56 : ◆LPtj4/HToU 2012/05/06(日) 21:11:08 ID:/bdq01CQ0
和「こら、静かにしてなさい」
チョロロロロロロロロロロ
純「」ジィッ
和「はぁ・・・見つかっちゃったわね」
純「・・・・・・えっとそれ、雀ですか?」
チョロロロロ、チョロロロロロ
57 : ◆LPtj4/HToU 2012/05/06(日) 21:11:53 ID:/bdq01CQ0
和「目の周りに白い輪っかがあるでしょう? メジロじゃないかしら」
純「へー、かわいいですね!」
和「可愛いんだけど、ほら」
純「あ、足ケガしてる」
和「たぶん、猫か、カラスの仕業ね」
58 : ◆LPtj4/HToU 2012/05/06(日) 21:12:43 ID:/bdq01CQ0
純「おお!そこを、通りがかった和先輩が助けたという訳ですね。さすがです!」
和「ふふっ。そんな都合のいい話じゃないわよ」
純「へ?そうなんですか」
和「2組の生徒が見つけて、昼休みに生徒会室に連れてきたのよ」
純「はぁ。なるほど」
59 : ◆LPtj4/HToU 2012/05/06(日) 21:13:36 ID:/bdq01CQ0
和「放課後になったら動物病院へ連れて行くつもりだったのだけど・・・」
純「けいおん部に捕まってしまった、と?」
和「そういうこと。先生たちに見つかるとやっかいだし」
和「唯たちの誘いも、無碍には断れなくって」
チョロロロロロ、チョロロロロロロロロ
60 : ◆LPtj4/HToU 2012/05/06(日) 21:14:59 ID:/bdq01CQ0
純「すっかり和先輩になついてますね」
純「でも、和先輩、ずっとこの子を連れてけいどろやってたんですか」
和「連れてこられるなり、いきなりけいどろ大会だもの。さすがに驚いたわ」
純「それで何とかしちゃうんだから、すごいです!」
和「何とかしたのは憂だもの。私は何もしてないわよ」
純「憂もすごいですけど・・・尊敬します、憧れます!」
和「大げさね、ふふっ」
61 : ◆LPtj4/HToU 2012/05/06(日) 21:29:59 ID:/bdq01CQ0
純「いえ! 私、和先輩みたいな人、すてきだと思います」
和「あら。鈴木さんは澪に憧れてる、って聞いてるわよ?」
純「あ。それは、はい。澪先輩は、かっこよくてベースも上手で、あこがれの人です」
和「澪は同性からみても、華があるわね」
62 : ◆LPtj4/HToU 2012/05/06(日) 21:30:46 ID:/bdq01CQ0
純「はい。でも、和先輩はその、いつも冷静で落ち着いてて、その、クールビューティ?」
和「あら、そんなふうに見えるなら嬉しいわ。私だってけっこうヘマするのよ?」
純「そうなんですか? とてもそんなふうには・・・」
チョロロロロロロロロロロロ
純「あ、これからどうします?この子」
和「そうね・・・とりあえずお水を飲ませてあげたいから、三階に行きましょう」
63 : ◆LPtj4/HToU 2012/05/06(日) 21:31:30 ID:/bdq01CQ0
純「あ、それでトイレを探してたんですね」
チュチュ...チュチュチュ
純「美味しそうに飲んでますね」
和「きっとノドが乾いてたんだと思うわ。ごめんね、チッチちゃん」
純「チッチちゃん?」
和「はっ」//
純「名前付けてたんですね・・・(可愛い!)」
64 : ◆LPtj4/HToU 2012/05/06(日) 21:32:50 ID:/bdq01CQ0
少しですが、時間が遅くなってしまったのでこれくらいで。
飛び込みさせて頂いて、ありがとうございました。
アンカーの方、がんばってください!
65 : ◆FuaYZ.6Am6 2012/05/06(日) 22:35:36 ID:2szcgjjM0
純「そういえば和先輩、お手洗いはいいんですか?」
和「そうだったわ。行きましょう」
スタスタ
律「……」
梓「……」
律「帰ろうか。部室に」
梓「はい」
バサバサッ
純「あ、さっきのカラス。まだ上飛んでますね」
和「まさか……」
純「?」
和「チッチちゃんを怪我させたのはあのカラスなんじゃ」
純「はっ!ということはさっきから私たちの上を飛んでるのはこの子にとどめを刺すため?」
和「守らないと……!」
66 : ◆FuaYZ.6Am6 2012/05/06(日) 22:36:26 ID:2szcgjjM0
唯「話は」
澪「ぜ、全部」
紬「聞かせて」
憂「もらっ」
律「たぜ」
梓「!」
ザザザザザザザッ
和「何やってるのみんな」
純「びっくりするからいきなり現れないで!」
67 : ◆FuaYZ.6Am6 2012/05/06(日) 22:37:21 ID:2szcgjjM0
唯「和ちゃん、チッチちゃんのこと知らずに誘ったりしてごめんね」
和「いや、そんなことより」
律「お詫びに、私たちもチッチちゃんを守るのに協力するよ!」
カラス「カァーカァー」
律「カラスめー、チッチちゃんは渡さないぞ!」
紬「おー!」
澪「チッチちゃん、かわいい……」
チョロロロロロロ
68 : ◆FuaYZ.6Am6 2012/05/06(日) 22:38:09 ID:2szcgjjM0
さわ子「待ちなさい」
唯「さわちゃん!」
さわ子「正義感に燃えるのは良いけど、カラスの気持ちにもなってみなさい」
澪「どういうことですか?」
カラス「カァー カァー」
さわ子「あのカラスにも家族がいるのかもしれない。家ではお腹の減った妻と子供が待っていて、今にも飢え死にしそうになってるかもしれない」
唯「うわーーん!可愛そう!」
さわ子「ま、これは例え話だけど。とにかく自然界は弱肉強食。可愛そうだっていうだけで片方に味方するのは良くないわ」
律「でもそんな言い方……!」
和「いいのよ律。私も薄々感じてた。この子をずっと守り続けるわけにもいかないし」
69 : ◆FuaYZ.6Am6 2012/05/06(日) 22:41:07 ID:2szcgjjM0
紬「じゃ、じゃあ私が飼う!責任もってペットととして買うなら問題ないでしょう?!」
さわ子「鳥獣保護法っていうのがあってね。メジロを飼うことは違法なのよ」
紬「そんな……!」
和「ムギ。ありがとう……だけど、法律的にもこの子は自然に返さないといけない。どんな結果になろうとも」
さわ子「偉いわね。和ちゃん、辛いでしょうけど……」
唯「和ちゃんはそれでいいの?チッチちゃんがカラスに食べられちゃってもいいの!?」
和「唯。社会にはちゃんとしたルールがある。大人は自分勝手な感情でルールを破るわけにはいかないの」
さわ子「その通りよ、さあ、じゃあその子を」
70 : ◆FuaYZ.6Am6 2012/05/06(日) 22:41:32 ID:2szcgjjM0
和「だけど先生、私はまだ自分勝手な子供なんです!ごめんなさい!」
ダッシュッ!
さわ子「!?」
唯・憂・紬「和ちゃん!」
ダッ!
律・澪「和……!」
ダッ!
梓・純「和先輩!」
ダッ!
さわ子「ちょっとみんな!待ちなさい!」
71 : ◆FuaYZ.6Am6 2012/05/06(日) 22:42:33 ID:2szcgjjM0
唯「和ちゃん、私信じてたよ!」
和「みんなごめんね、私につき合わせちゃって」
澪「いいんだよ。私たちはみんな、和と一緒にチッチちゃんを守るって決めたんだから」
和「これからさわ子先生が追ってくる。厳しい戦いになるわよ」
律「望むところ!ここからが本当のケイドロだ!」
梓「私達は泥棒と、犯罪者と呼ばれようとも、和先輩と一緒に戦います!」
紬「頑張りましょう!」
和「ありがとう……!みんな……!」ポロッ
タッタッタッタッタ
72 : ◆FuaYZ.6Am6 2012/05/06(日) 22:43:03 ID:2szcgjjM0
純「あの、和先輩、トイレは……」
和「あっ」
チョロロロロロロロロロロロロ
おわり(?)