先生「これで大丈夫。軽い脳震盪だと思うからしばらく休ませてあげて。あなたこのあと時間は?」

律「大丈夫です。」

先生「そう。じゃあ私ちょっと会議行ってくるから、あなた付いといてあげて。」

律「分かりました。」

先生「もしその子の様子がおかしかったらすぐに言ってね。万が一の場合は病院連れて行くから。」

律「はい。・・・ありがとうございます。」

--ガラガラ ピシッ

律「和・・・ごめん。」

和「んぅ・・・。」

律「あ、気が付いたか?気分はどうだ?」

和「律・・・?ここは・・・保健室?」

律「さっき隠れた部屋でお前が急に倒れたんだ。それで運んできたの。先生は軽い脳震盪だからしばらく休めって言ってたよ。」

和「それは悪かったわね。今度お礼にご馳走させて。」

律「いや、いいよ。・・・さっきは私もごめん。」

和「いや、私のほうこそ悪かったわ・・・バンドのことでしょ?私は部外者だもんね。」

律「いや・・・聞いてくれ・・・実は・・・」

~~~

和「・・・それで自分が嫌になったの?」

律「そう。・・・だから辞めようって。」

和「あんたはやっぱりバカね。」

律「そうだよ。私はバカなんだ。だからもう辞めるんだ・・・。」

和「殴るわよ?・・・思い出してみなさいよ。あの文化祭のライブ。」

和「あんたたちのライブ。お客さんの盛り上がり。歓声と拍手。忘れたわけじゃないでしょ?」

和「あれは放課後ティータイムだったから・・・あんたたち5人だったから、あれだけのことが出来たのよ?」

和「今では校内にだって少しファンクラブもあるわ。澪のだけじゃなくて、放課後ティータイムのね。」

律「・・・。」

和「それにあんたに直接言っては無いと思うけど、唯がいつも「りっちゃんは凄い!」って言うのよ。」

和「あの子ね。いままでやってこれたのはりっちゃんのおかげだっていつも言ってるわよ?」

和「一からギター教えてやるって言ってくれたのも、ギター買うために一緒にバイトしようって言ってくれたのも、全部律だって。」

律「・・・。」

和「あんたは勝手に劣等感感じてるんだろうけど、唯だって梓ちゃんや澪や紬ちゃんに劣等感感じてた。」

和「私に相談もしてきたよ。「皆走ってちゃうから追いつくのに必死だーよー。」って。」

和「なにより律、あんたには「とても勝てない!」って言ってたわよ。」

和「まぁ唯は"劣等感"を分かってなかったけどねw」

律「・・・ふw唯らしいなw」

和「あんたウジウジ劣等感感じてないで、応援してくれる人が、一緒に頑張ってくれる仲間がいるんだから、そういう人たちに本音ぶつけてみなさいよ。」

和「本音ぶつけて、あなたも本音を受け止めて、そうして成長してけばいいじゃない。」

律「・・・そうだな。そうかもな。」

和「それに、そういうときは私にも相談しなさいよ!私たち友達でしょ?仲間はずれにしたら拗ねるわよ?」

律「・・・ふふふw拗ねる和も見てみたい気もするけどww」

和「・・・///」

律「・・・ありがとう。和と友達でよかったよ。もう一度ちゃんと皆と話てくる。本当にありがとう。」


--ガラガラ

澪「律!?」

梓「律先輩!?」

律「さっきはゴメン。皆の話も聞かずに。」

澪「いや、そんなことは・・・。」

さわ子「じゃあ邪魔者の私は退散するわ。」

澪「邪魔者だなんて・・・。」

さわ子「放課後ティータイムはあんたたちなんだからね。じゃあね。」

--ガラガラ バタンッ

律「もう「問答無用で辞める!」なんて言ったりしない。だから、お前らの本音を教えてくれ。」

律「私も本音で喋るからさ!」

澪「律・・・。」

紬「りっちゃん・・・。」

律「・・・そうか。」

梓「そうです!だから、もう一度一緒にやりましょう!」

律「・・・。」

澪「律・・・。」

紬「りっちゃん・・・。」


--ドタドタドタ ガタガタ バタンッ

唯「うぇ~~ん!!りっちゃんに追いつけなかったよぉおおお!もう多分帰っちゃったん・・・って、りっちゃん!?ナンデココニ???」

梓「唯先輩!ちょっと、空気読んでください!!」

律「ぷっふふはははwwあははははwwwww」

唯「????」

律「決めた!辞めるのやーめた!!」

澪「律!?」

唯「ほえ?」

律「ったく、お前らには私がいないとダメなんだなぁwwさぁー!練習すっぞー!!!」

梓「律先輩・・・!」

律「唯・・・ありがとうな。お前のおかげで思い出したよ。」

唯「ほえ?え?りっちゃんやめるのやめるって・・・え!?ってことは辞めないの!?一緒に演奏出来るの!?」

律「そうだよwww」

唯「ほわあああ!!!りっちゃんが帰ってきたよおおおお!!!」

律「ありがとな。やっぱりバンドは・・・苦しくても辛くても楽しくやるもんだよな!」

澪「律・・・りーつー!!」

--ガバッ

律「ちょwww澪wwww泣くなwwww」

澪「だってぇーだってえええええええーうわぁあああ」


律「皆様、このたびは本当にお騒がせしてごめんなさい。」

唯「ほんとーだよ!まったくー!私必死で走ったんだからね!!」

律「悪かったってww怒るなよwww」

梓「でも、帰ってきてくれてよかったです。」

紬「放課後ティータイムは5人じゃないとダメなのよ。この5人だから放課後ティータイムなのよ。」

澪「一人で突っ走っても、我侭でも、やっぱり皆律のドラムが好きなんだよ。」

律「私モテモテじゃないか!うむ、苦しゅうないぞ!」

唯「ぶー!りっちゃんのあほー!ばかー!辞めるなんて許さないんだからー!」

律「唯ww悪かったって!機嫌直せよ!あ、そうだケーキ奢るよ!」

唯「本当!?ケーキご馳走してくれるの!?」

律「あぁ。本当だよ。」

唯「お嬢様、肩でもお揉みしましょうか?」

澪梓「変わり身早っ!?」

--ジャガジャーン♪

律「唯のソロのとこなんかもっとこうなんとかならね?」

唯「うーん・・・あずにゃん。どうしたらいいかな?」

梓「そうですねぇ・・・最後のところをグリスするといいですよ。」

唯「グリス?」

梓「そうです。次の音へのつながりも調度いいですし。」

澪「そうだな。」

唯「グリスかぁ・・・りっちゃん!お金貸して!」

律「へ?なんで?」

唯「今からホームセンター行ってグリス買ってくるから!」

律「なんでやねん!」



こうして今日も軽音部の平和は保たれているのであった。
-終-






最終更新:2011年10月12日 04:47