―――――

澪「随分学校早く着いちゃったしさ、ちょっと話したい事があるんだ」

律「ああ、私もだ」

澪「ムギも呼んで、部室に集まろう」

梓「そうですね」

唯「話って何?」

唯、この雰囲気で気付いてくれよ……


部室

紬「話って何かしら?」

そう言いながら既にムギはニコニコしてた。

昨日の私と梓の事は知ってるからだろう。

澪「その、ムギは既に知ってて律と唯も気付いてると思うけど」

澪「こそこそしたり、隠したりするの嫌だからはっきり言っておきたいんだ」

澪「じ、実は、昨日から私と梓は恋人になったんだ///」

唯律「な、なんだってー!!」

何だそのわざとらしい反応。MMRかよ。

唯「わー、あずにゃんと澪ちゃんが恋人になったんだ。驚いた」

え?唯、お前本当に気付いて無くて驚いてたのかよ。

紬「おめでとう、二人とも」

梓「ムギ先輩、ありがとうございます」

澪「ムギありがとうな」

澪「わ、私達は言ったんだから今度は律と唯の番だぞ」

梓「そうですよ」

唯「私達の番って?」

律「あー、私が言うよ」

律「でもさ、私と唯は澪と梓みたいにまだハッキリとした関係じゃないんだ」

唯「ハッキリとした関係?」

律「だからさ、この場でハッキリと言っておく」

律「私、唯の事が好きだから私の恋人になってくれ」

唯「うん良いよ」あっさり

梓「わ、凄い///」

澪「凄いな///」

この場で告白する律も凄いけど、間髪入れずOKする唯も凄いなおい。

紬「唯ちゃんと律ちゃんもおめでとう」

唯「ありがとう」

律「ありがとうな」

ムギは終始ニコニコしていて機嫌が良さそうだった。

後から聞いた話だが私達の事はもちろん、律と唯の事も薄々気付いてたらしい。

ムギ恐るべし。


後日

今日は、私の家に梓が来ている。

梓は、せっせとマフラーにアップリケを付けている。この前私が頼んだ奴だ。

澪「どんな柄のアップリケ付けてるんだ?」

梓「まだ、秘密です///」

澪「少し休憩して、お茶にしよう」

梓「あ、でももうすぐ終わるんで」

澪「そうか?じゃ私お茶煎れてるな」

梓「はい」

澪「誕生日にムギから貰った紅茶だぞ」

梓「良い香りですね」

梓「出来ました!」

澪「どれどれ?」

mio♥azusa

澪「わ///」

梓「えへへ///」

澪「梓も結構大胆だな///」

梓「嫌、でしたか?」

澪「ううん、嫌じゃないよ。嬉しい///」

梓「良かったです」

澪「そ、そうだ。梓から貰ったCD聴きながら紅茶飲もうっか?」

梓「はい」

CDをセットし、唯に貰ったぬいぐるみを抱っこして準備万端。

自分でも思うのだが、何か抱っこするのが癖かも知れない。

気分が凄い落ち着く。

そんな私に梓は、ちょこんと寄り添ってきた。

私の方からも梓に寄り添い、お互いの頭をくっつけ合う。

澪「綺麗な曲だな」

梓「そうですね」

――――――

澪「今度は、律から貰ったライブDVD観よっか?梓も好きだろこのバンド」

梓「はい」

DVDをセットし、唯から貰ったぬいぐるみを抱っこして……

澪「…………」

澪「あー、ごほん///」

澪「良かったら、ぬいぐるみの代わりに梓抱っこしたいんだけど///」

梓「へ?良いですけど///」

澪「じゃ、じゃあ私の前に座って」

梓「はい」

澪「あ、もっと私に寄りかかっちゃって良いぞ」

梓「そうですか?じゃ」

ぼふっ

梓と身体が密着する。

きゅっ

後ろから梓に軽く抱きつく。

髪の良い香りが鼻腔をくすぐる。

梓の髪にほっぺたスリスリしてみる。

スリスリ

梓「澪先輩も意外に甘えんぼさんですね」

澪「あっ、梓ほどじゃないよ///」

澪「じゃ再生っと」

梓「あれ?」

澪「何だろうなこれ?」

梓「ライブDVDじゃないような?」

澪「これって……」

梓「ホラー映画」

澪「うわーーーーっ!!!」

澪「は、早く消してくれ」

梓「でも面白そうですよ、この映画」

澪「無理無理無理」

梓「ほら、見て下さいゾンビが」

澪「うう、見えない聞こえない。見えない聞こえない」

澪「リモコンは?」

梓「ここです」

澪「貸して」

梓「駄目ですよ、良い所なのに」キャー

梓は、リモコン取られまいと私から遠ざける。

無我夢中で、梓からリモコンを取ろうとする。

澪「こら、貸せっ」

梓「ああっ」

やっとこ梓からリモコンを取り上げる事に成功した。

ぷつっ

澪「ふう、律の奴め、手の込んだイタズラを」

梓「み、澪先輩///」

澪「ハッ!」

梓に呼びかけられハッとなる。

誰がどう見ても私が梓を押し倒してます。

マウントポジション取ってます。

何このシチュエーション?これなんてエロゲ?

梓は、ほんのり頬を赤く染めて少し潤んだ眼でこちらを見てます。

梓って、こんな表情も出来るんだな。

などと思ってたら既に身体が動いてました。

私は梓にそのまま覆い被さりぎゅっと抱きしめた。

梓「澪先輩///」

澪「梓、キス……するよ?」

梓「……はい」

ゆっくりと顔を近づける。

梓の頭を抱き寄せる。

髪をかき上げ、おでこに軽くキス。

続けてほっぺたにもキス。

そして……唇にキス。

ちゅっ

しばしの時間が過ぎ、やがて唇が離れお互い見つめ合い、くすくすと笑い合ってしまった。

澪「あ、ごめん。私覆い被さってたな。重かったろ?」

梓「いえ、大丈夫です」

梓を抱き起こし、そのまま、自分の胸に抱き寄せる。

梓「わぷっ」

私の胸に顔を埋めた梓の頭をナデナデしてると

梓「あの、もう一回キスして下さい」

上目遣いで、少し甘えた声でキスをおねだりしてくる梓。

そんな顔で、そんな甘えた声でおねだりされたら……

澪「今度は大人のキスしてみよっか?」

梓「大人の?……それって///」

返事も待たず、左腕で梓の頭を抱え込む。

本来なら頭が沸騰しそうな状況なのに。

こんなに自分から積極的に……

もう一度、梓と唇を重ねる。

今度は、梓の口に舌を差し入れる。

梓もたどたどしく舌を出す。

そして、梓の舌に自分の舌を絡め合わせる。

梓の舌が、私の舌に絡みつく。舌と舌が触れ合い、離れ。それを繰り返す。

梓「んんっ……ちゅ……」

澪「ふふ……ちゅ……ちゅ……む……ちゅっ」

ゆっくりと唇が離れ、再びお互い見つめ合う。

梓は眼をうるうるとさせ、頬を染めていた。

恍惚の表情って奴だろうか?

多分私も同じ表情してるんだろうな。

梓は見つめ合う事の恥ずかしさからか、俯いてしまった。

梓の顎に手を添え顔を上に向けさせる。

澪「駄目、私の方見て」

少しばかり潤んだ瞳で私を見つめる梓。しばし見つめ合う。

澪「可愛いよ、梓」

私は梓を抱きしめるとそのまま一緒に仰向けに倒れこんだ。

さっきとは逆で梓に押し倒される体勢。

覆い被さってくる梓をギュウッと抱きしめる。

抱き枕を抱くみたいに脚も絡める。

全身で梓を感じたいから。

澪「ずっと梓とこうしていたい」

梓「私もです」

黒髪が視線の先で揺れる。

梓の柔らかい唇と舌の感触を思い出すと再び、唇を重ねたくなってきた。

澪「もう一回キスしよ」

梓「わっ」

私は梓の頭と背中を抱きかかえるようにして唇を重ねると再び舌を滑り込ませた。

澪梓「んんっん、ちゅっ……」

澪梓「ふぅ……んんっ、ちゅっ、ちゅく、んむ……」

そして、さっきよりも激しいキスを交わし合った。

――――――

梓「クークー……zzz」

私の腕を枕にして、梓は寝息を立てている。

疲れ果てて寝てしまった様だ。

さっきまでの自分の行動を思い出すと顔から火が出そう///

まさか自分があんな///

昔、律に「澪はムッツリスケベだ」って言われて全力で否定した事があるけど

今なら否定しません。私、ムッツリスケベでした。

澪「色々梓から貰っちゃったな」

澪「マフラーに、CDに花。それに、梓の……///」

梓の頭を撫でながら話しかける。

澪「でもな、梓とこうやって過ごす時間が私にとって最高のプレゼントだよ」

寝ている梓にそっと唇を重ねる。

ちゅっ

澪「ありがとう梓、大好きだよ」



おしまい







最終更新:2012年01月15日 21:13