部室

純「ねえスミーレ、ちょっとジャンプしてみて」

菫「……はい?」

純「いいからちょっと飛んでみてよ」

菫「あああ、あの! 私今日全然お金持ってなくて……」

純「げっへっへ、嘘はあきまへんなぁ。そないな嘘ついてもちょっと飛んでみたらすぐに……ってカツアゲじゃないから」

菫「そうなんですか?」

純「そうだよ、一体私を何だと思って……」ブツブツ

菫「ごめんなさい……」

純「気を取り直して……ねえスミーレ、ちょっと飛んでみてよ。別にどうこうしようって訳じゃないからさ」

菫「わ、わかりました……それでは」ピョンピョン

純「じー」

菫「はっ! ほっ!」ピョンピョン

純「……」ジー

菫「ど、どうですか?」ピョンピョン

純「……うーん、とっても惜しいんだけどまだまだダメだね」

菫「そんな!? よくわからないけどひどい!?」ガーン

直「みなさんお疲れ様です」ガチャ

菫「あ、お疲れ様です」

純「あ、いいところに。奥田さん、ちょっとジャンプしてみてよ」

直「すみません先輩……このお金は来週の弟の誕生日にプレゼントを買う大切なお金なので……」

純「知らないなぁ~? つべこべ言わずさっさと有り金全部こっちに……って違うから!」

直「冗談ですよ」

純「私ってそんなことする悪い先輩に見えるかな……」グスン

直「まあ中野先輩や平沢先輩に比べたら裏でやってそうな感じはしますね」

純「この子容赦無いなあ」

菫「あはは……」

純「私の心は深く傷ついたので責任とってちょっとジャンプしてみてください」

直「まあいいですけど……こうですか?」ピョンピョン

純「じー」

直「ほっほっ……あだっ!?」ピョンピョングキッ

菫「だ、大丈夫?!」

直「ちょっと捻ったかも……で、どうでした?」

純「うん、予想してたけど全然ダメだった」

直「何がダメなのかよくわかりませんがそれならやらせないで下さいよ」

梓「お疲れー」ガチャ

純「あ、梓お疲れー」

菫「お疲れ様です」

梓「あれ? 憂はまだ来てないの?」

純「うん、早退しちゃった子の代わりに教室の掃除やっておくんだってさ」

梓「へー、憂ってば本当に優等生だよね」

純「そうそう」

菫直「……」

純「ん? 二人ともどうかしたの?」

菫「あの……中野先輩にはさっきの事しないんですか?」

梓「さっきの事?」

直「はい、実は先程先輩に無理やりジャンプさせられてお金を」

梓「お金を?」

純「ちょっ……ふたりともこっち来て!?」グイッ

直「ムグッ!?」ジタバタ

菫「むぐー」ジタバタ

梓「?」

純「あははー、なんでもないから!? ちょっと私たち向こうで秘密の話してくるから!!」アセアセ

梓「なんなのよもう……」

純「私の友人関係が崩れそうな嘘はつかないでほしいなー」

直「すいません、面白そうだったのでつい」

純「おい」

菫「でも、どうして私たちだけにジャンプなんかさせたんですか?」

直「そうですよ。中野先輩だと何か不都合でもあるんですか?」

純「不都合っていうか無理っていうか……」

菫「無理?」

純「奥田さんくらいならまだ希望があるかもけど、梓なんてもう見るからに無理じゃん」

菫「あの、一体どういうこと……?」

直「……なんとなくわかりました」

純「あ、わかってくれた? 私のやりたいこと」

直「はい、私はこの中だと菫も結構いけるんじゃないかと思うのですが」

純「うーん、あともうちょっと、ってところだったんだけどねー」

直「まあ上に制服着てますしね」

菫「え? え?」

憂「遅くなってごめんねー」ガチャ

梓「あ、お疲れ憂ー」

直「掃除なら遅れるのも仕方ないですよ」

純「おお、真打ち登場。ねえねえ憂」

憂「うん? どうしたの純ちゃん?」

純「ちょっとジャンプしてみてよ」

憂「え? ジャンプ?」

純「うん、その場でピョンピョン跳ねるの。簡単でしょ?」

憂「うん、それくらいならお安い御用だけど……」

梓「まーた妙なこと始めて……」

憂「よいしょ、よいしょ……純ちゃんこんな感じ?」ピョンピョン

純「あーいいよいいよー、そのままもうちょっと続けてー」

憂「はーい」ピョンピョン

純「いやー眼福ですなー」ノホホ

直「やっぱり平沢先輩がこの中で一番、っていうか圧倒的ですね」

菫「あの、これって一体……?」

純「まあよーく見てみたら分かるよ」

菫「は、はあ……」

憂「えいっ! えいっ!」ピョンピョン

菫「うーん」ジー

憂「ほっ! やあっ!」ピョンスピョンス

菫「…」

菫「……あ、なるほど」

おしまい


終わりです
ありがとうございました



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最終更新:2012年01月23日 22:40