律「変な言い方すんなっつーの」ポコ

澪「いて」

律「クジなんてどれ引いても同じだろ……あ、どん兵衛当たった」

澪「今引き換えますか?」

律「澪、そろそろバイト終わりだよな」

澪「今引き換えますか!」

律「……お願いします」

澪「はい」

律「なあ」

澪「お客様、後ろのお客様がつかえてますので」

律「もう私しかいないし」

澪「なんだ律、そんなに私に構って欲しいのか?」

律「欲しいよ」

澪「……もう終わりだから外で待ってて」

律「ん」


―――

律「おつかれ様」

澪「ん」

律「コンビニどうよ」

澪「ここあんまり客こないし楽かな」

律「そっか」

澪「肉まん買ってきた!」

律「太るぞ」

澪「……律にあげる」

律「半分こするか」

律「そういやそろそろホワイトデーだな」

澪「うん」もぐもぐ

律「……」

澪「?」

律「ぁあ、バイト始めたのってそういう事か!」

澪「なんだ、今更か?」

律「やばい、今私そんなお金持ってないし……」

澪「いいよ、律のくれるなんでもいい」

律「……へへへ、そか」

澪「高い物なら尚嬉しい」

律「……」

澪「そんな目で見るなよ、冗談」

律「ほんと?」

澪「ほんとほんと」

澪「わざわざ迎えにきてくれなくても大丈夫なのに」

律「危ないだろ、夜道とか」

澪「そうか?」

律「そうだ」

澪「なんで?」

律「……澪がかわいいから」

澪「そうかそうか」

律「ばーか!」

澪「律可愛いー!」

律「うっせーし!」


澪「じゃあまた明日学校でな」

律「ん」

澪「律も気をつけて帰れよ!」

律「わーかったって」

澪「……心配だから私が家まで送ってこうか?」

律「意味ねーし」

澪「さよならのキスいる?」

律「い、いらねーし!」

澪「ほんとに?ほんとのほんとのほんと?」

律「もう家引っ込め!」

澪「りぃーつぅ~……」

律「……はぁ」



部室

唯「律っちゃんと澪ちゃん遅いねー」

梓「ですね、日直ですか?」

紬「澪ちゃんがね、お茶の準備もできたし私達は先にお茶飲んで待ってましょう?」カチャ

唯「さんせー!」

梓「もう」

唯「おかわり!」

紬「はい」

梓「まるでわんこ蕎麦ですね」

唯「あーあったまるな~」

紬「そういえばそろそろホワイトデーね~」

唯「ホワイトデーといえばさー澪ちゃんと律っちゃ……はぅあああああああ!?」ガタァッ

紬「きゃっ」

梓「なっ、なんですか急に大きな声だして!」

唯「あぁあぁぁぁあああお、おお思い出したぁぁぁぁぁ……!」

梓「な、何をですか?」

唯「いやでも……うー~……」

紬「唯ちゃん?」

唯「ショック過ぎて今まで忘れてたんだけど……」

紬「何々?」

唯「……律っちゃんが男の人と歩いてた、んだけど」

梓「……はい?」

紬「お、弟さんじゃない?」

唯「違うと思う……」

梓「なんでですか!?」

唯「ホ、ホテルからでてきたから……です」

紬「ほ、ほほほてほてる?」

唯「……ラヴの方の」

紬「   」

梓「い、いつですか?」

唯「……先月のバレンタイン」

紬「」パリーン

梓「高そうなポットが!?」

梓「と、とにかくこの事は内密に!」

唯「あわわあわわあわわあわわ」

梓「唯先輩落ち着いてください!」

紬「」

梓「ムギ先輩!目をお気を確かに!」


澪「おーっす」

唯「……」

梓「……」

紬「」

澪「みんな?どうしたんだ?」

梓「いいいえあの……律先輩、は?」

澪「トイレに行ってるよ」

梓「あー……そデスか」

澪「……?」

澪「ねえみんな、無視しないでよ」

梓「……」

唯「……」

紬「」

澪「……い、いじ……め?」

梓「あイエそういう訳じゃなくてデスねはい……」

澪「じゃあ」

律「めーっす」ガチャ

澪「あ、律」

唯「!!」

唯「律っちゃんの……律っちゃんのビッチ!」

律「ハァ!?」

唯「澪ちゃんというスケがいるくせに!くぬー!くぬー!」ポカポカ

律「ス、スケ!?」

梓「ちょ、ちょっと唯先輩!?」

澪「な、なんだいきなり!?」

唯「澪ちゃん!」

澪「はい!?」

唯「澪ちゃんは弄ばれています!」

澪「え、誰に!?」

唯「律っちゃんに!」

澪「ぐっ……ん~~ちょっと嬉しい気もしないでもない!」

律「おい」

唯「ちがう!」

唯「ふー……律っちゃんはね、男の人とラブホテルから出てきたんですよ」

澪「な……!?」

律「え、マジで!?」

澪「り……つ……?」

律「そ、そんな目で見るな!違う!嘘だ!」

澪「……でも、確かに律最近妙に艶っぽくなってきたし」

律「変な事言うな!」

澪「……」

梓「……あの、澪先輩?」

澪「……しぬ」

梓「へ?」

澪「もう、意味はない、だからしぬ」

律「ちょちょちょちょちょちょちょ!?」

澪「……」

律「落ち着いたか……」

澪「しぬ」

律「なあ澪、違うんだって」

澪「しぬ」

律「第一、身に覚えが無いし」

澪「しぬ」

律「なぁ……」

澪「……」プイ

梓「律先輩……」

律「ハァ、唯の見間違えだって」

唯「見間違えじゃないもん、ちゃんと覚えてるし」

唯「男の人はなんかニット……いやキャップ?……とにかく帽子被ってた!気がする……あと背は律っちゃんより高かった」

律「なんだその曖昧な記憶」

唯「違うの!隣にいた律っちゃんが強烈に珍しくて記憶が薄いの!」

律「はいはい、その私ってのはどんなカッコをしてたんでございますかねぇ~」

唯「む、馬鹿にしたからもう話さない」

律「は?」

唯「……」

律「いい加減にしろよ!!」バンッ

梓「っ!」

律「唯の言い掛かりのせいで澪はこんなんだしムギは来たときからあんなんだし……」

澪「しぬ、しぬ」

紬「」

唯「律っちゃんが自分で澪ちゃん傷付ける様な事したのが悪いんじゃん!!」

律「この……だから私はぁ!!」

梓「やめてください!」

唯「……」

律「……」

唯「……律っちゃんが女の子の格好してた」

律「オイなんだそりゃ、私が女じゃないとでも……ちょっとまて、それいつの話だ?」

唯「先月のバレンタインだけど……」

律「……」

澪「よし、そろそろ練習始めるかなーっと」

梓「えっ、み、澪先輩?」

律「そうだな、そろそろ大会近いしな」

梓「大会?大会ってなんですか?じゃなくて」

唯「?」

律「いや、もう良いんだよ、な」

澪「ああ」

梓「?」

唯「?」

律「はいっ、もうこの話は終わり、なっ」
澪「さあ張り切って練習するぞー」

紬「練習始めましょ、唯ちゃん梓ちゃん」

梓「ムギ先輩ツヤツヤしてますね」


帰り道

唯「……律っちゃん」

律「ん?」

唯「なんかごめんね、私の勘違いで」

律「あーいや……気にすんな、うん」

唯「律っちゃんが澪ちゃんと付き合ってるのに澪ちゃんを悲しませるような事をしたんだと思ったら殴ってでも正さなきゃって思って……」

律「意外と熱血なんだな……って私と澪付き合ってなんかないし」

唯「そうなんだ」

律「うん」

唯「……え、本気?」

律「え、何か変?」

唯「いや、なんかもういいや」

澪「りぃーつぅー!」

律「へいへーい……じゃあまたな」

唯「あ、うん」



唯「ただいまー……」

憂「お帰り、お姉ちゃん!」

唯「はぁ」

憂「どうしたの?」

唯「先月のバレンタイン……」

憂「あ……やっぱりあの時の人律さん、だったの?」

唯「いや、うん、もう、なにがなんだかよくわからないよねぇあの二人は……」

憂「?」



糸冬






最終更新:2012年03月02日 20:44