律「はあ~」

唯「りっちゃん、どうしたの?ため息なんかついて」

律「ん?それがさ~、最近金欠で…」

唯「奇遇ですなあ、私もだよ~」

唯・律「どうしてお金がないのかな~♪」

澪「無駄遣いするからないんだよ」

律「だって、欲しい物いっぱいあるんだもん…」

澪「はあ…、全く」

律「何?お金貸してくれるの!?」

澪「いや、今月お前に貸してる分の5000円、早く返してくれ」

律「鬼!」

澪「何言ってんだ!」

唯「ね~、あずにゃん」

梓「後輩に借金しないでください!」

唯「いけず~」

紬「ねえ、みんなもしよかったらアルバイトしない?」

律「アルバイト?あのお店?」

紬「ううん、みんなにゲームをやってほしいの」

澪「ゲーム?」

紬「うん、うちの系列の会社が開発したゲームなんだけど、そのゲームに不具合がないか実際にやって確認してほしいの」

梓「つまり、ゲームのモニターですね」

律「はいは~い!私、やります!」

唯「私もやらせていただきます!」

紬「もしよかったら、澪ちゃん達もどう?」

澪「う~ん、まあ…」

梓「ええ、いいですよ」

紬「それじゃ、明日持ってくるね♪」


~翌日

紬「みんな、持ってきたよ」

梓「そういえば、何のゲームなんですか?」

澪「『ザ・馬主』…?」

紬「簡単に言うと、競馬のゲームなの。みんなは馬主になって、馬を育ててレースに勝つのが目的ね」

唯「面白そう!」

律「よーし!早速やってみようぜ!」

澪「最初に名前と誕生日を入れるのか?」

紬「入力したデータで得意な練習とかが、最初の牧場の状態が変わるの」

紬「だから、同じ馬を育ててもみんな違う成長の仕方をするのよ」

澪「なるほど」

紬「育てた馬は、みんなで対戦もできるよ」

律「よーし、今日はこれで解散!みんなで馬を育てて対戦しようぜ!」

律「それじゃ、私は一足お先に~!」バタン

梓「練習っていう暇も無かった…」

~数日後

律「みんな、馬はできたか!」

唯「うん、いい子ができたよ~」

律「澪や梓はゲームとか苦手だろ?うまくできたか?」

澪「まあ、それなりにな」

梓「そうですね」

紬「それじゃ、まずは見せっこしよう!」

唯「じゃあ、私からね!」

律「名前は『ウーチャン』か」

澪「何でウーチャンなんだ?」

唯「え?お馬の女の子だからウーチャンだよ~!かわいいでしょ~!」

澪「…そうか」

梓「唯先輩、調教レベルが0なんですけど…」

唯「え?ちょーきょー?何それ?このゲーム、お馬と遊ぶゲームじゃないの?」

律「遊びのレベルがマックスになってる…」

唯「そうなんだよ!ウーチャン、テトリスがすごく強いんだよ!」

澪「今までの記録が、全部食べて寝て遊ぶの繰り返しか…」

紬「ストレスも全くの0で唯ちゃんとの信頼もマックスね」

梓「でも、これはゲームとして成立してない気が…」

律「ま、これも一つの楽しみ方だな」

律「じゃ、次は澪な!」

澪「わ、私か」

梓「澪先輩の馬、黒くてかっこいいですね」

紬「名前は『ラブリーペガサス』かわいい名前ね」

律「黒い馬なのに、ペガサス…」

澪「いいだろ、別に!」

梓「澪先輩の馬も、あんまり調教レベルが上がってませんね」

澪「それがさ、ペガちゃんをこうやって練習させようとすると…」ピッ

一同(ペガちゃん…)


サアイクゾ ピシッ

ビクッ!

キャー! ドドド


澪「怖がって逃げちゃうから練習にならないんだ」

律「澪にそっくりだな…」

唯「馬も飼い主に似るんだね」

澪「わ、私はこんなに臆病じゃないぞ!」

律「はいはい、次は梓な」

梓「私ですか」

律「名前は『アズニャンサンゴー』か」

律「…うん」

澪「…まあ、な」

梓「な、なんですか!言いたい事があれば言ってくださいよ!」

唯「かわいい名前だね~」

梓「あ、ありがとうございます」

律「能力は…」

律「普通…、だな」

紬「脚力もスタミナも平均的ね」

澪「感想に困るな…」

律「うん、次いこう」

梓「ちょっと扱いひど過ぎませんか?」

律「よ~し、次は私な!」

グルルルル… バチバチ

澪「うわっ!」

梓「目が血走ってますよ!」

律「どうだ?私の『リッチャンダイオー』強そうだろー!」

澪「確かに迫力はすごいな…」

紬「ストレスがマックスなんだけど、ちゃんと休ませてる?」

律「いや、勝つためには特訓あるのみ!休みなんてもっての他だ!」

澪「自分は普段練習しないくせに…」

紬「それじゃ、最後は私ね!」

キラキラ

律「名前は『プクプクマンボー』か」

澪「真っ白で綺麗な馬だな」

紬「ありがとう♪」

梓「名前とのギャップが…」

律「なあムギ、その横にいる女の人はなんだ?」

紬「マネージャーと専属トレーナーよ」

律「そんなのいたか?」

澪「いや…」

梓「私も初めて見ました」

紬「それじゃあ、うちの競馬場でレースしよう!」

律「ちょっと待て!自分の競馬場なんて聞いたことないぞ!」

紬「え?土地を買って建てたんだけど、ゴールド会員なら誰でもできるよ」

律「ゴールド!?」

紬「5億円の馬を買ったら入会できたよ」

澪「5億…」

梓「ケタが違いますよ…」

紬「ご、ごめんなさい!初めから資金が100億円あったからこれが普通なのかと…」

律「最初の情報入力でこれほどの差が…」

紬「あ!りっちゃんも手続きできるよ!」

律「本当か?」

紬「うん、この申込書に正しく記入してね。りっちゃんは未成年だからお家の人のことを書けばいいから」

律「年収…学歴…資産…。何か嫌な予感がする…」ピッピッ

澪「解答が出るぞ」

ザンネンナガラ アナタサマハゴールドカイインニハ フテキカクデス エコノミーデ オタノシミクダサイ

律「…やはりか」

紬「ご、ごめんなさい…」

律「いや、いいよ…。こればっかりは仕方ない…」

律「よし、気を取り直してレースしよう」

梓「そうですね」

紬「じゃあヴィクトリアマイルで」

唯「よーし、頑張るぞー!」

律「さあ、位置について…」

唯「スタート!」

律「よし、いいスタート!」

梓「まず、先頭は私と律先輩とムギ先輩ですね」

唯「ウーチャンどこ~?」

梓「え~と…。あれ?スタート地点から動いてませんよ?」

zzz…

澪「スタート地点で昼寝してるぞ…」

ムク

紬「あっ!起きた!」

キャッキャッ

梓「観客と遊んでますよ」

律「全く競馬を理解していないな…」

唯「かわいいからいいや」

澪「私のペガちゃんも見えなくなっちゃった」

律「まあ、澪はゲーム初心者だからな!」ハハハ

ドドド

律「前から澪の馬が!?」

澪「何!?」

紬「スタートの音にびっくりして逆走しちゃったのね」

律「臆病にもほどがあるだろ…」


律「よし、最後の直線!一気にムチを入れて勝負!」

ビシィ!

ブチッ

グオオオオ!

澪「あっ!律の馬が!」

梓「騎手を振り落とした!」

ギャース

梓「観客席に飛び込んで暴れてます!」

澪「もうムチャクチャだ…」

律「…」

梓「ちゃんと休ませないから…」

律「中野うるさい!」


紬「私の優勝ね!」

律「ク…。持ち主のムギはともかく、梓にまで負けるなんて…」

梓「5人でやって3人失格なんだから、当たり前ですよ」

ドドド

紬「澪ちゃんの馬がレコードをだしてるわ」

澪「逆走のレコードなんてあるのか?」

梓「調教から逃げ回るうちに鍛えられたんでしょうか」

ツレテイケ!

唯「りっちゃんの馬が捕まってる…」

澪「とんでもない暴れ馬だな」

梓「ちゃんとコンディションを整えないと駄目ですよ」

律「くそー!このままで終われるかー!覚えてろー!」バタン

唯「あ、帰っちゃった」

梓「やっぱり練習はしないんですね…」


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最終更新:2012年02月24日 20:45