律「パーティやろうぜ!パーティ!」

澪「いきなりなんだよ」

唯「澪ちゃん、パーティはサプライズじゃなきゃダメなんだよ」

梓「いやいや、予定立ててやりましょうよ、ちゃんと」

紬「はいはーい、わたし寿司パーティやりたいでーす」

唯「寿司パーティ?」

律「ムギー、寿司屋行くお金なんてないぞー!」

梓「威張って言うことじゃないです」

澪「でもお寿司屋さんって、高いんじゃないのか?」

紬「自分達で握ればいいんじゃない?」

唯「えへへ、ことぶき寿司だね♪」

律「へいらっしゃーい、っていうムギは想像出来ないなー」

澪「なぜか律のは想像しやすいな」

梓「目を閉じると浮かんできますね」

紬「律っちゃんのハチマキ姿、りりしいかも」

律「誰か一人くらい否定しろー」

澪「多数決って残酷だよな」

梓「それで本当にやるんですか?」

律「そうなると場所だよねー、言い出しっぺのムギの家は?」

紬「ごめんなさい、今月はもう全部埋まってて」

澪「言い出しっぺって、律だろ」

律「うちで出来るわけないじゃん」

梓「ですよねー」

律「じゃあ、唯の・・・」

唯「別にいいよー」

澪「はやっ!」

梓「まさかとは思いますが、またご両親お出かけですか?」

唯「うん、温泉だって、あはは」

律「・・・連れてってもらえないことに疑問はないのか」

紬「じゃあ、ネタは私が用意しまーす」

梓「な、なんかすごく高級なお寿司になりそうですね・・・」

さわ子「それじゃ、わたしがコスチューム担当ね!」

律「うわっ!さわちゃん、いつの間にっ!」

さわ子「なぁにー?顧問を誘わないつもりー?」

唯「さわちゃん、週末予定ないのー?」

澪「こらっ、唯!」

さわ子「毎度のことながら、ないわよぉー!悪かったわねぇ!」

唯「ということは、うちで寿司飯っていうのを作ればいいんだよねっ」

梓「・・・憂の仕事がまた増えるわけですね」

澪「一生懸命寿司飯作ってる憂ちゃんの姿が、目に浮かぶようだな・・・」

律「よーし!決定!週末は寿司パーティだー!」

紬「やった♪やった♪」

唯「という訳で、憂が全部用意してくれましたぁ」

憂「みなさん、いらしゃいませ」

律「ここまで予想通りだと、逆にすがすがしい」

澪「いつもゴメンね、憂ちゃん」

憂「いえ、お姉ちゃんのお寿司握る姿なんかもう見れないかもしれないから、嬉しいです♪」

梓「あいかわらず憂の嬉しがる基準が分からない・・・」

紬「送った荷物はもう届いてる?」

澪「そのでっかいクーラーボックス以外にも荷物があるのっ?」

唯「なんか、でっかい魚が届いたよぉ」

憂「もーお姉ちゃん、カツオって教えたじゃない」

律「カツオっ!?」

紬「本当はマグロにしたかったんだけど、大きさ的に無理だったの」

澪「値段的には、無理じゃないのかっ!?」

梓「カツオってもしかして、丸ごとですか?」

律「あははー、誰が捌くのかなーなんてー」

澪「あ・・・」

憂「わたしもカツオはちょっと・・・」

律「だよねー」

さわ子「まぁいいじゃない、それよりまず着替えよ!着替え!」

律「どわぁっ!」

澪「・・・相変わらず神出鬼没ですね」

梓「心臓止まるかと思ったぁ」

律「さわちゃん・・・ほんとにこれ着るの?」

紬「この包帯みたいなのは何ですかぁ?」

梓「ハチマキがねじってあるです」

唯「なんで下はショートパンツみたいなの?」

憂「このハッピも短い気がする」

澪「なんでこんなの着なきゃいけないのぉ」

さわ子「もう!ここまで来たんだから、さっさと着る!」


律「で、着替えたわけだけど・・・」

紬「これがさらしっていうんだぁ、へぇへぇ♪」

梓「ハチマキなんて初めてしました」

唯「な、なんか、かっちょいい・・・」

澪「どこがだよっ!」

憂「お姉ちゃん可愛いよー♪」

さわ子「さすが、わたしのチョイスは完璧ね!」

律「なんで、さわちゃんは着替えてないのかなー?」

さわ子「当り前じゃない、わたしコスチューム&食べる係だもん」

律「誰がそんなこと決めたっ」

澪「・・・落ち付け、もう何言ってもムダだと思うよ」

唯「わぁ、ムギちゃん可愛いねー」

紬「ほんとー?」

憂「とっても似合ってますよっ」

梓「・・・あっちは全くの通常運行ですね・・・」

律「まぁいいや、とりあえずネタどんなのあるか見ようぜー♪」

紬「はいはーい、ネタはこれでーす」

梓「う・・・ウニが殻付きなんですけど・・・」

澪「どんだけの量のイクラだよ・・・」

律「な、なんかまぶしくてもう見てられません・・・」

唯「しっかりしてっ!律っちゃん隊員っ!」

憂「あれ?マグロとか白身のお魚とかは捌いてあるんですね」

紬「うん、そっちはうちの調理場で捌いてもらったの」

律「カツオもそこで捌いてもらえばいいじゃんっ」

紬「でも、その場で捌いた方が盛り上がるかなーって思って」

澪「いったい、いつもどんなとこで寿司食べてんだっ」


さわ子「おなかすいたわー、早くしてくれるかしらー」

律「さわちゃんめっ」

梓「律先輩、口に出てます、口に」

さわ子「何か言ったかしらぁ?」

律「何でもないです!少々お待ちを!」

澪「大人になったな、律・・・」

唯「律っちゃんカッコイイよっ」

律「まぁいろいろあったけど、まず握ってみようか!」

澪「じゃあ、まずは私はみんなの握ったの見せてもらうから」

紬「そうよね、参考にしないとね」

梓「まずはお手並み拝見です」

唯「おー!頑張れー♪」

憂「さすがにわたしも握ったことないから、参考にさせてもらいますね」

律「へ?」

律「えーっと、これはどういうことなんだろう」

澪「落ち着け、落ち着いて、まず考えるんだ」

梓「落ち着いても何も変わらないと思うんですが」

唯「憂もやったことないなんて予想外でした、テヘ♪」

憂「もーお姉ちゃん、手巻き寿司はあっても握り寿司なんて出したことないじゃない」

紬「わたしはてっきり、みんな握れるのかと」

律「そんなわけあるかーっ」

律「ま、ままま、まぁいいや・・・と、取りあえず握ってみればよくね?」

澪「適当だーっ」

唯「やってみよー♪」

紬「おー♪」

梓「こういう時って、二人のお気楽さに救われますね・・・」

憂「とりあえず、前に職人さんが握ってるのを思い出して、やってみますね」

律「さすが憂ちゃん、頼りになるぅぅぅ」

澪「泣くなよ」

梓「な、なんか握る格好はすごくいい感じだけど」

紬「・・・女の子がお寿司握ってるのって、ちょっといいかも///」

唯「ムギちゃんは相変わらずだなぁ」

憂「はい、できました」

澪「完璧だーっ」

律「なんで?これお店で出てくるのと変わらないよね!?」

梓「さすが憂、ある意味完璧超人・・・」

唯「ダメだよっ!」

紬「唯ちゃん?」

梓「何がダメなんですか?」

唯「ちゃんと、はいお待ちって言わなきゃダメなんだよっ」

律「おまえ、ばかやろぉ!」

澪「そんなの激しくどうでもいいしっ!」

憂「そ、そっか!はい、お待ち!」

梓「やってるし!」

紬「似合ってる♪似合ってる♪」

さわ子「どうやらやっと、わたしの出番ね」

律「誰も呼んでませーん」

さわ子「試食させてもらうわよっ」

唯「どきどき」

梓「唯先輩、それ口に出すことじゃないです」

律「ど、どうなの?さわちゃんっ」

澪「ど、どうなんですか?」

紬「ごくりっ」

梓「ムギ先輩も、それ口に出すことじゃないです」

憂「あぅぅ」

さわ子「う」

澪「う?」

さわ子「うんまーいっ」

唯「おぉー!」

さわ子「スーパーで売ってるお寿司なんて比べ物にならないわっ!」

律「あんた、ほんと誉めるのヘタだなっ!」


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最終更新:2011年11月17日 09:04