唯「あ、さわちゃん!」

美琴(さわちゃん…、ってひょっとして顧問の先生!?)

さわ「あなた…!!」

美琴「は、はいッ…?」シャキッ

さわ「猫耳とかにあいそうねッ!」

美琴「は」

澪「また始まったか…」

律「そこはピカチュウ耳だろ~さわちゃん」

紬(ど、どっちも似合いそう…!)

唯「さわちゃん何しに来たの~?」

さわ「はっ!」

さわ「そ、そうだったわ…!」

さわ「もう、あなたたち~下校時刻過ぎているんだから早くおうちに帰りなさいよ」

一同「は~い」

美琴「あ、すいません先生~」サッ

さわ「あら、これは…」

美琴「えっと、入部届けです…」

さわ「そう」ニコッ

さわ「まあ、こんな子たちだけど、…優しい子たちだから」

さわ「大丈夫よね」

美琴「はい…!」ニコッ

律「いや~私らの勧誘が良かったんだよな~」

澪「いやいや、こっちはまともな勧誘やってなかっただろ」

唯「それじゃ、バイバイさわちゃん~」

紬「こちら部室の鍵です」スチャ

さわ「ありがとね、琴吹さん」

さわ「それじゃ、皆。気をつけて帰るのよ~」

一同「さようなら~」


―物陰

梓「…」コソッ

梓(…新歓ライブを見て、軽音部に入ろうって決意して音楽準備室の前まで行ったら…)

梓(…既に先客がいて…というよりあの超電磁砲の人がまさか同じ部活志望だったなんて…ッ!!)

梓(なんとなく遠慮しちゃって結局入って行けなかったな…)

梓(あ、明日こそ…やってやるですッ!)グッ


―道端

??「俺もようやく完全復活か…」

??「長く辛い日々だったな…」

??「いや、もうアレはすべて過去の出来事だ…」

??「忘れろ、俺」

??「まずは俺を冷蔵庫呼ばわりしたクソ野郎をぶっ殺しにいくか…」

??「―――いや、まずは気分転換にナンパでもするか」キョロキョロ

初春「―――何が気分転換にナンパですか…!?」

??「あ?」

初春「人が折角あなたの退院の日が今日だって聞いたので…!」

初春「こうやって予定を開けて来てあげたっていうのに…!」

??「いや、俺別にお前に来てくれとか頼んでねぇんだが」

初春「べ、別に私だって来たくて来たわけじゃないんですから…!」

??(…何か話噛み合ってなくね…?)

初春(そ、そうですよ…! 私はただ…個人的にこの人のその後が気になってただけで…!!)

ゾロゾロゾロゾロゾロ

美琴(…あれ初春さんよね)チラッ

美琴(隣にいるのはひょっとして…恋人さんかな)ニヤッ

美琴(今は声かけない方が良さそうね)スタスタ

澪(なあ、今すれ違った女の子…!唯と良く似た声してなかったか?)

律「あ、私も思った思った!!」ヒソヒソ

唯「ん? どしたの2人とも??」

紬「唯ちゃんは気付かない方がいいと思うわ~」

唯「え? どうして?」

紬「どうしても~」クスクス

麦野「あら…?」

美琴「ゲ」コソッ(※電柱の陰)

美琴(…な、何となく隠れちゃった)

美琴(てか大人数でワイワイやってるとことかアイツに見られたくないし…!)

律「ん?」

澪「どうした?」

紬「あら、沈利ちゃん」

唯「何? ムギちゃんの知り合い?」

美琴(え…?)コソコソ

紬「今日は皆とは一緒じゃないの…?」

麦野「まあね。今日は仕事休みだし」

紬「――そういえばご両親が、たまには実家にも帰ってきて欲しいって言ってたわ」

麦野「あー…。まあそりゃ…暇になったらたまには帰ろうかとも思ってるけどさ…」

唯「お嬢様友達かな~?」ヒソ

澪(…その割には言葉遣いがそれっぽくなくないか…?)

律「ちょっぴりSな女王様タイプだったりして~」ヒソ

美琴(ってなんでムギ先輩がアイツと知り合いなのよ~!!?)コソッ

麦野「それじゃ、私用事あるから。また今度ね」ニッ

紬「ええ、―――――――――――また今度、ね」ニッ

麦野「そんじゃ」スタスタ

紬「ごきげんよう」

律「なーなームギ~、誰だよあの人~?」

澪「見たところ私達より年上っぽいけど…?」

唯「大学生くらいかな~」

紬「う~ん、あんまり自分のことをいろいろ話すような人じゃないのよ」

紬「家同士でのお付き合いがあって、顔見知りってくらいで…」

唯「へえ~、そうなんだ~」

律「じゃ、それは置いといて。とりあえず小腹が空いたからサ店でも行こうぜ~」

唯「うん、いこいこっ!」

紬「そうしましょうか」ニコッ

澪「おーい、美琴も隠れてないで行くぞ」チラッ

美琴(ムギ先輩…一体何者なの…!?)


―平沢家

唯「ただいま~」

憂「あ、お帰り~お姉ちゃん~」

憂「ご飯にする? それとも先にお風呂?」

唯「その前にアイスっ!」

憂「も~夕御飯の前にアイスはダメだよ~お姉ちゃん」

唯「そ、そこを何とか~!」オネガイ☆

憂「もう~仕方ないなあ~」

唯「♪」ペロペロ

憂(アイス食べてるお姉ちゃんもやっぱり可愛いなあ~)

唯「はっ…!」

憂「ん? どうしたのお姉ちゃん?」

唯「そういえば今日ね!軽音部に新入りの子が入ったのっ!!」

憂「え…!本当に…!」

唯「うん! 本当にっ!! 名前はみこにゃんって言うんだよっ!!」

憂「みこ…にゃんさん…?」

唯「とっても可愛くて面白い子なんだよ~」エヘヘ

憂(そっか…軽音部に入部することに決めたんだね、美琴ちゃん)ニコッ

唯「これから、もっともっと楽しくなりそう…!!」

憂「良かったね、―――お姉ちゃん」


―美琴の下宿宅

美琴「たっだいま~」ガタン

美琴「って言っても応えてくれる人はいないけどね…」

美琴「この春から一人暮ら(ry」

黒子「お帰りなさいませお姉さまあああああああああああああああっ!!!」ギュッ

美琴「ってなんであんたが居んのよ!?」ハナセコラ

黒子「ここしばらくお姉さまに会えなくて…もう黒子は寂しくて寂しくてええ…!!」

黒子「仕方がありませんので寮の門限をスルーしてこうしてお姉さまの元へ!!!」

美琴「ってつい昨日も放課後初春さんや佐天さんと一緒に遊んだでしょ!?」

黒子「今夜は寝かしませんのッ!!」

美琴「いいから帰れっての~!!」

黒子「で、いかがですのお姉さま…結局、部活動とやらを本当に始めることに…?」

美琴「え、ええそうよ!今日ちゃんと挨拶に言ったし!入部届けも受け取ってもらったし!」

黒子「…そうでしたか」フフ

黒子(あれほど、人づきあいのちょっぴり苦手なお姉さまがねえ…)シミジミ



黒子「で、どうでしたか?その部活動、楽しめそうですの…?」

美琴「うんっ!!ちょっとイメージしてたのとは違ったけど――」

美琴「――とっても楽しかったッ!!!」ニコッ

黒子「良かったですわね、――お姉さま」ニコリ

                     お し ま い






最終更新:2012年01月11日 00:12