純「ほんっとごめん、それじゃ」ピッ

純「ふぅ…」

純「隣いい?」

憂「…」

純「よっこいしょ!」

純「いやー、私も行けなくなっちゃったから今日は中止になったよ」

憂「…ごめん」

純「いや、…全然気にしてないから」

純「えーっと、その…よかったら話聞くよ?」

憂「さっきお財布を忘れちゃって一回うちに戻ったの」

憂「そしたらお姉ちゃんと和さんがいて…二人とも裸で…」

純「(まぢ!?)そ、それは確かにきまずいよねーうんうん、二人とももっと場所選んで

憂「私ね…」

憂「和さんのこと好きだったんだ」

純「!?」

憂「小学校に上がった時くらいからなぁ…」

憂「私の初恋は和さん。そして今までずっと好きだった…」

憂「でもね、私知ってた。お姉ちゃんも和さんのことが好きって。だって私たち姉妹だもん」

憂「さっきの二人を見て訳分かんなくなて、飛び出してきちゃって…」

純「そう、だったんだ…」

憂「でもね、私は和さんのこと好きだけどお姉ちゃんのこともすっごく大切なの」

憂「だからね、私二人のこと応援することにしたの!」

憂「好きな人と…大切な人にはやっぱり幸せになって欲しいから」

純「…憂」

憂「ごめんね純ちゃん、こんな話。でも聞いてくれてありがとう」ニコッ

純「…ほら」

憂「えっと、純ちゃん?」

純「裸足なんだからおぶってくよ」

憂「そ、そんないいよぉ。私重たいし」

純「だーいじょうぶ。私んちならそんなに距離ないし、とりあえず靴だけでも用意しなきゃ」

憂「で、でも…」

純「それにこう見えても体力には自信ありだよ」ニカッ

憂「うん…おっ重かったら言ってね」

ギュ

純「おぅっと…(意外とキツイかも…)」

憂「だ、大丈夫!?やっぱり降りるよ」

純「だい、じょぉぶ!」

憂「純ちゃん…」

純「ん?」


純「いいってことよ」

純「(好きな人には幸せになって欲しい、か…)」


ーーーーー

よくじつ!


憂「お姉ちゃん…もう起きてたの?」

唯「うん!今日は約束があるからねー」

憂「そ、そうなんだ…朝ごはんは?」

唯「パン焼いて食べたから大丈夫だよ」

憂「そっか…」

唯「だから私先に行ってるよ」

憂「うん…気を付けてね」ニコッ

バタンッ


憂「(お姉ちゃん…嬉しそうだなぁ)」

憂「…うん、私も早くごはん食べちゃお」


ーーーーー

ひるやすみ!


純「あの、平沢先輩いますか?」

姫子「あぁ、唯ならさっきトイレに行くって」

純「あ、ありがとうございました」


ーーーーー

トイレまえ!


純「あっ、あの」

唯「あっ、純ちゃん。どうしたの?」

純「その、お話したいことが。来てもらっていいですか?ここじゃちょっと」

唯「ん?いいよー」

純「すみません。じゃあそこの空き教室でお話しします」


ーーーーー

空ききょうしつ!


唯「なぁに?話って。あっ、もしかして愛の告白!?どうしようそれは困っちゃうなぁ」テレテレ

純「真鍋先輩と付き合ってるからですか?」

唯「えぇっ!?どうしてそれを」

純「…やっぱり本当なんですね?」

唯「う、うん…」

純「女子同士で気持ち悪い…」ボソッ

唯「えっ」

純「先輩たちってレズだったんですね。ホントけーべつしますよ」

唯「うぅ…」ジワッ

純「こんなことが学校中に知れ渡ったらどうなりますかね~」ニヤ

唯「!?」

純「けいおん部から追い出されちゃうかも」

唯「そんな…」

唯「でも、私は和ちゃんが好き!」

純「!?」

唯「それにけいおん部のみんなだってきっとわかってくれるよ」

純「…そう」

純「でも真鍋先輩は…どうでしょうね?」

純「きっと内申なんかにも響くんじゃないですか?」

純「真鍋先輩はK大目指してるらしいですし、これはいただけないですよねぇ」

唯「!?」

純「きっとあなたはお荷物になりますよ」

唯「そんな…」

純「悪いことはいいませんから、別れた方がいいんじゃないですかぁ?」

唯「でも…」

純「それに私ってば口軽いからなぁ~」

唯「!!」

純「こんなおもしろいこと、黙ってられないかもぉ~」

唯「ま、待って!このことは誰にも言わないで…お願いだから」

純「えー、でもホントのことなんですよね?じゃあ別にいいじゃないですか」

純「まぁ、今まで通りの生活は送れないかもしれませんが」クスクス

唯「お願い、和ちゃんには迷惑かけたくないから…」

純「チッ…だから別れればいいじゃないですか」

唯「………」

純「あー真鍋先輩かわいそー。こんなことで人生棒に振るなんてー」

唯「っ!」

唯「そうだよね…私なんかと一緒にいたら」

純「…」

唯「もう和ちゃんとはただの幼馴染に戻るから…だから今までのことは…」

純「わかりました。じゃあすぐに真鍋先輩と別れてくださいね」

唯「うん…」

純「話はそれだけです。それじゃあ」

タッタッタッ


純「っ…」ハァッ、ハァッ

純「…ごめんなさい」


ーーーーー

きょうしつ!


和「あ、唯。どこ行ってたのよ。早くごはん食べましょ」

唯「あっ…」

和「お昼から生徒会で会議があるから、早くしないと時間がなくなっちゃうわ」

唯「あの…」

和「どうしたの?なんだか元気ないじゃない」

唯「ちょっと話したいことがあるから、そこの空き教室までいいかな?」

和「えっ?ええ。いいけど、どうしたの?」

唯「………」


ーーーーー

ふたたび空ききょうしつ!


和「それで、話って何かしら?」

唯「ごめん和ちゃん」

和「ん?」

唯「私たちやっぱり今まで通り幼馴染でいよ?」

和「そう。じゃあ戻ってお昼ごはんを…」

和「え?どういう意味かしら…」

唯「だからその、前みたいに友達で」

和「ふふっ、あはははは!」

唯「!!の、和ちゃん?」

和「あぁ、ごめんなさい」フフッ

和「そうよね、当たり前よね」クスクス

和「私は普通じゃないんだから」

唯「そ、そうじゃなくて!」

和「うるさい!!」

唯「っ!?」

和「話はそれだけ?」

唯「え…っと」

和「そうなんだ、じゃあ私、生徒会行くね」スタスタ

唯「の、和ちゃん…!」

唯「(生徒会室はそっちじゃないよぅ…)」


ーーーーー

スタスタ

…タッタッタッ

タッタッタッタッ

ガラガラッ
バタンッ、ガチャ


和「はぁ…はぁ…」

和「(そうよね…わかっていたことじゃない…)」


和「(…ここのトイレは滅多に人はこないし)」

和「(ここのでなら…おもいっきり泣いても…)」ジワッ

和「うくっ…ふぁ、」ポロポロ

和「わあぁぁぁぁぁぁあああああ!!」


ーーーーー

ポチャッ…

ポチャッ…


和「………」

和「(…もうどれくらい経ったかしら…)」

和「(会議に…授業…さぼっちゃったわね)」フフッ


ガチャ

キュッキュッ

ザー

バシャバシャ

キュッキュッ


和「…酷い顔ね」

和「…一体あなたは誰なの?」

和「ねぇ…」

和「答えなさいよ!!」

ガシャン!!


和「はぁ…はぁ…はぁ…」

和「私は…一体なんなのよ」


ーーーーー

きょうしつ!

ガラガラッ


澪「あっ、和!どうしたんだ?授業出てなかったけど…」

和「ちょっと体調が優れなくて。でももう大丈夫だから」

澪「そ、そっか。あんまり無理するなよ」

和「ええ、ありがとう澪」

澪「そういえば唯のやつもお昼終わりからおかしくて」

和「そう?唯がおかしいのはいつもでしょ?」

澪「え?ど、どうしたんだ和…」

和「別に?それよりさっきの授業のノート、借してもらってもいいかしら?」

澪「あぁ…」

和「ありがとう、助かるわ」

澪「(和…何かあったのか?)」


ーーーーー

ほうかご!


梓「こんにちは」ガチャッ

唯「………」ボーッ

梓「あれ?」

律「おう梓。唯のやつ、昼休みからずっとこんな調子なんだ」

澪「心焉に在らずって感じだな」

紬「ほんと、どうしたのかしら…」

梓「唯先輩…」

紬「唯ちゃん、お茶がはいったわよ」

唯「うん」ボーッ

律「ほら唯、お菓子だぞー!おっ、今日はミルフィーユか!」

唯「うん」ボーッ

律「ほらほら見てみろよ!いちごがいっぱい乗ってるぞ!すげー!!」

唯「りっちゃんうるさい」ボーッ

律「うーん、唯がお菓子にすら興味を持たないなんて…こりゃ重症だぞ」

紬「どうしましょう…今日はもうお休みにする?」

澪「これじゃあ練習もできないしな…」

律「仕方ない、唯を送って今日は解散しよう」


ーーーーー

ひらさわけ!

ピンポーン


憂「はーい」ガチャ

澪「あ、憂ちゃん」

憂「けいおん部のみなさん、どうかしたんですか?」

律「唯が調子悪いみたいでさ、送ってきたんだけど」

憂「そうなんですか!?お、お姉ちゃんだいじょうぶ!?」

唯「………」

梓「唯先輩、ずっとこんな調子で…」

憂「お姉ちゃん…」

紬「それとこれ。今日のお菓子なんだけど、憂ちゃんの分もあるから一緒に食べてね」

憂「紬さん…すみません、ありがとうございます」

律「それじゃあ私たちはこれで。じゃあ唯、無理するなよ」

紬「今日はゆっくり休んで、早く良くなってね」

憂「みなさん、今日はありがとうございました」

澪「いいんだよ。憂ちゃん、唯をよろしく頼むよ」

梓「憂も何かあったら連絡してね」

憂「梓ちゃんありがとう」

澪「あっ憂ちゃん、ちょっといいかな」コソコソ

憂「澪さん?」

澪「実は和の様子もおかしかったんだ。もしかしたら二人の間に何かあったのかも」

憂「!?」

澪「でも確証がなかったから…一応憂ちゃんには話しておこうと思って」

憂「そうですか…わかりました。わざわざありがとうございます」


ーーーーー


憂「お姉ちゃん大丈夫?病院行こうか?」

唯「……ごめん、今日は寝るよ」

憂「えっ、ちょっとお姉ちゃ…」

バタン

憂「(お姉ちゃん…)」


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最終更新:2012年01月09日 09:18