- 1. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 03:15:37.40 ID:ld0O5XOi0
- 唯「ながくーあまいーくちづーけをかーわすー」
澪「くっ、くちづけっ?!」
律「おっ!それ、なんだっけ?」
唯「えっとー…この前テレビでやってた!」
律「昔流行ったんだよなー!」
唯「まさに、昔の人たちの特集でした!」
- 5. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 03:20:33.75 ID:ld0O5XOi0
- び、びっくりした…。
唯が突然歌い出したその歌は、私とムギが、昨日お泊りした日に交わした…///
律「澪?なーんで赤くなってんのかなぁ〜?」
私は律に顔を覗かれて、自分の顔が熱くなっていることに気づく。
澪「な、なんでもない!」
慌てて否定するところが、また怪しい…そんなことを言われそうなタイミングで、ムギがお茶を淹れて戻ってきてくれた。
紬「今日はアップルティーでーす!」
- 7. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 03:23:49.04 ID:ld0O5XOi0
- 唯「いいにおーい!」
律「やっぱり、ムギの紅茶は美味しそうだ!」
澪「そ、そうだよな!」
今突っ込まれたことを思い出して、ムギを見る。
ムギは目が合うと優しく微笑んでくれた。
紬「おかわりもあるから、言ってね?」
律・唯「はーい!」
- 10. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 03:28:03.00 ID:ld0O5XOi0
- 律は、アップルティーとお菓子のうまさで、私の異変を忘れてるみたいだ。
紬「澪ちゃん!」
突然、ムギから声をかけられ驚いた。
思ったより近くにいて、昨日の事を思い出す。
澪「ひえっ!」
なぜか私の身体はムギと反対方向に逃げてしまい、そして、案の定ー。
ガターン!!
- 11. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 03:30:40.59 ID:ld0O5XOi0
- 澪「いたた…」
紬「大丈夫?!」
澪「う、うん…ちょっと擦りむいたかも…」
律「何やってんだよー澪ー」
唯「へ、平気ー?」
澪「大丈夫だよ!ちょっと、保健室に絆創膏もらいに行ってくる。」
紬「私も行くわ!」フンス
- 12. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 03:33:19.92 ID:ld0O5XOi0
- 澪「だ、大丈夫だから、さ」
紬「一緒に行かせて!」
律「もしかして、怪我をした友達を保健室に連れて行くのがー。」
紬「夢だったのー!」
そう。表向きの理由はそうだったの。
でも、本当は違う。
大事な人だから、そばに居たい。
二人の時間が欲しかった。
- 13. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 03:39:58.89 ID:ld0O5XOi0
- 人気のない廊下になると、私は澪ちゃんの手を握った。
流石に今度は少し抵抗されちゃったけど、私たちは手を繋いで、保健室の入り口まで歩いた。
澪ちゃんの手は、優しくて暖かい。
そして、唇は柔らかくて優しいー。
澪「あれ…?誰もいないみたいだ。」
その言葉を待ってました!
私は遠慮せずに澪ちゃんの後ろから抱きつくと、澪ちゃんは少し悲鳴をあげた。
優しく私の腕をほどくと、そこには赤い澪ちゃんの顔。
やっぱり、澪ちゃんは可愛いわぁ。
- 15. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 03:43:00.04 ID:ld0O5XOi0
- 澪「び、びっくりさせないでくれ!」
私はそういって、ムギと少し距離を取る。
自分でも顔が赤いのがわかるくらい顔が火照ってる。
ムギは大胆すぎる!
紬「嫌だった…?」
そう言って少ししょげているムギも魅力的だ。
あぁ、なんでこんなに可愛いと思ってしまうんだろう。
あ、何か良い詩が浮かびそうだ。
- 16. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 03:46:50.54 ID:ld0O5XOi0
- 私が何も言わないことを、受諾と受け取ったのか、ムギはまた距離を詰めて来た。
こういう時のムギは積極的だ。
澪「ちょっ、ちょっとまっー。」
ムギを止めようとしたけど、遅かった。
ムギの唇は、すでに私の唇の上に…。
と、思った私を殴りたい。
ムギは私の腕を引き、机の上にあった消毒液を手に取った。
紬「まず消毒よね?」
私の考えを見透かしたのか、ちょっとイタズラに笑ったムギ…。
それもまた、可愛いムギの一面だった。
- 18. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 03:51:52.31 ID:ld0O5XOi0
- 優しく治療をしてくれるムギをぼーっと眺める。
窓から差し込む日の光が、髪の毛に反射して、ムギの美しさを一層際立てて…。
お、また良い詩が…。
紬「はい!終わりました!」
そんなことを考えていたら、治療が終わったようだ。
ムギは手際よく、治療をしてくれた。
さすが、夢だっただけはあるのかも。
なんて、感心をして、ムギに目線を戻す。
ムギは目を閉じて、私からのキスを待っていた。
- 20. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 03:54:20.50 ID:ld0O5XOi0
- 澪ちゃん!チャンスよ!
私はそんなことを思いながら、目をつむった。
保健室の先生はいつ帰ってくるかはわからないけれど、私は澪ちゃんのくちづけが、欲しかった。
澪ちゃんもおそらく、想像していたのだと思う。
これは、絶好のチャンスよ!
紬「んー…」
わざと、物欲しそうに声を出す。
澪ちゃん、キスして?
- 22. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 03:58:26.87 ID:ld0O5XOi0
- 数分の間の後、澪ちゃんは意を決したのか、ふーっと、息を吐いてる。
紬(そろそろね…!)
昨日のキスが忘れない…。早く!
でも、私達のキスはお預けになっちゃった。
保健室の先生が帰って来てしまったの。
慌てて取り繕って、外へ出ると、二人で同じタイミングで溜息をついて、笑っちゃった。
澪「やっぱり、学校は危ないな」ハハハ
紬「そうね」フフフ
また二人っきりになりたいと、切にそう思った。
- 24. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 04:02:10.20 ID:ld0O5XOi0
- 好きな人と過ごす一週間はあっと言う間だった。
もちろん、軽音部の皆と過ごしているのも、大きいけれど。
キスをし損ねた次の日、私はムギにもちかけた。
澪「今週末、もし良かったら、うちにー。」
ムギはいい終わるや否や、「行きます!」
と、即答してくれた。
それが今日。今日は二人で料理をすると、約束した。
- 28. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 04:07:30.02 ID:ld0O5XOi0
- ムギは思った通り、車に乗ってやって来た。
以前とは違う車だ。
紬「お邪魔します!」
澪「いらっしゃい」
紬「ご両親は…?」
澪「帰ってくるけど、夜遅いんだ。友達呼ぶことは言ってあるから大丈夫。」
友達じゃなく、恋人と堂々と言えないことは、切ない。
けれども、私達は、好き合っている。
愛し合っている。
ムギは荷物を玄関に置くと、すぐにキスをした。
熱く甘いくちづけをー。
- 29. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 04:13:36.60 ID:ld0O5XOi0
- 久々のキスは、何分経ったか…私の方が、求めていたのかも。
澪「…」
紬「…ん」
私達は互いに見つめ合って息を整えると、またくちづけ合う。
澪「…ムギ…」
キスの合間に名前を呼ばれて、少し我に帰った私は、澪ちゃんを見つめる。
赤く染まった澪ちゃんの顔は、本当に愛おしい。
澪「そ、そろそろご飯の準備しないか?」
気づいたら、辺りは暗い。
本当にどれだけの時間、キスしてたのかしら!
少しいきすぎたキスに、流石の私も恥ずかしくなってしまった。
私はこんなにも、澪ちゃんが好きなんだ。
- 31. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 04:18:36.02 ID:ld0O5XOi0
- 普段お料理をする私をお手伝いしてくれる澪ちゃん。
こんな未来が、日常になってくれたら…私は切に願う。
きっと、澪ちゃんも、そう思ってくれるだろうな…。
澪「ムギはやっぱり、上手いなぁ」
ムギ「包丁捌きは、シェフ直伝です!」フンス
澪「シェ、シェフ…」
紬「うふふ」
澪「なぁ、ムギ?」
突然呼び掛けられ、顔を向ける。
すると、澪ちゃんからの嬉しいサプライズキスが!
紬「ど、どうしたの?!」
澪「…笑ってるムギが可愛くて…つい」
もう!どうしてそんなテクニックを!
可愛いわ!澪ちゃん!
- 33. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 04:22:33.75 ID:ld0O5XOi0
- どうして、キスをしたんだろう。
私はいつか、律たちの前でも、ムギにキスをしてしまいそうだ。
料理がら完成して、二人で食べさせ合いっこをする。
澪「美味しい!」
紬「えへへ…この味は…」
澪「シェフ直伝!」フンス
紬「残念!ばあや直伝です!」
澪「違うのか!」
紬「和食は基本的にばあやなのー」
澪「その人もただものじゃないんだろうな、きっと…」
私は改めてムギの家との違いに、驚いた。
でも、ムギは、私と変わらない女の子だ。
- 35. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 04:27:17.15 ID:ld0O5XOi0
- 夕食の片付けも、もちろん二人でやる。
こんな幸せな未来が、くるといいなと、思う。
澪「今日は泊まれる…?」
紬「もちろんよ!」
そう言って笑うムギが、何よりも癒しだ。
前みたいに一緒にお風呂に入って、ムギの家のベッドには負けるけど、二人で私のベッドに入ろう。
澪「ムギ」
紬「なぁに?澪ちゃん」
澪「もう少しだけ、またキス、しよう?」
おわり
- 36. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/20(日) 04:27:59.54 ID:ld0O5XOi0
- おやすみなさい。
駄文失礼しました。
最終更新:2011年11月21日 20:43