」

梓「そうです。・・・むぎせんぱいの後ろについていって見る事ができた景色。出会えた人たち」

純「・・・」

梓「それって、まるで・・・」

唯「私たちがそう望んだからだよ~」

梓「・・・」

唯「一緒に居たいと想って、一緒に見て行きたいと望んだから道が後ろにできたんだよ」

梓「・・・」

澪「そうだな、作られていた道なんかじゃないよな」

風子「・・・」

律「梓が言うのは・・・ひょっとして・・・」

澪「りつ」

律「あ、うん」

梓(私は知らないままで、むぎせんぱいを見送るところだった・・・)

唯「あれ、むぎちゃんは~?」

春子「いちごたちと歯を磨いているよ。もう少ししたら来るんじゃないかな」

梓(むぎせんぱいが作った道の上を歩いていただけ・・・だったんだ・・・)

ボフッ

春子「敷いたからいいんだけどさ、ジャンケンはしないの?」

唯「今はそっとしておいてあげて!」

梓(これからは私が―)

律「うりゃっ!」バッ

唯「ふぉっ」

梓「ふにゃっ」

律「自業自得だ。真っ暗な世界で恐怖を味わうがいい」フハハ

澪「寝転がっただけだろ・・・。掛け布団被せただけでなにかの大王気取か」

純「人数多いですからジャンケンだと時間かかりますよね」

律「そだなー・・・って、なんだこの二人」

冬夏「「 ・・・ 」」キラキラ

夏香「映画のラストシーンの台詞を引用しただけだよ~。目を覚まして~」

姉「Take me away i don't mind♪」

夏「いい事言っていましたよ!」

冬「は、はい!」

姉「そ、そうでしょ」

夏香「というか、姉さんも帰らないの?」

姉「お家帰っても寝るだけだからつまらないんだもん」

夏香「だもんって・・・歳を考えろっ」シュッ

姉「ぼふっ」

律「お、開戦だな」

澪「むぎがまだ・・・あぶないっ」サッ

シュッ

冬「ふぶっ」

風子「澪さん・・・」

澪「ち、違うんだ・・・枕が飛んできたら避けるしか・・・」オロオロ

夏「投げたのは・・・紬先輩でしたか・・・」

紬「・・・」コクリ

いちご「なにかが始まってる・・・」

春子「恒例っちゃ恒例だけど・・・私は不参加で隅っこにいるよ・・・」

英子「うん。そうしよう」

未知子「・・・うん」

律「これで決めるかー。当たったらそこで退場な。最後まで残った人から選べるってことで・・・あぶなっ」サッ

純「・・・おしい」

律「説明の最中だろ・・・卑怯だぞ、純」ジリジリ

純「ここは戦場ですよ?」

律「ふふ、逞しくなったもんだな」

純「おかげさまで・・・」

律「おりゃっ」シュッ

純「・・・っ」サッ

シュー

英子「和さん危ない!」

和「・・・」バシッ

律純「「 弾いたっ!? 」」

和「顔に当たったら痛いじゃない・・・。こっちはメガネなのよ」

風子「バリア張ろう。ほら、アキヨちゃんも」

アキヨ「・・・帰るから別に・・・後ろ」

シュッ

風子「おっと、バリアー」

ボフッ

和「後ろから来てるのに前にバリア張ってどうするのよ」

風子「・・・」

律「風子退場ー♪」

純「なにやら嬉しそうですね」

律「いつもやられっぱなしだからなー♪」

紬「・・・」シュッ

多恵「ちょっふにゅ」ボフッ

姉「なつ・・・口調が戻ったね・・・」

夏香「姉さんが恥をかかせるからだよ・・・。さっさと帰れ」

夏「な、夏香先輩がアウトローに」ガクガク

冬「・・・」ブルブル

姉「昔は私に対してこんなんだったんだよ。いつからか・・・周りに合わせるようになっちゃって!」シュッ

夏香「・・・」サッ

エリ「ぶふっ」

夏香「あ・・・ごめんね、エリちゃん」

アカネ「なにこれ・・・」

三花「飛び交う枕・・・分かった。枕投げだ」

ちか「見て分かるでしょ~。参戦~」

潮「戦々恐々という言葉をみんなに知らしめて」ボフッ

信代「アホめ」ニヤリ

慶子「容赦ないね」

潮「復活はありですか!」

澪「無しです!」

夏「梓はどこ・・・?」キョロキョロ

冬「あっち」

夏「紬先輩のボディーガードのつもりかね・・・」フッ

冬「どうするの?」

夏「一度決着をつけなきゃいけないと思ってたんだ~」

冬「・・・」

夏「冬ねぇは座っててよ」

冬「ううん。大丈夫」

夏「無理だけは・・・」

冬「しないよ。だいじょうぶだから」

夏「分かった」

梓「あっちです!」

紬「・・・!」サッ

シュッ

律「ずりいぞ!」

梓「なにを言っているんですか、共同戦線です」

純「まずは梓から崩しましょう」

律「敵の敵は味方だと言うのか?」

純「まずは減らしてから、堂々と戦いましょう」

律「面白い、いいだろう」

純「それでこそ律先輩、屈んでください!」

律「っ!」サッ

シュッ

澪「・・・おしい」

ちか「もうちょっとだったのに」

律「澪とちか・・・か。なにやら読まれているな」

純「少し退きましょう」

律「あぁ・・・」

ススッ

夏「梓、勝負ッ」シュッ

梓「・・・!」

紬「・・・」バシッ

冬「おぉー」

梓「た、助かりました」

紬「・・・」キリ

夏「さすが・・・」

冬「・・・」

夏「一対一で勝負しようじゃない」

梓「・・・フッ」

夏「鼻で笑った!?」

梓「むぎせんぱいの今の動きで怖気づいたんでしょ?」

冬?「・・・紬先輩にお話があるんです」シンナリ

紬「・・・?」

梓(冬とダブってみえた・・・)

冬?「後で・・・聞いてくれますか?」

紬「・・・」コクリ

冬?「よかった・・・」チラッ

梓「・・・」イラッ

冬「な、夏・・・?」

夏「冬ねぇはちょっと離れてて」

冬「う、うん」

梓「むぎせんぱい、共同戦線を今だけ解除です。倒しておくべき相手を見つけました」

紬「・・・」コクリ

夏「梓とは一度白黒つけたかったんだよねー」ジリジリ

梓「あっそ・・・」ジリジリ

冬「・・・」オロオロ

紬「・・・」

律「しめしめ、あっちの二人隙だらけだぜ」

純「うっしっし、今のうちに叩いておきましょうぜ」

律「・・・なんか小物っぽいな」

純「・・・ですね」

律「弱点となってる今、攻撃あるのみ!」

純「そうです!」

律「おりゃっ!」シュッ

冬紬「「 ! 」」

風子「・・・」バシッ

律「ちょっと待て、風子は退場者だろ」

風子「私バリアーだよ?」

律「なんだその理屈・・・」

純「バリアーならしょうがないですね・・・」ゴクリ

律「納得しなきゃいけないのか・・・!?」

風子「はい、冬ちゃん。反撃して」

紬「・・・」フンス!

冬「はい。・・・えいっ」

ヒュー

律「・・・」バシッ

冬「・・・力不足です」

律「・・・」ニヤリ

純「・・・」ニヤリ

律「そんじゃ、反撃させてもらう・・・って、枕がない!?」

純「うわ・・・囲まれてる・・・」

澪「風子が私たちに枕を配っていたんだ」

ちか「・・・お縄に付くときが来たね、りっちゃん」

和「観念なさい」

律「裁かれるのか、私・・・?」

風子「・・・ふふっ」

姫子「ふぁ・・・まだやってたの・・・?」

アキヨ「・・・決着つくと思うよ」

姫子「早く寝たいなぁ・・・」ボケー

律「一矢報いるっ」シュッ

唯「おっとぉ!」バシッ

律「なぬっ」

唯「姫ちゃんの眠気を払っちゃあいけねぇよぉ!」デデン

姫子「この間払ったじゃん・・・」ボケー

律「ぐ・・・」

シュー

律「っ!」ボフッ

冬「あ・・・」

風子「冬ちゃん、ナイスコントロール」グッ

紬「・・・」グッ

姉「・・・」グッタリ

夏香「・・・まったく、仕事終わってからすることじゃないでしょ」

姉「・・・ふふっ」

夏香「あの映画のエンディング曲を口ずさむのは・・・いい事があった時のくせ・・・」

姉「うん」

夏香「あの二人の事・・・?」

姉「うん。それと・・・」

夏香「・・・」

姉「・・・こういう事」スッ

夏香「・・・」

姉「気付いてたでしょ」

夏香「毎日見ているんだから、変化ぐらい気付くよ。その薬指。
   ちゃんと姉さんから報告聞きたかったから」

姉「そうだね・・・。ありがと、最後に付き合ってもらっちゃって」

夏香「・・・今更、そんな改まって言われると困るんだけど」

姉「ありがとね・・・。久しぶりになつとはしゃげて・・・楽しかった」

夏香「私たちが帰ってから・・・?」

姉「うん・・・。あの二人が気がかりだったから」

夏香「そんなに・・・背負う事なの・・・?」

姉「あの二人がきっかけだったからね」

夏香「・・・そっか」

姉「・・・私が、あの家を出て行っても・・・なつは・・・私の妹だから」

夏香「・・・うん」

姉「たった一人の大切な・・・」

夏香「・・・うん。おめでとう、お姉ちゃん」

姉「ありがとう、なつ」

英子(おめでとう、お姉さん)

澪「そろそろ寝ようか・・・」

紬「・・・」コクリ

律「あの二人を止めないと横になれないな・・・」

純「いつまで遊んでいるんだか・・・」


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最終更新:2011年10月05日 20:20