そんなある日の事…
梓「今日はお出かけだよ~はむにゃん」
お出かけ?それはこの家の外に出れるって事かな?
梓「さて、準備できた♪」
ってことはいつもとは違うもっと広い世界への扉が開かれ…
梓「はむにゃんはこれに入っててね~」
はむ「」
僕には持ち運び便利な『虫かご』への扉が開かれていた…
平沢家
梓「おじゃましま~す」
唯「やっほーあずにゃん!」
飼い主さん曰くきょうは僕にとっての里帰りらしい…
唯「大きくなったね~」
梓「ムー太ほどじゃないですよ…ね、はむにゃん♪」
僕って大きくなったのかな?
唯「じゃあ運命の再開っということで!」カチャッ
唯「ごたいめ~ん!!」
目の前に懐かしい顔が現れた
ムー太「…」じー
はむにゃんはあまえた
効果はいまひとつのようだ
ムー太「…」がぶっ
ははおやの噛み付く攻撃
効果はバツグンだ!
はむにゃん「チャウッ!!」
唯「こらこらこらこらこらこら」
梓「はむにゃあああああん!?」
結局僕は虫かごに戻された
母さんはずっとこっちを見ているようだ…
やっぱり僕の事が気になるのかな?
唯「はい、ムー太、大好きな種だよ~♪」
ムー太「チチッ♪」パクパク
ははおやの脳内
餌>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>息子
梓「それじゃあ、おじゃましました」ペコッ
結局母さんとは何事もなかっ…
唯「まって!あずにゃん!」
ムー太「…」
梓「なんです?…また噛み付くんじゃないですよね?」
はむにゃん「…?」
ムー太「…」ペロペロ
はむにゃん「チチッ♪」
ムー太「チチチ♪」
また会おうね、母さん
これまたそんなある日の事…
純「いつもごめんね…」
梓「いいよ、結構慣れてきたし…」
飼い主さんがお友達から何かを預かってきた…
猫「にゃぁ~」とてとて
はむ(飼い主さんそっくりだな~)
猫「…」じー
はむ「zzz」
猫「…」じー
はむ「zzz」
そんなに眺めても種はあげないよ…
夜
梓「じゃあおやすみ、はむにゃん、あずにゃん2号…」カチッ
飼い主さんはおやすみって言ったけど(ry
はむ(たまには外にでたいな…)
猫「…」じー
猫「…」ガシガシ
バチッ
あ、猫さんが洗濯バサミを外してくれた…
猫さんは僕に色々な話をしてくれた
なんでも猫さんの飼い主も僕そっくりのハムスターを育てているとか
それで夜になるとさっきみたいに籠の封印を解いてあげるらしい
『籠に戻りたいときはいつでも声を掛けてね』
そう言ってくれた
はむ(さて…なにしようかな?)
この前は飼い主さんの大切なギターに手を出すという最悪な行為をしてしまった…
安易に何かに興味を持つのはやめよう…
はむ(お、噛むにはちょうどよさそうなケーブルの束が…)
いかんいかんいかんいかん
すぅ… すぅ…
お?この声…飼い主さん?
梓「すぅ…すぅ…」
飼い主さんの寝顔を見るのは初めてだったりする…
梓「すぅ…すぅ…」
…少し寂しそうだ
そういえば飼い主さんも大人の人間じゃあない事くらい僕にもわかる
僕みたいにたまには親にあまえたりしたいんじゃないのかな?
梓「すぅ…すぅ…」
まあ考えるだけ仕方ないか
梓「すぅ…すぅ…」
はむ(そういえば前から飼い主さんの髪の毛気になってたんだよね…)
はむ「…」さわ…さわ
はむ「…」わさわさわ
わしゃわしゃわしゃわしゃ
はむ「♪」
わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ
何してるんだ?僕…
梓「すぅ…すぅ…」
飼い主さんにこんなに顔を近づけるのも初めてだな…
はむ「…」ぺろぺろ
梓「うぅ…すぅ…すぅ…」
はむ(登ってみるか)
トトトト
はむ(飼い主さんって結構暖かいんだな…)
梓「…」ぎゅう
はむ(うわっ!抱きつかれた!?)
梓「すぅ…すぅ…」
はむ(助けてくれ~い)
朝
梓「ふわぁ~…あれ?はむにゃん?」
はむ「zzz」
梓「…まあいっか」
結局その夜はずっと抱きしめられたままでした
籠の前で猫さんが寝てる…ずっと僕をまってたみたいです
はむ(ありがとう、猫さん)
猫「にゃぁ」とことことこ…
それからしばらくたったある日、また飼い主さんが僕を連れてお出かけをした
やってきた場所から察するにまた里帰りらしい
でも少し様子が違った…
唯「こっちだよ、あずにゃん!」
母さんの飼い主さんだ…なんで外に連れて行くんだろう?
梓「…はむにゃん、お母さんだよ…」
そこには僕より少し大きいくらいの植物が生えていた…
飼い主さんが言うには僕の母さんは死んだらしい…
死んだってなんなんだろう?
とにかくもう誰も母さんには会えないらしい…
唯「はむにゃん元気してた~?ムー太にそっくりだね~」ニコニコ
母さんの飼い主さんは笑っている…
母さんに会えなくって寂しくないのかな…?
梓「唯先輩、元気になってよかったです」
唯「ほえ?」
梓「ムー太が死んじゃったときは先輩なにも喋れないくらい暗かったですし…」
唯「うん、確かに最初は寂しかったよ…でも」
唯「ムー太はいつまでも私の家族だよ…どんなになってもずっと一緒…」
唯「だから、今は全然寂しいとは思わないよ♪」にこっ
…ということらしい
母さんは会えなくなっても飼い主さんを喜ばせているらしい…
僕は…そんなふうになれるだろうか?
梓「…はむにゃん」
はむ「?」
梓「私…ぜったいはむにゃんを幸せにしてあげるからね」ナデナデ
…やっぱり考えるだけ無駄かな
後々の事なんて考えてもわからないや♪
今のことだけ考えてもいいよね?
はむ「チチチ」
これからもよろしくね、飼い主さん。
番外編 はむにゃんの研究レポート おしまい
最終更新:2010年01月25日 22:02