――・・・


紬「ただいま~」

澪「ただいま」

唯「おっかえり~」

律「外は寒かったろう? さ、かき氷あるから食べなさい」

澪「寒いんだよ!」バシッ

律「いて・・・。どっちが?」

澪「心身共にだ」

律「さいですか・・・」

梓「全然変わりませんね・・・この雰囲気・・・」

唯「そぉ~? 変わったよ~」ヌクヌク

紬「あずさちゃんのアパートにみんなが集まっているのよね、変わったわ」

こむぎ「」スヤスヤ

梓「・・・そうですね」

澪「これ、カキ氷じゃなくて雪をお椀に乗せただけじゃないか」

律「立派なカキ氷だろ?」

澪「食べるなよ? 空気中の汚れが付着しているんだから」

律「え・・・。あ、うん」

澪「食べたな・・・」

唯「シロップつけてもダメなの?」

梓「シロップで汚れは落ちませんよ」

唯「ですよね~」ヌクヌク

こむぎ「」スヤスヤ

律「唯とこむぎが並んでいると温かい雰囲気になるな、梓、みかんを並べてみたい」

梓「みかんですか・・・。たしか・・・」

澪「あるんだ・・・」

梓「冷凍庫にもありますけど、どっちを食べますか?」

唯「冷凍みかん?」

梓「はい。凍らせておきました」

澪「あ、食べたい」

唯「ふふふ、お主も悪よのぅ」

紬「ふふふ、そうですよぅ」

律「認めただけかよ」

澪「ふふふ、私は悪くないぞぅ」

唯「・・・」

紬「・・・こ、こほん」

澪「ち、違うんだ・・・今のは・・・違うんだ・・・」

律「後悔してやんの」

梓「ふふ」

紬「うふふ、やっぱり変わってないわね」ニコニコ


――・・・


澪「あと5時間だな・・・」

律「純とか待たなくていいから食べようぜ」

梓「そうですね」

ピンポーン

紬「はいは~い」

梓「ちょっ、待ってください!」

澪「我が家気分だな」

唯「」スヤスヤ

こむぎ「」スヤスヤ

ガチャ

「鯛持って来たよー・・・紬先輩~!」

紬「わざわざ持って来てくれたのね~」

「さっきも会いましたけど・・・っ!」

梓「・・・」

紬「純ちゃん?」

純「秋に会って以来ですけど・・・やっぱり嬉しい・・・です」

紬「ありがとう」

純「あ、あずさぁー・・・」

梓「な、なに?」

純「よかったなぁー」ボロボロ

梓「・・・うん」

紬「うふふ・・・雪が積もってるわよ、純ちゃん」ナデナデ

純「・・・うぅっ・・・よかった」グスッ

律「玄関で泣いてんじゃねえよー」

純「あっ! ・・・律先輩っ!」

律「おひさー♪」

純「どこへ行ってたんですかー!?」

律「世界だ世界」

純「それは知ってますよ!」

梓「入って。寒いから」

純「・・・うん」

紬「うふふ」

純「澪さんの隣に失礼します」

澪「どうぞ。純も久しぶりだな」

純「はい、2年ぶりです。今札幌にいるんですよね」

澪「うん、といっても小樽よりだけどな。今の季節はスノボをやってるから楽しいよ」

純「行きたい!」

澪「おいでおいで」

律「あれ、私には先輩付けのままなのか?」

純「5年間会ってませんでしたから・・・」

律「あ、そうだっけ? ・・・あはは」

純「・・・」

梓「純は律さんの事心配してましたよ」

純「言わなくていいよ。繰り返す、言わなくていいよ」

律「へぇ・・・。なんて?」

梓「今どこにいるの? 病気とか怪我してないよね? 心細くないのかな?」

純「こむぎ~」ヒョイ

こむぎ「・・・みゃ?」

純「おまえのご主人様は意地悪ですねぇ~」ナデナデ

こむぎ「みゃ~」

澪「仲がいいんだな・・・」

純「何度か預かってますから」ナデナデ

こむぎ「・・・」ゴロゴロ

紬「純ちゃん、お茶どうぞ」

純「ありがとうございます! 暖まる~」

紬「唯ちゃん横座るね」

唯「」スヤスヤ

律「そうか、心配していてくれたのか。そんじゃこれやるよ」

純「なんですか、これ?」

紬「あら、ピリ・レイスの地図ね」

律「お、詳しいな、むぎ」

純「?」

梓「南極の地図だよ。オーパーツ」

純「あー、オーバーテクノロジーですかー」

律「意外と知ってんのな」

純「へぇ・・・こういうヤツなんだぁ・・・いらないなぁ・・・」

律「こら、今は氷で被さっているけどな、それでも大陸の細部まで書かれているという貴重な地図なんだぞ」

純「南極にも行ったんですか?」

律「行ってないけどな」

純「・・・相変わらずですね」

紬「うふふ」

純「どうして私にこれを?」

律「実はそれ私自身のために買ったヤツなんだ」

純「?」

梓「・・・」

澪「梓が、純のはないのかって・・・聞いたんだ」

純「どうしてですか・・・?」

澪「さっき梓が言ったでしょ、律を心配していたって」

律「うむ、その礼である。・・・が、いらないんなら返せ」

純「せっかくだからいただきますね」

律「価値が分からないだろ!」

純「あはは、今価値が上がりましたから、私が持っててもいいじゃないですか」

律「なんだよそれは・・・ったく」

唯「」スヤスヤ

こむぎ「・・・」ゴロゴロ

ピンポーン

紬「はいは~い」

テッテッテ

梓「・・・」

こむぎ「」ウトウト

澪「純、こむぎを貸しくれないか」

純「どうぞ」

こむぎ「みゃ・・・?」

澪「起こしてごめんな」ナデナデ

こむぎ「・・・」クァ

梓「また寝不足になるね」

紬「いらっしゃ~い」

「むぎ・・・」

「紬さん・・・」

紬「和ちゃんも憂ちゃんも秋以来ね、さ、入って~」

和「・・・えぇ」

憂「つ、紬さん・・・本当に・・・よかった・・・っ」

紬「うふふ、ありがとう」

憂「い、いえ・・・っ」グスッ

和「・・・良かったわ」

紬「・・・うん」

梓「どうぞー」

憂「お邪魔します・・・っ」グスッ

和「唯は先に来ているはずだけど・・・?」

紬「コタツで寝てるわ」

和「・・・そう。待ちきれなかったみたいだから」

紬「うん。私も同じよ」

憂「あれ、お姉ちゃん・・・どこ?」

梓「また隠れたんですか・・・・・・」

律「和久しぶり~」

和「・・・律!? あなたどうして帰ってこなかったのよ!」

律「え、あ・・・すいません」

和「連絡くらいしなさいよ!」

律「・・・・・・はい」

澪「正座だ」

律「あ、はい」

和「帰ってこない、連絡よこさない、足取りつかめない」

律「・・・はい」

純「うんうん」

唯「りっちゃん、叱られてますな」ヒョコ

憂「・・・」

和「クラスのみんなも心配していたのよ! 律は大丈夫かって!」

律「・・・はい。ごめんなさい」

「まぁまぁ、落ち着いて和ちゃん」

和「・・・もぅ」

律「・・・」ションボリ

梓「さわ子先生いつの間に・・・」

さわ子「せまいわね・・・」

紬「さわちゃん、頭に雪が・・・」パッパッ

さわ子「ありがと。ご飯はまだ?」

紬「そろそろ準備しましょうか」

梓「ですね」

さわ子「唯ちゃんはまだ来てないのね」

憂「そこに・・・」

唯「あれ、どうして分かったの?」ヒョコ

純「さっき声を出したじゃないですか」

唯「ちぇっ、和ちゃんを驚かそうと思ったのに」

律「はい、驚きました・・・」

澪「自由気ままに旅してきたんだから、しょうがないな」

和「・・・明後日みんなに合わせるからね」

律「ご勘弁してくださいませ」ペコリ

唯「同窓会だよ? りっちゃん行かないの?」

澪「そうか、残念だ」

律「行かせていただきます」

さわ子「外凄い雪だったわね。今は落ち着いているけど」

憂「積もってましたね」

和「・・・」

紬「公園が近くにあったわ」キラン

梓「あれ、ごはんは・・・」

唯「運動した後に食べようよ」

憂「今年もあと4時間ですね・・・急ぎましょう」

和「乗り気ね」

純「こむぎ置いてて平気かな?」

梓「・・・うん。1時間も遊ばないでしょ」

澪「残りたいけど行きたい」ナデナデ

こむぎ「」スヤスヤ

律「ふっふっふ、和に先ほどのお返しをしてやる」ギュッギュ

澪「いや、悪いのはおまえだ」

律「仕返しではない、お返しだ。のしを乗せてしっかりと」

ボスッ

律「うっ!」

和「みんながどれだけ心配していたか、分かってないのね」

律「ありがとよっ!」シュッ

和「・・・!」バシッ

律「なんで弾けられるんだよ!?」

さわ子「うぅ~、寒い寒~い」

純「動けば暖まりますよ」ギュッギュ

さわ子「動くまでの気力がねぇ・・・」ブルブル

唯「さわちゃんめっ」シュッ

さわ子「・・・」サッ

唯「避けたよっ!?」

さわ子「甘いわよ、唯ちゃん」ブルブル

澪「寒さで体が動かないはずなのに・・・」

シュッ

澪「・・・」サッ

律「なにぃ!?」

澪「北海道で生活しているって言っただろ」

律「なるほど、日常茶飯事か」

澪「あっ後ろ!」

律「え?」クルッ

澪「えいっ」シュッ

律「なにもふぶっ」ボスッ

澪「世界を歩いて何をしていたんだ?」

律「くっ!」

憂「結構積もりましたね」

紬「そうね~」

梓「よいしょっ、よいしょっ」

純「木の枝もってきたよ~」

憂「ありがと~」

紬「あずさちゃん、そっち持って」

梓「はい。いきますよ、せーっの」

紬梓「「 フンス! 」」

純「その気合は力抜けそうなんだけど」

憂「首の部分を接着」ペタペタ

梓「腕の枝を取り付ければ」

紬「雪だるまさん完成ね」

梓「・・・」

唯「おぉ、雪さんだ」

シュッ

ポキッ

紬「あ!」

純「雪さんの腕が折れた・・・」

梓「誰ですか!」

和「・・・あ、ごめんね」

梓「しょうがないですね・・・」

紬「和ちゃん!」シュッ

和「おっと」サッ

さわ子「ふぶっ」ボスッ

律「・・・」

澪「・・・」

シーン

紬「雪さんがやりました」

さわ子「見てたわよ!」


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最終更新:2011年12月03日 21:56