係員「平沢様、お待たせしました」スチャ
唯「あ、すみません」
係員「いえ、そのままで結構ですよ」
係員「こちらが新しい献血カードです」
係員「こちらは今回献血して下さったことへの感謝の気持ちです」どさっ
唯「こんなにっ?」
係員「今年は当献血ルームの開設20周年に当たりますので、こちらはその記念品です」
唯「わぁ、バームクーヘンだ」キラキラ
係員「後ほど、インターネットのメールクラブに登録していただくと、過去の血液検査結果が見られて、健康管理にお役立ていただけます」
係員「こちらから、不足時に献血のお願いメールを送らせていただくこともあります」
係員「よろしかったらぜひ、ご登録ください」
唯「はい!」
唯「いやぁ、いろいろもらっちゃったねぇ。あ、外はもう夕方だ」
和「献血しただけで、お土産がたくさんできたわね」
唯「えぇと、もらったもの整理してみよう・・・」
唯「ハンディモップと、スケジュール手帳、来年のカレンダー」
唯「記念のバームクーヘンと、あと冊子もいっぱい・・・け、献血Walker第7号?」
和「赤十字主催のライブミーティングなんかもやってるわね。唯たちも目指してみたら?」
唯「これすごいね、和ちゃん・・・」
唯「お菓子食べ放題、ドリンク飲み放題、健康管理にも役だって、お土産までもらえる。あとハーゲンダッツも!」
和「まさに至れり尽くせり、ね」
唯「でもさー、和ちゃん」
唯「これって、『国民の税金』ってやつなのかなぁ」
唯「だとしたら、お金使いすぎじゃないの?」
和「唯もそういうところに目がいくようになったのね・・・感慨深いわ」
唯「もぉ、茶化さないでよ和ちゃん」ぷんぷん
唯「献血は困ってる人の為にやるんだから、その人たちの為にお金を使えばいいんじゃないの?」
和「それはそうだけど、実際、唯は今まで献血したことなかったでしょう?」
唯「う・・・たしかに」
和「ライブ活動にお金を出したり、サービスを良くするのも、すべて献血してくれる人を増やす為よ」
和「献血事業を運営する赤十字社は認可法人だけど、国営でも民営でもないわ」
唯「それじゃ、いったい誰が・・・」
和「赤十字社は確かに国の補助も受けているけれど、その多くは国民の寄付金よ」
唯「税金じゃないの?」
和「誰でも年500円払って登録意思を示せば、赤十字社の社員になれるわ」
和「そして、赤十字社を支える柱は、皇室の援助なの」
唯「皇室!?」
和「歴代の赤十字社総裁は皇后様、名誉副総裁は皇太子様よ」
唯「へぇ・・・由緒正しいんだね」
和「赤十字は、災害時の救護活動や義捐金のとりまとめを扱う重要な組織だからね」
唯「そうなんだ・・・私ぜんぜん知らなかったよ」
和「献血活動にお金をかけられるということは、まだまだ血液が不足しているということだけど・・」
和「それだけ、日本が裕福な国でもあるということね」
唯「そうだよね、私たち恵まれてると思うよ」
和「だから、その分他人を思いやる心、幸せを分け合う心を大切にしないとね」
唯「・・・まだまだ、血液は不足してるのかぁ」
和「そうね」
唯「分かったよ、和ちゃん。私こんどは、みんなを誘って献血するよ~」
和「・・・澪は、採血で泣いちゃいそうだけどね」くすっ
唯「和ちゃん、私、東京に来ても和ちゃんが和ちゃんらしくて安心したよ」
和「私も、唯が変わってなくて安心したわ」
唯「年末は、桜が丘に帰るんだよね?」
和「えぇ、唯たちも帰るでしょ?」
唯「うん。だったらさ、家にも泊まって行ってよ。憂も和ちゃんに会いたがってるよぉ」
和「年末年始は、弟や妹と過ごそうと思ってるのよね・・・」
唯「うぅ・・・そっか」ぐすっ
和「だから、唯たちとも過ごさないに訳にいかないでしょ」クスッ
唯「わーん、和ちゃんのいじわるっ!でも大好きっ」ダキッ
和「やれやれ、この妹がいちばん手がかかるわね」ナデナデ
【おしまい】
※>>1は上記団体とは何の関係もありません。
最終更新:2011年12月23日 22:07