純「梓は良いよね!誰とだってくっつけるポテンシャルが有るから」
梓「ポテ……?まぁ、先輩の皆さんとも仲良くさせてもらってるね」
純「でしょ?私なんか澪先輩と絡んだってうるさいだけの邪魔者扱いだしね!」
梓「そんな事無いって」
純「いいや有るね!街頭アンケート100人に聞きました!」
梓「何を?」
純「澪純は有りか無しか!」
梓「うん、結果は?」
純「90%以上の方が白さを実感しました!」バーンッ
梓「へ~」
純「ツッコんでよ~空しいじゃんか~」ユサユサ
梓「……無視っ」プイッ
純「ひどっ!?」ガーン
梓「はいはい。じゃあ話まとめるよ?」
純「うん。やれるもんならやってみて?」
梓「……」スクッ
純「ゴメンゴメン!無言はキツイって!」ガシッ
梓「ハァ……」ストン
純「ありがとうございます!」フカブカ
梓「取り敢えず菫と奥田さんと仲良くなりたいって事で良いの?」
純「そう言ってんじゃん」
梓「言ってないよね」
純「ハイ、ごめんなさい」
梓「さっきも言ったけど仲良いじゃん」
純「いや、良いよ?良いけどそこまで良くもないじゃん」
梓「どっちよ」
純「梓だってそうでしょ?」
梓「そうって?」
純「ナオッペと二人で遊びに行くとか有る?」
梓「……あぁ、そういう事」
純「そうそう。皆では遊ぶけどさ」
梓「そうだね、確かに」
純「ナオッチと二人で遊ぼうなんて言ったら『は?なんで?』とか言われちゃうよ」
梓「いや、そんな言い方はしないだろうけど」
純「されちゃうよ」
梓「あとそろそろ奥田さんの呼び方統一してくれない?」
純「『は?なんでウチがアンタと二人で茶ぁしばきに行かなアカンねんこのモップ頭が』とか言われちゃうよ」
梓「何で関西弁?」
純「メガネをクイクイってされちゃうよ」
梓「知らないよ」
純「って誰がモップ頭やねん!」ズビシッ
梓「純以外誰が居るのよ」
純「ソコは否定してよ」
梓「願い下げ」
純「まぁそれでね?ソコを『はい喜んで!』ってな風に言われる様になりたい訳」
梓「大体分かった」
純「通りすがりの仮面ライダーだ!」ビシッ
梓「え?」キョトン
純「あれ?乗らない?」
梓「ゴメン、分かんない」
純「そっか。じゃ良いや」
梓「そう?じゃあ先ずは、現状を把握しないとね」
純「現状把握ねぇ……」ウーン
梓「うん」
純「例えば、さぁ」
梓「うん」
純「憂と私は親友じゃん?」
梓「まぁ、そうだね」
純「私と梓は?」
梓「……」
純「私と梓は?」チラッ
梓「……友達で良いじゃん」プイッ
純「ん~?」ニヨニヨ
梓「な、何よその顔」
純「憂に負けず劣らず梓とも仲良いと思うんだけどなぁ~、私」
梓「そう?」
純「でも梓は私に対してその様な思いであられますか~。さようでございますか~」ニヨニヨ
梓「何よ遠回しな言い方して」
純「いや~梓は私の事そんなに好きじゃないんだな~って思っちゃって。お姉ちゃん悲しい!」ヨヨヨ
梓「いや、まぁ、そりゃ、そういう訳じゃ、ないんだけど」
純「んん~?」チラリ
梓「あぁ~もうハイハイ!親友ですよ!純の事は親友だと思ってます!」
純「ほんと!?」キラキラ
梓「えぇ本当ですよ!」
純「やりぃっ!」
梓「無理矢理言わせといて……」
純「え~、じゃあホントは思ってないの?」
梓「思って、るけどさ」カァ
純「はい!1デレいただきました~!」
梓「デレって何よデレって」
純「素直に成れないあずにゃんに手を差し伸べてあげただけじゃない」
梓「私だって、ヘチャムクレの話に乗ってあげただけだし」
純「なるほどね~」
梓「うんうん」
純「ちょっと待って。ヘチャムクレって誰の事よ親友」
梓「アンタの事よ親友」
純「なにぃ!?」
梓「なによ」
純「誰がヘチャムクレだ!」
梓「だからアンタでしょ!」
純「う~っ!このツンデレ!」ビシッ
梓「なっ!このめんどくさがり!」ビシッ
純「チビッ子!」
梓「天パ!」
純「あずにゃん!」
梓「それは悪口じゃない!」
純「ヘタレ!」
梓「ソレは純もでしょ!」
純「誰がよ!」
梓「じゃあ菫に自分の事どう好きか聞いてみなよ!」
純「くっ……!」
梓「ほらほら~」
純「なにお!ホッペ揉むぞコンニャロ!」ムニー
梓「あによ!ワシワシふうよ!」ワシッ
ガチャ
直「おはようございます」
菫「すみません、遅くなりました」
純「おっ!おはようお二人さん」ムニムニ
梓「おあようふありほも」ワッシワッシ
菫「あの、何をなさってるんですか?」
梓「へんふぁ」
純「スキンシップ」
直「どっちですか?」
菫「新しい遊びですか?」
梓「ふあいあひはひ、ほえまえあね」スッ
純「そだね」スッ
直「お気になさらずとも」
純「……まぁ、親友とのコミュニケーションも大事だよねって事で」
梓「改めて言わないで、恥ずかしいから」
菫「ところで、憂先輩は?」
梓「そういえばまだ来てないね」
純「『今日は用事が有るから帰る』って教室で言ってたじゃん」
梓「そうだっけ」
純「そうだよ」ウン
梓「そうなんだ」ウン
純「うぃーまどもあぜる」ウン
梓「じゃあそういう事で」ウン
菫「はぁ」
梓「あ、二人とも」
菫「はい、何か?」
直「何でしょう?」
梓「純の事、どう思う?」
直「はい?」
純「んな直接的な」
菫「突然何でしょうか?」
梓「いや、後輩としてね?先輩の事どう思ってるのかな~って」
直「後輩として、ですか?」
梓「うん。『尊敬されてないかも』なんて悩んでてさ」
菫「そんな事無いですよ」
梓「そう?」
菫「純先輩は尊敬できる先輩ですよ、ねぇ?」
直「うん。優しいし楽しいしベースも出来るし。良い先輩だと思ってますよ?」
純「そ、そぉ?」
梓「へぇ」
直「はい。いつも部活を楽しく盛り上げてくれますし」
菫「まぁすぐ休憩しちゃうところはちょっと、アレですけど、部活にもしっかり取り組んでますし」
純「ウェヘヘヘヘ」ニンマリ
直「積極的にコミュニケーションを取ってくれますし」
菫「……時々過剰ですけど」
梓「ふ~ん」
純「ウェヒヒヒヒ」ニマー
梓「だってさ。どうする?ココから」ヒソヒソ
純「ぅへぇ?なにがぁ?」ニヨニヨ
梓「うわ、変な顔。何がって仲良くなるんでしょ?二人と」
純「えぇ~?もう満足ぅ」ニヨニヨ
梓「な……」プルプル
純「いやんもうっ!可愛いぞぉ二人とも~」ペシペシ
直「はぁ」
菫「あ、ありがとうございます?」
梓「人の事散々振り回してソレかぁ!」ガーッ
菫「ひゃぁ!?」
直「せ、先輩?」
純「よし!じゃあみんなでドーナツ食べに行こうか!」パンパンッ
梓「無視っ!?」
菫「へ?あ、はぁ」
直「良いんですか?」
純「今日はこの純ちゃん先輩が奢っちゃうよ~」フリフリ
梓「その前に部活しろー!!」
―――
梓「も~……もうすぐテスト期間だから練習出来なくなるんだよ?」パクッ
純「とか言ってドーナツ屋まで来てんじゃん」
梓「何が『来てんじゃん』よ」モグモグ
純「ドーナツ食べてんじゃん」
梓「そりゃ食べるよ」モチモチ
純「てゆうか何で梓のまで奢らされてんの?」
梓「純ちゃん先輩が奢ってくれるんでしょ?」パクッ
純「そりゃあくまで後輩にね?」
梓「たまには部長を労いなさいよ親友」モグモグ
純「しょうがないなぁ、今日だけだかんね」ヒョイ
梓「ちょっ、なに人のドーナツ取ってんの」
純「えっ!?コレ全部食べる気!?」
梓「冗談よ」パクッ
純「ビックリしたぁ」
梓「普通に無理でしょ」モッチモッチ
純「ソレはソレで見たい気もするけど」
梓「こんな、ひぃふぅみぃよぉ……十二個も入らないって」
純「頑張れ部長、次で三つ目だ」
梓「ヤだよ、何の得にもならない」パクッ
菫「純先輩、ありがとうございます」カチャ
直「ありがとうございます。コレお釣りです」
純「はいよ」
梓「あれ?ソレだけで良いの?遠慮なんかしなくて良いよ?」
純「アンタが言うな」ペシッ
菫「はい、十分です」
直「晩ご飯も有りますし」
純「梓が買い過ぎなんだって」
梓「良いじゃんホラ、残ったら家族のお土産にさ?どれだけ買っても純の奢りだし」
純「いやもうホント勘弁して」
梓「え~」
純「え~じゃないよ。アンタバカじゃないの?」
梓「……しょうがないなぁ、この辺にしといてあげるよ」
純「当たり前でしょ?あずにゃんのクセに」
梓「」カチッ
純「ゴメンナサイ嘘です!調子乗りましたスミマセン!」
梓「奥田さん家って何人兄弟だったっけ?」スクッ
純「スイマセンマジで財布返して下さい謝りますから」ガシッ
直「弟が五人に妹が七人です」
純「サラッと嘘つくな!ノリ良いなぁコノヤロー!」
梓「そっか~。家計が大助かりだね」
純「私が助からない!私が助からないよ!?」
直「ありがとうございます」ペコリ
純「ソコは断りなさいよ!」
梓「純ちゃん先輩に感謝しなよ~?」
純「ちょっ、部長!部長マジで部長!」
梓「なに?」
純「もうふざけませんから!これ以上は私の生活が!」ドゲザー
梓「……どうする?菫」
菫「へ!?わ、私ですか?」
純「スミーレ助けて!」ウルウル
菫「え~っと……許して差し上げても良いのではないでしょうか?」
梓「だってさ」
純「ありがとスミーレ~!」ガバチョ
菫「ひゃあっ!?」
梓「さっ、オチも付いた所でドーナツ食べようか」ストン
純「そだね」ギュー
菫「コレがオチですか!?」
直「いただきます鈴木先輩」パンッ
純「どうぞ~」ギュー
梓「あ、こっちのも好きに食べて良いよ」ズイッ
純「だね、明らかに買い過ぎだし」ギュー
菫「……あの、先輩?」
純「うん?」ギュー
菫「……放してくれませんか?」
純「え?ヤダ」ギュー
菫「ヤダって……」
純「両手塞がってるからスミーレ食べさせて~」アーン
菫「じゃあ放して下さいよ」
純「や~だ~」ギュー
菫「純先輩が私の両手をしっかり抑えてるから、食べるも食べさせるも出来ないんですけど」
純「そっかそっか。じゃあ私が食べさせてあげよう」
菫「いえあの、普通に食べさせて下さい……」
純「ナオピョン!ドーナツ一個プリーズ!」
直「どうぞ」スッ
純「はむっ!ほいっ、ふみーえ!」ンー
菫「出来ません!」
梓「純、うるさい」
純「なんあ?うあやまひいの?」アムアム
梓「どういう頭してたらそんな考えに行きつくのよ」
純「もぐもぐ、んくっ。こうゆう頭です」ズイッ
梓「はいはい」
純「何なら梓もオクピーにやったげなよ」
梓「いいよ。奥田さんも迷惑だろうし」
純「そんな事ないよねぇ」パチパチッ
梓「なによそのウインク」
直「はい、どうぞ」パッ
梓「えっ!?」
菫「直が乗り気だ……」
純「ユー抱きついちゃいなよユー」ニヤニヤ
梓「いや、その、私は純と違ってそいうのは、ねぇ?」
菫「私に振られましても」アセッ
純「仕方ないなぁ。ゴーおくやんゴー」ピッ
梓「来なくて良いよ!?」ブンブン
直「そうですか、では……」スッ
梓「ふぅ……」
直「あ~ずにゃんっ」ガバチョ
梓「にゃあ!?」ビクゥッ
純「ナイスおくっちょ」グッ
梓「って今あずにゃんって言った!?」
直「はい。前に中野先輩に抱きつく時はこう言う様にと」ギュー
梓「ちょっと純!後輩に」
直「平沢先輩が」
梓「憂ぃ!?っていうか奥田さんも律儀に従わなくて良いよ!?」
直「折角の機会ですので」
梓「折角って……もしかして、やりたかったの?」
直「はい、まぁ」スッ
梓「え~」
純「だって、ねぇ?スミーレ」
菫「はい、その気持ちちょっと分かります」
梓「分かるの!?」
菫「だって、梓先輩可愛いですから」ニコッ
梓「かわ……あ、そう」
菫「はい!」
純「ひゅ~!部長モッテモテ~!」
最終更新:2012年01月14日 00:59