紬「唯ちゃんと梓ちゃんがあっちのソファでお話とか色々してみるのはどう?」

律「よしそれで」

梓「ええっ!?」

澪「物は試しだよ。しっぽのためだと思って唯に甘えてみればいいんじゃないかな」

梓「それは……ちょっと」

唯「おー、よしよし、一緒にソファに座ろうね」

梓「わかりましたから子供扱いはやめて下さい」

唯「あずにゃんおいでっ」ポンポン

梓「うぅぅ……はい」

唯「しっぽ見せて?」

梓「それは……」

唯「しっぽ見ないとあずにゃんが喜んでるかわからないよ」

梓「……はい」ショボン

唯「しっぽ垂れてるね。大丈夫だよあずにゃん、きっと何とかなるから元気出して」

梓「はは、尻尾が元気ないからって私も元気ないとは限らないですよ」

唯「んーん。しっぽをだらんと下げてる時は元気がなかったり身体の具合が悪い時なんだよ」

梓「へえ、先輩詳しいんですね」

唯「実は昨日頑張って覚えたんだ」

梓「え?」

唯「その、そうすればもっとあずにゃんの気持ちがわかるかなって思って……えへへ」

唯「唯先輩……」フーリフーリ

唯「あ……えへへ~」

梓「? あっこれはそのっ……」フーリフーリ

唯「隠さなくてもいいじゃん。あずにゃんが嬉しいと思ってくれて私も嬉しいよ」

梓「あう……////」フーリフーリ

唯「いいこいいこ」ナデナデ

梓「……っ」

唯「ちょっとだけ我慢……じゃないや、あずにゃんの心の思うままにしてみてよ。ね?」

梓「……わかりました」

唯「あずにゃんって実はぎゅってするの好きだったのかぁ」ぎゅう

梓「そ、それは……」

梓「……」

梓「嫌いじゃないっていうか……その……すき、です」フーリフーリ

唯「おおぅ……////」

唯「たまにはあずにゃんから抱き付いてほしいな~なんて……。やりたくない?」

梓「……」ぎゅう

唯「あっ……にへへ」ぎゅう

梓「……うう、緊張する」

唯「リラックスリラックス。これは治療なんだから」

梓「そ、そうですよね……」

唯「あずにゃんあったかいよ」

梓「……唯先輩も、あたかいです」

唯「そう? ふふっ」

梓「……ふふ」



律「……私トイレ行ってくる」

澪「あ、うん」


唯「ねえあずにゃん、これからも抱き付いていいかな?」

梓「えっと、はい、いいですよ」

唯「やったぁ。あずにゃん可愛い~」すりすり

梓「んひゃ、もう……」

唯「やっぱりあずにゃんは甘えんぼさんだったんだねっ」

梓「やっぱりってなんですか、やっぱりって」

唯「そうじゃないかな~って思ってたんだ」

梓「それじゃあ尻尾がなくてもばればれじゃないですか」

唯「そのしっぽなんだけどさ、ちょっとさわっていい?」

梓「それは……」

唯「いや?」

梓「いやじゃない、です……」

唯「ふふ、ありがと」

唯「さわるね」

梓「は、はい。でも敏感なのであまり強くは……」

唯「大丈夫、優しく撫でるだけだから」

さわさわ

梓「んあっ……」

唯「平気?」

梓「あ、はい……ふぁっ、少しくすぐったいだけなので」

唯「じゃあ続けるね」

梓「はい……んっ」



澪「……私もトイレ」

紬「あ、うん」


唯「あずにゃんのしっぽいい毛並みだよ。ふわふわだぁ」

梓「そうですか?」

唯「うん、さわっててすっごくきもちいよ」

梓「ありがとうございます……?」

唯「しっぽが立ってるけど、これって甘えてる時の仕草らしいよ?」

梓「んっ……だって……甘えてますから」

唯「そ、そうだね////」

梓「どうかしたんですか?」

唯「ううんなんでもっ」

梓「?」

梓「あの、唯先輩」

唯「なあに?」

梓「何だか、しっぽ撫でられるのって、気持ちいいかもです」ぎゅっ

唯「ふおっ……!?」

梓「むず痒いような、落ち着くような、不思議な感じで……段々頭がぼーっとしてくるんです」

唯「そ、そうなんだ」

唯(……なんだかドキドキしてきた)

梓「もっと全体を撫でてもらってもいいですか?」

唯「う、うん。こう?」ナデナデ

梓「ンッ……はぁあ……あっ……気持ちいいです」

唯「そ、そう……よかった」



紬「わ、わたしもトイレに……」


梓「んっ……にゃ……んふぁ」

唯「あ、あずにゃん変な声出てるよ」

梓「ふぁ……すみません……でも気持ちよくて……んっ」

唯(ど、どうしよう! 続けていいのかな……?)

梓「もう少しだけこのままで……」

唯「へっ!? あ、うん!」

唯(ばれてる!?)

梓「はぁ……ふぁ……んっ、ゆいせんぱい……すきー」

唯「っ!? わ、私もだよあずにゃん」

梓「えへへ~」

唯(どうしよう何だか変な気持ちになってきた……)

唯「あ、あずにゃん?」


―――

律「……」

澪「……」

紬「……」

律「どうする? そろそろ戻る?」

澪「いや、うーん……でもあれをまた見るのは……」

紬「ちょっと覗いてみるね」

紬「……」

律「どうだ?」

紬「……梓ちゃん、寝ちゃってるかも」

律「なら戻るか」

律「おっす、どうなった」

唯「しー、撫でてたら気持ちよさそうにして眠っちゃったの」

澪「そっか」

紬「梓ちゃん気持ちよさそう」

律「幸せそうな顔しちゃってまあ」

唯「私ひざまくらで動けないからみんな先に帰っててもいいよ?」

澪「どうする?」

梓「……ん、んん」

紬「起こしちゃったかな?」

梓「……んあ、ゆいせんぱい」

唯「おはよーあずにゃん」

梓「おはようございましゅ……?」

唯「よしよし」ナデナデ

梓「えへへ……んんーっ」

梓「っふう」

梓「……あれ、私どうして唯先輩に……え、あれ?」

唯「あずにゃんにぎゅってしてしっぽ撫でてたら寝ちゃったんだよ」

梓「そうでした……か…………っ!!!」

唯「あずにゃん?」

梓「う、あ、うあああああああ……////」

律「思い出したようだな」

澪「うん……」

紬「梓ちゃん顔真っ赤」

梓「あれはちがくて、そのっ!」

唯「まあまあ、しっぽをなくすためだったんだし、たまにはいいじゃない」

梓「だ、だって私……! なんだかぼーっとしてとんでもない事を……!」

律「尻尾がぶんぶんしそうだな……ってあれ?」

澪「梓! ちょっと後ろ向いて!」

梓「えぁ? はい」

紬「尻尾無くなってるよ!」

梓「えっ本当ですか!?」

唯「わぁぁ! よかったねあずにゃん! さっきのが効いたんだね!」

梓「はいっ! ……ってあれは忘れてくださいーーーっ!!」

唯「あずにゃーーーん!!」ぎゅううう

梓「ひゃあ!? も、もういいですってば」

律「そんな事言って嬉しいくせに」

梓「そんな事ないですっ!!」

唯「またまた~さっきなんて私の方がドキッとしたんだからね!」

澪「唯をそこまで……すごいな梓」

梓「だから違いますってばぁ~~~!!」

ぴょみん

唯澪律紬「えっ」

梓「な、何ですか? 皆さんどうしたんですか?」

唯「あずにゃん……頭からネコ耳が……」

梓「そんなまさか……」さわさわ

梓「う、うそ!?」

唯「かっ、かわええ……!」

梓「そ、そんなあ!?」

唯「またなでなでしてあげるねっ!」

梓「結構ですっ!」

唯「素直にならなきゃだーめ♪」

梓「ひゃあん////」

律「帰ろうぜ」

澪紬「うん」



END



最終更新:2012年03月26日 03:21