番外編
憂「軽音部の皆さんまでシュプールに泊まるだなんて予想外だけど……」
憂「お、お姉ちゃんとの、ふ、二人きりの旅行!」ハァハァ
憂「人は旅先では大胆になるって言うし」ハァハァ
憂「今日こそは!ししし姉妹の一線を越えちゃったり!?しちゃったり!?」ハァハァハァハァ
憂「きゃー、しちゃったりって何をー、きゃー」バタバタ
憂「……いざ、出陣!」キリッ
ガチャッ
憂「えっとお姉ちゃんの部屋はっと」
憂「すぐ隣だし、間違うわけないね」
憂「よ、よし、行くぞ……」ゴクリ
コンコン
憂「お姉ちゃーん」ドキドキ
憂「……」ドキドキ
憂「……いないのかな」
憂「誰かの部屋に遊びに行ってるのかな」
憂「許せん!私のお姉ちゃんを独占するのは誰だ!」
憂「お姉ちゃんのことだから、やっぱり一番可能性が高いのは……」
憂「……梓ちゃん、だよね」
憂「えぇい気後れしてる場合じゃない」
憂「いざ、取り返さん」
コンコン
憂「梓ちゃん?憂だけどー」
ガチャッ
梓「どうしたの?もうすぐ日付も変わろうかって時間に」
憂「あれっ一人?」
梓「当たり前じゃん。この部屋に幽霊がいるなんて言わないでよ?」
憂「あ、あはは、怖がるかなーなんて」
梓「少し怖いからもうやめて。あっそういえば一人といえばさ」
憂「何?」
梓「憂って一人でしたことある?」
憂「ななな何言ってるの梓ちゃん!」カァッ
梓「そんな焦ることないじゃん、それとも怖くてしたことないとか?」
憂「こっ怖いとかじゃないけどっ」
梓「ほぉ~じゃあしたことあるんだね?」
憂「……」コクッ
梓「へぇーほんとにしたことあるんだ、私なんかとは違うね」
憂「あ、梓ちゃんは一人でしたことないの……?」
梓「やり方は知ってるけど、どうしても怖くてさ」
梓「ねぇ、してみた感想どう?」
憂「どうって、言われても」カアァー
梓「ちゃんといた?」
憂(いた?イった、かな)
憂「う、うん、まあ……」
梓「そりゃそうだよね、いなかったら怖過ぎるよ」
憂「え、いなかったら……?」
梓「一人かくれんぼしたからってぬいぐるみが勝手に動き回れるわけないもんね」
憂「一人かくれんぼ……えっ、あ、はは、そうだね……はは」
―――
憂「梓ちゃんの部屋にお姉ちゃんはいなかった」
憂「それどころか無駄に恥をかかされてしまった」
憂「まあ私が勘違いしてたことに気付いてなかったみたいでまだよかった」
憂「さて、お姉ちゃんはどこにいるのかな……」
憂「とりあえず、順番に梓ちゃんの隣の澪さんの部屋に行こうかな」
コンコン
憂「澪さん?憂ですけどー」
ガチャッ
澪「やあ憂ちゃん。こんな時間にどうしたんだ?」
憂「あの、お姉ちゃん来てませんか?」
澪「唯?さあ、見てないけど」
憂「そうですか……」
澪「……あのさ、憂ちゃん」
憂「はい?」
澪「いきなりなんだけど、その……迷惑じゃなければ……私の、しょ、処女さっ、もらってくれないかな?」
憂「……はいぃっ!?」
澪「軽音部のみんなに頼んだら茶化されそうだからさ、真面目な憂ちゃんなら感想もちゃんと教えてくれるかなって」
憂「こっ困ります!急にそんなこと言われても!」カアァッ
澪「そうか……そうだよね……」シュン
憂(澪さんが処女コンプレックスを持ってたなんて)
澪「どうしても、だめ?」ウルウル
憂(反則的にかわいい上目遣い!)
憂(……考えてみれば、私の処女が奪われるわけでもないし、私が困ることはないのかも)
憂(むしろ、お姉ちゃんとするときのいい練習になるかもしれない)
憂「そこまで言うなら……」
澪「ほ、本当?」パアァッ
憂「は、はい」
憂(澪さん嬉しそうだなあ)
澪「じゃあすぐ取ってくるからちょっと待ってて」タタタッ
憂(取ってくる?まさか、お、大人のおもちゃ……)
澪「お待たせ、はい」
憂「……本、ですか?」
澪「私の処女作、その名も『魔法少女隊ミオーズ』だ。読んだらまた感想教えてほしいな」
憂「処女さっ……!あ、はは、わかりました、……はは」
憂「澪さんの部屋にお姉ちゃんはいなかった」
憂「それどころか無駄に恥をかかされてしまった」
憂「まあ私が勘違いしてたことに気付いてなかったみたいでまだよかった」
憂「さっきもこんなこと言ってたような……」
憂「さて、お姉ちゃんはどこにいるのかな……」
憂「とりあえず、順番に澪さんの隣の律さんの部屋に行こうかな」
―――
コンコン
憂「律さん?憂ですけどー」
ガチャッ
律「やあ憂ちゃん。日付も変わったっていうのにどうしたんだ?」
憂「あの、お姉ちゃん来てませんか?」
律「唯?さあ、見てないけど」
憂「そうですか……」
律「……なあ、憂ちゃん」
憂「はい?」
律「私と一緒に、イケナイコト、しちゃわないか?」
憂「イ、イケナイコト……」カアァッ
律「そう、イケナイコト」
憂(騙されるな憂。梓ちゃんや澪さん相手に恥をかいたばかりじゃないか。何のことかしっかり確認しないと)
憂「それって、その、気持ち良くなっちゃったりすること、ですよね……?」
律「そうそう、憂ちゃんわかってんじゃーん」
憂(うわーこれ勘違いじゃないよ、本当にイケナイコトだよ、イケナイけどイケちゃうよ)
律「憂ちゃん確保ー!」ダキッ
憂「はわっ!?」
律「さあこっちへおいでー」
憂(まずいまずいまずいまずい)バタバタ
律「ほんとはみんなと一緒にパーっとやりたかったんだけど、言い出すタイミングがなくてさ」
憂(乱交!?いやそれより襲われてる、私襲われてるよ!)バタバタ
律「暴れるなよー。……それとも、やっぱ嫌なのか?」キラキラ
憂(反則的にかわいい上目遣い!)
憂(律さんって、カチューシャ外してもらったらちょっとだけお姉ちゃんに似てるんだよね)
憂(自分の処女さえ守れたら、お姉ちゃんとするときのいい練習になるかもしれない)
憂「そこまで言うなら、ちょ、ちょっとだけ……」
律「ほ、本当?」パアァッ
憂「は、はい」
憂(律さん嬉しそうだなあ)
律「じゃあすぐ取ってくるからちょっと待ってて」タタタッ
憂(取ってくる?まさか、お、大人のおもちゃ……)
律「お待たせ、はい」
憂「……缶チューハイ、ですか?」
律「瓶ビールなんて持って来れないからな。ま、未成年には缶チューのほうが美味しいさ」
憂「イケナイコト……!あ、はは、飲みましょうか、……はは」
憂「ひっく、律さんの部屋にお姉ちゃんはいなかった」
憂「それどころか無駄に恥をかかされてしまった、うぃっく」
憂「まあ私が勘違いしてたことに気付いてなかったみたいでまだよかった」
憂「さっきもこんなこと言ってたような……うえっ」
憂「さて、お姉ちゃんはどこにいるのかな……」
憂「ま、残った紬さんの部屋にいるでしょ、うへへ」
―――
コンコン
憂「紬さん?憂ですけどー」
憂「……」ウトウト
憂「はっ、いかんいかん」
コンコン
憂「紬さーん」
ガチャッ
紬「あら憂ちゃん。もう寝かけてたから遅くなってごめんなさいね、どうしたの?」
憂「あの、お姉ちゃん来てませんか?」
紬「唯ちゃん?さあ、見てないけど」
憂「そうれすか……」
紬「……ねぇ、憂ちゃん」
憂「ふぁい?」
紬「私と一緒に寝ない?」
憂「……ふぁい?」
紬「私、友達の兄弟姉妹と仲良くするのが夢だったのー!」
憂(寝るってあれだよね、性的な意味だよね)ボーッ
紬「憂ちゃんなんだか顔赤くない?まさか熱でもあるの?」
憂(仲良くする……夫婦の営みのことを仲良しって言ったりするよね)ボーッ
紬「大変、早くベッドに入って暖かくして寝ましょ」グイグイ
憂(ああベッドに連れ込まれちゃってるよ私……)
憂「……ぐぅ」スヤスヤ
唯「小腹が空いたからって作ってもらったサンドイッチ美味しかったなー」ホクホク
唯「それにしても、憂は私の部屋に来るって言ってたのに全然来ないな……」
唯「もうちょっとだけ起きて待っとこうかな」
唯「でも寒いからベッドの中で」ゴソゴソ
唯「……ちょっと目をつぶるだけ。憂を待ってるから寝はしないよ」
唯「……ぐぅ」スヤスヤ
完 ~ちょっとHなかまいたちの夜~
最終更新:2012年02月04日 22:41