梓「唯先輩、こういうのが趣味なんですか…?」

唯「うん、まぁね!」

梓「うう…」

唯「放課後の部室に二人きり…。スケスケな下着姿のあずにゃん…最高だね!」

梓「変態!唯先輩はへんたいですっ!こんな格好させて喜ぶなんて…」

唯「その変態の言うコトを聞いちゃうあずにゃんは可愛いなぁ」

梓「う…」

梓「ばかー!唯先輩なんて嫌いです!」

唯(あらら、ちょっとからかい過ぎちゃったかな…)

梓「もう唯先輩恋人なんてやめてやるです!」

唯「えっ…、あ、あずにゃん…」

梓「私は本気ですから!」

唯「そ、そんなぁ…あずにゃん…!」

梓「な…、そ、そんな表情したってダメです!元々悪いのは唯先輩なんですからね!」

唯「うっ…あ、あずにゃんに、ぐすっ、嫌われちゃったよぉ…」

梓「ふ、ふん…」

唯「ふぇ、ふぇぇん…!」

梓(あれっ、嘘、泣いてる!?)

梓「えっ、ちょ、唯先輩?」

唯「ごべんなざい、あずにゃん、ううっ、ぎらいにならないでぇぇ…」

梓「あ、あああ、あのっ、えと、どうしよう」

唯「やだよぉー、ぐすっ、あずにゃぁん、わだじ、わがれだくないょぉ…!」

梓(どどどどうしよう!冗談のつもりで、唯先輩が少しだけ反省してくれれば良かっただけなのに…)

梓(ああ、もうこれしかない!)

梓「唯先輩っ!」

唯「ふ、ふえっ?あずにゃん?」

梓「先輩、大好きですっ!」

唯「!」

梓(どうだー…)

唯「ふふっ、あずにゃんの方から抱き着いてくるなんて、めずらしーね…」

唯「あずにゃん、あったかい…」

梓「唯先輩、さ、さっきは、言い過ぎました」

唯「ふふっ」

唯先輩が、腕を腰に回して力を込めて強く私を抱きしめる。
相当、不安だったのかも知れない。悪いコト、しちゃったな…

梓「あの、唯先輩…」

唯「ふふっ、あはは、あはははは」

梓「…ゆい、せんぱい?」

唯「ねぇ、あずにゃん。さっき私と別れるって言ったよね?」

梓「あ、あの…」

唯「返事はいぇすか、のー、だよ」

梓「…はい。言いました」

唯「ふ~ん…、あずにゃん、私と別れたいんだぁ」

梓「いや、ち、ちがっ!だからそれは勢いで…!」

唯先輩の様子が、おかしい。
さっきまで本当にこの人は泣いていたんだろうか。まさか、…嘘泣き?

梓(あんなリアルに嘘泣きが出来るの?)

唯「へぇ…勢い、だって。ふふっ…」

梓「…先輩、お、怒ってるんですか?」

唯「んー…、すっごい、怒ってるよ」

梓「あの、その、本当にごめんなさい。まさか、そこまで本気にとるなんて思わなくて…」

唯「でもまさか、あずにゃんが冗談でも別れる、なんて言うなんてね…」

うぅ…。これは唯先輩、かなり怒ってるな。
どうしよう、何をしたら許してくれるだろう。
帰りにアイスを買ってあげようか。それとも週末にデートにでも誘えば機嫌も良くなるだろうか?
そんな考えを頭の中で巡らしていると、唯先輩が小さくポツリと呟いた。

唯「これからあずにゃんが、私から離れるなんて二度と言わないように」

唯「しっかり調教してあげなきゃね♪」


梓「…え?」

唯先輩の言葉に私は思わず固まる。

梓「あの、今、何て…?」

唯「あはは、聞こえなかったかな?これからあずにゃんが私無しじゃ生きていけないように、調教する、って言ったんだよ~」

梓「ちょう、きょう…?」

調教(名)
動物を目的に応じて訓練すること。

梓「い、意味が分からないです!」


唯「ちょっと待ってね~」

唯先輩はそう言うと、私から離れ、制服のポケットから携帯を取り出して何事か操作し始める。

梓「何…してるんですか?」

プルルルルル…
プルルルルル…

しばらくすると、唯先輩の携帯から呼び出し音が聞こえてきた。

梓「…唯先輩?」

「おー、どうした唯?」
聞き慣れた声。

唯「あ、りっちゃんやっと出たー」

梓「!!」

「で、用事は?」

唯「いやぁ、りっちゃんと一緒に練習したくて電話した次第ですっ」

梓「なっ!?」

「は、はぁ?おいおい、追い出したのはお前だろ~?」


思い出す。
およそ30分程前の事を。

澪先輩もムギ先輩も、今日は用事があるそうで、音楽室に集まったのは私と唯先輩、律先輩の3人だけだった。
そこで律先輩が、今日の練習はお休みと宣言したのだ。


律「今日は澪もムギも居ないし、3人でどっか遊び行くかー!?」

唯「あー、りっちゃん。私は残ってギターの練習するよ」

律「なぬ!?」

唯「あずにゃんも付き合ってよ?」

梓「え、あ、はい。唯先輩が残って練習するなら…」

唯「ありがとあずにゃーん!」

梓「わわっ、抱き着かないでください」

律「なんだよ~。お前等が残るなら仕方ない、私も練習するか…」

唯「りっちゃんはいーよ」

律「えっ」

唯「だからりっちゃんは帰って良いよ?」

律「いやいやいや?」

梓「別に律先輩は帰って良いかと」

律「ちょっ、梓?」

梓「だから律先輩は帰っても問題無いかと」

梓(折角唯先輩と二人っきりになるチャンスだし…)

律「ふ、ふっ、二人してなんだよ!うわぁぁぁぁぁぁん!」

そして律先輩が泣きながら出て行った後、唯先輩と一緒に練習出来ると浮かれていた私に渡されたモノは、

梓「唯先輩…これは…?」

唯「ね?着てみてよあずにゃん!お願い!」

スケスケの下着だった訳で。そして私の制服は唯先輩に取られて、未だ私は…

梓「!」

唯「りっちゃんが居た方が、練習に幅が出るんコトに気付いたんだもん」

「はぁ…まぁいいよ。たまたままだ学校の近くに居るし、そんな遅い時間でも無いしな」

唯「ありがと~!じゃあ、待ってるね!」

梓「って唯先輩!何で律先輩呼んでるんですか!?」


唯「りっちゃん、まだ学校の近くに居るんだって」

梓「聞こえてました」

唯「だから、少ししたら来るって」

梓「それも、聞こえてました」

唯「問題!」

梓「…何ですか」

唯「今のあずにゃんの格好を見たら、りっちゃんはどんな反応をするでしょうか?」

梓「はははは早く服を返してくださいーっ!」

唯「えーっ。折角のあずにゃんのスケスケ下着姿、りっちゃんにも見て貰おうよー」

梓「ぜっっったいに嫌です!」

唯「どうしてー?」

梓「ど、どうしても何も、こんな格好…」

唯「凄く可愛いのに」

梓「か…可愛い、でも、唯先輩のお願いだから、こんな格好、その…」

唯「やっぱりあずにゃんサイコーに可愛いっ!」
梓「ってまた抱き…あぅ」


唯「ねぇ、また問題」

唯先輩が耳元で囁く。

梓「唯先輩、近い、です…」

唯「あずにゃん、これ、なんだ?」

絶え間無く続く機械的な振動音が耳元で鳴り続ける。

梓「な、ななな…」

唯「これをあずにゃんの、なかに入れたらあずにゃんはどんな反応を見せてくれるのかなぁ」

梓「ややややっぱり唯先輩は変態です!大変態です!もう大なんて言葉が勿体ない、スーパー変態です!!」



紬「パジャマパーティーって、初めてなの!ドキドキするわ!」

澪「ムギ、嬉しそうだな」

紬「うん、とっても!」

梓「あ、そんな、ダメですぅ、あぅ、んぃゃ、ゆいしぇんぱ…」

律「おーいあーずさー、大丈夫かー?」

澪「で、梓はどうしちゃったんだ…?」

律「いや、さっきお前等がコンビニ行ってる時に、私が唯の部屋のタンスあさってたんだ」

唯「え!?りっちゃん勝手に何してるの!?」

澪「最低だな…」

律「そんな責めないでくれよ。梓も結構ノリノリだったんだぜ」

唯「じゃあ、もしかしてあれも見たの…?」

紬「あれ?」

律「いや…うん、実は唯のタンスからスケスケの下着が出て来てな…」

澪「ぶっ」

紬「スス、スケスケ!?」

唯「う~…りっちゃんのバカ~…」

律「ご、ごめんなさい…。まぁ、それを発見してから、梓ずっとあの調子でな…」

梓「り、律せんぱ…これは ひゃあ、そんな二人でぇ、んっ…」

紬「ところで唯ちゃん!どうしてスケスケの下着なんて持ってるの!?」

唯「む、ムギちゃん鼻息荒いよ~…」

澪「でもホントになんでそんなの持ってるんだ…?」

律「もしかして…彼氏に着せられ…」


唯「ちち、違うよ!憂に着せられてるんだよ!」

梓「えっ!?」


おしまい



最終更新:2010年01月29日 00:08