唯うさ「と、言うわけで!

    助っ人に呼びました!鶴の澪ちゃんです!」

澪つる「こんにちは、憂ちゃん」

憂うさ「こんにちは、澪さん!

    お姉ちゃん、なんで鶴なの…?」

唯うさ「え、えっとそれは……

    ほら、言うじゃん!鶴は千年、亀は万年!」

憂うさ「言うけど……でもそのカメはさっきリタイアしたよ…」

唯うさ「それに昔話でもあったよね!

    怪我した鶴が月の世界に帰っていくって言う」

澪つる「かぐや姫の恩返しだっけ?」

憂うさ「混ざってる!!」

唯うさ「澪鶴と一緒に飛んでもっと高く跳ぼう作戦ー!いえーい!」

澪つる「パフパフー」

憂うさ「つづくんだ…そのノリ」

唯うさ「具体的には憂は鶴の澪ちゃんの背中に乗って、

    十分高いところまで行ったら、そこからジャンプ!」

澪つる「”私の飛行した高さ+憂ちゃんのジャンプ高さ”がそのまま記録になる訳だな」

憂うさ「それっていいの?」

唯うさ「問題ないよ、言ってみればこれも1ジャンプの内だよ」

憂うさ(と言うかそれが許されるなら

    自称天使の梓ちゃんに同じ事して貰えば良かったんじゃあ…)


唯うさ「澪ちゃん!この作戦大丈夫かな?」

澪つる「ふふっ、鶴の中には5000m級の山を飛び越える種類もいるんだぞ」

澪つる「私でも1000mは余裕だな」 フフン!

唯うさ「すごい!!さっきまでと桁が違うよ!流石澪ちゃん!!」 キラキラ

澪つる「ぁぅ」 テレテレ

憂うさ(梓ちゃん……踏まれ損……)


澪つる「それじゃあ善は急げだよ

     憂ちゃん、私の背中にのって」

憂うさ「は、はい!それじゃあ失礼して…」


憂うさ「よいしょっと」

澪つる「乗れたかな?」

憂うさ「はい!大丈夫です!」

唯うさ「あぁ…憂が私以外の人に乗るなんてっ

    澪ちゃんっ!憂をよろしくねっ…」

澪つる「任せておいてよ」

唯うさ「ういー!しっかりジャンプするんだよ!応援してるからねー!」

憂うさ「うん!!ありがとう!お姉ちゃん、私頑張るから!!」


澪つる「じゃあ飛ぶぞ!」

びゅぅうーん!!


50m突破!


100m突破!


200m突破!


憂うさ「すごい!どんどん高度が上がってる!」

澪つる「まだまだ飛ぶぞ!」


500m突破!


800m突破!


1000m突破!


澪つる「うーん、やっぱりこのくらいが限界かな」

憂うさ「1000m!」

澪つる「後はこの高さからジャンプするだけだよ」

憂うさ「…」

澪つる「憂ちゃん?」

憂うさ「今さらだけど、この高さからジャンプして平気なのかな…

    跳んだら無事ですまないような気がするけど…」

唯うさ「大丈夫だよ、憂!」

憂うさ「あれ!? お姉ちゃんの声!?

    どうして?! 地上にいるお姉ちゃんとは少なくとも1000mは離れてるはずだよ!?」

唯うさ「このSSはコメディだからね!距離に関係なく声は届くし

    飛び降りても死んだり怪我したりしないよ!」

憂うさ「ビバご都合主義」

唯うさ「さっき墜落してたあずにゃんもこの通り!」

梓かめ「実は元気ピンピンです」

憂うさ「生きてた!良かった!梓ちゃん!」

梓かめ「墜落した時の痛みは感じなくても

     親友に踏まれた痛み…それはそれはもう心が痛いの何のって」

憂うさ「あ…あずざぢゃん、ごめん…ごめんなさいっ」 グスッ

梓かめ「ごめん、冗談だから本気で泣かないで憂」

唯うさ「と言うわけで落ちても大丈夫だから、安心してジャンプして!憂!」

憂うさ「うん!よぉし!じゃあ……」


梓かめ「あ、落ちると言えば知ってました?」

唯うさ「?」

梓かめ「月って実は地球にずっと落ち続けてるそうですよ」

唯うさ「えっ!?うそっ!?!本当にっ!?!!」

梓かめ「はい、でも落ちると同時に横方向に移動してるから

     落ちきらずに地球の周りを回ってるみたいです」

唯うさ「??? 落ちると回るの?」

梓かめ「詳しく説明するのはめんどくさいので後はググってください」


憂うさ「…もう跳んでいいかなぁ……」

ガタガタガタガタ

憂うさ「? 揺れてる?」

澪つる「あわわわわ」 ガタガタブルブル

憂うさ「み、澪さん?」

澪つる「まままままままま回ってる…」 ガタガタブルブル

憂うさ「あぁ…何か嫌な予感が…」

澪つる「つ、月は回って…」 ガタガタブルブル

憂うさ「でもそれ、すごくスケールでっかい話ですけど…」

澪つる「回るのはっ!回るのはダメなんだ!」 ジタバタ

憂うさ「澪さん!落ち着いて!」

澪つる「回るのはぁぁっあぁあぁぁぁぁ!」

憂うさ「澪さぁぁぁん!」


ヒュウウウウウウ

ずどーん


梓かめ「跳ぶ前に墜落しちゃいましたね…」

唯うさ「もう、あずにゃんダメだよ!澪ちゃんのトラウマ抉ったら」

梓かめ「てへぺろっ」


現在、憂うさのジャンプ距離は 20m です。


唯うさ「今のは完全に墜落だったから記録にはならないねぇ」

憂うさ「…あう」

澪つる「ごめんな、憂ちゃん…」

憂うさ「いえ、澪さんのせいではないので気にしないでください」

梓かめ「そうですね、今のは誰も悪くないです」

憂うさ「梓ちゃんは反省しよう、お互い様だけど反省しよう」


唯うさ「澪ちゃん、まだ飛べそう?」

澪つる「ごめん、唯……また同じように墜落しちゃうかもしれないから…」

唯うさ「そっか…じゃあ仕方ないね……ありがとう、澪ちゃん!」

憂うさ「でもジャンプはどうするの?お姉ちゃん?」

唯うさ「大丈夫だよ、次の作戦も考えてるからね!大丈夫!」

憂うさ「流石お姉ちゃん!」

唯うさ「えへへー」

梓かめ(憂…唯先輩の大丈夫はね…それはもう大丈夫じゃないんだよ…)

唯うさ「と、言うわけで次なる助っ人は!

    ゴリラムギちゃんです!!」

紬ゴリ「どうも~」 ムキッ

憂うさ「あ、どうも

    って!怒られるよっ!!!!!!」

唯うさ「ダメかな…?」

憂うさ「よりによって、ゴリラはないよ!」

唯うさ「だ、だってムギちゃん怪力キャラだし…」

憂うさ「だからってこれはムギさんファンに怒られるよ!

    て言うか、カメや鶴と違って何の連想とも繋がってないし!」

紬ゴリ「私、一度ゴリラになるのが夢だったのー!」 ムキムキッ

憂うさ「でたっ!いつもの台詞!!

    でも、それ言ったら許されると思ったら大間違いなんですからねっ!!」

唯うさ「ムギゴリちゃんに投げて貰ってすごく高く飛ぼう作戦ー!いえーい!」

紬ゴリ「パフパフー」 ムキッ

憂うさ「作戦名から既に不吉な感じが…」


唯うさ「今度の作戦はすっごく簡単シンプル!」

澪つる「ムギが憂ちゃんを掴む」

紬ゴリ「私が憂ちゃんを投げる!!」

梓かめ「憂がすごい跳ぶ、終わり」

憂うさ「色んな意味で終わっちゃうよ!!」


憂うさ「もはやジャンプですらないし!私、投げ飛ばされてるだけじゃん!」

唯うさ「いやいや、ちゃんとジャンプだよ

    たまたまジャンプの瞬間にムギちゃんに投げられちゃうだけで」

憂うさ「いや、それはどう考えてもちがっ…」

唯うさ「憂」

憂うさ「?」

唯うさ「私、憂のこと信じてるよ

    憂ならきっと誰よりも高くジャンプしてくれる

    私、憂のこと一生懸命応援してるからね」 ニッコリ

憂うさ(くっ……もはや、お姉ちゃんに笑顔で応援されると、

    どんな事でも無理やり納得して、頑張ってしまう自分自身の生態が憎い…)

憂うさ「でも頑張っちゃう!!私、跳んでくるよ!お姉ちゃん!!!」 フンスッ

梓かめ「無茶しやがって……」

唯うさ「それじゃあ、ムギちゃん!準備して!」

紬ゴリ「よいしょっと」 ひょいっ

憂うさ「ひゃあっ」

唯うさ「いい?ムギちゃん!大砲の応用だよ!

    こう、ズドーンッ!!とねっ!!!」

紬ゴリ「ズドドドーンッね!!任せて、唯ちゃん!!」

憂うさ「ドが多いですよっ?!

    わ、私…も、もう跳ばされちゃうの?お姉ちゃん?」

唯うさ「そろそろSS自体が思ったより長くなってきたからね、巻いていかないと!」

憂うさ「書き手の都合でこんな仕打ち受けてると思うとたまったものじゃないね!」

紬ゴリ「はぁぁぁああ!」

憂うさ「て言うかムギさんもう既にぶん投げる体勢に入ってます!?」

紬ゴリ「そぉおおい!!!!!!!!!!!」

ブンッ

ズドドドドーンッ

憂うさ「いやぁああああああ!!!!!!!!」

ばびゅーーーーーーん


キランッ


唯うさ「おお、飛んだねー」

澪つる「飛んだな」

梓かめ「飛んじゃいましたね

紬ゴリ「加減したんだけど……」

唯うさ「…」

澪つる「…」

梓かめ「…」


澪つる「て言うか……どこまで飛んで行ったんだ?」

唯うさ「さぁ」


ぴゅーーーん

梓かめ「あ、逆の方から」

どしんっ

憂うさ「ぴゃっ!」

唯うさ「憂っ!!」

澪つる「もしかして…月を一周してきたのか?」

紬ゴリ「憂ちゃん!ごめんなさいっ!」

唯うさ「月を一周…」


唯うさ「……お、と言うことは」


現在、憂うさのジャンプ距離は 10920km(月の円周) です。


唯うさ「おめでとう、憂!!!

    10000km!10000kmだよ!!!

    一万ってだけでも凄いのに、kmも付いてるよ!」

憂うさ「えへへー」 ニコニコ

唯うさ「ムギちゃんもありがとう!!

    憂が1万kmも跳べたのも、ムギちゃんの怪力キャラおかげだよ!」

紬ゴリ「役に立てたみたいで良かった~♪」

梓かめ「私たちの頑張りはなんだったんでしょうね」

澪つる「さぁ…」

唯うさ「ま、まぁまぁ……あずにゃんも澪ちゃんも協力してくれてありがとうね!」


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最終更新:2012年01月23日 23:01