唯「ひまだねー」
梓「練習しましょうよ」
唯「えー夏休みだよー、練習もお休みだよー」
澪「いや関係ないだろ」
紬「でもこう暑いとちょっと、ねぇ…」
澪「紬まで!?」ガーン
澪「しかし律のやつ遅いな、何やってるんだ」
梓「律先輩の事だからお昼過ぎまで寝てるに決まってます!」
澪「いや律はああ見えて結構しっかりしてるんだぞ、ラジオ体操にも行ってるし」
紬「やっぱり仲良しさんね」ウフフ
澪「そ、そんなんじゃない!からかうなよ紬ー」
澪「ちょっとトイレ行ってくる!」
唯「いってらー」
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律「やあやあ諸君やっとるかねー」
唯「あ、律っちゃんおいすー」
梓「遅いですよ、律先輩」
律「わりーわりー、でも代わりに凄い情報仕入れてきたぜー。
澪はトイレか?ちょうどいいや」
唯「なになにー」
紬 wktk
律「みんなで死体を探しに行かないか?」
唯「はい?」
梓「な、行くわけないじゃないですかー!」
紬「ちょっと怖いかな…」
律「まあ聞けって。隣町で男の子が行方不明になったって
ニュース覚えてるだろ?」
梓「はあ…かなり話題になりましたからね」
律「今日弟のやつが友達と話してたのを聞いたんだが、
ふたご山の森の奥でその子の死体を見たってやつがいるんだって」
律「私も死体なんてちょっと気持ち悪いけど、行方不明の子をみつければ、
感謝状とか貰えるかもだし、きっと取材とかもバンバンくると思うんだよ」
律「そこでHTTのアピールをしまくれば、来年には入部希望者がドバァーっと来て
あたしらが卒業しても軽音部は安泰って寸法よ」
梓「そんなにうまくいくわけ…」ゴクリ
律「ま、うまくいかなくてもキャンプがてらって事で。どうせ暇してたんだろー、
唯ー、BBQとか出来て楽しいぞー」
唯「BBQかー」ゴクリ
紬「先生!おやつはいくらまでですか!?」
律「うむ、おやつは500円までだーって、紬ノリノリだなー」キャッキャッ
梓「わ、私は行くとは…」
唯「あずにゃーん、行こうよー」ダキッ
梓「も、もー、抱きつかないで下さいよー、
唯先輩はしょうがないんですからー」ニヤニヤ
紬(梓ちゃん…ちょろいわー)ニコニコ
律「あ、澪には死体探しの事は内緒な、言ったらあいつ行きっこないし、
誘わなきゃ誘わないで拗ねるんだから」
ガチャッ 澪「ふぅ。あ、律、来てたのか」
律「澪ちゅわーん、明日からふたご山にキャンプに行く事になったから、
準備よろしくねん♪」
澪「な!?勝手に!?」
――――翌日
律「よーし、みんな揃ったなー、それじゃあしゅっぱーつ!!」
唯「おー!律っちゃん隊長に続けーっ」
紬「おぉー」
澪「山道は危ないんだからな!はしゃぎすぎて転ぶなよ!」(完全装備)
梓 (澪先輩大丈夫かな、もし本当に死体が見つかったら澪先輩も死んじゃうんじゃ…)
テクテク 律「♪ウェザナイッ ハズゴー フフフーフフン」
唯「あっ、その歌知ってる!『波紋とバイミー』だ!」
梓「スタンド・バイ・ミーですよ、どんな間違いですか…」
澪「ベン・E・キングだな。昔映画もあったんだよな、ちょっと怖いやつ」
梓「…」
澪「ちょっと今の私達に似てるかもな、まあ死体なんてある訳ないけど」
律「……さ、さあ山の入り口に着いたぞ、気合い入れて登るぞー」
唯「おーー」
紬「応!」
律「♪ふわふわたーい 唯「♪ふわふわたーい」
梓「そろそろ半分位来たんでしょうか」
澪「梓はふたご山初めて?私達は小学校の遠足で登ったけど」
唯「私も登ったよー」
梓「うちの学校は来てないですねー」
紬「私も初めて~」
律「ぷぷっ、あの遠足の時澪がさー」
澪「律!言ったら叩くからな!」ゴチン
律「もう叩いてるじゃんかー」ポロリ
唯「あづい~~、キャンプ場まだだっけ」ゼエゼエ
紬「さっきの看板によると、もう少しみたい」フウフウ
律「着いたぞーー!!」
梓「でもこのキャンプ場で山の中腹位なんですね、
近くにこんな凄い山があったなんて、ちょっとびっくりです」
澪「遠足でもここまでしか来てないんだよな、この先は私も初めてだ」
律「よーし、テントを建てて荷物を置いたら、少し探検に行こうぜー」
唯「えー、ちょっと休もうよー」ブーブー
律「ゆいー、この先の川で魚が捕れるかもしれないぞー、
とれたてを焼き魚にすると最高だぜー」
唯「……おいしそうだね」ジュルリ
律「わーい川だー!いっちばーん!!」ジャボーン
唯「あっ!律っちゃんずるい!にばーん!!」ボシャーン
紬「さんばーん」ドッパーン
律「ほーらー、澪も来いよー、せっかく水着着てきたんだからー」
澪「わ、私はいい……ハズカシイシ」
律「なーに言ってんだー、誰も見てないって、それっ」バシャー
澪「わぷっ、りーつー!このー!!」ジャバジャバ
梓「はぁ、やれやれ、子供なんですから」チャポン
律「いやー、遊んだ遊んだ!そろそろあがるか……ん?」
律「……!!!」
律「ゆ、唯」
唯「んー?」
律「と、とってくれ」
唯「なにをー?……りり律っちゃん…なにそれ…」
律「多分…ヒルだ」
ぎぃやぁぁぁーーーー
澪「」ドポン
梓「わー!澪先輩ー!!」
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唯「澪ちゃん起きないねー」
梓「もう中止にして帰った方がいいんじゃ…」
律「さすがにもう無理か…」
ムクッ 澪「あれっみんなどうした?川に行かないのか?」
律 (ショックのあまり川に行った事自体を記憶から消したよこの子)
紬「そ、そろそろ日もかげってきたし、晩ごはんの準備しましょうか~」
唯「そうだね!BBQBBQ~♪」
律「ふぅー、食った食った」
唯「おいしかったね~」
紬「じゃーん!こんなの持ってきちゃいました~」
律「おおー!これはもしや憧れの!」
唯「焚き火で焼きマシュマロですね~!」
梓「なんですかそれ」
澪「梓は知らない?よくアメリカの映画とかドラマでキャンプの時子供達が食べるの」
紬「意外と美味しいのよ~。はい、紅茶もどうぞ」
律「はー、満足満足」ゴロン
律「みおー、寝転んでごらん」
澪「なんだよもー」ゴロン
澪「!…これは…凄いな…」
唯「うわー!ほんとだ、星が凄いいっぱい!」
紬「降ってきそうな夜空ね~」
梓「手を伸ばしたら掴めそうです」ノビー
唯「……あずにーゃん」ダキッ
梓「にゃっ!やめてくださいー」ジタバタ
唯「ういやつういやつ」
梓「疲れました…」
唯「ねーねー、みんなは将来の夢ってある?」
律「いきなりだなー。まぁ決まってるだろ、夢は武道館ライブって!」
澪「またそれか…まあ律らしいな。私は普通に大学に行って就職して、
普通の家庭を持てたらいいかな」
律「澪ちゅわーん、ロマンがないよー」
澪「うるさい!」
律「ま、それも澪らしいか」フフッ
紬「そうね~、私は沢山あるけど、いつか自分の力だけで何処かに辿り着く事かな」
唯「紬ちゃんは哲学的ですなー」
紬「でもみんなといると毎日少しずつ夢が叶ってるのよ、本当に楽しいわ~」
梓「ふふ、紬先輩の話を聞いてるとなんだか心が暖かくなる気がします」
紬「恥ずかしいわ~」///
梓「私は…そうですね、もっともっと演奏が上手くなりたいです」
唯「これ以上!?」
梓「私なんてまだまだです!とりあえずお父さんの演奏を超えないと」
唯「うん、あずにゃんなら絶対なれるよ!」ナデナデ
梓「もー、唯先輩はー」///
律「唯はどうなんだよー」
唯「私は…わかんないや」
律「ぶっ、聞いといてなんだよそれ」
唯「んー、でもこの五人でずっと一緒にいられて、
演奏とかしてられたらそれがいいかなー」
「…そうだな」
「そうね~」
「ですね」
「よく言った唯隊員!」
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―――――――
律「唯ー朝だぞー、起きろー」
唯「うーん…うへへ、あと8時間…」
梓「…唯先輩、起きたらケーキ半分あげますよ」
ガバッ 唯「いやー、気持ちのいい朝だね、あずにゃんくん」
唯「ところであずにゃんや、ケーキの受け渡しはいつ頃になりそうかね」
梓「何の事ですか?」
唯「むー、ひどいよあずにゃん…そんな悪い子はこうしてやるー」コチョコチョ
梓「きゃーやめてくださいー……ちょ…どこ触って…やめ…」
唯「うへへー」ペロペロ
律「梓も唯の扱いに馴れてきたかと思ったけど、まだまだだったな」
紬「あらあらー」ウフフ
梓「もうペロペロはしないって言ったじゃないですかー」ウガー
律「ハイハイ、そろそろ出発するぞー」
澪「あ、ねえ律、聞いてなかったけど、何処まで登るんだ?
頂上まで行くとなると帰りは結構遅くなっちゃうけど」
律「いや、頂上までは登らないよ」
澪「ふーん、何か目的地でもあるのか?」
律「あ、ああ、もう少しいったところの森に珍しい花が咲いてるらしいんだよ、
そいつを見つけて帰ろうかなーと」
澪「へー、それは楽しみだな!どんな花なんだろ、いい歌詞が浮かぶかもしれないぞ」
律(すまん澪、まだ発狂される訳にはいかないんだ!)
紬「唯ちゃん達先に行っちゃったわよー」
澪「まってよー唯ー」
梓「…こ、これは…」
唯「ふわー、すごい吊り橋だねー」
紬「さすがにちょっと怖いわ~」
澪「無理無理無理無理絶対無理」
律「じゃあ澪ちゅわんだけ1人でここからかえりまちゅかー」
澪「そ、それも嫌だ!」
律「行くしかないんだよ!大丈夫!聡の友達が何度も渡ってるって言ってたし、
落ちる事はない!」
唯「行こーあずにゃん」
梓(唯先輩と一緒に渡れば吊り橋効果で…って何考えてるの私!?)
律「ほら手握ってやるから下見ない様にしてまっすぐ歩けば大丈夫だろ」ギュッ
澪「ぜぜ絶対離さないでよ」ガタガタ
紬「うふふ、怖さも忘れちゃうわ~」ニコニコ
唯「おーおー、ゆれるゆれる」
梓「ちょっ、唯先輩揺らさないで下さいよ!」
澪「ひぃぃーーー」
律「唯、やめてやってくれ澪が限界だ、ってんん?ちょっとまて…あれってまさか…」
律「みんな走れっ!!」
梓「えっ?」
律「蛇が後ろからこっちに向かってきてる!」
ギャアアアアアーーーー
ハァハァ 澪「し、死ぬかと思った」ゼエゼエ
紬「澪ちゃんよく頑張ったわね」フゥフゥ
唯「蛇さんどっかに行っちゃったね」
梓「こっ怖かったですっ」
律「さっ、さあ、気を取り直して先に進もう!」
律「うーん、この辺だと思うんだけどなー」
澪「なっ、なぁ、何か変な臭いしないか?」
律「そういえば…そろそろ近いかもな…」
ガサガサッ
梓「…なにかいる?」
バサッ 澪「ひぃっっ」
律「聡っ!」
聡「げっ!姉ちゃん!何でいるんだよ、さては俺達の話聞いてたな!」
律「いいだろ別に。それで見つかったのかよ」
聡「それが…猪の死体だった…腐ってて超臭せーの」
律「ぷっ」
唯 梓「あはは」
紬「ふふ」
澪「何の話だよ?動物の死体とか怖い!」
律「いいのいいの、そんじゃあ帰ろうぜ!」
澪「そうだな、花は残念だけど、死体は見たくないからな」
梓「まあこんなところだと思ってましたよ」
唯「でもキャンプ楽しかったー」
紬「また来たいわね~」
澪「わ、私はもういいかな…夜とか怖かったし…」
律「なに言ってんだ、寝るまで手握っててやっただろー」
澪「なっ!なんで言うんだよー」
紬「やっぱり」ニコニコ
唯「あずにゃんも手繋いで欲しかった?」
梓「なっ、なに言ってるんですか!ほら早く帰りますよ!」
――――数年後
律「ありゃー、唯とうとう死んじゃったのかー」パサッ
律「じゃあ次私の番だな」 ボリボリ
梓「律先輩ずるいです!次は私の番じゃないですかー!」
唯「律っちゃんひどいよ!お菓子全部食べちゃうなんて!」
澪「もぉ!旅行の計画の為に集まったのに、なんでゲームばっかりやってるんだ!」
紬「みんな~、お茶入ったわよ~」
十代の頃の友達は、今でも最高の友達です。
友情は永遠!
けいおん最高!!
☆お☆わ☆り☆
最終更新:2012年02月21日 22:53