よつば「え~~~っと。じ、じょしこう?」

とーちゃん「!?」

ジャンボ「よし! コイ!! よつばは俺が連れてってやるからお前は安心して仕事を──」

とーちゃん「お前こそ日曜祝日は店の書き入れ時で休めないんじゃないのか!?」

ジャンボ「うぐっ!!」

とーちゃん「……仕方ない、とーちゃんその日までに今の仕事仕上げられるようがんばる!!」

よつば「おおっ!! がんばれとーちゃん!!」

とーちゃん「と、言うわけで、忙しくなるのでジャンボはもう帰れ!!」

ジャンボ「クソッ!!」


ジャンボ「せめて、写真。写真撮ってきてくれ!!」

とーちゃん「嫌だよ。変質者じゃねーか」

ジャンボ「隣の3姉妹だけでは飽き足らず、どこまでも貪欲な奴め!!」

とーちゃん「むしろ手を出そうって思ってるのはお前の方じゃねーかよ……」

よつば「な~、とーちゃん」

とーちゃん「ん? なんだ?」

よつば「がくえんさいってなんだ~?」

とーちゃん「お前、知らないで行きたいって言ってたのか……」

とーちゃん「ほら、この前、風香ちゃんの学校に行ってケーキ食べたろ?」

よつば「ああ~、あのだまされたやつな」

とーちゃん「(騙された?)あーゆーのが学園祭だ」

よつば「!?」

よつば「あれか!! あのよつばをふこうのずんどこにつきおとした! あれが、がくえんさいか!?」


とーちゃん「そこまでか……」

よつば「そっか~……じゃあ、いかなくてもいいかな……」

とーちゃん「よ、よつばさん!?」

よつば「あんなきもちは、もう2どとごめんだ」

とーちゃん「よつば! 今度の学園祭はもしかしたらとっても素晴らしいかもしれんぞ」

よつば「……とーちゃんがそこまでいきたいっていうなら、いってやらんでもない」

とーちゃん「そうか! ありがとうよつば!!」

ジャンボ「見苦しいぞ、コイ!!」

とーちゃん「う、うるせぇ!!」


……

唯「ただいま~憂」

憂「おかえりお姉ちゃん……って!?」

憂「お姉ちゃんその格好で帰ってきちゃったの!?」

唯「ん? ……はっ!?」

唯「16才Tシャツ着たまま帰ってきちゃった!!」

唯「どおりですれ違う人の視線が集まると思ったよ……」

憂(お姉ちゃんは何着てもかわいいよ///)



そして、学園祭当日


風香「あの……すみません、電車賃だしてもらっちゃって」

とーちゃん「いや、こちらこそお招きいただきありがとう」

風香「は、はぁ……」

よつば「すごい! おまつりだ!!」

とーちゃん「本当だな、風香ちゃんの学校より色々ありそうだな」

よつば「ふうかのとこのがくえんさい。あれはダメだった」

風香「なっ!? あの日は雨だったからよ!!」

よつば「よつばはあめのせいにするのはいけないとおもう!!」ドン!!

風香「ご、ごめんなさい!?」

よつば「こっちはきたいできる」

とーちゃん「ここまで来といてなんなんだけどさぁ……」

とーちゃん「本当に俺なんかが入って大丈夫なもんなの? 女子高って」

風香「何ですか? 怖気付いちゃったんですかぁ~」

よつば「まったく! これだからおとこは! まったく!」

とーちゃん「おまえなぁ……」

風香「普通に居ますよ、男の人」

とーちゃん「あ~、本当だ」

とーちゃん「で、どうすんの?」

風香「ちょっと友達の携帯にかけてみますね」

風香「……あ、唯ちゃん? 今ついたよ」

風香「……うん、うん。分かった」

風香「旧校舎の3階の音楽準備室が部室らしいです」

よつば「とーちゃん! はやく!!」

とーちゃん「おいコラ待て! ったく。悪いけど、風香ちゃん先行っててくんない?」

風香「わかりました」



軽音部 部室


唯「いらっしゃ~い」

風香「こんにちは」

澪律紬梓「こんにちは~」

風香「えっと……、綾瀬風香です。 風 香る──と書いて ふ・う・か」

唯「うわ~。いいねその紹介の仕方!!」

唯「じゃあ私も! え~っ、平沢唯です。平らな沢です」

律「そのままじゃね~かよ……」

唯「む~。りっちゃんなんか田んぼの中に井戸があったって感じじゃん」

唯「田舎くさ~い」

律「な、なんだと~!!」

唯「澪ちゃんは……秋の山みたいによく肥えるようにって親が付けてくれたんだね、きっと」

澪「こ、肥えるって……。だいたい苗字は親がつけるもんじゃないだろ」

唯「ムギちゃんは琴吹だから……」

澪「聞いちゃいねぇ……」


紬「私の苗字の由来はご先祖様がお琴の達人で、一度琴を弾いたら
  一帯に嵐が吹き荒れるほどの素晴らしさだったからって聞いたことがあるわ」

唯「へ~、スゴイね!! だから琴吹か」

紬「うん。今、私が作ったんだけどね」

律「嘘かよっ!!」

澪「それっぽ過ぎるだろっ!!」

唯「で、あずにゃんはね……」

梓 ドキドキ

唯「あ゛~~、なんか考えるの疲れちゃったからいいや……」

梓「そんなっ!?」ガーン!!

風香(なんだか唯ちゃんがこうなるってのもうなずける環境よね)

風香「……っていうか私の存在忘れてない!?」


……

よつば「なーなー」クイクイ

和「ん?」

よつば にたぁ~♪

和「なに? どうしたの? もしかして迷子?」

よつば「ねーちゃんけーさつか?」

和「えっ? この帽子のこと言ってるのかしら?」

よつば「メガネかしてー」

和「ち、ちょっと……」

和(3_3)「私の相当度がキツいんだけど」

よつば「お?……お?お?」フラフラ

和(3_3)「ほら、危ないわよ」

よつば「あははは! ねーちゃんにはこんなふうにみえてるのか~」

和(3_3)「早く返してもらえないかしら?」

よつば「うん。よつばがかけてあげるからしゃがんで~」

和(3_3)「ありがと」


とーちゃん「お~い、よつば~」

よつば「そうだ!? いまよつばは、とーちゃんとおにごっこしてるんだった!!」

よつば「じゃ~な、ね~ちゃん!!」

和(3_3)「ち、ちょっと。ちゃんと眼鏡かけてくれなきゃ!!」





和(3_3)「見えない……」

和(3_3)「メガネ、メガネ……」ウロウロ……


「ま、真鍋さん? 何してるの?」


和(3_3)「あ、私の眼鏡その辺に落ちてたりしてない?」

「えっ? その帽子の上にかかってるやつじゃ……」

和(3_3)「……」







和 スチャッ

和「なんちゃって☆」

(真鍋さんって結構面白い人なのかな……)


……

純「憂~焼きそば追加入るよ~」

憂「任せて~!」

よつば「なにやってるの?」

憂「うわっ! ビックリした!!」

憂「ダメだよ、そんなとこに登っちゃ」

よつば「はーい」

憂(緑色の髪?)

憂「もしかしてよつばちゃん?」

よつば「!?」

よつば「なんでしってる!?」

憂「さぁ~、なんででしょ~」

よつば「おかねめあて?」

憂「なんでそうなるの?」


憂「唯って誰のことか分かる?」

よつば「ゆいな、しってる!!」

よつば「ゆいは、ひだりからきて、16ってかいてるへんなふくでへんなおどりをします」

憂「変な服って……。まぁそうなんだけど、すごい言われようだよお姉ちゃん……」

憂「あのね、その唯の妹が私なの」

よつば「なるほどな~。よつばのよそうどおりだ」

憂「ふふっ。お姉ちゃんの言った通り面白い子だね」

憂「平沢憂って言います。よろしくね」

よつば「こいわいよつば! ういはへんなふくきないのな」

憂「う、うん。今は制服着てるからね」

よつば「せーふくな、しってる。だいたいわるいやつがするやつな」

憂「ん?」


とーちゃん「おーい、よつばー」

よつば「もうここまでおってがきた!!」

よつば「じゃあなうい。わるさもほどほどにしろ。な?」

憂「う、うん? じゃあね」

純「憂~! 焼きそばまだ~?」

憂「うん、ごめんね! もうすぐ!」



  ワイワイ キャピキャピ

風香「ところでここって軽音部の部室なんだよね」

唯「うん。そうだよ」

風香「なんでティーセットがあるの? それに楽器も見当たらないし……」

風香「やっぱり、唯ちゃん、嘘ついてたでしょ?」

唯「ヒドイ! みんなもなんか言ってやってよ!!」

律「確かに唯を見てバンドやってるなんて思わないよな……」

唯「りっちゃんまでっ!?」

澪「楽器や機材はもう講堂の方まで運んであるからここにはもうないんだ」

梓「唯先輩も舞台に上がれば結構すごいんですよ。信じられないでしょうけど……」

唯「あずにゃんもひとこと多いよ」

紬「ティーセットは私たちの習慣、かしら」

唯「そうそう、バンド名も放課後ティータイムだし」

律「よし! せっかくだから風香にもお茶していってもらうか」

紬「じゃあ、準備するわね」


風香「いいの? 高そうなケーキだけど……」

紬「いいのよ、家にたくさん余らしておくのも勿体無いから」

風香(ケーキ屋さん?)

唯「そう言えば、よつばちゃんは来てないの?」

風香「ああ、今お父さんと一緒に色々回ってると思うよ」

律「だれ?」

澪「ほら、唯が話してくれてたじゃないか」

梓「たしか、緑の髪の女の子でしたよね」

唯「うん。すっごくかわいいんだ」

紬「私も会ってみたいわ」


よつば「ここからケーキのいいにおいがするっ!!」ガチャ!!

唯澪律紬梓「!?」

風香「犬っ!?」

とーちゃん「はぁはぁ……、やっと追いついた……」

よつば「あっ!? ふーかだ!!」

とーちゃん「よつば、迷子になったら泣くのはお前だぞ」

風香「紹介するね、小岩井さんとその娘さんのよつばちゃん」

とーちゃん「ど、どうも」

よつば「こいわいよつばです! ふーかがおせわになってます」ペコリ

とーちゃん「どこでそんな言葉覚えてくるんだ?」

唯「やっほ~。よつばちゃん」

よつば「???」

唯「あれ? もう私のこと忘れちゃったの?」

唯「ほら、ギュイーン!!」

よつば「!? ゆいか!!」

よつば「あのへんなふくじゃなかったから、わからなかった」

唯「……あ、ああ。そっか」


よつば じ~~~~~~~~っ

澪「な、何?」

よつば「な~、とーちゃん。このねーちゃんはビミョーニョだな」

澪「び、微妙!?」ガーン!!

とーちゃん「おいおい、違うだろ、美少女だ」

よつば「あ~、それな」

澪「ぼっ///」

よつば「かみもながくてきれいだな。あさぎみたいだ」

唯「あさぎ?」

風香「私のお姉ちゃん。私が言うのもなんだけど結構綺麗なんだ」

よつば「あさぎはきれいだ。でもふーかは、びしょうじょからただのしょうじょになった」

風香「なっ!?」

よつば「こればっかりは、よつばでもどうしようもない……」


よつば「でも、ねーちゃんは、よつばがみるかぎりくつがえりそうもない」

唯「澪ちゃんっていうんだよ」

よつば「そうか。とーちゃん、みおはきれいだな」

とーちゃん「ああ、そうだな」

澪「な、な、な、な///」

よつば「どうした? みお。かおがまっかだぞ」

律「よつばちゃん? その辺にしといてやってくんない?」

律「本番が近いからこれ以上オーバーヒートしたらヤバイ」


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最終更新:2010年01月25日 05:10