唯「あの・・・」

  えっと、なにから話せばいいかなあ・・・」

  うーんと、えっとね、」

唯「・・・その、
  あずにゃんがっていうんじゃなくてね、
  なんていうか・・・」

唯「私ほんとこういうのなれてないし、
  あたまだってわるいし、思いつかないから、

  ごめんね、うーん・・・・・・・」


唯「あ、そうだ」


唯「えっとね、
  中学ぐらいかな、
  社会の先生が言ってたんだけど、
  カッターナイフってあるよね?」


唯「・・・あはは、ごめん。
  えっとそれでカッターナイフなんだけど、
  なんでこういう形になったか、あずにゃん知ってる?」


唯「・・・・・そうだよね、えへへ」

唯「私もその先生から聞くまで、
  ていうか今もこの瞬間まで忘れてたけど、」

唯「あれって実は日本人が考えたんだって!
  今や全世界の人がカッターナイフ使ってるんだよ!」


唯「ねぇすごくない?」


唯「でねでね、
  そのカッターナイフって、日本って戦争やってたよね?」

唯「あ、アメリカとのやつ」


唯「――そうそう太平洋戦争!」

唯「・・・・・わかってるよぉ、
  ちゃんと日本史も勉強するってばあ・・・」


唯「って、話がずれちゃった」

唯「それでその戦争が終わったあと、
  とある印刷工さんが今のカッターナイフみたいなの考えたんだけど、
  このアイデアどっからひらめいたか、っていうのがおもしろいの!」

唯「その印刷工さんね、
  やっぱり紙を切ったりしてたんだけど、」

唯「戦争終わったすぐだからいい金属とかもなくって、
  すぐ刃がぼろぼろになったりして、
  研ぐのとかめんどくさかったんだって。」


唯「・・・・・え、ギー太?
  ちゃんとメンテナンスやってるってば!」


唯「とにかくそれでこう、
  今のナイフみたく、
  刃をポキポキって折れるようにしたら便利じゃないかなって考えたの!」


唯「でねでね、
  あずにゃん聞いて、」

  その刃を折るやつって『オルハ式ナイフ』って言うんだけどね・・・」

唯「え?」

唯「あーそっか、あはは、たしかにシャレだよね。
  なんかその印刷工さん大阪の人だったみたいだし!
  どないやねーん!」

唯「あはは、ごめんごめん」

唯「で、そのオルハ式ナイフだけど、」


唯「・・・・・んー、やっぱじゃあここで問題です!
  その印刷工さんはどうやって思い付いたんでしょうかっ!」


唯「はい解答者のあずにゃんっ」


唯「ちっちっちっちっ・・・・・はい、ぶぶーっ!
  時間切れでーっす!」

唯「って、私もわかんなかったんだけどね。
  えへへ・・・それで正解は、」


唯「――なんとチョコレートなのです!」


唯「・・・んーん、そういうのじゃなくて板チョコね」

唯「ほら、ポキポキ折るでしょ?」

唯「そうそう!
  そういうチョコを、印刷工さんが小さい頃に、
  アメリカの兵隊さんが配ったんだって」

唯「あれ、なんだっけ?
  あのPTAとかBPOみたいな感じのやつ……」


唯「そうそう、GHQってやつ!」

唯「あはは・・・私も勉強しなくちゃ・・・」

唯「ね、ね! おもしろくない?
  板チョコとこのカッターにそんな関係があるなんてさ!
  あずにゃんだって知らなかったよねっ」

唯「でね、えっと・・・」

唯「なんていうかね、おもしろくない?
  ほら、その・・・そしたらたとえばさ、えっとその・・・・・
  もしあずにゃんがね、さっきみたいに手首にカッターナイフあてる時に、
  その板チョコの話とか思い出したら・・・ちょっとはこう、楽しくなったりしないかな?
  って、私さっきすごい考えておもったんだけど・・・・」


唯「・・・・・あ、うん・・・。
  そっか、あんま面白くなかったか・・・ごめん、
  じゃあ他の話するね、」

唯「あー、えっと・・・」



唯「……待って、私ぜったいあずにゃんが元気になれる話考えるから・・・」

唯「えーっと・・・・うーん・・・・・」


おわり。






最終更新:2011年12月01日 21:25