……深夜
梓「……寝れない」
梓「やってしまった」
梓「あそこで寝てなければ……多分今頃はぐっすり寝れてたのに……」
梓「うー眠くないのに……頭はなんかふらふらする……」
梓「うー」
梓「羊でも数えようかな」
梓「羊が一匹……羊が二匹……」
……
チュンチュン
梓「羊が八千十一匹……羊が八千十二匹……」
梓「羊が八千十三……ってああーっ!また朝になってる……!」
梓「うう、結局また一睡もしなかった……」
梓「なんか羊を数えることに集中しすぎちゃって、途中で無意識になってたよ……」
梓「でも……頭はふらふらする……寝てない証拠だ……」
梓「うう……今日はもう学校休んで一日寝てようかなぁ……」
「あずさー朝ごはん」
梓「とりあえず、お母さんに相談してみよう」
タッタッタ…
…
梓「ふざけるなと一蹴されました……」
梓「と、いうわけで今日も元気に学校に行きましょう……」フラフラ
……
梓「……今日も、なんとか授業中は居眠りせずに済んだ」
梓「しかし今日はきつかったなー」
梓「4時間目とか5時間目になったら普通でも眠たくなるのに……今日は眠さが尋常じゃなかったよ……」
梓「まぁ、お決まりのフリスクや手の甲にシャーペン刺したりで耐えたけど……」
梓「明日もコレだと……やばい」
純「あーずさっ」
梓「あっ……純」フラフラ
憂「うわー、目の下すごい゛くま゛」
純「昨日も寝れなかったんだってねー。……部活、休めば?」
梓「……ううん、行く」
純「でも、昨日も結局寝ちゃったんでしょ?」
梓「そうだけど……」
純「無理しないほうがいいよ。先輩たちだって心配するよ……」
梓「……先輩たち……」
純「……梓?」
梓「……わたし、やっぱり行く」
憂「梓ちゃん……」
梓「先輩達、私がしっかりしないとすぐグダグダになっちゃうもん」フラフラ
梓「それに、私がきっと来るって信じてると思う……」
純「……梓」
梓「……大丈夫」
憂・純「へ?」
梓「今日は、ずっと起きてるから!」ビシッ
純(……目の下クマだらけで言われても……)
憂(……信用できないなぁ)
……
ララララ、サムバデトゥナイト!
ガチャ
梓「どうも……」フラフラ
唯「LaLaLaLa some body tonight!」ジャーン
トゥナーイト
ゥナーイト
ナーイト
梓「……今日は何を?」
律「……わかんねぇよ」ガタッ
律「踊るは今後何をしたいのかがわかんねぇよ!」
律「和久さんは死んだわ雪乃さんは出ないわ真下は署長になるわ室井さんは役立たずだわ」
律「いったいこの後どうまとめるつもりなんだよっ!」ガッ
律「答えろっ!唯っ!」
紬「りっちゃん……踊るは、今度の映画で……ファイナルよ」
律「なにいっ!」
澪「……いくらなんでも、気づいたんだろ」
澪「いかりやさんが亡くなって……続けるのは難しいって」
律「どうする気なんだよ……踊るって実は意外と回収してない伏線とかあるんじゃねーのか!?」
澪「……」
律「ていうか3で出した鳥飼とか、和久さんの甥っ子とか、王さんとか、まさか使い捨てかよっ!」
律「いくらなんでも酷すぎるだろっ!」
紬「りっちゃん、落ち着いて……」
律「これが落ち着いていられるかっ!大体3自体何だったんだよ!作曲家は変えるわ、9人中5人は釈放済みだわ真下の出オチだわ!」
唯「りっちゃん」
律「……何だ」
唯「……私、3は面白かったと思うよ」
律「……何イっ……!」
唯「それよりも私、真下のスピンオフの続篇とか、『SP』とのコラボの噂とかがいつのまにか消えてた方がビックリだよ」
唯「あずにゃんは、どう思う?」クルッ
梓「えー?わたしはー、3は壁どーん以外はアリだったと思いらすよおー」フラフラ
唯「……3はね、確かにツッコミ所の多い話だよ」
唯「でもね……何度か見てみたら味の出るストーリー、古いファン向けの演出……」
唯「そして、何よりでも、そもそも長さんが亡くなって、世間的に「終わった」って見られた踊るを復活させてくれたこと」
唯「私は、これだけのものをくれた踊る3に賞賛の拍手を送りたいよ」
梓(この人たち……ホントになんの話してんの……あっもう限界)
梓「……」ふらふら
律「っ!なに綺麗事言ってやがる!結果的に踊る3は興収70億で滑りまくりじゃねーか!」メクバセメクバセ
唯「り、りっちゃん、何を言うのさ!70億は滑ったなんて言える数字じゃないよ!ましてやあんな商法の私達の映画よりは……」シドロモドロ
紬「そ、そこは比べちゃダメよ!唯ちゃん!」シドロモドロ
澪「……」
唯・律・紬「!」バッ
梓「……すいません、私、今日もちょっと寝させてもらいます……」ウトウト
梓「昨日も一晩も寝てなくて……ふわぁ……」ウトウト
梓「ていうか……真下のあの犯人って……ホントにあの3に出てきたハッカーなんですかね……」ウトウト
梓「……すぅ」
唯「……寝ちゃった」
律「……またかよ」
紬「……違うんじゃ、ないかしら?」
澪「……もう、意味分からん!」
……
梓「……ん、寝ちゃってた」スクッ
「うん、りゅうねん!」
梓「えっ!?」
律・澪・紬「わあっ!!」
唯「えっ!?うわぁ!!」
梓「ど、どうしたんれしゅか……」ヨダレフキフキ
唯「……別に?」
梓「でも今、明らかに焦ってましたよね……?」
唯「……そう、かな?」
梓「しかも今、留年って言いませんでした?」
唯「あ、あずにゃん寝ぼけてたんじゃないの?」
梓「いやいや、はっきり聞きましたって……」
紬「ど、どこから聞いてたの、梓ちゃん?」
梓「聞いてたって言うか……聞こえたんですけど……」
唯「そらみみ~たぶん~空の~耳~」クネクネ
梓「なにやってんですか……」
紬「あ、あのね!卒業旅行でどこに行こうかって話で、ドイツ連邦にリューネンっていう都市があって」
唯「何っ!そんな不吉な都市がー!」シドロモドロ
律「そこは駄目だな!」シドロモドロ
梓「ああ、卒業旅行旅行ですか」
唯・澪・律・紬(……ほっ)
……梓の家
梓「先輩達、旅行かーいいなー」
梓「゛卒業〟旅行かー……」
梓「……」
梓「……さっ、シュンとしても仕方ないし寝よう」
梓「今日はもうすること全部終わったし」
梓「……今日こそは、寝れるでしょ」
…
梓「……まぁ、こうなるのも……なんとなくわかってたけど……」
梓「なんで寝れないんだろう……」
梓「今気づいたんだけど、なんか胸の中が最近もやもやする気がする」
梓「……これが原因なのかなぁ……」
梓「……でもなんで……」
梓「……」
梓「……ホットミルクでも、飲もう」すっ
……
チュンチュン
梓「はは……オチなんて読めてたよ……」フラフラ
梓「ホットミルク5杯……お腹パンパンだよ……」
梓「これで寝れないとか……私もう人体の神秘を超えたね……やばい」
梓「……ああ~もうやばい~眠い~けど寝れない~」
梓「なんで……なんでなのぉ……」
梓「……はぁ」
梓「顔洗ってこよ」
…
梓「うわ……ほんとにすごいくまだよ……」
梓「なんかよくわかんない色になってる……」
梓「ほんとにお肌荒れちゃうよぉ……」
梓「……」
ぷにぷに
梓「おお!」
……
梓「……」
梓「……」
梓「……」
梓「……」
梓「……」
梓「……」
梓「……」
梓「……」
梓「……はぁ」
梓「……もう、むり」グダーッ
純「あずさーっ、ぶかつ……」
梓「あーっ?」フラフラ
憂「あはは……辛そうだね、梓ちゃん」
純「今日は凄かったもんねー」
憂「何回も寝そうになってウトウトして」
純「先生に注意されてフリスク噛んでシャーペン刺して」
憂「また寝そうになって先生に注意されて」
純「ずっとその繰り返しだったもんねー」
憂「一定時間ごとにフリスク噛んでたから、周りから「大河内さんかっ」てツッコミくらってたよね」
梓「……わたし、ホモじゃないもん……」
純「そうだよね、梓は……いややめておこう」
憂「梓ちゃん、今日はホントに帰って休んだ方がいいよ」
梓「……んーん」フリフリ
純「なんでそこまでして部活にいくのさ?辛いでしょ?」
梓「……」
純「ん?梓?」
憂「……お姉ちゃんたちに、会いたいからだよね」
梓「……」
憂「お姉ちゃんたち、もうすぐ卒業しちゃうから、今はできるだけ一緒にいたいんだよね」
梓「……そんなんじゃ……ないもん……」
純「……そうなんだ……」
憂「でも、お姉ちゃんたちも梓ちゃんがそんなんじゃ、心配するでしょ?」
梓「……私が、私がしっかりしないと、ダメになるもん」
憂「……」
梓「……軽音部、ダメになっちゃうもん」
純「……しっかり、できてないじゃん」
梓「……え?」
憂「じゅ、純ちゃん……」
純「自分の健康管理もできないで、ふらふらになって部活にいってもすぐに寝ちゃって」
純「しっかりなんて、できてないと思うよ?」
梓「……」
純「そんなんじゃ、来年から自分で軽音部引っ張ってけないよ?」
憂「あ……えっと、純ちゃん……」オロオロ
梓「……そんなこと、ないもん」ガタッ
憂「あ。梓ちゃん?」オロオロ
梓「……部室行く……」フラフラ
純「……」
憂「あ、あの……」オロオロ
……
梓「……なにさ、純のやつ」
梓「私の気も知らないで……」
梓「……はぁ」
ジャッジャジャジャージャジャージャージャジャー
梓「……今日は一体……」
ガチャ
ジャガジャッジャガジャッジャガジャッジャーッ
唯「相棒っ!」
イボウッ
ボウッ
ウッ
梓「……」
最終更新:2012年01月19日 20:10