梓「それ以上近づいたら!このiPadを壊しますよ!」
姫子「くっ・・・!」
和「憂、梓。純ちゃんをこっちに」
憂「あ、はいっ」
姫子「なんで!あなたの夢は私が奪って・・・そっちの子に渡したのに。夢を奪わらたらやる気が一切なくなるはずなのに・・・!
どうしてあなたはそんなに行動力があるの?中野梓!」
和「私の夢を梓ちゃんに貸したからよ」
姫子「はっ!?」
和「今の私の夢は・・・0よ」
姫子「そんな・・・夢のないあなたがあれだけの戦闘力を」
和「人を動かす原動力は夢だけじゃないわ。何かを守りたいって気持ちでも人は動く。
あなたは文字通り夢を見すぎていたようね」
姫子「うああああ!」
和「さて、梓ちゃん、純ちゃん、頭を私の手に当てて。今から純ちゃんの持つ梓ちゃんの夢を梓ちゃんに。
梓ちゃんの持つ私の夢を私に戻す。それを同時に行うわ」
ギュイィィィイィィン
和「はい、おわりよ」
純「・・・あれ?私なにやってるんだろ」
憂「純ちゃん!良かったあ」ダキッ
梓「ふう、すっきりした」
和「姫子、あなたが持っている人から奪った夢、持ち主に返すから。頭を出しなさい」
姫子「・・・っ」ダッ!
和「ちょっと!待ちなさい!」
梓「iPadがどうなってもいいんですか!」
姫子「もうそんなものどうでも良い!私の力を失う方が怖いわ!」
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校庭
梓「姫子さん、どこに行ったんでしょうか」
和「そう遠くまでは行けないはず・・・あ!いたわ!」
姫子「・・・」
和「追い詰めたわよ。観念して・・・」ハッ
梓「どうしたんですか?」
姫子「・・・」ポケー
和「夢を全部・・・奪われてる・・・!」
梓「そんな!一体誰が!?」
和「ドリームハンターは複数いるけど・・・ハンター同士がぶつかり合うことは稀だわ。
それに姫子がそう簡単にやられるとは思えない」
姫子「・・・び、あの人、モンスター、が・・・」ポケー
和「ば、馬鹿な・・・!」
さわ子「おしゃべりが過ぎるわよ。立花さん」
梓「あ、さわ子先生」
和「梓ちゃん!!逃げて!!」
さわ子「ふっ」ドカッ
和「ぐはぁあっ!!」
さわ子「うふふ・・・強力な夢商人同士のぶつかり合いを感じて、目覚めちゃった」
梓「さ、さわ子先生?」
和「そいつはもうあなたの知っているさわ子先生じゃないわ・・・!
若さを求め、女子高生の夢をひたすら奪っていく!!伝説の怪物、ドリームモンスター!!」
梓「えええ??」
さわ子「くくく・・・梓ちゃんの夢、とっても若々しそうね!!」
和「さわ子先生は、この学校の初代夢商人であり、私や姫子の世代に夢を操る術を教えてくれた師匠でもある」
梓「え、でもモンスターって」
和「さわ子先生は私たちを育てるうちに、若かった頃の夢が恋しくなってしまったみたいで、暴走してしまったの」
和「私や姫子、他の弟子たちは協力してなんとかさわ子先生の凶暴性を封じ込めた。
だけど師匠を失った私たち夢商人はバラバラになってしまった。そのうち姫子のように力を悪用して他人の夢を奪う子が現れた。
私はそんなドリームハンターから生徒を守るために、ドリームガーディアンになったの」
さわ子「あなた達がバラバラになってくれたおかげで封印が緩くなった!そしてさっきの激突で私は完全に目覚めた!
おぉおおおおお!お前の夢をいただくぜえええ!!」
梓「きゃっ!!」
ガキィイイ
和「こ、ここは私が抑えるから・・・あなたは早く逃げて!」
さわ子「だったらお前の夢から奪ってやるよ!!」
ギュアアアアア
和「うぁああああああ!」
梓「和先輩!」
さわ子「次はお前の番だ!!きぇえええい!」
紬「やめてください!さわ子先生!!」
ゴキィイン!
さわ子「!?」
梓「ムギ先輩!?」
紬「憂ちゃんから話は聞いたわ!大丈夫、私も和ちゃんと同じ」
梓「ドリームガーディアン・・・!」
紬「軽音部のみんなの夢を借りてきたわ!今からこれを梓ちゃんに流し込む!」
梓「え、ちょ」
ギュァアアアン
梓「こ、これは、先輩方の夢が流れ込んでくる!」
さわ子「はっ!!今更たった5個程度の夢で私に勝てるか!!」
さわ子「私の所持する夢は132個!!1学年の生徒分の夢を持っているのよ!!」
紬「夢は・・・本人が持っていてこそ本来の力を発揮する!あなたが他人の夢をいくら借りたところで梓ちゃんには勝てない!」
さわ子「何言ってる!!他人の夢を使っているのはそっちも同じはず!!」
梓「いえ、違います」
さわ子「なに!?」
梓「私たち・・・軽音部の夢は5人で1つ!!みんなでずっとバンドをやり続けること!!!」
紬「私たちの夢がシンクロして、もっとも若くてエネルギーを持っている梓ちゃんが膨張させ!!
誰にも負けない大きな1つの夢になる!!」
梓「うおおおおお!!!!!行きますよさわ子先生!!私が、いえ私たちが!あなたを止めます!!」
さわ子「若造があああああああ!!」
ドォオオオオオン
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さわ子「」
梓「はあ、はあ」
紬「梓ちゃん!大丈夫?」
梓「はい・・・でもちょっと疲れました」フラッ
和「おっと」ガシ
紬「和ちゃん!」
和「私は大丈夫よ。それより、早くこの子から唯たちの夢を取り出しましょう。シンクロしているとはいえ何か影響があるかも」
紬「そうね!私がやるから、和ちゃんは先生から自分の夢を返してもらって」
和「ええ」
唯「おーい!」
律「大丈夫かー!」
澪「よかった、梓もムギも和も無事みたいだ」
和「みんな!なんでそんな元気なの?今夢は梓ちゃんの中にあるはずなのに」
律「うーん、なんかさっき突然元気が出てなあ」
唯「うんうん。軽音部みんなの気持ちが1つになったみたいな」
澪「不思議な感覚だったな」
紬「そういえば、変な感じ。夢が無いのにむしろ大きな夢があるような感覚」
和「まさか、梓ちゃんが軽音部とシンクロして、軽音部で1つの夢を本当に共有するようになったかも」
唯「和ちゃんもムギちゃんも、さっきから何言ってるのかわかんないよー」
澪「今度はちゃんと説明してくれないか?」
紬「うん。もちろん。梓ちゃんも休ませたいし、部室に行こう?」
和「(もしかしたら・・・この子たち軽音部の力があれば、夢商人たちを再びまとめることができるかもしれない)」
唯「和ちゃーん!早く来てよー!」
和「うん!今いく!」
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姫子「・・・!」
いちご「・・・よく眠れた?」
風子「災難だったね」
姫子「あなたたち!さわ子先生はどうなったの?」
エリ「また封印されたよ。軽音部によってね」
信代「いいものが見られたよ。あの軽音部の力を手に入れることができれば、目障りなドリームガーディアンをぶっ倒せる」
いちご「・・・私たちの時代」
エリ「ふふ、和ちゃん、ムギちゃん、今のうちに良い夢を見ておくことだね」
風子「始めましょう。私たちの戦争を」
『ドリームウォーズ』
おわり
終わりです 次の方どうぞ
最終更新:2012年02月28日 21:30