――――


斎藤「先ほどは娘が大変お騒がせいたしました」

紬父「別にたいしたことではない。たまにはにぎやな食事も良い」

斎藤「どうも娘は紬お嬢様の身の回りの世話をしたいようで」

紬父「いつもしているだろう?」

斎藤「いつも以上に。事細かに」

紬父「事細かに……?」

斎藤「さきほどは二人で入浴を」

紬父「入浴……!? 事細かに……?」

斎藤「……」

紬父「け、けしからんな……」

斎藤「はい。私めもそう思います」

紬父「斎藤、ティッシュを持って来い。鼻の血管が切れた」

斎藤「ここに」スッ

紬父「つまりだな」フキフキ

斎藤「……」

紬父「仲睦まじいことはいいことだ。私は娘たちの事情に口出しはせん」

紬父「メイドとして、いつもどおり、いつも以上に紬を支えてくれるならそれでいい」

斎藤「そうですか。ありがとうございます」

斎藤「紬様の迷惑にならないようしっかり言い聞かせます」

紬父「うむ」

斎藤「それでは旦那様。おやすみなさいませ」

紬父「あぁ……」

紬父(しかしなんだ、やはり親子というべきか。そっくりだな)

紬父(いまとなっては懐かしい。私もよく斎藤につきまとわれたものだ)


 幼き日の斎藤『琴吹様ぁ~』

 幼き日の紬父『は、はなせー!! なんなんだよお前はー!』



紬父「……ふふ」



――――



菫「お嬢様!」

紬「なぁに?」

菫「お休みになられる前にマッサージはいかがでしょうか!」

紬「マッサージ? できるの?」

菫「お嬢様のために独学ですが学びました!」

紬「そ、そう……」

菫「まだ下手かもしれませんが……」

紬「じゃあお願いしようかな……」

菫「寝室へいきましょう」

紬「うん」

菫「……」

菫「さぁ、仰向けに寝てください」

紬「これでいい?」

菫「お召し物失礼しまーす」

紬「えっ、どうして!!」

菫「? マッサージですけど?」

紬「肩とか足とかもんだりするんじゃなくて……?」

菫「全身マッサージですよ? 斎藤家秘伝のマッサージオイルもあります」

紬「でもさっきお風呂はいったから……」

菫「髪の毛は汚しません。終わったらシャワーだけ浴びましょう」

紬「そう?」

菫「はいじゃあ上から脱がせますね」スルスル

紬「……」

紬(なんだかすでに手つきが……)

紬(えっちだわ…………はぁ……)

菫「お風呂でみたときも思いましたが、お嬢様お肌綺麗ですね」

紬「ありがと」

菫「美の秘訣を教えて下さい」

紬「うーん……早寝早起きかな?」

菫「早寝早起きですかー! なるほど、たしかにお嬢様は寝るの早いですね」

紬(あなたのせいでなかなか眠れない夜が続いてるけどね)

菫「私も早く寝るようにします。中学生なので、一応」

紬「そうね。深夜私を襲ってる暇があったら寝るか勉強してなさい」

菫「全くですね。ほんとうにその節は失礼いたしました」

紬「いいのよ、わかってくれれb んあっ///」

菫「あ、すいません。ここは触ったらだめでしたか?」

紬「胸はやめて……」

菫「でもお嬢様凝ってそうで……これほど豊満なのですから」

たぷん ぷにゅ

紬「うあっ! ちょ、ちょっと!」

菫「こうやって手のひらをぎゅーっと押し当ててオイルを浸透させます」

紬「そうなの……?」

菫「……」フニフニ

紬「もまないで!」

菫「すいません。癖で」

紬「急に揉まれるほうは怖いんだから!」

菫「ごめんなさい」

紬「深夜のだってびっくりなのよ?」

紬「あなたが入ってくるのに気づいた日はともかく。触られて目が覚めた日だってあるんだから!」

菫「!!」アセアセ

紬「ご、ごめん。怒ってないわ」

菫「わわわ、わたしっ、想像以上にとんでもないことをしていたようですあわわわわわ」モミモミモミ

紬「落ちついて!」

菫「ひーーん! ごめんなさいお嬢様ごめんなさいいいい!!」モミモミモミモミ

紬「ふぁあああん!! やめてー!」

菫「でもでも、お嬢様も悪いんですよ!!!」モミモミモミ

紬「なにが!?」

菫「こんなにっ、こんなに柔らかい胸で……!! 純情な中学生メイドを弄んで!!」モミモミモミ

紬「まちなさい! なんのこと!?」

菫「うわああああ!! お嬢様のおっぱい好きですー!!!! 」モミモミモミモミ

紬「キャアアアア!!!」

菫「私のせいじゃないです私のせいじゃないです!!」モミモミモミモミ

紬「うっ、あああっ!」

紬(だめ……今のこの子はまるで性欲の権化……)

紬(中学時代の私でもここまでではなかった。なんて末恐ろしい……)

紬(私の体をたったひととき差し出せばとりあえずの暴走が収まるのなら……)


菫「うあわあああああああ!! 助けてくださいー! 手がー!」モミモミモミモミ

紬「んっ、んんあぁあっ!」

紬(止めなきゃ……私がなんとしても……!)


菫「お嬢様! お嬢様!! 幸せです!!」

菫「お嬢様のドスケベなおっぱい触れて幸せです!!」

紬(あのおしとやかな子がこんなに破廉恥なことを平気で……なんてことなの嘆かわしい)

菫「お嬢様……おじょーさまぁ……」

ペタリ ぺたり さわさわ

紬「うあっ、胸だけじゃ我慢できないの!?」

菫「はぁ……はぁ……お風呂では我慢が限界ギリギリでした」

菫「でもいまはもう……うふふふ」

菫「マッサージですよぉ~、マッサージですからうふふふふ」

紬「まっ、まって! まだそっちは心の準備が!」

菫「え~い!」ズルリ


紬「キャアアアアあああ!!」

菫「……これが……お嬢様の…………」

紬「イヤァあああ! 見ちゃだめー!!!」


菫「金……」

紬「う……うぅ……」

菫「私と同じ……金……色……」

紬「え……あ、そうね……いいから下着はかせてよぉ」

菫「なんと……けしからん光景……あ……あ、ダメダ」

菫「ぶぶぅーーー!」


バタリ


紬「えっ!? ちょっとどうしたの!」

紬「ええ!? ねぇ!」

菫「 」ピクピク

紬「ひぃいいい!!!」

紬「だれかー! だれかー!!!」バタバタ


ガチャリ!

メイド達「何事です!」

紬「あ、ああわわわわ」

メイドA「まぁお嬢様! なんてはしたない格好で!!!」

メイドB「一体何があったのです」

メイドC「血よ! 血が……!」

メイドA「きゃー! 斎藤さんとこの子が倒れてるわ!」

菫「うーん」ピクピク


メイドA「裸のお嬢様……血……それが指す事柄はつまり……!!!」

メイドB「!!」

メイドC「!!!」

紬「え……? んー……!! あー! 違うの違うの違うのぉおお!!!」

紬「別になにかあったから血がでているわけではなくて、というか私の血じゃなくて!!」アセアセ

メイドA「なぜ裸でいらっしゃるのですか?」

紬「えーっと……マッサージを……してもらってたから。私がお願いして」

紬「そしたらきっとがんばりすぎちゃって暑くなったのね。急に倒れちゃって……」

メイドB「ともかく早くシャワーを浴びてきてください。風邪をひかれては旦那様に合わす顔がございます」

紬「う、うん」

メイドC「部屋はわたくし共が片付けておきますので。ごゆるりと」

紬「わかった……けど……」

菫「ううーん……」ピクピク

メイドA「私室へと運んでおきます。後は琴吹家の専属医に任せておけば心配はございません」

紬「そ、そう……? じゃあ悪いけど任せるね」

メイドB「はい」


菫「うーん……金色だぁ……おかねもちだぁ……」ピクピク



――――



菫「うーん……ここは……見慣れた天井だ……」

紬「おきた?」

菫「あっ! お嬢様!」ガバッ

紬「そのまま寝てなさい」

菫「お、おおおお嬢様! 私ときたら……本当になんと謝ればよいか」

紬「貧血よ。いまは体を大事にすることを考えなさい?」

菫「お嬢様ぁ……」

紬「……ちょっとがんばりすぎちゃったね?」ナデナデ

菫「……」

紬「ありがと。わたしのためにいつも一生懸命になってくれて」

菫「……滅相もないです」

紬「あっ! でもえっちなのはほどほどにね?」

菫「うぐ……はい……」

紬「大事に至らなくて良かった……(ほんとに)」

菫「……もうご迷惑かけたりいたしません」

菫「だからクビは……クビだけは……」

紬「クビになんてしないわ。するわけないじゃない」

菫「ほんとうに……?」

紬「とっても感謝してるよ? いつもたくさん身の回りの世話をしてくれるし、遊び相手になってくれるし」

菫「いえ全部私が好きでやってることですねの」

紬「じゃあ私も一緒。好きであなたを側に置いてるの」


菫「お嬢様……うれしいです……」

紬「また、今度続きしてね?」

菫「……!」

紬「がんばって勉強したんでしょ? マッサージ!」

菫「はい! それはもう!!」

紬「うふふ、楽しみね」


――――


部屋の外


斎藤「また娘が何かしでかしたようで。大変もうしわけ」

紬父「よい」

斎藤「ですが」

紬父「……紬が笑っている。だからそれで良い」

斎藤「旦那様……」

紬父「あの子たちはまだまだ若い。これからも数えきれないほどのたくさんの過ちを犯すだろう」

斎藤「かつての私たちのように、ですか?」

紬父「……あぁ、だがな斎藤よ。そうしてようやく私たちも大人になってきた。そうだろう?」

斎藤「そのとおりですな」

紬父「私は娘を信じてる。だから何もいわん。見守るだけにしようお前もだ」

斎藤「そのようにいたします」

紬父「お前と、お前の娘がいてくれて、よかったと思うぞ」

斎藤「もったいないお言葉ですな。私も旦那様とお嬢様がいてくれて、とても幸せです」

――――

唯「えー? じゃあ結局メイドさんと仲良くなれたんだ?」

律「何をきいてたんだよ。元から仲よかったんだよ。な?」

紬「うん! だってずっと一緒だったもの」

梓「いいですねー、私もそういう人がいたらいいのに。メイドさんかぁ……」

澪「私も。一人っ子だからな。ちょっと憧れる」

さわ子「じゃじゃーん! メイドになりたいなら早速この服を!!」

澪「いえいいです」

梓「お断りします」

さわ子「なによー!」

律「どうせならお嬢様になりたいよなー」

唯「うんうん。おーーほっほっほって言いたい」チラッ

梓「札束でメイドの尻とかぶってみたいですよね」チラッ

律「あーわかるわかる。涙目のメイドをいじめたいよな」チラッ

澪「……なんでこっちみた」

律「でもお嬢様も大変だよなー、自然と人付き合いも多くなるし。かたくるしそうで私には向かねー」

澪「律がお嬢様なんてなれるわけがない」

梓「ひひっ、律先輩が白いワンピース着て麦わら帽子かぶって草原歩いてる姿想像したら笑いがとまりません」

律「おい!」ガシッ

梓「ひひっ、痛いですって、ふひゃああ」

唯「ねぇねぇ! それで、私のアドヴァイスはどうだった!?」

紬「……うぅーん」

唯「完璧だったでしょ! 特訓してよかったよね!?」

紬「そ、そうね……ちょっとは仲良くなるのに役だった……かな?」

梓「へえ、唯先輩でもたまにはやくにたつんですね」

唯「えへん! どんなもんだい!」

唯「……で、どうして私のお菓子だけないの?」

紬「……えへ♪」




おわり



最終更新:2011年10月26日 00:36