~大学寮・澪と梓の部屋~

梓「んーっ、すっきりしました」ホカホカ

澪「ああ、寮の浴場も悪くないだろ?」ホカホカ

梓「はい、思ったよりも広かったですし、それに綺麗でしたので心地好かったです」

澪「毎日、当番がちゃんと掃除してるからな。おかげでいつも綺麗なんだ」

梓「そうなんですか」

澪「梓もじきにお風呂掃除をやることになるだろうから、準備はしておいたほうがいいぞ。そこそこ腕力使うからさ」

梓「は、はい」

澪「でも、梓が掃除当番の時は私も一緒に当番になるようにしとくから。心配はいらないぞ」

梓「澪先輩……はい、ありがとうございますっ」ペコリ

澪「寮のことで分からないことがあったら聞いてくれ、私の知る範囲であれば答えられるから」

梓「はいっ!」

……

梓「ふわぁ……」

澪「眠たい、梓?」

梓「んん……ふぁい」

澪「入寮したばかりで色々疲れただろうし……そろそろ寝よっか?」

梓「ふぁい」

澪「ふふっ」

梓「ん……なんです?」

澪「いいや、大したことじゃないけどさ」

澪「眠たそうにしている梓も何だか可愛くて好きだなって思って」

梓「!? み、澪先輩っ!///」カァァ

澪「あっ、一気に顔赤くなったぞ? やっぱり梓は可愛いな」

梓「むーっ、あまりからかわないでくださいっ!///」

澪「ん、ごめんごめん」ナデナデ

梓「んっ……もう」

澪「私も明日、早い時間から講義あるし……さ、布団入ろ?」

澪「おいで、梓」モゾモゾ

梓「し、失礼します」モゾモゾ

梓「澪先輩っ」ダキッ

澪「おい梓、そんなにくっついたら寝にくくないか?」

梓「いいえ、そんなことないですよ?」

澪「そう?」

梓「だって澪先輩の体、あったかくって柔らかいからこうしてるとすごく気持ち良いんですもん」

澪「も、もう梓ったら///」テレテレ

梓「あっ、その……先輩が窮屈で寝にくいっていうなら私、離れますけど……」シュン

澪「いいや、窮屈なんてそんなことないぞ」

梓「本当……ですか?」

澪「ああ、もちろん」

澪「だって梓の体、ちっちゃいけどあったかくって柔らかくてすごく抱き心地がいいから」ギュウ

梓「ふにゃ……澪先輩、あったかい……」

澪「梓だってあったかいよ……ずっと抱きしめてたいぐらい気持ち良い」

梓「私も澪先輩にずっと抱き着いていたいです」

澪「ふふっ、ほんとに可愛いんだから」

梓「えへへ」

……

梓「ねえ、澪先輩?」

澪「……ん、どうした? 早く寝ないと朝が辛いぞ」

梓「ちょっと聞きたいことがあって」

澪「なに?」

梓「どうして……大学のルームメイトに私を選んでくれたんですか?」

澪「えっ?」

梓「私……澪先輩はてっきり律先輩とルームメイトしてると思ってたので」

梓「だから私、大学に合格して……寮に入る時、もう澪先輩と一緒の部屋で暮らすのは諦めてたんです」

澪「梓」

梓「もちろん、こうして澪先輩と一緒の部屋で過ごせるようになったのはすごく嬉しいですけど……」

梓「どうして、ですか?」

澪「……どうしても何もないだろ?」ツンツン

梓「ふにゃっ」

澪「だってさ、梓と同じ部屋で一緒に生活出来るようになれば……」

澪「大好きな梓の笑顔が、みんなといる時よりもいっぱい見られる」

梓「みお、せんぱい……」

澪「それって、この上なく素晴らしいことだと思ったし……」

澪「何より、やっぱり私は梓と一緒にいるのが好きだから」

澪「……理由としてはこんな所でダメかな?」

梓「あ……いいえ、そんなことないです」

梓「わ、私もその、澪先輩と一緒にいられるのはすごく嬉しいし、幸せですし」

梓「だから……ええっと」

澪「梓?」

梓「私、ふつつか者ですけど……これからまたよろしくお願いしますっ」

澪「いやいや、こちらこそふつつか者だけど改めてよろしく、な」

梓「澪先輩……」ギュッ

澪「梓……」ギュウ







チュンチュン・・・

澪「ん……うーん……」

澪「朝、か……んしょっと」ムクリ

梓「すー、すー」

澪「梓、あーずーさっ、朝だぞー」ユサユサ

梓「んん……みおせんぱい……むにゃ、むにゃ……」

澪「もう、可愛い寝顔しちゃって……」

澪「このまま梓の寝顔を見ているのも悪くないけど、そういうわけにもいかないし」

梓「すー……」

澪「しょうがないな……」スッ

……

梓「ん……ふぁ……」

澪「ん、目が覚めましたかお姫様?」

梓「あっ……みお、せんぱい」

澪「ほら、朝だぞ。そろそろ起きて梓」

梓「は、はい……」ムクリ

梓「……あれ?」

澪「どうかした?」

梓「あっ、いえ……なんだかその」

梓「唇が……ちょっぴり甘いような味がしたので」

澪「んん? もしかして私とキスする夢でも見た?」

梓「い、いえ!///」カァァ

澪「そっか、それは残念だな」

澪「……見ていたらちょっとした正夢だったのかもしれないな」ボソリ

梓「えっ、何か言いました?」

澪「ううん、何でもないよ」

梓「?」

コンコン

律「おーい、起きてるか黒髪姉妹たちー!」

唯「はやく朝ごはんたべ……に……すぴー」

憂「わわっ、お姉ちゃん立ったまま眠らないでー!」

純「立ったまま寝る人、私何気に初めて見たよ……」

紬「うふふふ」

澪「ああ、今行くー! 先に食堂に行っててくれー!」

律「おー、急げよー!」

唯「すぴー……」トコトコ

憂「わああ、お姉ちゃん眠りながら歩かないでー!」

純「眠りながら立って歩けるなんて……唯先輩、やっぱり恐ろしいお方!」

紬「うふふふ」

ワイワイ・・・

梓「……ふふっ、朝から騒がしいですね」

澪「ああ、でもこれでまた一段と寮生活も楽しくなりそうだよ」

梓「そうですね……きっと楽しいです!」

澪「さっ、まずは着替えて早く食堂に行こう梓!」

梓「はい!」



おわり






最終更新:2012年05月16日 01:19