純「唯さん、和先輩が決意した理由って・・・」
唯「うーん・・・。多分、あずにゃんを見ていたからかな」
憂「・・・うん」
梓「私ですか?」
純「・・・」
唯「そう、むぎちゃんとあずにゃんの間にあるもの~・・・」
憂「・・・・・・うん」ウトウト
純「・・・納得です」
姫子「・・・」
紬「・・・そうなのね」ナデナデ
こむぎ「・・・みゃ」
梓「・・・」
さわ子「ダメ・・・私も寝る・・・毛布ちょうだい・・・」
梓「どうぞ」
さわ子「ありがと。私、初詣も初日の出もパス」
風子「朝起こすの楽しみ~」
さわ子「また変な起こし方したら承知しないわよ」ギロ
風子「はーい。おやすみなさい」
さわ子「信用できないわね・・・」
澪「またって・・・常習犯なのか・・・」
紬「さわちゃんも疲れているんですか?」
さわ子「仕事を持ち越したくなかったから、徹夜で処理したのよ・・・ふぁ」
純「社会人として尊敬します」
さわ子「ふふ・・・」スヤスヤ
姫子「笑いながら寝た・・・」
律「梓、ちょっとベランダ出ていいか?」
梓「いいですけど、寒いだけですよ?」
律「外の風を受けて、私の中の邪気を祓うのさ」
ガラッ
梓「どうぞ」
律「スルーかよ」
澪「私も・・・」
梓「閉めますよ?」
澪「うん」
律「おっけー」
ピシャッ
梓「うぅ、さむい」
紬「どうぞ~」
梓「やっぱりコタツはいいですね」
純「」スヤスヤ
梓「純まで寝てる・・・」
風子「」スヤスヤ
紬「ふぅちゃんまで・・・」
姫子「・・・」
梓「姫子さんまで・・・」
姫子「起きてるよ・・・。伏せているだけ・・・」
紬「あずさちゃん、もう一回聴きたいわ」
梓「は、はい」ピッ
~♪
姫子「この曲さ・・・。希望が溢れてるよね・・・」
紬「うん。そうね」
梓「・・・」
姫子「きっと、和や、純の背中を押しているんだろうな・・・」
紬「姫ちゃん・・・?」
姫子「なに?」
紬「・・・どうしたのかなって」
姫子「律がさ、なにか考えてた風だったから・・・心配っていうか」
梓「あぁ・・・」
紬「澪ちゃんが聞いているみたいね」
姫子「あ、そっか・・・。さすが・・・、私がそう思うのなら、澪だって気付くよね」
紬「うふふ」ナデナデ
こむぎ「・・・」ゴロゴロ
梓「眠くないの?」
姫子「寝ようかなー・・・」
梓「ち、違いますよ。こむぎに聞いたんです」
こむぎ「みゃ」
姫子「はは、おっちょこちょいだね私は・・・」
紬「・・・姫」
ガラッ
律「氷点下いってんじゃねえか・・・?」ブルブル
澪「さーむい」ブルブル
ピシャッ
梓「・・・」
律「おぉ・・・温かいぃ・・・コタツは日本の文化」
澪「守っていかないとな・・・この文明を・・・」
姫子「・・・」
梓「律さん・・・」
律「ん?」
梓「えっと・・・」
姫子「梓、もう一回流して」
梓「は、はい」ピッ
~♪
律「はは、また聞くのかよ」
澪「・・・」
姫子「・・・」
梓「・・・」
律「あれ、なんだこの空気」
紬「りっちゃん・・・また・・・どこかへ行っちゃうの?」
律「あ・・・。なんで分かったの・・・?」
姫子「・・・やっぱり」
梓「・・・だと思いました」
澪「・・・ったく・・・」ウトウト
紬「次は・・・いつ・・・?」
律「ほんとは迷ってたんだけどさ、さっき和の決意を聞いて、また火が付いちゃった」
紬「・・・そう」
律「来週までは居るよ」
紬「そうじゃないの、いつ会えるのかなって」
律「・・・ごめん、分からないや」
紬「・・・そうなの」
律「澪が言ったよ」
澪「」ウトウト
梓「・・・」ファサ
澪「」スヤスヤ
律「『約束をしよう』ってさ」
紬「・・・そうね」
律「果たせないとしても、また会って何度でも約束をしよう」
紬「うん」
律「ずっとずっとだ」
紬「・・・うん」
律「今度は怒られないように連絡するさ」
紬「うふふ」
律「だから・・・」
姫子「・・・だから・・・?」
律「明日・・・来年だな、約束をしようぜ」
梓「そうですね」
紬「約束の約束ね」
風子「」スヤスヤ
律「うむ。・・・寝る」
梓「カウントダウンですよ?」
律「みんな寝てるからもういいや・・・おやすみぃ・・・」
紬「あらあら」
姫子「・・・」
紬「それで、姫ちゃんは?」
姫子「・・・どうして気付かれるかな」
梓「それがむぎ先輩です」
紬「うふふ」ナデナデ
こむぎ「」スヤスヤ
姫子「・・・むぎはよく笑うね」
紬「『今』が楽しいわ」ニコニコ
梓「みんな寝ちゃいましたけど」
唯「」スヤスヤ
憂「」スヤスヤ
和「」スヤスヤ
純「」スヤスヤ
さわ子「」スヤスヤ
風子「」スヤスヤ
律「」スヤスヤ
澪「」スヤスヤ
姫子「・・・新しい年はすぐ・・・そこなのに・・・ね」
紬「・・・そうね」
梓「・・・」
姫子「私も・・・冒険した・・・い・・・の・・・かな」ウトウト
紬「しましょうか」
姫子「・・・うん」ウトウト
梓「・・・」
姫子「」スヤスヤ
梓「寝ちゃいましたね」ファサ
紬「・・・私たちも寝ましょう」
梓「・・・ですね」
紬「もしかして眠りたかった?」
梓「・・・はい。朝早すぎましたから」
紬「まぁ・・・」
梓「こむぎ・・・お願いしますね」
紬「えぇ、分かったわ」
こむぎ「」スヤスヤ
梓「あと・・・5分で年が明けますね・・・」
紬「・・・眠くなってきちゃった」
梓「電気消しますね」
紬「うん。お願いね」
梓「毛布ありますよね?」
紬「あるわ・・・。どうして毛布がたくさんあるの?」
梓「この部屋に人が集まるんです。ですから、泊まってもいいようにと」
紬「用意がいいのね」
梓「姫ちゃんさんと風子さんが持ってきてくれたんですけどね」
紬「うふふ、いいわね。いつも一緒で」
梓「消しますよ?」
紬「はーい」
カチッ
紬「あ・・・外・・・」
梓「雪・・・ですね・・・。カーテン閉めていいですか?」
紬「うん・・・」
梓「・・・開けっ放しは冷えますから」
シャーッ
紬「あ・・・」
梓「今度は何ですか?」
紬「年を越しちゃったかも・・・」
梓「えっと・・・」
パカッ
梓「まだですね・・・」
紬「液晶に反射されたあずさちゃんの顔・・・魔女ね」
梓「・・・そうですか」
紬「・・・ふぅ、今日は楽しかった~」
梓「ずっと部屋にいましたけどね」
紬「・・・充分よ」
梓「よかったです」
紬「ありがとう」
梓「こちらこそです」
梓「?」
紬「冬に旅に出かけるのもいいなぁって・・・」
梓「・・・いいですね。夏とは違った景色がみられて・・・楽しいんでしょうね」
紬「・・・うん」
梓「・・・・・・いいですね、ウィンタージャーニー」
紬「おやすみなさい」
梓「あ、むぎ先輩」
紬「なぁに?」
梓「手を見せてください」
紬「? ・・・見えないでしょ?」
梓「バトンタッチです」
ポン
紬「・・・え?」
梓「これからはむぎ先輩がみんなを紡いでくださいね」
紬「あずさちゃん・・・」
梓「5年間ここには唯さんも澪さんも律さんもいませんでした。
むぎ先輩も居ないこの場所は・・・ぽっかりと穴が空いていたんです」
唯「」スヤスヤ
澪「」スヤスヤ
律「」スヤスヤ
梓「ですが、これからはむぎ先輩がここに居るんです。私の役目は終わりなんですよ・・・きっと」
紬「・・・違うわ」
梓「・・・」
紬「ここにいるみんなを紡いだのはあずさちゃんよ・・・だから」
ギュウ
梓「・・・あ」
紬「一緒につむぎましょう」
梓「・・・・・・・・・はい」
紬「また・・・みんなでこんな時間を過ごしましょう」
梓「はい」
紬「おやすみ」
梓「来年も・・・いえ」
紬「うん?」
梓「これからも、よろしくお願いします」
紬「よろしくね、あずさちゃん」
終
最終更新:2011年12月03日 22:01