ゆっこ「好きな食べ物はベビースターです!よろしくお願いしまーす!」

パチパチパチパチ

さわ子「みんな仲良くするのよ。えっと…相生さんの席は…」

唯「先生!私の隣、開いてるよ~!」

さわ子「そうね、相生さんの席はあそこで」

ゆっこ「はい、わかりました」テクテク

唯「えへへ…よろしくね~!」

ゆっこ「うん!よろしく~!」


休み時間

唯「相生さんってどっから転校してきたの?」

ゆっこ「群馬の高校だよ」

唯「へぇ~グンマかぁ!」

律「この時期に転校って珍しいよな」

ゆっこ「そうだね、お父さんの仕事の都合でさ…アハハ…」

紬「ねぇ相生さん、よかったら今日の放課後、音楽室遊びに来ない?」

ゆっこ「音楽室?」

唯「そうだね~!お茶しながらゆっくり話そ!」

ゆっこ「音楽室でお茶?ドユコト?」

紬「私たちは軽音部で、放課後はいつも音楽室にいるのよ」

律「まぁ軽音部っつっても毎日お茶しながらしゃべってるだけなんだけどな」

唯「ホントだよね!もうちょっとみんな練習熱心になればいいのに!」

律「お前が言うな!!」

ゆっこ「へぇ~軽音部!?カッコいいなぁ~!」

律「前にいた高校には軽音部なかったのか?」

ゆっこ「なかったよ。でも囲碁サッカー部とか、空手ジャズ部とかはあったなぁ…」

律「囲碁サッカー部!?なんじゃそりゃ!?」

唯「空手ジャズ部…面白そう…」

ゆっこ「それじゃあ放課後、お邪魔させてもらおうかな」

唯「うん!帰りのHR終わったら一緒に行こうね!」

紬「りっちゃん…あれ…」

律「ん?」

澪「…」チラッ チラッ

律「あいつ…」

律「おーい澪!」

澪「!?」ガタッ

唯「澪ちゃんもこっちおいでよー!」

ゆっこ「みっ、みおちゃん!?」

紬「あの子も軽音部よ。ちょっぴり恥ずかしがりやさんなの」

ゆっこ「みおちゃん…か…」

澪「…」モジモジ チラッ チラッ


キーンコーンカーンコーン♪

唯「あれっ?もうチャイムが…」

律「次の授業何だっけ?」

唯「えっとね~…………」



紬「相生さん、放課後にちゃんと澪ちゃんの紹介もするわね」

ゆっこ「うん、わかった!」

ゆっこ(みおちゃんかぁ…どんな人なんだろう…)ワクワク



放課後

ザワ ザワ

唯「それじゃあ相生さん!音楽室行こう!」

ゆっこ「うん」

紬「行きましょ」

律「澪~!行くぞ…ってあれ!?いない!?」

唯「きっと先に行ったんだよ~」

スタスタスタスタスタスタ…

律「着いた、ここだぞ」

唯「相生さん!まず音楽室に入る時は一礼!そして決して真ん中を歩かない!」

ゆっこ「神社の参拝!?」ガビーン

律「変なウソつくな唯!」

唯「音楽室のドアは重いからね!せーのっ…ふんすぅぅぅぅ!」グググッ ガチャ

ゆっこ「そんなに!?銀行の地下にある巨大金庫じゃないんだから!!」ガビーン

律「だから変なウソつくなっての!」

唯「アハハハハ…」

紬(この子のツッコミ…なかなかね…!)

ゆっこ「ここが音楽室かぁ。えっ?食器棚がある…」

紬「それは私の家から持ってきたのよ。待ってて、今お茶を淹れるわ」

ゆっこ「うん、ありがとー。そういえば、さっきのみおちゃんって子は…」

唯「先に来てると思ったんだけど、いないね」

律「いや…音楽室に入った瞬間、ほのかに澪のシャンプーの香りがした…ヤツはこの部屋の中にいる!」

唯「ナッ、ナンダッテー!?」

律「隠れてもムダだ!澪ー!!」ガチャ!!

澪「わっ!!」

紬「そこにいたのね…倉庫だけに…」

唯「ムギちゃん座布団一枚!!」

唯「それじゃあ、改めてちゃんと自己紹介しよっか!」

律「そうだな!まず私から!ゴホン…」

律「容姿端麗、頭脳明晰!爽やか笑顔で幸せ運ぶ!みんなのアイドル♪田井中~律!!」ビシッ

唯「この子トンちゃんって言うんだ~」

ゆっこ「かわいい~あっ!こっち見た!」

律(きっ…聞いてねぇ…!)

唯「トンちゃんを紹介したとこで…私は平沢唯!ギターとヴォーカル担当なんだ!唯って呼んでね!」

ゆっこ「よろしくね唯」

律「私は部長の田井中律。ドラム担当。私のことは…そうだな…律かりっちゃんって呼んでくれ」

ゆっこ「そんじゃありっちゃんかな、よろしく~」

律「で、コイツが…」

澪「あっ、えっと…私は秋山澪。ベース担当でその…よろしくな…」

ゆっこ「よろしくみおちゃん!」ニコッ

紬「はい、紅茶よ~」カタン

ゆっこ「ありがと…うわぁこのコップ高そう~」

紬「私は琴吹紬、キーボード担当よ。みんなからたくあんって呼ばれてるから、そう呼んでね。よろしく」ニコッ

ゆっこ「たくあん!?よっ、よろしく…たくあん…!」

律「ムギまで変なウソ付き始めた!?」

紬「ウフフ…今のは冗談なの。ホントはムギって呼ばれているわ」

ゆっこ「アハハ…そっか!ムギちゃんよろしく~」




ゆっこ(ん!?この紅茶おいしー…)ズズズッ


ゆっこ「私は相生祐子。ゆっこって呼んでね。勉強は苦手だけど、スポーツは得意だよ」

唯「勉強苦手なんだ~!りっちゃんとおんなじだね!」

律「お前もだろ!」

ゆっこ「みおちゃん…」ジー

澪「どうした…えっと…ゆっこ…」

ゆっこ「実はさ、前の高校にいた私の親友の名前もみおだったんだ。だからみおちゃんって呼ぶと何か変な感じしちゃうなぁ」

澪「そうなのか…」

唯「そうなんだ~!どんな人なの?その親友のみおちゃんって」

ゆっこ「うん、みおちゃんはね…」

紬「お話の途中にごめんなさい…これ食べながらお話しましょ。今日は大福を持ってきたわ。この大福、白いって評判なのよ」

唯「確かに真っ白!」

律「うまそうだな~♪」

ゆっこ「いただきまーす!はむっ…」

澪「そういや梓がまだ来てないな…」

紬「梓ちゃんは今日は掃除で遅れるって言ってたわ。お昼休みに廊下で会ったの」

澪「そっか…はむっ…」

ゆっこ(この大福の味と白さ…どこかで…)モグモグ

紬「お口に合うかしら?」

ゆっこ「うん、スゴくおいしいよ!」

唯「ふぐっ…!うぅ…!ん゙ん゙…!」プルプル

律「大変だ!唯が大福のどに詰まらせた!!」

澪「慌てて食べるからだ」

ゆっこ「えっと…大丈夫なの!?」オドオド

澪「大丈夫、いつものことだから」

唯「げほっげほっ!!死ぬかと思った…」

ゆっこ「あっ思い出した!これ中之条君の家の大福だ!」

律「なかのじょーって…?」

紬「これは『大福の中之条』ってお店の大福よ。食べたことあったかしら?」

ゆっこ「やっぱり!そのお店をやってるおじさんの息子が同じクラスにいたんだ!お店は近所だから、何回か食べたことあるよ」

澪「すごい偶然だな…」

ゆっこ「中之条君はね、金髪でモヒカンで真面目な男の子なんだー」

唯「金髪で…」

律「モヒカンで…」

澪「真面目…?」

律「プッ…ゆっこ~ウソは言っちゃいけないよ~!」ニヤニヤ

ゆっこ「本当だよ!先生に挨拶きちんとするし、勉強も出来る、優しい人だよ!」

唯「アハハ!ゆっこ面白~い!」クスクス

澪「そんな不良と優等生が混ざったようなやついるわけないよ~!」クスクス

ゆっこ「いやいや!いたんだよ!あと、こーんなでっかいアフロの人もいたよ!その人アフロにどら焼き収納しててさぁ…」

唯律澪紬「アハハハハハハハ!!」ドッ

ゆっこ「あと、背中にでっかいネジ付けてる女の子もいたよ!その子、ロボットなんだ!」

唯「ロボットが同じクラスにいたの!?」

ゆっこ「うん!背中のネジがジャマで、体育の走り高跳びでベリーロールしか跳べなかったんだよ!」

唯律澪紬「アハハハハハハハ!!」ドッ

ゆっこ「あと、こーんなにでっかいリボン付けてる女の子もいたし…」

澪「もっ…もうやめてくれ…笑い死ぬ~!」プルプル

唯「さっき言ってた親友のみおちゃんって子はどんな人?」

ゆっこ「みおちゃんはBLが好きな女の子で、絵を描くのがすごく上手なんだ」

唯「BLって何?ベーコンレタス?」

紬「違うわ唯ちゃん!BLは男の子同士であんなことしたり、こんなことしたり…とにかくスゴく素敵なものよ!」ハァハァハァハァ

律澪「落ち着けムギ!」

ゆっこ「みおちゃんはいつもBLのマンガ描いてたんだけど、それは周りには秘密にしてたんだ。最初はね」

ゆっこ「でもある日、自分が描いたマンガの原稿をおまわりさんに見られて、とっさにおまわりさんを一撃で気絶させたりしてさぁ…」

澪「それはいくらなんでもまずいだろ!?」

ゆっこ「でもそれから何日か経ったあと、みおちゃんは川で溺れてる子どもを助けたんだ。そのおかげでおまわりさんが大目にみてくれたんだよ」

唯律澪紬「へぇ~!」

紬「何か変わったお友達が多いのね…」

ガチャ

梓「すいません、掃除で結構時間かかっちゃいまして…ってお客さん…?」

唯「あっ、あずにゃんだ!ゆっこ、この子は後輩なんだ!」

ゆっこ「カワイイ…」

澪「梓、この子は今日ウチのクラスに転校してきた子で、今みんなでお茶しながら色々話してたんだ」

ゆっこ「初めまして、相生祐子っていいます」

梓「初めまして…中野梓です」

律「そうだ!ゆっこに歓迎の意味を込めて私たちの演奏聴かせるのはどうかな?」

唯「いいね!」

紬「賛成~!」

ゆっこ「ホントに!?聴きたい聴きたい!」

澪「早速準備するぞ!梓!」

梓「はっ、はい!」

ゆっこ(みおちゃん、麻衣ちゃん!私、こっちの学校でも楽しくやっていけそうだよ!)




最終更新:2012年01月30日 22:15