紬「唯ちゃん……いつものあれ、お願いできるかしら?」

唯「うん。」

紬「ごめんね、いつも……でも大事なことなの」

唯「ううん、私もムギちゃんが大好きだから大丈夫だよ」

紬「ありがと……」

そういうと私は自分の胸を抱えていた腕を
そっとほどいて
あられもない姿を唯ちゃんに差し出すのでした

ピトッ

紬「んっ……」

唯ちゃんの暖かいおててが私の胸にそっとあてがわれます
まるで包み込むように、私から何かがこぼれないように
一生懸命にぎゅうっと ぎゅうっと

紬「ぁ……」

唯「えへへ、ムギちゃんはやっぱりあったかあったかだね」

紬「いじわる……」

唯「まるでお母さんみたい」

唯「そのおおきなおむねも、

唯「息をするたびに膨らんだりしぼんだりするおなかも」

唯「胸から響いてくるどきどきどきって心音も」

唯「なんだか全部全部、愛おしいよ」


ここは紬天使界

数多の天界の中でも最も優しく、もっとも脆い世界だといわれている世界のひとつ
それは天界を維持する方法が特異であることに由来している

たとえば紬天使界の近くに存在しているふわふわサンジュ界では
澪神様ファンクラブの信仰によって存在が保たれているし
更にその近くのあずにゃんぺろぺろ界では
下界の人間があずにゃんをかたちどった像を一舐めするだけで
存在が継続できる

しかし紬天使界は違う、

天使紬のおっぱいを誰かが支え続けないと転地崩壊してしまうのだ
さすがの天使紬もずっと胸をぎゅうっとしているのは疲れるし
かといってブラジャーをするのも神の掟に逆らってしまう

そこで誰かを召還し
制服脱いだらちょっとスゴい着てても勿論スゴい
そんな咲き狂ってたわわ みのる果実
それを支え維持する人間が必要だったのだ

紬「ありがとう唯ちゃん」

唯「うん、私も天使の役に立てるならうれしいよ!」

紬「もう唯ちゃんも立派な巫女様ね」

紬「唯ちゃんさえ良ければ、ずっとこの世界で過ごしてもいいのよ」

紬天使界
それはだれも虐げず、虐げられない、そんな理想的な世界
住む人の誰もが天使で、天使紬のような慈愛を模した女性が集う世界


紬「唯ちゃん……?」

唯「私には、元の世界に友達がいるから……」

紬「ぁ……」


しずかな沈黙が場を包む

唯は紬のむねを支え続けながら
紬は唯に支えられながら

そんな時間がずっと続くものだと思っていた

唯「私の元の世界ではね」

紬「うん。」

唯「大好きな妹とも大好きなお友達がいるんだ」

紬「うん……」

唯「私が住んでいるのはちいさな村だけど」

唯「みんなと演奏している時間がとても楽しいんだ」

唯「春にはつくしが芽吹いて、夏には素敵な日差しが注いで」

唯「秋には山の紅葉が綺麗で、冬には世界が銀色になる場所なんだよ」

紬「……」

紬「唯ちゃん……」

天使は強制できない
天使は演奏できない

天使はお友達ができない

孤独だった
天使紬はずうっと孤独

自分が世界を保つ存在になる前からも、
天使界の上流階級の娘という立場……それが天使紬を縛っていた

人間界に忍び込み村の子供達に混じって遊ぼうとしたことだってある

しかし背中の天使羽だけはどうしても隠せなかった

彼女が天使だとわかると、子供達の両親は崇め奉り
あげく汚い手で天使紬に触ったということで子供達をしかる始末

天使紬は泣いてしまった
子供達に迷惑をかけてしまったから、
そして自分はお友達ができない存在だという琴に気がついてしまったから

紬「唯ちゃん…」ニッコリ

無理してたどたどしく天使紬は天使のような笑顔を作り出す
この娘もこれまでの巫女と同じようにするだけだ

それぞれの生活があるんだもの

紬「唯ちゃんは本当に嫌な顔をせずに私に仕えてくれたわ……」

紬「願い事があるなら話してみて?」ニッコリ

唯「えっ?」

巫女とのお別れは感謝の印に願い事をかなえてあげること
それが天界のルール

前の巫女ちゃんの願いは、意中の異性と結ばれることだったわ
その前はお金持ち、その前は村人のみんなの幸せを願う女の子

うふふ、いま考えてみると唯ちゃんにそっくりな娘だったわ
だからきっと唯ちゃん
唯ちゃんもそうなんだよね
唯ちゃんはそれでいいもの、みんなの幸せを願って?

唯ちゃんの幸せは、私の幸せなんだから

唯「んーとねー」

唯「私の村でね」

紬「うん?」

唯「お祭りがあるんだよ」

唯「おっきいお祭り、それでさ私達も演奏するんだよ」

紬「ふふ、素敵ね」

紬「祭りの成功が唯ちゃんのお願い事なのかしら」

唯「ムギちゃんにも演奏を聴いてほしい!」

紬「え?」

唯「ムギちゃんのこと、みんなにも紹介したい!」

紬「どうして……?お願い事はみんなの幸せじゃないの?」

唯「だって私たちはもうさいしょから幸せいっぱいだもん」

唯「私の願い事はムギちゃんと村でいっしょに遊ぶことだよ!」


紬は支えられていた
胸だけでなく、そう……心までも

そうして下界で天使紬はあこがれの庶民の生活を体験しました

唯のお願いの効力で天界のムギちゃんのたわわなおっぱいを支え続けるだけの簡単なお仕事は
一月に数時間程度の充電で大丈夫に成ったのです

いまでは神社で巫女様をたまに雇っているので
本当にお手軽、天使紬の胸を支えたい女の子ブームになったのでした

純「いやー、なんだかお姉さんみたいでムギ天使の胸を支えるのは楽しいんだよね」

菫「お姉ちゃ……天使紬様とお話していると凄く楽しいです」


紬天使界

紬(あれから素敵なお友達が沢山できたわ)

紬(秋山神社の娘の恥ずかしがりや巫女澪ちゃんに……)

紬(ぺろぺろ寺の陰陽師梓ちゃん、農民の元気な娘りっちゃん)

紬(……)

紬(えへへ……)

紬天使はこれまで以上にニコニコする事が多くなり
近々、女神紬に昇格予定になったそうです

紬(あっ♪)

紬(そろそろ時間ね)


唯「ムギちゃーん遊びに来たよー」


紬「唯ちゃん……いつものあれ、お願いできるかしら?」

そういうと私は自分の胸を抱えていた腕を
そっとほどいて
あられもない姿を唯ちゃんに差し出すのでした


唯「うん。」



唯「ムギちゃんのたわわなおっぱいを支え続けるだけの簡単なお仕事!」




終わり


ここで金曜ロードショーからプレゼントのお知らせです







最終更新:2012年03月06日 20:34