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             |:Y ,,      ,,  /   ∧  ノ ノ    菫ちゃんを逮捕します!!
             |介::.. _ヘ __ /  厶イ丁Y
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紬「……」

律「どうしたムギ、うかない顔して」

紬「……」

梓「飲まないんですか? お茶さめちゃいますよ?」

紬「うん……そうね……」

澪「なにかあったのか?」

唯「あ、わかった! ほんとはりっちゃんが取ったケーキが食べたかったんだよ!」

律「えっ? 嘘っ、ごめん!」

紬「ち、ちがうの……」

澪「悩みならきくけど」

紬「……悩みってほどじゃないんだけどね。実は……」

紬「私、メイドに夜な夜な悪戯されてるの……」

澪「メイドに?」

梓「夜な夜な?」

唯「いたずら?」

紬「そうなの……すこし困ってて……」

律「執事以外にメイドもいるのか」

澪「悪戯って、何されてるんだ?」

紬「うー……えっと……」

律「言いづらい系か」

梓「……ゴクリ」

紬「そうなの……」

唯「?」

澪「?? ……あ、言いづらいってそっちか。うわ///」

唯「???」

唯「ねーねー、何が言いづらいの?」

澪「えーっと、まぁ唯にはわからないかも……///」

唯「??」

唯「とにかくひどいことされてるんなら相談してよ! 私たちなんでも力になるよ!!」

梓「唯先輩……」

紬「唯ちゃん、ありがとう。じゃあ少しだけ話するね……」

律「まだ昼間だからな、多少ボカしていいんだぞムギ」

紬「うん……」


紬「あのね、昨日の晩のことなんだけどね……―――――


―――


紬の寝室




  0時をまわっていたんだけど、少し暑苦しくて眠れなかったの。

  だから羊でも数えて眠くなるまでずっと横になってた。

  そしたら


カチャリ


紬「……?」

菫「……」ソロリソロリ

紬(……今夜も来たのね)

菫「ふふ、お嬢様ったら、もうぐっすり……」

紬(……どうしよう)

菫「お嬢様~、寝てますかー?」

菫「…………うん寝てる!」

菫「よしよし」

紬「……」

紬(起きてるけど……)

菫「ふふふ、月明かりに照らされ、大変お綺麗ですお嬢様」

紬(何を言っているのこの子は)

菫「……はぁ。ため息がでるほどに美しい」

菫「罪なお嬢様。たかが一メイドの私をこうも狂わせる」

紬(……)

菫「……」ツンツン

紬(はじまった……)

菫「ふふ、ふふっ」ツンツン

紬(ここで起きて叱りつけるのはたやすい。でも……)

紬(そうしたらこの子はこの先どうなるのかしら……)

菫「……ほふぅ。ほっぺたすごい柔らか……柔軟剤つかったでしょお嬢様」

紬(起きるべきか……耐えるべきか……)

菫「あぁ、きっと頬だけでなくそのお体もさぞや柔らかいことでしょう」

菫「ぁ……だめっ、指先がっ、暴れ……」

菫「……」ツンツンツンツン ムギュ

紬(う、どこ触ってるの!)

菫「手が吸いつきます……指が飲み込まれますぅ!!」


ムギュムギュ

モミモミモミモミ


紬(うう……やめて……)

菫「……いけません、いけませんお嬢様ぁ! なんて破廉恥なお姿!」スルリスルリ

紬(自分で脱がしておきながら何いってるの!!)

菫「あぁ! これ以上は禁忌! メイドめが目にして良いものではございませ……ふふふふふう」



―――



紬「という……ね?///」

唯「……ほえー」

律「えっ、でそのまま耐えてたっての!?」

紬「だって……叱れないから……」

澪「でも立場としてすき放題やらせるのはちょっと……」

梓「続きはないんですか?」

紬「内緒!」

唯「ほえー! ほえー! つまりさ……ムギちゃんがメイドに……」

唯「ガシガシ犯されたってこと?」

律「違うな」

澪「悪戯じゃないなそれ」

梓「サイテーです」

紬「なんていうのか……ちょっとえっちな事をされました……」

唯「ねぇちょっとなの? ほんとにちょっと? なにか隠してない!?」

梓「なんなんです。何を期待してるんですか」

律「とにかくさぁ。一度話をつけたほうがいいと思うぞそのメイドと」

澪「同意。悪いことだしな」

唯「はぁー大人の女性にベッドで襲われるムギちゃん……なんだか映画の世界みたい」

梓「う、うん??」

紬「実はそのメイド。私より3つ年下なの」

律「あ?」

澪「ってことは中学生か」

梓「執事じゃなくて女の子でよかった……ってわけでもないですねすいません」

紬「あの子がこのまま悪いほうへすすまないようになんとかしたいんだけど」

律「十分もうまずい方へ進んでるように感じたけどな」

唯「中学生ってことは、思春期ってやつだね!」

梓「真っ盛りですね。唯先輩も」

唯「そういうあずにゃんだって生ツバ飲んで聞いてたくせに!」

梓「うるさいです」

律「なんとかしたいけど怒るのは嫌ってか?」

紬「その子の父親がうちの執事長をしていて……」

澪「あー……それは沽券に関わることかもな……」

紬「そうなの。斎藤のことだもの、娘がそんなことをしてるって知ったらきっと……」



  斎藤『申し訳ございませんお嬢様ぁぁああ旦那様ぁぁああ!!!』ガンガンガンガン

  紬『やめて! 頭が砕けてしまうわ!』

  斎藤『とんだ、とんだご無礼をいたしましたぁぁぁああ! これはもはや謝罪では済みませんつきましては私共めの首を』

  紬『嫌ぁぁぁ!! 斎藤そんなこと言わないでー!!!』



紬「……なんてことに……」ブルブル

紬「斎藤がいないと困るわ……」

律「あー、例の斎藤さんの娘さんか」

梓「どんな子なんでしょうね」

唯「きっとその子はムギちゃんのことが大好きなんだね!」

澪「結構その愛情が屈折してる気がするけど」

律「ていうかそこまでおおごとになるのか?」

律「こらやめなさい! って言えば終わる話だと思うけど」

律「そうでもない感じ?」

紬「……」


  菫『申し訳ございませんお嬢様ぁぁああああ!!!』ガンガンガンガン

  紬『やめて! 頭が割れてしまうわ!』

  菫『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいいい!! ああああ!!』ガンガンガン

  紬『嫌ぁぁぁ!! だれかー! 救急車をー!』


紬「……うっ、うっ……うう」

唯「優しいんだねムギちゃんは」

紬「唯ちゃん……」

唯「でもね、その優しさが罪なんだよ」

唯「きっとその子はね、ムギちゃんの優しさに惹かれて」

唯「優しいムギちゃんをたったひとときでもいいから手に入れたくて、そんな凶行に及んだんだよ」

唯「(関係が)決して壊れてしまわないように、深夜にこっそりと……」

唯「優しく、ムギちゃんのように優しくつつみこむように……ね?」

澪「何をいってる」

律「もうさぁ、ほっぺたパーンってやったら『はっ!』って改心するんじゃね?」

梓「なかなかバイオレンスですね。私そういうの好きです」

紬「私そういうのはちょっと……」

律「アレもだめコレもだめじゃ変わらねぇぞ?」

唯「なら私に妙案があるよ!」

律「だまっとけ。な?」

紬「聞かせて?」

唯「お嬢様としての威厳をもっと持つんだよ!」

澪「ムギはしっかりお嬢様してるだろ」

律「おうそうだそうだ」

唯「違うの違うの! ムギちゃんがお嬢様っぽくないとは言ってないよ」

唯「ただ、足りないものがある!」

梓「はい? そりゃムギ先輩とて人間ですから完全無欠とはいかないですよ」

唯「ムギちゃんはもっと強気にでなきゃ!」

紬「……と言いますと」

唯「マネしてみてね」


唯「おーほっほっほ。あぁら澪ちゃん、ごきげんうるわしゅう?」

澪「なんだなんだ、唯お前変なものでも食べたか」

唯「はい、やってみて」

紬「え?? 今のを!?」


唯「よくない?」

紬「うーん……」

唯「私お嬢様ってそういうイメージだったからムギちゃんに出会ってびっくりしたよ」

梓「あぁ、わからなくはないです」

律「ムギ……ちょっとやってみ?」

紬「え……ていうかコレなんの関係が」

唯「……」

唯「こういう感じだったら、その自然に……メイドを怒鳴ったりとか、その……ゴニョゴニョ」

紬「……」

唯「ムギちゃんあんまり家で怒ったりとかしないでしょ?」

紬「まぁ……そうね」

唯「だから練習のつもりで!」

紬「ちょっとだけよ?」

紬「コホン。あ、あぁ~ら澪ちゃん、ごきげんうるわしゅう……?」

唯「自信たっぷりに!」

紬「……あ~ら澪ちゃん! ごきげんうるわしゅう?」

澪「なんで私にむかっていうんだ」

律「うん、よくテレビとかでみかけるタイプのお嬢様だな」

梓「正直キャラ違いすぎて似合いませんね」

紬「う……/// もうっ! からかわないで」

唯「でもさぁムギちゃん。いつまでも優しさ100%じゃお嬢様はつとまらないと思うよ」

紬「……」

唯「甘やかすだけじゃダメ! つけあがったら時には叱らなきゃ!」

紬「うん……」

律「まだ中学生なんだしやり直しは効くよな。がんばれムギ」

梓「ファイトです」

澪「ムギの家庭の話だから最終的にはムギがなんとかするしかないもんな」

紬「なんとか……しなきゃ」

唯「今日帰るまで特訓しよう! 私お嬢様のこといっぱいしってるから教えてあげる!」

梓「どうしてそんなに自信満々なんですか!」

唯「漫画! 少女漫画で読んだから!」

梓「……不安です」




―――


琴吹家


菫「お嬢様まだかなまだかな」


カチャ

菫「きた! おかえりなさいませお嬢様!!」

紬「……ただいま」コツコツ

菫「鞄お持ちします♪」

紬「……」コツコツ

菫(あれ、なんだかいつもと雰囲気が若干違う……歩き方も……)

紬「ねぇ、お夕飯の支度はできてる?」

菫「え、あ、まだです! 先にお風呂はいかがでしょう!」

紬「……そうね、じゃあ入る」

菫「お背中お流しします!(Yes!)」

紬「ふぅん……そう? じゃあ来なさい」コツコツ

菫(なんだろう……なんだか変な感じが……まいっか♪)


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最終更新:2011年10月26日 00:34