ーー校門前
御崎「じゃ、私らはこれで帰りますわ。 よければ覚えていてくれや、与作っちゅう、阿呆が居たってことをよ……」
律「正直濃すぎて忘れられない気が」
御崎「なんか言ったか田井中ァ!」
律「ナンデモナイッス」
唯「行っちゃうのクズリちゃん……」
鵺「ヒョー……」
クズリ「うん、ごめんね唯。 でも、また会えるよ。 一生のお別れじゃないもん」
和「そうね。 輝さん、またお世話になるかもしれません」
輝「もう妖怪退治の出張なんて嫌だからね?」
御崎「ところがどっこい! そうは行かないかも知れないんだなこれが!」
輝「うわっ、なによ経島、どういう意味?」
御崎「いやー、初めての妖怪にしては中々に大物が出て来たっしょ? それも二人も」
ツグミ「オイラ?」
鵺「ヒョー?」
御崎「そうそう。 ただださえ出易い学校なんてスポットにそんな大物がポッと出てみなさいよ、そりゃ彼岸への道も広がるっしょ」
クズリ「あー……」
澪「……つまり、この学校は」
御崎「妖怪、大戦争だァァ! になるかも知れないってこと。 実際ウチはすごい数の妖怪が出てるしね。 まあそんな訳だから、いずれ来ることになろう。 つまりまたすぐ会えるさって話」
澪「」バタッ
紬「ああっ、澪ちゃんが」
輝「それで、ツグミちゃんはどうするの?」
御崎「私としてはこのまま桜校に入っちゃえばと思うけどね」
ツグミ「うーん、でもオイラ妖怪だし」
クズリ「関係ないよ。 私もそうだし」
御崎「まあ転入に関しては和ちゃんに一任しましょうか。 そんじゃま、宜しく頼むよ和クン!」
和「……ええ、分かりました」
ツグミ「大丈夫かな和、迷惑じゃない?」
和「いいのよ、ツグミに桜校に入って欲しいもの」
ツグミ「う、うん、ありがと……!」
紬(もしかして和ちゃん、気づいてないのかしら?)-
御崎「じゃあそろそろお開きということで、軽音部諸君に生徒会一名、また会おう!」
真一「結局先輩はどういうキャラなんですか。 えっと、お世話になりました」
クズリ「みんな、またね!」
輝「また来ることになると思けど、じゃあ、またね」
和「はい、みなさんありがとうございました」
唯「じゃーねー、バイバーイ」
律「またなー!」
澪「」
紬「澪ちゃん起きて!」
梓「お世話になりましたー!」
和「……じゃあ、帰りましょうか」
唯「そーだねー。 って、あー、荷物部室だ……」
律「うへぇ、また階段登るのか」
梓「もう、それくらい我慢してください」
唯律「ええー」
澪「っは、ダメだ、また寝てた」
紬「おはよう澪ちゃん」
ツグミ「あ、オイラ家無い」
唯「じゃあウチに住むかい?」キリッ
律「なんでそんなに自慢気な表情なんだよ」
ツグミ「いいの?」
唯「いいに決まってるよー。 だって憂の料理は美味しいから!」フンス
梓「だからなんで唯先輩が得意げなんですか」
澪「理由にもなってないしな」
唯「えー、本当の事なのにー」
紬「別に憂ちゃんの料理の腕を疑ってはいないわよ?」
ツグミ「でも悪いんじゃ……」
唯「いいのいいの!」
和「本当に、平和ねー」
ーー翌日
梓と純
梓(純にどんな顔をして会えばいいんだろう。 謝る? いやいや、いきなり謝られても純も迷惑だろうしなにより覚えてなかったら、聞き返されて誤魔化しきれなかったらマズい……。 頼りになりそうなムギ先輩はバッチ来いって感じがするし、和先輩もツグミがいるから一概には言えない。 一体どうs)
純「あ、梓おはよー」
梓「ふぇっ!? あ、あああ純オハヨウ今日もいい天気だねアハハ……」
純「え、うん。 そうだね」
梓「そそそそそそれで何か用があったのかななんて思ったりなんかして!」
純「んー? 見かけたから声掛けただけだけど。 ……なんか今日の梓ちょっと変じゃない?」
梓「そんなことないと思うけど」
純「そう? あ、そういえば梓さ、」
梓「なに?」
純「今日は名前で読んでくれたね」ニコ
梓「はッ、……あ」
純「昨日の今日だから無視されると思ったんだけどねー」
梓(わ、忘れてなかった!? ていうかあんな事があったのに何で普通に声掛けてくるの!?)ウガー
純「梓ー、大丈夫? なんかオーバーヒートしてるみたいになってるけど」
梓(純は昨日の事をどうとも思ってないの!? こっちは、ファ、ファーストキスだったかも知れないのに!?)
純「梓?」
梓「じ、純!」
純「うわっ、急に顔あげないでよ」
梓「あ、ごめん」
純「いや、べつにいいけど。 で、なに?」
梓「えーっと、そう、純には責任をとってもらいます!」
純「責任って、昨日の?」
梓「そうです!」
純「えー。 確かに悪かったかなーって思ってるけどさ、私の本意じゃなかったっていうか、冷静になってみると恥ずかしいっていうか」
梓「い、言い訳しないっ!」
純「え、えー……」
梓「じ、じじじ純はこれから毎日私に顔を見せること! ぜ、絶対に」
純「……は?」
梓「純が行っちゃったあと、凄く心配だったんだから」
純「え、うん。 ……ごめん」
梓「……」
純「……」
梓「……私は優しいから、許してあげます」
純「……それは、どうも」
梓「……」
純「……」
梓「……」
純「って、なんで私が謝ってるんだぁぁー!?」ダッ
梓「あ、純!? どこ行くの!?」
純「学校ぉぉぉぉぉぉー!」ピュー
和とツグミたち
純「うわあああああああ!」-
和「……今のって、鈴木さんよね」
唯「朝早くからランニングかなー? 元気なことだねぇ」
憂「ほらおばあちゃん、出歩いたら危ないですから、お布団に戻りましょう?」
唯「あー、いぃつも済まないねぇ」
憂「それは言わない約束でしょう?」
唯「そうだったっけねぇ」
和「……なにやってるの?」
唯「介護が必要なおばあちゃんとヘルパーさんごっこ」
和「悪いことは言わないから、もうやめておきなさい」
唯「えー」ブー
ツグミ「和たちはいつも賑やかだね」フフ
唯「ふふふー、ツグミちゃんも今日からその一員なのだよ。 私たちのノリに、ついて来れるかなー?」
ツグミ「お、おー……?」
和「そんなに真剣にならなくても、軽い気持ちでいればいいのよ」
ツグミ「そう、かな……?」
和「そうよ」
ツグミ「そ、っか……」
憂「和さんとツグミちゃん、仲いいね」
和「そうかしら?」
ツグミ「そ、そうかな?」
憂「そうだよー。 ツグミちゃんは和さんを信頼してるって感じだし、和さんもツグミちゃんを大切に思ってるって伝わってくるもん」
ツグミ「お、オイラを、大切……? 和が……? あ、あわわ……」
和「……信頼されてるなら悪い気はしないわね」
ツグミ「ホント!?」
和「ええ。 そんな食い気味で来なくても大丈夫よ」
ツグミ「///」
唯「むー、和ちゃんの独り占めは良くないです!」
ツグミ「え、オイラ?」
唯「そうだよ! 和ちゃんはみんなのものなんだから」フンス
和「だからなんで唯が得意気な顔なのよ」
ツグミ「独り占めなんてそんなでももし独り占めできるならそれはそれでいや唯たちにも悪いし第一和の意見も聞いてないのに決めつけちゃうのは良くないよねでももし和がいいって言ったら……///」ブツブツ
和「どうしたのツグミ?」
ツグミ「ひょっ!?」ドキッ
最終更新:2012年01月25日 21:23