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ーー校庭

輝「近くで見ると圧巻ね」

御崎「黒雲がこんな低いところまで降りてきてる訳だし、こんなもんでしょ」

梓(澪)「こ、この中に鵺がいるんだよな……」

真一「それよりさっきの悲鳴が気になるんですが」

クズリ「そうだよ、早く探さないと」

唯「んー、と。 あ、あの人かな?」

純「…………う、うぅ」

律(梓)「純!? どうしたの、大丈夫!?」

純「……あず、あれ? 律先輩? ごめんなさい、大丈夫です……」

律(梓)「いや、見るからに大丈夫じゃないんだけど」

純「律先輩、梓いますか?」

律(梓)「わたs、あー。 あそこに梓(澪)がいるよ」

純「あ、ありがとうございます」

澪(梓)「?」

純「//////」

律(梓)(あれ、なんですかこの空気)

純「あ、梓!」

紬(律)「(おい澪、呼ばれてんぞ)」

梓(澪)「(え? ああ、そうか)なに、純」

和(紬)(梓ちゃんのモノマネかしら?)

純「私、さ。 もうどうしようもなくて、気持ち悪いかもしれないけど、言うね?」

梓(澪)「え、う、うん」

純「私、梓のことが好き」

唯律澪紬梓和真ク御輝「」

純「友達じゃなくて、ひとりの人として」
御崎「(……なあなあ律さんや。かの子は普段からこういう感じの子なのかい?)」

紬(律)「(いや、結構ミーハーなところがあったから普通にノーマルだと思うんだが)」

梓(澪)「」

律(梓)「」

澪(和)(澪も中野さんも固まってるわね)

御崎「病気は病気でも恋の病ですってか。 けっ、やってくれるねこんにゃろー」

真一「なんていうか、その、あれですね」

輝「被害がそんなにあるようには見えないけど」

御崎「いやいや、被害は確実に広がるでしょ。 少なくともあの二人は」

純「梓、梓……!」クンズ

梓(澪)「すz、じ、純! ダメ、ちょ、まっ……!」ホグレツ

唯「おお、おおお……///」

真一「眼福ですね」

クズリ「真一……?」

真一「すいませんでした」

御崎「とりあえず、大元を叩かない限りはこの惨状はどうにも出来ないでしょ」

和(紬)「でもどうやって撃退するんですか?」

御崎「それなのよねぇ。 本当なら伝承に則って矢で射るのがベストなんだけど、矢なんてないっていうし。 無理矢理屠っちゃうのがベターかも知らんねこれは」

紬(律)「無理矢理って……。 なんか後味悪いなあ」

御崎「理性をちゃんと持ってるような輩だったらこっちだってしっかり話し合うっての。 妖怪の中には理性を持ってなくてただただ襲ってくるだけの凶暴且つ迷惑極まりないようなのだって居るんだから。 常に最悪を想定して行動しないとだめよ?」

紬(律)「そりゃあそうかもしれないけどさ」

御崎「という訳でイタチちゃん、どかーんとやっちゃいなさいどかーんと!」

クズリ「うーん、いいのかなあ?」

御崎「まあどうせ当たらないでしょっていうのが私の正直な見解ね。 実際は矢に撃たれて落ちてる訳だし」

クズリ「でももし当たっちゃったら可哀想だよ」

御崎「うーん、そう言われるとこっちも辛いところがあるんだなーこれが。 このまま放っておくと被害が拡大するのは必至だろうし」

純「お願い梓、返事だけでも聞かせて。 今だったらまだ、諦めきれるから」

梓(澪)「うぇっ、あ、う……」

和(紬)(マウントポジションで言うセリフじゃないわ鈴木さん!)

輝「悪化の一途を辿ってるわね」

御崎「先に話し合いにいくってのも手かもしんないわねこれは。 話を聞かない奴だって言う保証も無いからあんまりオススメはできないけど。 おら、白の字、行ってこい」

真一「なんで僕なんですか。 僕より詳しいんだったら先輩が行って下さいよ」

御崎「こんな黒雲の中、まさしく闇雲に探すのは流石に非効率的でしょうが。 何故か妖怪に好かれやすい体質の白の字が突撃していった方が遭遇率は暖地なわけ。 あーんだーすたーん?」

真一「分かりました。 でも先輩にはついて来てもらいますからね」

御崎「あん? なんでよ」

真一「妖怪の知識がある経島先輩がいなかったら話しようがないですよ。 向こうの生態を把握してる訳でもないんですし」

御崎「嫌だ! 私はまだ死にたく無い!」

真一「死ぬってなんですか死ぬって!?」

クズリ「私もついて行く! 真一も御崎も放っておけないよ!」

御崎「うん、ありがとねイタチちゃん。 でもさらっと私もついて行くことになってるね、まあいいけど。 そんじゃあ突入しますか。 新井、こっちに誰も入らないように見張っといて。 見える範囲でいいや。 それと20分経っても出てこなかったら、私のことは死んだことにしてくれていい……」

輝「縁起の悪いこと言うんじゃないわよ!」

御崎「悪い悪い。 大丈夫だって、今日星座占い一位だったし、血液型占いも一位でめっちゃツイてるから」

輝「え、ああ、そうなの?」

御崎「いや、ツッコミ待ちなんだけど」

クズリ「御崎、早くいくよ」

御崎「あーうんうんごめんごめん。 じゃああっちの仲良しさんに宜しく」

輝「仲良しさんって、」

純「梓、私のこと、嫌い、なの?」

梓(澪)「えー……、あー……。 うううぅぅぅ……」

澪和(和紬)(ドキドキドキドキ……)

輝「皮肉に聞こえかねないわよ……。 さすがに」

ーー雲の中

真一「中はあんまり暗くないんですね」

御崎「外からはなんにも見えないけど、中はそうでもないのか。 これはまた新たな研究材料になりそうだけど、今はただありがたいわね」

クズリ「問題は、鵺がどこにいるかだよね」

御崎「こっちには白の字がいるんだし、向こうから出て来てくれるのが一番楽なんだけどにゃー」

真一「話が分かる妖怪ならそれでもいいですけどほとんど理性のない妖怪だったら僕が真っ先に狙われるんですから、そういう事は言わないで下さいよ」

御崎「別に私に被害は無いしぃ? 真面目な話出て来てくれなかったら話すことも退治することも出来ないし、出て来てくれないと困るのよ。 そんで願わくば私じゃなく白の字に襲いかかってくれればなって思ってるだけよ」

真一「最後が余計ですよ」

クズリ「出来ればしっかり話しをして、退治しなきゃいけないっていうのは嫌なんだけどなあ。 やっぱり可哀想だもん」

御崎「イタチちゃんは優しいねェ」

真一「イタチさんは優しいなあ……、ああもう大好きだよイタチさん!」

クズリ「ひゃあ! 真一、だめだよこんなところで!」

真一(この黒い雲の中イタチさんの可愛さといったら雲の黒さでさえイタチさんの可愛さを演出するためにあるように思える程で、丸く小さい肩とか少し伸びてきた髪の毛とか制服越しに伝わる体温とか鼓動とかが制服を隔てて伝わってくるああもう制服が邪魔でいやむしろ制服になりたい!」

クズリ「真一、声に出てる! 声に出てるから!」

御崎「こんなところでまでお熱いこと。 白の字のこれはもう鵺に頼らずとも既に病気だわな。 おーいイタチちゃん、なんなら私はあっちに行ってようか?」

クズリ「変な気を使わないでよ御崎!」

真一「経島先輩にしては気が効くじゃないですか。 2、いや、30分くらいどっかいってて下さい」

クズリ「こら真一! いつまで抱きついてるの! そういうのは、その、誰もいない時しかやっちゃダメだよ!」

真一「え、あ、ごめんイタチさん」

??「あのー……」

御崎「こんな時でもホント暢気ねえお二人とも。 まあ私が言うのもおかしいか」

真一「デート中にも妖怪のこと考えてる人が何を言ってるんですか」

御「失敬な、ちゃんと四割くらいはデートのこと考えてるって」

クズリ「照平も報われないね……」

??「あの」

真一「江戸橋さん、結構ナイーブな人なんですから、ぞんざいにし過ぎると拗ねちゃいますよ」

御崎「世の中に考えるべきものが多すぎるのがいけないのよ、寒戸の存在とか西の悪魔とか」

クズリ「確かに不思議な存在だけど、なにもデート中に考えなくてもいいんじゃないかな?」

??「あの!」

真一「はい?」

??「なんで話しかけてるのに気がついてくれないんですか!?」

真一「え?」

??「三回も呼びかけたのに! 別にオイラ声小さくないよ!」

クズリ「ええっと、ごめんね?」

??「もう……」

御崎「まあ話しを聞かなかったのはこっちの損害として。 貴方は一体どこのどなたのなに子ちゃんなの? 桜高の生徒さんだったらお帰りはあちらよ」

??「違うよ、鵺だよ鵺! さっきから探してたんじゃないの?」

真一「え、鵺?」

鵺「そうだよ。 オイラを探してたんだろ? だから出てきたほうがいいかなって思って」

御崎「それはまあありがたいですこと。 こっちが探してたことは確かだけど、要件はご存知? あんまり穏やかじゃない話題よこれ。 返答次第ではアンタの首が飛ぶことも覚悟なさい」

鵺「え……」

御崎「アンタのせいで街は崩壊海は大荒れ、果ては世界の終焉へ、ってね。 私たちは地球最後の希望でその元凶たるアンタを叩こうって魂胆な訳。 大人しく降伏してくれるって言うなら悪いようにはしないわ」

鵺「嘘……。 そんな、オイラのせいで……」

御崎「ホントもホントよ。 国連なんて比じゃないくらい大きな組織が動いてんだから。 で、大人しく着いてくんの? それとも抵抗する? どっちにしても結末は変わらないし、私としては素直に着いてくること推奨よ」

鵺「ぅぅ……」

真一「ちょっと先輩! いくらなんでも泣かすことはないじゃないですか! ていうかなんですかその無駄に壮大で無駄な話は!」

御崎「テキトーに思いついたから流れで喋ってたんだけど、まさか泣いちゃうなんてにゃー。 これは反省」

クズリ「えっと、ゴメンね? 今のは御崎の、その、悪い冗談だから。 気にしないで? 泣き止んでくれると嬉しいな」

鵺「ぅぅ……、うん」

クズリ「名前はなんていうのかな?」

鵺「名前は無いよ。 オイラは鵺」

御崎「んみゅー、そうすっと外のぬえちゃんと被っちゃうのよねー。 便宜上だけでもいいから名前に差分が欲しいところ」

真一「一言掛けたら二人とも振り返ったりして気まずいですもんね」

御崎「……じゃあ>>91で」

※ツグミちゃんとか?


御崎「……じゃあ鳳ツグミで」

ツグミ「オオトリツグミ?」

御崎「まあ名は体を表すとも申しますし? 実際便宜的に呼ぶだけだからそんなに凝った名前じゃなくてもいいと思ったんだけどにゃー、オオ『トリツグミ』って、まあ分かり易くね」

クズリ「えっと、じゃあ改めて宜しくね、ツグミ」

ツグミ「うん、宜しく!」

真一「微笑ましいですねー」

御崎「あんたはイタチちゃんさえいれば大体そう思ってるんでしょうが。 全くこれだから白の字は白の字なのよ」

真一「意味が分かりませんよ」

御崎「それでツグミとやら。 あんたがこの雲を発生させてんのは一応こっちも分かってる事なんだけどさ、好い加減この雲晴らしてはくれませんかえ? ちょぉぉぉっと怪しくて騒ぎになっちゃってるし、何より視界も悪いし?」

ツグミ「あ、うん……」

クズリ「どうしたのツグミ?」

ツグミ「オイラ、今は人の姿だけど、本当はもっと動物っぽい姿なんだ。 それも、蛇とか狸とかいろんな動物が混ざっちゃってるし。 だから、人前に出るのはあんまり好きじゃないかな」

真一「だから雲で姿を隠してるってこと?」

ツグミ「うん」

クズリ「じゃあみんなを病気にするのは辞めてもらえないかな? みんな困っちゃってるし」

ツグミ「それなんだけど、今は出来ないんだ……」

御崎「んあ、そりゃまたどうしてよ?」

ツグミ「オイラは元々人を病気にしたり魂を吸ったりする妖怪なんだけど、どこかで半身を落としちゃったみたいなんだ。 それで、病気にするのも制御が効かなくなっちゃって。 一応一番無害そうな病気にはしてるんだけど、その、ごめんなさい……」

クズリ「そうなんだ……」

ツグミ「うん、おこがましいことは分ってるけど、オイラの半身を探してきてくれないかな? これくらいの、子犬くらいの妖怪で、オイラと同じ鵺なんだけど」

真一「それって、」

クズリ「唯が抱いてたぬえちゃんだよね」

ツグミ「知ってるの!?」

御崎「知ってるも何も、すぐ外で平沢伍長が抱えてるわよ。 元々今日はその子をメインに来た訳だし」

ツグミ「そうなんだ」

クズリ「連れて来て貰おっか。 そうすれば病気になる事は無くなるんだよね」

ツグミ「うん。 オイラが罹らせた病気は全部治るし、これからも自制できると思う」

クズリ「じゃあ呼んでくるから、真一はツグミをお願い」

真一「イタチさんのお願いだったらこの命に替えてでも……!」

クズリ「そんなに大げさじゃないから大丈夫だよ?」

御崎「一応私もいるから安心して行ってくれたまえイタチちゃん。 白の字が暴走しても止められる自身は無いけどね」

真一「なんですか暴走って。 しませんよそんなの」

クズリ「うん、御崎もお願い。 じゃあ行ってくる」

御崎「はいはい、いってらっしゃいな」

真一「イタチさん、大丈夫ですかね……」

御崎「イタチちゃんが去った途端になに言ってんのよアンタは。 たかだか十数mなんだから、それは杞憂ってもんよ」

真一「でも……」

御崎「だあもう! 二人同棲し始めてから白の字のイタチちゃんへの心配はちょっと過剰よ。 大祓とかその後の消滅騒動とか過敏になるのは分かるけど。 アンタもう完全にイタチちゃん大好き病じゃない」

ツグミ「え、オイラのせいかな……?」

御崎「いや、ツグミちーが顕現する前からこの調子だから、気にしなくてもいいわよ」

ツグミ「そっか、よかった」

真一「ていうか何ですかツグミちーって」

御崎「んにゃ、アダ名だけど?」

真一「先輩命名なのに先輩がアダ名をつけるんですか。 ……まあいいですけど」


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最終更新:2012年01月25日 21:20