962. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/10(土) 02:38:35.90 ID:LfYoVJIxo
姫子「月の中では飛べないんだ・・・」

夏「太陽と比べるとちょっと分が悪いですね〜」

いちご「人は月を見て想える事がある」

夏「・・・詩情的です」ウンウン

姫子「・・・」

紬「・・・」

冬「あ・・・の・・・戻らないんですか・・・?」

風子「少しお話しようよ」

唯「和ちゃーん・・・」

憂「寝ちゃったよー・・・」

澪「向こう側しずかだな」

純「ほとんどの人寝ちゃってますね」

姫子「いい時間だからねー・・・」

冬「は、話・・・ですか・・・」

風子「うんうん」

英子(楽しそう・・・)

紬「・・・」ツンツン

梓「あ、姫子先輩に聞きたいことがあるんです」

姫子「うん・・・?」

梓「キャッチボールの相手って夏限定なんですか?」

姫子「・・・」

夏「あはは、この季節だけ投げられます。みたいな感じだ」

梓「夏黙ってて」

夏「ぐっ・・・」

冬(最初のキャッチボールからずっと・・・ですよね)

姫子「まぁ・・・うん・・・そうだね・・・」

いちご「どうして?」

春子(濁らせようとしてたのに・・・)プクク

姫子「・・・起きてる人ってここだけかな?」

澪「起きてたら手を上げてー」

冬「・・・」パカッ

風子「明かりがないと見えないもんね。気の利く子ですね」

純「・・・風子先輩が私を見ているような気がする」モゾモゾ

潮「・・・」スッ

信代「あげるなよっ」ヒソヒソ

潮「え・・・?」

慶子「聞けるかもしれないでしょ」ヒソヒソ

潮「なるほど」ヒソヒソ

「「  ・・・  」」シーン

963. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/10(土) 02:39:45.97 ID:LfYoVJIxo
律「いないみたいだぜ」

唯「みんな寝るの早いよー」

澪「寝てるみたいだ」

姫子「・・・」

夏「習慣みたいなもんでしたよね」

姫子「・・・うん」

いちご「・・・」

冬「夏は・・・。部長さんに無理やり入れられたと言っていましたよ」

夏「ちょっ、冬ねぇ!」

梓「しずかにして、先輩方寝ているんだから」

夏「あずさぁ・・・」ワナワナ

姫子「そうだったんだ?」

夏「・・・はい」

冬「最初にキャッチボールをしたのが姫子先輩で、ボールがちゃんと飛んでこないって」

姫子「・・・」

律「ノーコンだもんな」

冬「最初嫌がらせかと思ったって」

風子「あらら」

冬「でも、真剣に投げてくれるから・・・。捕ってみたくなったと・・・ね?」

夏「・・・うん」

姫子「・・・」

律「へぇ・・・。夏って我慢強いのな」

夏「・・・どうですかね」

いちご「・・・真剣だったの?」

姫子「・・・うん。夏が私のボールを追いかけていって・・・。それでも私に投げ返してくれるから
      ちゃんと投げたくて・・・。ちゃんとキャッチボールしたくて・・・ね」

夏「・・・!」

唯「いいですな」

律「そうですな」

和「そうね」

姫子「寝てたんじゃ・・・」

和「寝ようとしていたのよ」

唯「返事してよっ」

梓「だそうですよ」

紬「・・・」コクリ

澪(むぎが聞きたかったことなのか・・・)

964. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/10(土) 02:41:01.37 ID:LfYoVJIxo
夏「だから、姫子先輩がいないから・・・キャッチボールが物足りないんですよねー・・・」

姫子「そう・・・。退屈しのぎだったみたいに言わないでね・・・」モゾモゾ

夏「そんなんじゃないですってば」

風子「ふふっ」

冬「・・・」


信代(あの姫子がねぇ・・・)

潮「なんか、意外だね」

慶子「・・・うん。優しい一面っていうか・・・」


紬「・・・」ツンツン

夏「どうしたんですか?」

紬「・・・」

夏「?」

紬「・・・」チョンチョン

夏「枕・・・?・・・あぁ、さっきの枕投げの時の」

紬「・・・」コクリ

夏「あ、あれは・・・えぇと・・・」

梓「話があるんでしょ?聞いてくれるそうだから頑張って話してよ」

夏「う・・・」

風子「梓ちゃん意地悪だねぇ」

梓「なっ!?」

夏香(言われたくない人に言われたね・・・)

姉「・・・ぅ・・・ん」

夏「冬ねぇ、タッチ」チョン

冬「話ならなんでもいいんですか?」

紬「・・・」コクリ

風子「オッケイだよ」

冬「私、旅をする事に憧れているんです。自由になれる旅に」

姫子(自由・・・)

唯「ほほぅ」

梓「・・・」

965. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/10(土) 02:43:20.16 ID:LfYoVJIxo
冬「入院した時は・・・。見舞いに来てくれるの夏くらいで・・・。両親は仕事で忙しいのであまりこられなくて
    仲良くなった人はすぐ退院していって・・・世界中で自分ひとり取り残されたような気になっちゃって
    ずいぶん鬱々していたんですよ」

姫子「・・・」

冬「私、旅行することが好きだったんですよ、でも小さい頃からあまり丈夫なほうじゃなかったんですね
    だからいつも旅行雑誌とかばっかりみてて」

夏「・・・」

冬「ふふ、バカですよね、いくら想像しても、本当の旅じゃないっていうの分かっているのに」

紬「・・・!」

梓「・・・」

冬「それを・・・。ある人にそのままメールで愚痴ってしまったんです」

純「それって・・・」

冬「うん。・・・相馬轍さん」

梓「・・・」

風子「・・・」

冬「返ってきたメールにはこう書かれていました」


『人の心には翼があるんだよ。例え、旅をしても、そこで何も感じることがなければ、そんなの本当の旅じゃない』


唯「おぉ・・・」

梓「それを・・・どう受け取ったの?」

冬「私自身も旅をしているって伝えてくれた。顔も見えない私を励ましてくれた」

律「・・・」

冬「相馬さんが見た景色を私も感じたい。と、強く願えたんですよ」

澪「・・・」

冬「それを・・・前回の鍋の時に思い出しました。梓と・・・その、ケンカをしたとき・・・」

姫子「・・・」

夏「そうだったんだ」

冬「うん。・・・来年、行こうよ」

夏「うん。・・・来年に、行こうか」

冬夏「「  『約束の場所』へ・・・  」」

梓(約束・・・か・・・)

姉「・・・っ」グスッ

夏香「起きてたの?」

姉「嬉しくてつい・・・もう寝るから・・・」グスッ

夏香「・・・」

966. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/10(土) 02:44:00.10 ID:LfYoVJIxo
澪「その場所は見当がついているの?」

夏「展望台だったような・・・」

冬「岬じゃなかったかな・・・」

姫子「・・・どこなの?」

夏「北海道の釧路辺りかなぁ」

冬「親戚の家が釧路なので」

澪「なるほど・・・」

律「んー?話が見えないけど、澪は知ってんのか?」

澪「むぎもな・・・」

唯「詳しく聞かせてもらおうか」キラン

梓「寝ないんですか?・・・みなさん寝ちゃってますよ?」

姫子「それじゃ、寝ようか・・・」

いちご「・・・うん」

唯「えー・・・」

冬「釧路と言えば・・・。相馬さんもフェリーで降り立ったのが釧路港なんですよね」

夏「ふーん・・・」

唯「そう言ってたね」

姫子「・・・ふぁ・・・ねむ」

紬「・・・」

梓「むぎせんぱい、起きてますか?」

紬「・・・」トントン

梓「そうですか・・・。って話を聞いていたんですから当然ですよね」

風子「・・・私も起きてるよ」

梓「そ、そうですか・・・」

律「玉恵ちゃんも釧路からスタートしたって言ってたな」

冬「滝沢玉恵さんですね」

姫子「知ってるの!?」

冬「え!?」

澪「ひ、姫子・・・声が大きいっ」ヒソッ

姫子「どうして知ってるの!?」

冬「え、えぇと・・・観光名所で会っていたと記事にあって・・・」

夏「冬ねぇ怯えてますよ」

967. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/10(土) 02:45:37.96 ID:LfYoVJIxo
エリ「姫ちゃんうるさーい」

ちか「姫ちゃんうるさいよー」

未知子「姫ちゃんうるさいよー」

多恵「ひ、姫ちゃん・・・」

律「なんで姫ちゃんって言ってんだよ」

春子「さわ子先生が起きたから・・・」

憂「起きちゃいましたか」

さわ子「ほら、言いなさい」

美冬「姫ちゃんうるさーい」ボソッ

アキヨ「」スヤスヤ

姫子「もしかして、玉恵さんの記事が載っている雑誌を知ってるの冬!?」

いちご「・・・おちついて」ビシッ

姫子「いたっ」

律澪唯「「「  えっ!?  」」」

紬「・・・!」

純(チョップした!)

冬「し、知ってますよ・・・」ガクガク

夏「持ってますよ。あたしは読んだ事ないけど」

姫子「・・・」

紬「・・・」

梓(聞く側にまわってしまう・・・)

澪「釧路を中心に周っていたの?」

冬「い、いえ・・・。道北から道東にかけてです・・・」

律「うわ・・・。すげえ範囲だな・・・」

姫子「多和平について触れてる記事ってあった?」

冬「玉恵さんの記事でですよね?」

姫子「うん」

律(なんだこの食いつきは・・・)

紬「・・・」

梓(明かりが無いから手元を見る事が出来ない・・・。それは私たちに伝える手段がないってこと・・・)

冬「ありませんでした」

澪「多和平って?」

姫子「大地の緑と空の青のツートンカラーの世界、どこをみても地平線、どっちを向いても空と大地。視界のほとんどが空。・・・という場所」

唯「」ウトウト

冬「どうしてですか?」

姫子「今の多和平の紹介はそのまま引用しただけなんだよ」

冬「あ・・・。相馬さんの記事・・・」

968. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/10(土) 02:48:41.82 ID:LfYoVJIxo
紬「」ウトウト

梓(声でしかキャッチボールができない今のこの場所で・・・むぎせんぱいは心細くならないのかな・・・)

澪「相馬さんの北海道の記事って姫子は持っているの?」

姫子「父さんのだけどね。大体読んだよ」

冬「ファンになりますよね!」

夏「続きは明日にして、みんな寝ているから」

冬「あ、うん・・・」

風子「」スヤスヤ

律「はは、ここで寝ちゃってるよ」

冬「風邪ひくといけませんから・・・」ファサ

夏「冬ねぇがひいちゃうでしょ」ファサ

風子「」スヤスヤ

律「三の字で寄り添って寝ろよ」

澪「枕の位置変えないといけなくなるだろ」

紬「」スヤスヤ

梓(私だったらどう思うんだろう・・・)

律「姫子が免許取る決意が生まれたのって、やっぱ玉恵ちゃんの影響?」

姫子「影響は受けたけど、背中を押してくれたのは相馬さんだよ」

律「マジで・・・?どうしてだよ」

姫子「昔の記事・・・といっても、まだ新人扱いの隅っこの欄に載ってたんだけど」

冬「そ、それは・・・!?」ゴクリ

夏「動かないでよー」

姫子「それはね―」


『むき出しの身体で、バイクと一緒になって、風を切り裂くように走ったり、のんびり穏やかに流れてみたり、

  全身使って動かして、身体中で世界を感じながら走る。そんな気分になった

  車よりも不便だけど、自転車よりも早くて。鉄道よりは疲れるけど、思いついた瞬間に曲がって止まれるバイク

  旅する相棒としては最高だなって、真剣にそう思うぜ』


姫子「―ってさ。私も自分で走ってみたいって思った。誰かの後ろじゃなくて」

冬「わぁ・・・」キラキラ

夏(表情見えないけど嬉しそうな顔してるのは分かるな・・・)

律「『思うぜ』って・・・若いなソーマ・・・」

姫子「高校卒業してすぐ書いたみたいだから・・・。実質私らと変わらないよ」

いちご「・・・」

紬「」スヤスヤ

梓(果たせる約束を私たちは結ぶ事ができるのかな・・・)

969. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/10(土) 02:49:44.11 ID:LfYoVJIxo
澪「『緑』と『風』・・・」

律(最近・・・見ている方向が・・・違う気がする・・・・・・。気のせいかな・・・)ウトウト

冬「起きてて・・・よかっ・・・たぁ・・・」ウトウト

夏「限界だね、おやすみ」

冬「」スヤスヤ

澪「おやすみ」

姫子「おやすみ」

律「」スヤスヤ

梓(気軽に約束を交わせなくなったのかな・・・それはそうだ。月曜日には・・・)モゾモゾ

純「聞いてた?」

梓「え?」

純「・・・なんでもない」

梓「?」

夏「・・・」モゾモゾ

梓「・・・夏に聞きたいことが」

夏「ん?」

梓「その・・・あの発作・・・っていうのかな」

夏「・・・うん」

姫子「・・・」

梓「発作が起きるのに・・・どうして冬の近くに・・・いたの?」

夏「・・・それは」

純「・・・」

夏「嬉しいじゃん。冬ねぇの側に誰かが居てくれんの・・・。忘れるくらい見ていたかったから」

梓「・・・」

夏「逃げて楽になるより、ちゃんと噛み締めていたい時間だったから」

梓「・・・そう」

姫子「・・・っ」

夏「・・・・・・ありがと」ボソッ

純「・・・」

梓「・・・え?」

夏「おやすみぃー」

梓「うん・・・。おやすみ」

970. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/10(土) 02:51:15.35 ID:LfYoVJIxo
姫子「目が覚めちゃった・・・」

いちご「みんな寝てるのにね」

純「まだ起きているのって、私たち4人だけですか・・・?」

梓「・・・」

シーン

梓「・・・なんだか心細いです」モゾモゾ

純「母親が先に寝ちゃって不安になる子供みたい」

梓「・・・まだ、子供だよ」

姫子「どうしてむぎは・・・自分を表現することにためらいがないのかな・・・?」

いちご「・・・」

梓「きっと、あるがままの心を持っているんです。人をまっすぐみて、人のこころに触れてしまえるから
    周りの人を安心させて・・・。それがどんどん広がって・・・だから、むぎせんぱいも楽しいのではないでしょうか
    そんなこと聞いたこと無いですから分からないですけど」

紬「」スヤスヤ

いちご「あるがままの心を持てないのは弱さ・・・なのかな」

梓「弱さだとしたら・・・それはきっかけになると思います」

純「自分が強くなる為の?」

梓「うん」

いちご「いつの間にか築いた、自分らしさの檻の中で・・・もがいて・・・」

姫子「それは私?」

いちご「違う・・・。私・・・」

姫子「・・・」

いちご「自分ができなかった事を、姫に押し付けてた・・・。ごめんね」

姫子「いいって・・・」

梓「・・・」

純「・・・」

971. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/10(土) 02:52:35.36 ID:LfYoVJIxo
いちご「・・・梓」

梓「なんですか?」

いちご「旅って・・・なに・・・?」

純(核心をつく問いだと・・・思う・・・)

姫子「・・・私も聞きたい」

梓「夏の旅で・・・むぎせんぱいと出会った人がいて・・・その人と一緒に『旅に出た意味』を探していたんです」

姫子「『旅に出た意味』・・・」

梓「出会いがあって別れがあるのが旅・・・。唯先輩とあの子が別れた後、とても寂しそうだったんです」

唯「」スヤスヤ

いちご「・・・唯が?」

梓「はい。でも、すぐいつもの唯先輩の戻りましたけど・・・」

姫子「・・・」

梓「唯先輩が感じた寂しい事、出会ったその人が見つけた楽しい事。時間が過ぎればそれは忘却の彼方です」

純「・・・」

梓「それはとても切なくて、苦しくて、大切だから取り戻したくて・・・」

いちご「・・・」

梓「だから人は、新しい時間を見つける為に・・・、旅をするんです」

姫子「それは、時間の上書きになるんじゃない?」

いちご「・・・代わりの時間を見つけるだけなら、埋もれていった時間がいつかは消える」

梓「・・・」

純(紬先輩と見てきた旅を問いただされた・・・)

姫子「時間の流れはそんなに優しいものじゃないよね」

梓「・・・そうですね。この先に避けきれない別れがありますから」チラッ

紬「」スヤスヤ

いちご「別れの時に学ぶことがあるから、人は出会うの?」

梓「・・・そうなんだと思います。誰かとずっと一緒にいられることは絶対ではありませんから」ジー

紬「」スヤスヤ

純「・・・」

姫子「・・・」

いちご「・・・」

972. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/10(土) 02:55:01.68 ID:LfYoVJIxo
梓「時間が流れれば、その場所は風化していくんでしょうね。あるいは風景を変えてしまって
    元々あった、残っていて欲しいと思う場所ではなくなるんです。時間はそういうものです」

紬「」スヤスヤ

梓「それでも、人のこころにはずっと残るものだと信じています」

姫子「どうして?」

梓「あるがままの心を持っている人がいるからです」

紬「」スヤスヤ

いちご「!」

梓「だから、私は・・・今までむぎせんぱいと、先輩方と過ごした旅を疑わないです」

純「・・・」

梓「ずっと・・・残して・・・いきたい・・・です・・・」

姫子「そっか・・・。ありがとう」

いちご「おやすみ」

梓「おやすみ・・・なさい・・・です」ウトウト

純「・・・」

いちご「・・・」

梓「」スヤスヤ

唯「」スヤスヤ

姫子「私も寝る」

いちご「・・・うん」

純「おやすみなさーい」

律「」スヤスヤ

夏(難しかったけど、なんとなく分かる気がした・・・。怖い別れってある・・・)

冬「」スヤスヤ

夏(ごめん・・・逃げてばっかりで・・・)グスッ

姫子「・・・」ナデナデ

夏「・・・っ!」

紬「」スヤスヤ

澪「・・・」

978. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:01:33.91 ID:8Tvag5feo

9月23日


チュンチュン

アキヨ「・・・!?」ガバッ

さわ子「あら、おはよう」

アキヨ「ここは・・・?」キョロキョロ

さわ子「春子ちゃんとこの道場よ」

姉「よいしょっと」

アキヨ「・・・」

さわ子「それじゃ、後でね」

アキヨ「?」

さわ子「学校に来るでしょ?学園祭の準備」

アキヨ「・・・はい」コクリ

姉「行きましょうか」

さわ子「はい。アキヨちゃん、みんなによろしくね〜」

姉「ばいばーい」フリフリ

ガラガラッ  ピシャ

アキヨ「帰るつもりだったのに・・・」ピッ

美冬「」スヤスヤ

アキヨ(・・・6時前・・・みんなを起こすべき・・・?)

ちか「」スヤスヤ

チュンチュン

アキヨ(寝よう・・・)バタリ

多恵「」スヤスヤ

三花「」ムニャムニャ

アキヨ(枕投げを・・・している・・・所まで・・・覚えてるけど・・・)ウトウト

慶子「」スヤスヤ

潮「」スヤスヤ

アキヨ「」スヤスヤ

979. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:02:23.65 ID:8Tvag5feo
夏「っくしゅん」

姫子「」スヤスヤ

いちご「」スヤスヤ

夏「ぅん・・・?・・・ここどこ・・・・・・あ」

冬「」スヤスヤ

夏(ゆめ・・・じゃ・・・なかった・・・)

風子「」スヤスヤ

夏「・・・よかった」

冬「」スヤスヤ

夏「・・・」モゾモゾ

冬「ぅ・・・」クルッ

バシッ

夏「いっ・・・た」

冬「」スヤスヤ

夏(いつつ・・・今までの・・・報い・・・かな・・・)

唯「」スヤスヤ

夏「・・・寝よ」

澪「」スヤスヤ

夏「」ウトウト

律「」スヤスヤ

夏「」スヤスヤ

紬「・・・?」ノッソリ

梓「」スヤスヤ

紬「・・・」ガサゴソ

ピッ

紬「・・・」ボケー

パタン

紬「・・・」ゴソゴソ

チュンチュン

紬「」スヤスヤ

980. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:04:19.79 ID:8Tvag5feo

―――――昼・3年生のクラス


「あぁ・・・また・・・予定が合わなかったなぁ・・・」

「いいなぁ、みんなでお泊り・・・」

エリ「今度は行こうね」

「・・・」

「次って・・・あるの・・・?」

エリ「あ・・・」

三花「紬ちゃんが・・・」

「・・・うん」

アカネ「・・・」

潮「おーい、としみー!」

としみ俊美「「  はーい!  」」

潮「ふふ」

信代「人を呼んで遊ばないでくれるかな」

俊美「えぇと、どっちのとしみ?」

信代「野点班のとし美ね」

とし美「はいはい、なんでしょう」

潮「けいこが呼んでるよー」

圭子慶子「「  え?  」」

信代「いい加減にしときなさい」ビシッ

潮「いて」

とし美「潮ちゃん、遊びで呼んだだけなの?」

俊美「・・・」ジー

圭子「私たち呼んでないよね?」

慶子「・・・ねぇ?」ジー

潮「あはは、屋台班から差し入れー」

圭子「・・・これは、知らない料理だね。同じ屋台班の俊美ちゃん知ってる?」

俊美「ううん。これメニューに無い料理だよ」

信代「野点班のとし美と慶子も食べてよ」

とし美慶子「「  いただきまーす  」」

エリ「私たちの分ある?」

潮「無いんだー。まだ食べたことが無い人優先だから、悪いね」

三花「がっかり」

アカネ「えっと・・・なんだっけ。ひらーなんとか」

風子「ヒラヤーチーだよ」

エリ「そうそれ。おいしかった」

981. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:05:14.46 ID:8Tvag5feo
「薄い生地だね。お好み焼きを質素にしたみたい」

信代「まきもまだ食べてないでしょ?どうぞ」

まき「いただきまーす」

潮「味はどう?」

とし美「変わった味だね・・・。おいしいけど」モグモグ

慶子「うん」モグモグ

信代「今新作作っててさ、後でもってくるよ」

エリ「新作?楽しみ!」

風子「楽しみにしてくれると作り甲斐もあるよ」

信代「そうだね」

潮「そっちの作業状況はどう?」

アカネ「2年生も来てくれてるから、概ね順調」

信代「そっか。よかった・・・って、純は?」

三花「ジャズ研へ練習に行ったよ。2時間後にまた後で来ると言ってた」

信代「そっち方面も頑張ってるんだ」

圭子「・・・」モグモグ

まき「・・・普通だね」モグモグ

潮「・・・人それぞれ個人差はあるよねー」

エリ「?」

信代「それをいちごに習って、作ったの潮」

風子「自分を励ましているんだね」

潮「」グサッ

982. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:06:19.61 ID:8Tvag5feo
純「お腹すいたー」フラフラ

アカネ「もうそんな時間なんだ・・・」

三花「あっという間だね」

純「その空になったお皿にはなにが載っていたんですか?」

春子「ひらやちーだって」

風子「違うよ、ヒラヤーチーだよ」

三花「ふぅちゃん細かいね」

純「惜しい事をしたぁ」グゥウ

春子「そろそろお昼休憩にしない?」

信代「そうしようか・・・。って、なにしてんの純?」

純「お腹がすいて動けないです」フゥ

三花「そういえば、私たち朝ごはんも碌に食べて無かったね」

春子「バタバタしていたもんなぁ」

まき「どうしてバタバタ?」

風子「学校に九時集合だったでしょ?起きたの八時半だったの」

俊美「あの後どうしたの?私たちを見送る散歩の後ね」

潮「枕投げして、夜中に雑談して、眠りについたよ」

まき「そういうの・・・参加したかったぁ・・・」

圭子「遅くまで話していたとか?」

ちか「なんの話し〜?」

純「それ!なんですか!?」

いちご「ポーポー。またの名をチンビン」

「「  ?  」」

風子「ブフッ」

純「食べていいですか!?」

ちか「どうぞ」

純「はむっ」

信代「こうやって巻くんだ・・・」

まき「私もいただきます」ヒョイ

三花「あ、わたしも!」ヒョイ

いちご「・・・どうして笑ったの」

風子「バカにしたわけじゃないよ!」

いちご「・・・それじゃどうして?」

風子「変な事言ってるなぁって」

春子「ヒラヤーチーを言った風子も変になるよ、それだと」モグモグ

983. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:07:18.69 ID:8Tvag5feo
いちご「風子の分は・・・無い」

風子「いいよー。勝手に取るから」

純「もう一ついただきます」ヒョイ

風子「あ・・・」

ちか「残念でした」

俊美「ちゃんちゃん♪」

純「おいしい〜」モグモグ

潮「ちゃんちゃん♪って効果音はなに・・・?」

とし美「・・・」ジー

俊美「・・・あ」

エリ「俊美ちゃん、こんな事いうんだ〜」

ちか「ほぉ〜」

ますみ「俊美は・・・言う・・・」

アカネ「意外・・・」

俊美「・・・」ソワソワ

風子「そんな事より私の・・・なんだっけ?」

いちご「・・・」

ちか「チンビンだよ」

風子「もう一つ名前があったよね?」

信代(いちごに言わせようとしてるな・・・)

いちご「教えない・・・。絶対に・・・」

風子「諦めない・・・。絶対に・・・」

いちご「無駄な決意・・・」

春子「いや、無駄な攻防だよ」

純「黒糖入っていますよね」

ちか「よく分かったね!すごいよ純ちゃん!」

慶子「私もなんとなく分かった」

三花「私も分かってた!」

潮「私も分かっていた!」

ちか「作っているところみたでしょー」

潮「はい」ニンマリ

信代「嬉しそうだね・・・」

984. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:08:06.99 ID:8Tvag5feo
圭子「それで、遅くまで話をしていたの?」

慶子「う、うん・・・」

潮「姫ちゃんがねー」ニンマリ

ちか「そうそう姫ちゃんがねー」ニコニコ

とし美「姫ちゃん・・・?姫子さんだよね?」

春子「そう。姫ちゃんが夜中うるさくって〜」

まき圭子ますみ俊美「「「「  え・・・  」」」」

つかさ「・・・」ポロッ

コロコロ

風子「サイコロ落ちたよつかさちゃん」

英子「サイコロじゃないよ。ただの箱だよ」

潮「結構いい事も言っていたよね」ニンマリ

いちご「・・・」

エリ「ちょっと感動しちゃったり」

アカネ「驚いたり」

風子「怒ったり」

信代「怒ってはいない」

純「ごちそうさまでした。ちょっと濃いかもしれないですね」

いちご「黒糖使っているからしょうがないと思う。それがこの料理の持ち味」

純「なるほど。2年生の分はあるんですか?」

ちか「千雨ちゃんが・・・ほら」

純「本当だ・・・。もう一個食べてこよーっと」

風子「2個も食べたでしょ。・・・私の分」

純「あはは、そうですね」

春子「これからお昼休憩だって伝えておいて」

純「アイサー」ビシッ

テッテッテ

985. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:08:43.04 ID:8Tvag5feo
まき「・・・」

とし美「どうしたの?」

まき「私たち・・・、3年生に対して物怖じしないなぁと思って」

三花「純ちゃん?」

まき「・・・うん」

エリ「私もそう思って聞いたことあるよ。どうして接点の無かった私たちに自然に構えることができるのって」

アカネ「その回答は?」

エリ「『一歩退いて会話していたら、伝わらない事が増えるじゃないですか』って」

ますみ「相手が嫌がる事の方が多いんじゃないかな・・・」

エリ「・・・」

俊美「踏み込んでくる人を怖がる人はいるから」

潮「一定の距離がないと他人に心を開けないもんねー」

風子「多分、天――」

いちご「天秤にかけて、どっちが重要なのか、どっちがより楽しい事なのか知ってるんじゃないかな」

まき「・・・」

とし美「失敗しても?」

信代「初対面の人には出来ないでしょ、ある程度の距離を計ってそうしてるのかも」

風子「私は、もう1人――」

いちご「もう1人そういう子を知っている」

まき「・・・?」

エリ「あぁ、梓ちゃんね・・・」

いちご「うん」

風子「・・・」

英子(天敵を作ってしまったのかな・・・)

986. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:09:33.21 ID:8Tvag5feo
虎徹「」スヤスヤ

三花「それにしてもコテッチャンは大人しいねぇ〜」

ますみ「・・・可愛い」

俊美「気になっていたけど、このニャンコはどこから連れて来たの?」

エリ「カステラの作り方を教えてもらった駅前の駄菓子屋さんとこの猫ちゃんだよ」

潮「ニャンコ・・・」

虎徹「」モゾモゾ

圭子「どうして?」

エリ「うん。せんべいの作り方を学びに行ったんだけど、おばぁちゃんが病院へ行く所だったの」

信代「え・・・病院・・・?」

アカネ「最近腰を痛めちゃったらしくて、今日は検診の為にね」

春子「・・・ふーん」ナデナデ

虎徹「」ゴロゴロ

エリ「虎徹ちゃんを心配そうにしていたから、思い切って預かってきちゃった」

まき「この子、賢そうだね」

アカネ「・・・う・・・ん」

潮「今歯切れの悪い答え方だったけど?」

アカネ「虎徹と波長の合わない子がいるんだよね・・・」

エリ「あぁ、梓ちゃん・・・」

まき「どういう事だろ・・・?」

慶子「学校に連れて来ちゃっていいのかな・・・」

信代「大丈夫。授業無いから」

いちご「そういう問題じゃないと思うけど」

987. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:10:36.73 ID:8Tvag5feo
美冬「お客さんだよー」

風子「あれ・・・?」

エリ「夏ちゃん・・・?」

夏「こ、こんにちはー・・・」

春子「夏は部の手伝いに行っていたんじゃ・・・?」

三花「お客さんって変だよ・・・?」

夏「あ、あの・・・」

美冬「さぁさ、入って」グイグイ

夏「は、はい・・・」

風子「雰囲気が冬ちゃんみたい・・・」

英子「でも、髪の長さからみて、夏ちゃんだよね?」

風子「もしかして――」

いちご「冬?」

冬「そうです」

和「髪を切ったのね」

冬「は、はい。バッサリと」

風子「夏ちゃんと同じショートにしたんだ〜」

春子「可愛いじゃん」

エリ「かわいいよ」

冬「そ、そんな」テレテレ

988. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:11:07.48 ID:8Tvag5feo
和「お腹が空いたわね・・・。ご飯食べに行かないの?」

潮「もうちょっと関心持とうよ!」

美冬「そうだよ。もうちょっと冬ちゃんの話を聞きましょうよ」

和「え、えぇ・・・」

美冬「どうして髪を切ったの?」

冬「夏に合わせたんです」

潮「夏は・・・終わったんだよ・・・」

和「どういう事なの?」

信代(流した・・・)

冬「以前はずっと一緒の髪型でした。きっと、理由があって夏は髪を切ったと思うんです」

いちご「冬はその理由を断ち切ったと?」

冬「はい。多分ですけど、私に関係している理由で切ったと思うんです」

和「・・・夏が髪を切った理由は知らないのね」

冬「はい。でも、今日からそれぞれの道へ進む為の決意表明です」

風子「・・・」

冬「私たち自身の為にも・・・です・・・」

春子「いいんじゃない?」

ちか「うん。とってもいい事だと思う」

エリ「そうだね。素敵な事だよ」

和「えぇ」

冬「・・・」

風子「・・・っ」

英子「・・・」

989. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:11:40.47 ID:8Tvag5feo
夏「冬ねぇ・・・?」

冬「あ、なつ・・・」

夏「髪・・・」

冬「切っちゃった」

夏「・・・」

冬「変・・・?」

夏「変って言ったら自分まで変になるじゃん・・・」

冬「ふふっ」

夏「・・・いいと思う」

冬「よかった」

990. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/09/11(日) 19:12:08.54 ID:8Tvag5feo
潮「二人並ぶと見分けつかないよね・・・」

和「今は制服とジャージだからいいけどね」

虎徹「・・・!」ピクッ

美冬「?」

虎徹「・・・」ピョン

ますみ「どこへ行くの?」

虎徹「みゃっ」

テッテッテ

三花「コテッチャン!」

エリ「大丈夫だよ、散歩に行っただけだから」

アカネ「ちゃんと戻ってきたよねさっきも」

夏「賢い猫ですね〜」

冬「姫子先輩はまだ来ないんですか?」

いちご「・・・まだバイト終わらないみたい」

冬「そうですか・・・」

春子「用事でもあった?」

冬「えと・・・。その、決意表明を見て欲しくて・・・。心配かけさせちゃいましたから」

風子「いい子だねー」ハァ

俊美「その溜息交じりの褒め方は・・・どういう意味なの?」

風子「呆れるぐらいのいい子っぷりで困ってて・・・」

慶子(リアクションに困る・・・)

和「みんなお腹空かないの?」

潮「空いた・・・」グゥ

春子「それじゃ、中庭で食べようか」

エリ「さんせー」

ちか「さんせっー!」



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最終更新:2011年10月06日 02:02