がっこう!
きょうしつ!

梓(今日は私の誕生日だ…)

梓(皆、覚えててくれてるかな……)

梓(……)ドキドキ

梓(いや、あんまり意識しすぎない方がいいかも)

梓(人の誕生日なんて、案外覚えてないもんだしね)

梓(うん…)

憂「梓ちゃん、おはよー!」

梓(!!)

梓「憂!お、おおはよっ!」

憂「?ど、どうしたの?」

梓「えっ!?ど、どうもしないよ!!」

憂「……?」

梓(……)

梓(憂、私の誕生日覚えてくれてなかったのかな…)

梓(ま、まぁしょうがないよね)

梓(憂はお姉ちゃん大好きっ子だから、唯先輩のコトで頭がいっぱいだろうし)

梓(私の誕生日なんてね…)

梓(うん……)

純「おーす、二人とも早いね~」

憂「あっ、純ちゃん!おはよ~」

梓「じゅ、純、おはよ!」

純「最近めっきり寒くなっちゃたから、布団から中々出れなくて困っちゃうよ~」

憂「あはは、そうだね~。お姉ちゃんなんて、全然起きてこないんだよ~?」

純「あ~、唯先輩っぽいね~」

梓「……」ウズウズ

純「梓?どうかした?」

梓「い、いや、何でもないよ?」

純「なんかさっきから落着きないような気が」

梓「そんなこと、ない、けど」

純「そう?なら良いんだけど…」


じゅぎょうちゅう

梓(純も覚えてなかった…)

梓(薄情者……)

梓(もしかしてけいおん部の先輩たちも…)

梓(ううん、きっと覚えていてくれてるよね…!!)

梓(昼休みに先輩たちの教室に行ってみようかな…)


ひるやすみ!
さんねんせいのきょうしつ!

律「んじゃ、そういう手筈でな~」

紬「了解です!りっちゃん隊員!」

澪「わかったよ」

唯「おっけ~い!!」

梓(結局三年生の教室まで来てしまった…)

梓(先輩たち、何か話してる?)

梓(何の話してるんだろ……?)


唯「あ!あずにゃんだ~!!」

梓「!?」


唯「あっずにゃ~ん!!!」ダキッ

梓「にゃっ!!」

唯「むふふ~、あずにゃんすりすり~♪」

梓「も、もうっ…会っていきなり何するんですかぁ……」

唯「あずにゃん分補給だよぉ~」

梓「ふにゃぁ…」

唯「ところであずにゃん、どうしたの?」

梓「ふぇ?」

澪「何か用が有って、三年生の教室来たんじゃないのか、梓?」

梓「え!あ、あの、えーっ、と」

律「なんだなんだ~、ただ唯といちゃいちゃするためにウチの教室来たのか~?」

梓「な、ちょ、ちょっと律先輩!?」

唯「あずにゃん、そうなの!?」

梓「ちちっち違います!!」カァァァ

紬「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ!」キラキラ

澪「6回…」

律「相変わらずラブラブだなぁ~」

唯「あずにゃんたら、素直じゃないんだからぁ」

梓「も、もう!なんでもないです!私、教室に戻ります!」

タタタタタタタッ

唯「あ~、あずにゃん…」

澪「あ…」

和「はぁ、あんたたち、弄り過ぎよ、まったく」

律「あ、あっはは~、まぁ、可愛い後輩だし、構いたくもなるんだよね」


ほうかご!

純「ふはー、やっと授業終わった~」

憂「純ちゃん、殆どの授業寝てたよ~?」クスッ

純「いや~。それはまぁしょうがないって~」

梓「……」

純「さぁて、部活行きますか~」

憂「私も、帰って夕ご飯の支度しなきゃ!」

梓「私も、軽音部、行かなきゃね…」

憂「…梓ちゃん?」

梓「…なぁに、憂?」

憂「なんだか、元気ないよ?」

梓「別に…普通だよ」

純「じゃ、またね~♪」

憂「うん!」

梓「じゃあね~…」



梓「はぁ……」

梓「結局誰にもお祝いされなかったな…」

梓「はぁ…」

梓「皆私のコトなんてどうでもいいんだ…」

梓「憂も、純も」

梓「ムギ先輩も、律先輩も、澪先輩も」

梓「それに、唯先輩だって…」

梓「ゆい、せんぱい…」

梓「せめて唯先輩位には、覚えていて欲しかったな……」

梓「まぁ、もう、別にいいけど…」

梓「…っ、ふぇ、うぅ…ぐす…」

梓「もう、今日は帰ろうかな……」

梓「でも、普段あれだけ先輩達にいろいろ言ってて」

梓「誕生日覚えてて貰ってなかっただけで帰るなんて…」

梓「一応、顔だけ出して、調子が悪いって言って帰ろう…」


ぶしつまえ!

梓「なんか、気が重いなぁ」

梓「失礼しま~…!?」

パンッ
          パンッ       パンッ
               パンッ


「「「「「梓(あずにゃん)、誕生日おめでと~!!!」」」」」



梓「っ、え、えっ!?」


憂「おめでとう、梓ちゃん!」

純「あずさ、おめでと!」

律「うへへ~、ビックリしたか!?」

紬「ドッキリなんて初めてだからドキドキしたわ♪」

澪「梓、誕生日おめでとう!」

唯「あずにゃん、おめでと~う!!」

梓「み、みなさん、おぼえて…」

律「当然、大切な後輩の誕生日を忘れる訳ないだろ?」

憂「ごめんね梓ちゃん、知らないフリしてて…」

梓「憂…」

紬「ちゃんとバナナケーキも用意したの!」

梓「あ…ふぇ、ぐす、え、あ、よ、うう、うぁ…」

澪「ちょ、あ、梓、どうした!?」

梓「だ、ひっぐ、だっで、みん、ひっ、忘れてると、おもっで…!!」

律「あ、あぁ…これは、えっと…」

純「ゆ、唯先輩、なんとかしてください!」

唯「えぇ!?私!?」

梓「ぐすっ、ゆ、唯先輩…」

唯「え、え~っと、あの、その、えいっ!!」

チュッ

梓「ふむぅ!?」


憂「わ、わ、わ…!」カァ

律「お。おぉう」

紬「まぁまぁまぁまぁ!」

純「はは、流石唯先輩…」

澪「お、おぉ…」

梓「んなななななっ、何するんですか!!?」

唯「あはは、あずにゃん泣き止んだ~♪」

梓「ここ、こんなことされれば誰だって…!」

唯「むふふ、私からの誕生日プレゼントだよん!」

梓「な…、あぅ…」

唯「ハッピーバースデイ!!あずにゃん!」



おしまい







最終更新:2011年11月12日 21:29