唯「ただいまー。うーいー、和ちゃん連れてきたよー」
和「おじゃまします」
憂「あ? ああ、まあ上がれよ」
唯「また髪下ろしてる。何かあったの?」
憂「中野と喧嘩したんだよ。あのぶりっ子め、爪で引っかきやがって」
和「所詮は威力35よ。なんで喧嘩なんてしたの?」
憂「知らねえよ体育の時間に黒ゴマって言ったら急にキレだしたんだよ」
唯「憂、ホントのこと言うときは相手を傷つけないようにしなくちゃ」
憂「んなこと言ったってよお俺ぁ晩飯の話してただけなんだぜ?」
唯「知らねえよなんて言っておきながら説明したじゃんさっき」
憂「そっちかよ。中野の話じゃねえのかよ」
唯「でもあずにゃんてホントに黒ゴマなの?」
憂「黒ゴマだよ。ほとばしるほど真っ黒乳首だよ」
和「ほとばしってるの?癌なんじゃないのそれ」
唯「あーあ、もう憂にも感染したー」
憂「いやだよ乳がんとかこの歳でなる病気じゃねえだろ。タッチ」
唯「うわ、黒ゴマ菌がついた!和ちゃんタッチ」
和「ビームタッチ!」
憂「バリアー!」
和「バリアー言う前に当たったわ」
憂「ったってねーよ!タッチ~」
唯「いちやんぴー。無効だもんねー」
和「にーやんぴー」
…
唯「お腹すいた」
憂「まだ4時だよ。なんで今日部活してこなかったんだよ」
唯「……ホントだ、私部活行ってない……」
憂「おい大丈夫かこいつ」
和「憂がいちばんよく知ってるはずよ」
憂「どうすんだよ部活」
唯「とりあえずあずにゃんに電話しよ」ピポパ
梓「もしもし」
唯「あ、あずにゃん?今日部活ってあるの?」
梓「ありますよそりゃあ。来れないんですか?」
唯「ってゆーかもう家帰っちゃった。和ちゃんもいるよ」
梓「何も言えねえ」
唯「憂と喧嘩したの?」
梓「なんですか藪から棒に」
唯「難しい言葉使わないで。憂と喧嘩したの?あずにゃん」
梓「しましたよ。事実無根のことを言うんですもん」
唯「嘘なの?」
憂「黒ゴマは黒ゴマだろうが」
梓「憂いるの!?ちょっと代わってください!」
唯(CV:憂)「イヤだよカス。死に絶えろ」
梓「唯先輩まで私の敵になった!」
…
和「なんか髪下ろした憂って新鮮ね。可愛いわ」
憂「え、そ、そうかよ」
唯「ねー可愛いよねー。耳にかけてるあたりがエロス感じるよねー」
憂「ば、っかそんなこと言うんじゃねえよ…」
和「唯とはまた違った趣があって可愛い」
唯「私の自慢の妹だもん。そりゃあ可愛いよ」
和「可愛い」
唯「可愛い」
憂「うぅ……」
憂「も、いいよ……」プイ
和「あ、元に戻した」
唯「三割増しで可愛かったのに(今度からこれ使お)」
梓「ちょっとー!?もしもーし!!唯せんぱーい!!?」
唯「うるへー」ブチッ
……
唯「男に生まれたかったなあ」
和「生理?」
唯「うん。お腹痛いし頭痛い」
唯「ああああ男の子に生まれてたら憂から『お兄ちゃん』って呼ばれるのかあいいなあお兄ちゃん」
唯「それに合法的に和ちゃんと恋人同士になれるじゃんうわホントもう男の子がよかったなあああ」
唯「力あるからギターも重くないし手おっきいからコード押さえやすいしいいことづくめじゃん」
唯「ああああ憂にお兄ちゃんって呼ばれたいよお帰ったら試してみよっかなあいいなあお兄ちゃん」
唯「あ゛、でも男の子だったら桜高に入れないじゃんってことは和ちゃんと学校違うし軽音部のみんなとも学校違うじゃんそれはイヤだよお」
唯「あああああああ生理のときだけ男の子になんないかなあもうホント辛い誰か代わってよもおおおおお」
唯「………」
和「……どしたの?」
唯「ちょっとリバースしてくるね」ダッ
唯「た…だい…ま……」
憂「おかえり…てどうしたのお姉ちゃん。顔色悪いけど」
唯「う…い……」バッタリ
憂「お姉ちゃん!? お姉ちゃんしっかりして!!」
唯「うい…私ね、死ぬ前に一度だけでいいから…」
唯「憂にお兄ちゃんって…呼ばれ…たかっ…た……」
憂「お姉ちゃん!? お姉ちゃん!!」
唯「お腹いた~いぃぃぃぃ……部屋まで抱っこ~…」
憂「お腹痛いの!? 下痢!? 何か悪いもの食べたの!?」
唯「せーりだよおぉぉぅううううアイス食べたいぃぃぃぃ」
憂「とりあえず部屋まで運ぶね。よいっしょっと」
唯「ごめんね、憂ぃ。ありがとおぉ」
……
唯「ということがあったのを覚えてる?」
憂「覚えてるけど…」
唯「お兄ちゃんって呼んで!」
憂「………」
憂「お、お兄ちゃん…?」
唯「…もっかい」
憂「おにい…ちゃん…」
唯「より可愛くもう一回」
憂「……お兄ちゃん♪」
唯「キュン」
唯「うーいぃいいいいいいいい!!!」ガバッ
憂「きゃあ!?」
唯「お兄ちゃんは感激してるでおじゃる!お兄ちゃんは感激してるでおじゃる!」
憂「分かったから…く、苦しいよ…」
唯「いいよね!?憂、いいよね!?お兄ちゃん、してもいいよね!?」
憂「な、何を…?」
唯「男の子が女の子にすることと言ったらひとつ!」
唯「シンメトリカル!」
憂「ドッキング!!」
唯「いいよね憂!お兄ちゃん、憂とエッチしていいよね!?」
憂「ガオガイガーごっこじゃないの?」
……
梓「それでですね6thアルバムのプロダクションが云々」
和「へー」
梓「で、このバンドはもう解散しちゃったんですけど同じレコードから出てる他のグループは云々」
和「ほー」
梓「とくにあのバンドはシンセの使いかたが素敵で空間表現が云々」
和「ふーん」
梓「聞いてます?さっきから」
和「聞いてる聞いてる」
梓「Zyklusの三曲目の曲名は?」
和「聞いてるってば」
梓「聞いてないですよね」
梓「聞いてくださいよ、それより。澪先輩がまた歌詞書いてきたんですけどそれがもう酷い のなんの」
「Janne Da Arcもびっくりなぐらい恥ずかしい歌詞ですよあれは」
和「誰それ。デビルマンのジャンヌダルクしか知らないわ」
梓「まさしくそれです」
和「えっ」
梓「それに律先輩のドラムは走りっぱなしだし、しかもテンポ200越えると裏打ちできないんですよ。ブラストもできないし」
和「最後のは軽音部には不要なスキルよね」
梓「ムギ先輩のキーボードは特に何も悪くないんですけど、やっぱり一人だけってのは厚みに欠けます」
和「そうね。あと三人ぐらいムギは必要ね」
梓「唯先輩は楽譜読めないしリズムクラッシャーだし歌も上手いほうじゃないし絶対音感は 宝の持ち腐れだしチューニングできないし」
「ギターソロもピロピロしかしないし未だにミュートがしっかりできないし…」
和「それはダメね。ピロピロオンリーはギターの墓場だしミュートができないのはメタル的に致命傷ね」
梓「ですよねー!いやあ和先輩みたいに分かる人がいてよかったです。先輩たちの愚痴なんて普段誰にも言えないですから」
和「そうよね。おかげでいいものが録音できたわ」
梓「えっ」
和「メロンパン買ってこい」
…
梓「はあはあ…買って…来ました…」
和「あれ、ホントに買ってきたの?」
梓「えっ…う…嘘だったん…ですか…?」ハアハア
和(この子息遣いエロイわね)
和「ごめんなさい。ついでに白状すると録音したのも冗談よ」
梓「なっ…それ…ほんっ…と…ですか…?」
和(すごくそそるわ)
和「ホントにごめんなさい。お詫びにお茶でも奢るわ」
梓「や…ちょ…ちょっと待って…くださ…」ハアハア
和(正直、興奮する)
……
唯「ねえねえ和ちゃん!私が澪ちゃんぐらい髪長かったらどうかな?」
和「自重に耐え切れずに首が折れる」
唯「そこまで軟弱じゃないよ…」
和「伸ばすの?」
唯「うーんどうしよっかなあって。切りに行くの面倒だし」
和「手入れが面倒になってすぐ切るわよ」
唯「やっぱりそうかなあ…」
和「それに今くらいの長さがいちばん興奮するから、今のままでいいって」
唯「最近和ちゃん下心丸出しだよね」
和「そんなことないわよ」
唯「この前憂のうなじ見たさにウチ来たよね」
和「そんなことないわよ」
唯「そんで憂が髪下ろしてたから怒涛の勢いで髪結ったよね」
和「ソンナコトナイワヨ」
…
和「この前すごいこと考えたのよ」
唯「なになに?」
和「私が男だったとして、唯と結婚するじゃない」
唯「ほほう」
和「すると私はなんと憂からお義兄ちゃんと呼ばれるのよ!」
唯「おおう!羨ましい!!」
和「といわけでこれからはお義兄ちゃんと呼ばれたい放題の毎日よ」
唯「いいなー!いいなー!私も憂にお兄ちゃんって呼ばれたーい!」
和「ダメよ。憂はもう唯だけの妹じゃないの…ふっふっふ」
唯「ずるいずるいずるいずるいずるいー!」
澪「あいつら幸せそうだな」
律「澪も私んち来たら聡のお義姉ちゃんだぜ?」
澪「絶対にイヤだ」
……
唯「ただいまー。うーいー、和ちゃん連れてきたよー」
憂「おかえり。いらっしゃい、和さん」
和「あれ?」
憂「えっ?」
和「そんな硬い呼び方しないでいいのよ?」
憂「えっと…?」
憂「の、和……?」
唯「あ、寝取られた」
和「お義姉ちゃん!」
唯「はっはー。お姉ちゃんだぞー」
憂「なにこれ」
……
唯「あ、和ちゃーん」
和「あら唯、偶然ね」
唯「すんすん…」
和「どしたの?」
唯「くんくん…」
和「どうしたのってば」
唯「頭だ!頭がにおう!」ガバッ
和「ちょ、ちょっと…!」
唯「くんくん…これは美容室!駅前の!パン屋の隣の隣!」モフモフ
和「分かったなら離して」
唯「余計に嗅ぎたくなっちゃったくんくん」モフモフ
唯「髪切ったにしてはあんまり長さ変わってないね。短くなってる」
和「長くはならないわよ」
唯「何て言って切ってもらったの?」
和「天道総司みたいにしてくださいって」
唯「水嶋ヒロくんって和ちゃんより髪長いよね」
和「だから長くはならないって言ったじゃない」
唯「切りに行かなかったらいいのに」
和「ホントそう思うわ。いつまでおんぶしてればいいの?」
唯「匂いがなくなるまでさくんくん」
和「重たいわくんくん」
唯「育ち盛りだくんくん。いい匂いだくんくん」
和「唯って高校卒業したらどうするの?」
唯「中学まではね、いい人見つけてお嫁さんになろうと思ってたんだあ」
和「見つかったの?」
唯「和ちゃんが男の子だったらなあ」
和「それは残念ね。今はどうなの?」
唯「和ちゃんと同じ大学に行こうかなあ」
和「唯と人生を天秤にかけさせるなんて、酷ね」
唯「どっちが重いの?」
和「唯は結構重たいよ」
唯「…えへへ、ありがとう」
和「まったく、育ち盛りなんだから」
平沢邸
唯「勉強をしよう」
憂「どうしたの、お姉ちゃん急に」
唯「和ちゃんとね、同じ大学行こうかなって」
憂「そうなんだ。どこの大学?」
唯「京都だって」
憂「………」
憂「京都産業か龍谷かな?」
唯「ううん。京都大学だって」
憂「………」
憂「き、京都工業繊維かな?」
唯「京都大学だってば」
おわり
最終更新:2010年01月25日 18:45