澪(もう学校に行かなくなって2週間か……)
澪(これ以上引きこもってると本格的にやばくなってくるな……)
澪(でも……怖いな…………)
ピオンポーン
ガチャッ
澪(あ……律かな…………?)
この2週間の間、律はプリントやクラスメイト達からのメッセージを届けてくれているのだが、律も私が引きこもっている本当の理由をしらない
でも律は私をどうにか部屋から出そうと色々してくれている
澪(……そうしてくれるのはありがたいんだけど逆に出づらいんだよなぁ…………)
そんな自分への嫌悪感と律への罪悪感から涙がでてくる
いけない。律がきてるのに……
コンコン
涙でぬれた部屋にノックの音が転がった
でも……
こんな顔じゃ誰にもあえないよ
澪「律か……?いつもごめんな……でも今日は帰ってくれないか?」
??「律……?誰のことを言ってるのが知らんが人違いだ!すまんな!!」
声でバレバレだ。
澪「じゃあ誰なんだよ」
??「名乗るほどたいした名じゃないが、誰かがこう呼ぶ ``ラフ・メイカー`` ……と」
ラフ・メイカー「あなたに笑顔を持ってきたんだ!!」
澪「…………」
ラフ・メイカー「寒いからいれてくれ」
澪(……まぁ、律なりに精一杯考えてくれたんだろうな…………でも……)
澪「ラフ・メイカー?冗談じゃない!そんなもん呼んだ覚えはない!!」
澪「構わず消えてくれ……」
澪(そこにいられたら泣けないだろう……)
あぁやってしまった
律のジョークに素直に笑えない自分に腹が立つし、そのストレスを律にぶつけてしまうことにさらに腹が立つ
なんでこうなってしまったんだ……
…………
コンコン
大洪水の部屋にノックの音が飛び込んだ
澪(律……まだいてくれたんだ…………)
澪「帰ってくれって言ったろ?」
澪「迷惑なんだよ……」
ラフ・メイカー「澪…………どうしちまったんだよっ……」
ラフ・メイカー「……澪は…………澪はっ!一生懸命な奴のことを馬鹿にするような奴じゃなかったはずだ!!」
ラフ・メイカー「私だけじゃない!けいおん部のみんなも、さわちゃん達先生も、クラスメイトのみんなも、憂ちゃんや鈴木さんまで一生懸命澪のこと考えてくれてんだぞ!?」
ラフ・メイカー「こんな澪見るの生まれてこの方初めてだよ」
ラフ・メイカー「なんで……なんで……」グスンッ
澪(そんなこと自分ではわかってるんだよ……でも………でも…………)
澪「あんたが泣いてたらしょうがないだろ?泣きたいのは私のほうさ……」
澪「こんなもん呼んだ覚えはない……」ポロポロ
あぁ……私はなんて天邪鬼なんだ……
素直にやさしさがうけとれない……そんな嫌な奴だったのか…………
二人分の泣き声 遠く―――――――――
…………どれくらい泣いていたのだろう
ドアを挟んで背中あわせ
しゃっくり混じりの泣き声
澪「なぁ……ラフ・メイカーさん…………話を……聞いてくれるか?」グスッ
ラフ・メイカー「もちろんさ……」ズビッ
澪「ありがとう……」
膝を抱えて背中あわせ
すっかり疲れた泣き声
私はラフ・メイカーにすべてを話した
ある日私は聞いてしまった
去年、同じクラスだった子が、私の悪口を言っているのを……
それからというもの周りの視線に敏感になり、精神がもたなくなってしまった
もう慣れてきたはずのファンクラブ会員の眼差しも気になってしょうがなかった
そしてしばらくして私は風邪で学校を休んだ
しばらくして風邪は治ったが、私は学校に行くことが出来なかった
ラフ・メイカー「ごめん……ごめん…………」
澪「どうしてあんたがあやまるんだ…………?」
律「けいおん部の部長として…………親友として………………」
律「澪の悩みに気づけなくてごめん!!ほんとうに……ごめ……ん…………」ポロポロポロ
それはラフ・メイカーとしてではなく一人の親友としての言葉だった
澪「私も……頼れる部長を、最高の親友を……信頼しなくてごめん!律っ!!!」
律「澪……!」
ラフ・メイカー「っと……私の名前はラフ・メイカーだ!!間違えるんじゃねぃ!」
澪「今でもしっかり私を笑わせるつもりなのか?``ラフ・メイカー``」
ラフ・メイカー「あたりまえだぃ!!」
ラフ・メイカー「それだけが生き甲斐なんだ!笑わせないと帰れない!!」
澪「そうか…………」
澪「扉……開けるよ……」
ガチャッ
ガコッッガコッッ
澪「あれ……ドアがあかない!!溜まった涙の水圧か!?」
ラフ・メイカー「こんなときでもそんなメルヘンなこというんだな……鍵閉めてるだけだろ…………」
澪「そっちでドアを押してくれ!鍵ならすでにあけてるっ!!」
澪「行くぞっ!せーのっ!!」グッ
澪「あれ……?押してくれよ?」
……
澪「ラフ……メイカー…………?」
澪「おい!ウンとかスンとか言ってくれ」
澪「どうした?おい、まさか!?」
ラフ・メイカー!?冗談じゃない!!!
今更私一人置いて!!構わず帰りやがった!!!
信じた瞬間裏切った!?
ラフ・メイカー!?冗談じゃない!!
逆側の窓割れる音
鉄パイプもって泣き顔で
「あんたに笑顔をもってきた」
澪「りつうううううううう」
律「みおおおおおおおおお」
澪「窓を割るのはやりすぎだ!!」
ゴチン
律「あいてっ」
澪「もう……」
律「ごめんごめん……」
ラフ・メイカー「怒らずにこっち向いてくれよ、まだラフ・メイカーとしての仕事が残ってるんだよ」
ラフ・メイカーは小さな鏡を取り出して私に突きつけてこういった
ラフ・メイカー「怒りながら泣いてる!!面白い顔してるぞ!!」
呆れたがなるほど笑えた……
コツンッ
律「へへへ……全然痛くないよ」ニコッ
澪「…………ハハハッ」ニコッ
律澪「アハハハハハハハハハハ!!!」
おしまい
今日思いついたのを勢いで書いただけだから短いんですが呼んでくれた人ありがとう!
ラフ・メイカーはBUMPさんの曲です
このSSは歌詞にそってすすめる話でした
なのでBUMPさんに感謝です
知らない人がいればよければ原曲を聞いてください!!
ありがとうございやした!!
最終更新:2011年12月20日 19:57