99. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 20:01:02.06 ID:VLsAPKcB0
■恋愛篇


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ


唯「学園祭も終わって冬も間近のこの頃」

梓「あのっ……私新歓ライブで見た時から唯先輩が好きだったんです!  付き合って下さい!」

唯「二人きりの部室で突然後輩からの告白!  舞い上がる私!」

ガチャ

澪「お疲れー」

梓「あっ……唯先輩、返事は今度聞かせて下さい」

唯「う、うん!」

澪「唯、ちょっといいかな。ここじゃあれだから外で……」

唯「?  うん」

澪「わっわた、わたし……ゆいのことが、す、す、すっ、好きなんだっ!」

唯「ええーーー!?」

唯「不幸にも重なってしまう幸運!  決断を迫られる私!」
100. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 20:10:18.74 ID:VLsAPKcB0
澪「あ、あ、答え……まってるから……それじゃ!」

唯「勉強に部活に恋!  願ったりかなったりだけど……」

唯「かわいい後輩?  頼れる友人?」

唯「どっちも好きだけどさぁ!  どーするのよ!」

┏━━━┓┏━━━┓┏━━━┓┏━━━┓
┃      ┃┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┃  後  ┃┃  友  ┃┃  保  ┃┃  調  ┃
┃  輩  ┃┃  人  ┃┃  留  ┃┃  整  ┃
┃      ┃┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┗━━━┛┗━━━┛┗━━━┛┗━━━┛

唯「どうすんの?  どうする私?」

唯「どーすんのよー!?」

103. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 20:22:44.88 ID:VLsAPKcB0

┏━━━┓
┃      ┃
┃  後  ┃
┃  輩  ┃
┃      ┃
┗━━━┛

唯「私もあずにゃんの事好きだよ。付き合お」

梓「唯先輩っ……」

唯「あはは、どうして泣くの?  ほらいーこいーこ」

梓「ふえぇ……」

唯「これからずっっと一緒だよ」

梓「はいっ!  さっそく私の両親に挨拶しに行きましょう!」

唯「早くない!?」

105. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 20:34:17.77 ID:VLsAPKcB0
梓「お父さん!  この人が平沢唯さんだよ」

唯「あわわわ心の準備が……よ、よろしくおねがいしま……」

国「さっそくだがお嬢さんがどれほどの腕前か見せてもらおう」

唯「へぁ?」

梓「唯先輩頑張って!  お父さんとのギター対決で勝てば認めてくれるから」

唯「何それ!?」

国「さあどこからでもかかってきなさい」

唯「よくわかんないけどやるしかない……よね」

ギュアアアアアン!!
111. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 20:44:03.66 ID:VLsAPKcB0
国「見事だ……貴女なら梓を任せてもいいだろう」

梓「やったー!」

唯「これでようやくあずにゃんと恋人同士か……」

梓「ちょっ////  なんですか恋人って////」

唯「なんですかってんも〜恥ずかしがっちゃって」

梓「そういう冗談いりませんから」

唯「……え、と、あずにゃんさん?  私達付き合うんだよね?」

梓「そうですよ、これからデュオを結成して音楽界に殴り込みです!」

タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ

唯「……んふ?  ん?」

梓「だから言ったじゃないですか」

梓「新歓ライブで見た時から唯先輩(の演奏)が好きだったんです!  (デュオとして)付き合って下さい!  って」

唯「えーーーー!?」


115. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 20:53:55.44 ID:VLsAPKcB0

┏━━━┓
┃      ┃
┃.. お  ┃
┃  嬢  ┃
┃  様  ┃
┗━━━┛

唯「好きですっ!」

紬「ええ〜私っ?!」

唯「うん。二人に告白されてから改めて考えてみたの。私の本当に好きな人は誰なのかなって」

唯「確かにあずにゃんも澪ちゃんも好きだけど、一番好きなのはムギちゃんだったんだ」

紬「唯ちゃん……」

唯「でね、よかったら付き合って欲しいな〜って……」

紬「嬉しいわ……私唯ちゃんの事諦めてたけどもう我慢しなくてもいいのよね。ありがとう唯ちゃん」

唯「ムギちゃん!」

紬「唯ちゃん!」

唯紬「大好きっ!」

118. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 21:04:20.22 ID:VLsAPKcB0
――――

紬「唯ちゃんに似合いそうな服がいっぱいで買いすぎちゃった♪」

唯「おわー!  一人アウトレットが出来る量だよムギちゃん!」

紬「だって唯ちゃんてば何を着ても似合うし可愛いんだもの〜」

唯「やだなあ照れちゃうよ////  それにムギちゃんだって可愛いよっ!」

紬「わっ////」

――――

唯「ええーこのスイーツ全部食べていいの!?」

紬「もちろん♪」

――――

紬「唯ちゃんが入りたがってたお札風呂よ〜」

唯「ほあああああ……!」

121. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 21:16:04.32 ID:VLsAPKcB0
――


紬「唯ちゃん……家建てちゃった////」

唯「ムギちゃんそれって……」

紬「二人だけのマイホーム〜。えへ」

唯「すごいよムギちゃん!  こうなったらもう結婚しよう!」

紬「えっ!?  いいの?  こんな私で……」

唯「ムギちゃん以外考えられないよ!」

紬「嬉しいっ!  私唯ちゃんと結婚します!」

唯紬「わーい♪」



125. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 21:29:08.33 ID:VLsAPKcB0

┏━━━┓
┃      ┃
┃  部  ┃
┃  長  ┃
┃      ┃
┗━━━┛

唯「りっちゃん!  私りっちゃんの事が好きかも!」

律「なっ!?」

唯「付き合って下さい!」

律「何言ってんだよ!  て言うか澪に告白されたんじゃないのか!?」

唯「りっちゃんどうしてそれを」

律「澪から相談受けてたから」

唯「そうだったんだ」

律「なのにお前は私に……そんなことされたら……」

唯「りっちゃん?」
126. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 21:41:19.18 ID:VLsAPKcB0
律「我慢出来なくなっちゃうだろぉ……!」

唯「りっちゃんそれって」

律「そうだよ、本当は私も唯が好きだったんだ」

唯「じゃあ!」

律「だめだ唯とは付き合えない。澪を裏切るような事出来るわけないだろ。唯は好きだけど澪も好きだし大事な奴なんだ」

律「澪の事だって好きなんだろ?  澪と付き合ってやれよ……」

唯「りっちゃん……。わかった、私澪ちゃんと付き合う」

律「……そうか」

唯「ただし」

律「え?」

唯「りっちゃんも私と付き合ってくれるならね」

律「な、え……どゆこと?」
129. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 21:52:20.53 ID:VLsAPKcB0
――――

澪「律……唯から聞いたよ。お前も唯が好きだったんだな。それなのに私は律の気持ちも知らないで……」

律「ええー言っちゃったの!?」

唯「うん」

律「ちょっこれどうするんだよ!?」

澪「それでな、唯と二人で話し合ったんだけど」

律「何故私を省いた」

澪「唯と律と私の三人で付き合おう」

律「……ほへ?」

澪「程度の差はあるかもしれないけど私は唯も好きだし律も好きだ。唯も律と私を好きで律は唯の事が好き」

澪「私の事も……その、大事な人って思ってくれてるんだろ?  唯から聞いたよ////」

律「いやぁ……確かに澪の事は大事だし好きだけどそれは――」

唯「やったよ澪ちゃんこれでみんな幸せになれるよ!」

澪「律っありがとう!」

律「え゛っ!?」
131. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 22:00:27.85 ID:VLsAPKcB0
――――

唯「ただいま〜」

律「お、おかえりっ!」

澪「は、早かったな!」

唯「そういう二人の方が早く帰ってきてるじゃん」

律「そ、そうだなーははは!」

澪「それより今夕ご飯作ってたとこなんだ。今日は律と二人で作ったの」

唯「おお〜美味しそうだね!」

律「だしょ?  早く食べようぜ」

唯「その前に……二人ともなんか服が乱れてない?」

律「なっなにをおっしゃるたまたまだよ!」

澪「そうそう!」

133. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 22:10:21.63 ID:VLsAPKcB0
唯「りっちゃんのスカートぽーい!」

律「きゃあ!?」

唯「相変わらずりっちゃんは可愛いなー。それでどうしてりっちゃんはパンツ履いてないのかな?」

律「そ、それはぁ……////」

唯「澪ちゃんもスカートめくってみそ」

澪「わ、私はちゃんと履いてるぞ!  ま、まったくーパンツはきわすれるなんてりつはおっちょこちょいだナー」

律「お前が脱がしたんだろ!  ……あ」

唯「んもー二人ともずるいよ!  私も混ざりたかったー」

律「いやぁつい」

唯「二人とも今夜はおしおきだからね。おっとその前にご飯食べよっか!」

澪「はーい////」

律「……しかしこの生活がこんなにしっくりくるとは思わなかったな」

唯「りっちゃん早くーごはん冷めちゃうよー?」

律「わかってるってー」


135. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 22:16:15.35 ID:VLsAPKcB0

┏━━━┓
┃      ┃
┃  保  ┃
┃  留  ┃
┃      ┃
┗━━━┛

一か月後


唯「ぐああどうしよう……どっちと付き合えばいいんだぁぁ……」

梓「あの……唯先輩」

唯「あずにゃん!?  あのね、もうちょっとだけ待っててほしいの!」

梓「……」

唯「もうあずにゃんに決めるか……?  でも澪ちゃんを捨てるなんて出来ない……」

澪「なあ唯」

唯「うおっ!?  澪ちゃんもう少しだけ時間をちょうだい!」

澪「……」

136. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 22:24:00.99 ID:VLsAPKcB0
さらに一か月後


唯「ええいもうあずにゃんでいいか!」

唯「あずにゃん!」

梓「あ、唯先輩」

紬「あら唯ちゃん」

唯「あれムギちゃん?」

梓「あの、実は私達付き合う事になったんです」

唯「…………はい!?」

タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ

梓「だから唯先輩もこれ以上悩まなくていいんですよ」

唯「いや私は……って今更言えない」

139. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 22:32:16.18 ID:VLsAPKcB0
唯「……となれば澪ちゃん一筋だね!」

唯「澪ちゃん!  ……とりっちゃん」

澪「あ、唯……。あのな、私……」

唯「みなまで言わないでいいよ。何となくわかってたから」

唯「……」

唯「ふぇぇ……すっぱり決めておけばよかったよぅ」



141. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 22:37:21.87 ID:VLsAPKcB0

┏━━━┓
┃      ┃
┃  調  ┃
┃  整  ┃
┃      ┃
┗━━━┛

唯「あずにゃん、来週の日曜日楽しみだね♪」

梓「あれ、デートは土曜日でしたよね」

唯「ああっとそうでした!  土曜日楽しみだな〜」

梓「もう唯先輩ったら」

唯「それじゃあまた明日ね!」

梓「はい!」

143. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 22:43:53.23 ID:VLsAPKcB0
ピンポーン

澪「おお唯!  遅かったな」

唯「いやーちょっとね。おじゃましまーす」

唯「ごめんねーわざわざ勉強教えてもらって」

澪「気にするなよ。それより忘れてないよな?」

唯「もっちろん!  来週の日曜日にデートでしょ?」

澪「こら、再来週だってば」

唯「あ、ああーそうだったそうだった!  再来週の日曜日だね!」

澪「まったく、しっかりしてくれよ」

唯「ごめんごめん」

プルルルル

唯「あら電話だ、ちょっとごめん」

145. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 22:48:24.31 ID:VLsAPKcB0
唯「もしもーし」

律「ゆーいっ♪」

唯「お、おおぅやっほー」

律「なーんだよっ、ノリ悪いゾッ♪」

唯「ごめんごめん」

律「今度のデートの事なんだけどさ」

唯「わかってるって、来週の日曜でしょ?」

律「ど、よ、う!  もー唯タンは忘れっぽいからなーもぅ」

唯「土曜!?  あー、あ、うんごめんごめん大丈夫だって〜」

律「それじゃ……好きだぞっ!  きゃっ♪」プツ

唯「ふう……ってあれ?  もうこんな時間!?」

唯「澪ちゃんごめん!  勉強はまた今度教えてね!」

澪「えっ唯!?」

146. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 22:53:30.87 ID:VLsAPKcB0
唯「ただいま〜」

憂「おかえりのぎゅ〜」

唯「甘えんぼさんだな〜」

憂「えへへ〜」

唯「そうだ憂、今度のデートなんだけど」

憂「来週の土曜の?」

唯「来週の土曜!?  だったっけ?」

憂「も〜ひどいよお姉ちゃん」

唯「ご、ごめんごめん!  その日なんだけど急用が入っちゃってさ」

憂「急用って何?」

唯「いやー大した用じゃないんだけど」

憂「なら土曜がいいな」

唯「……うん、そうだよね、ちょっと待っててね」
147. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 22:59:00.34 ID:VLsAPKcB0
プルルルル

唯「もしもしあずにゃん?  あ、うん、その事なんだけどさ」

唯「他の日に……え、無理?  どうしても?」

唯「あー……じゃあ夜からにならないかな?  そうディナー」

唯「うん、OK?  ありがと〜それじゃそういう感じで」

唯「うい〜時間遅くならなければ土曜日大丈夫だから!」

憂「よかったぁ〜」

プルルルル

唯「ムギちゃんからだ、もっしー?」

唯「うんうん!  もちろん覚えてるよ〜来週の日曜日でしょ?」

唯「……え、都合が悪くなったから土曜がいい?  いやぁ……土曜日はちょっと……」

唯「いやいやそんな事ないよ?  好きだよ?  うん」

唯「でもどーーーしてもその日は……あっあっ泣かないで!」

唯「じゃあ……うん、午前中とかどうかな?  ね?」

唯「うんうん、そういう感じで!  それじゃーねー」
149. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:04:23.36 ID:VLsAPKcB0
唯「ういちゃーんほんと申し訳ないんだけどね、土曜日のデート午後から夕方までって感じでもいいかな……?」

憂「え〜やだ」

唯「だよねー私も嫌なんだよ〜!  でもどうしても外せない用事が出来ちゃってね……なんとか……なりませんかね……」

憂「……じゃあ、再来週の日曜日もデートしてくれる?」

唯「もっちろん!  ほんとごめんね憂〜」

唯「……ふぅ」

唯「…………再来週の日曜?」

唯「……」

プルルルル

唯「あ、もしもし澪ちゃん?  再来週の日曜の事なんだけどね、再々来週にできないかなーって」

唯「……あ、無理?  ですよねー。うーんとえーっと……」



152. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:10:02.50 ID:VLsAPKcB0

┏━━━┓
┃      ┃
┃  友  ┃
┃  人  ┃
┃      ┃
┗━━━┛

唯「澪ちゃん、私も……あ、一つ確認なんだけど好きっていうのは私の事が好きで交際したいっていう意味の好きだよね?」

澪「う、うん////  ていうかそれ以外なんてないだろ」

唯「ですよね。澪ちゃん、私も好きだよ」

澪「ゆい……!」

唯「澪ちゃん……!」


――――

――――――――

――――――――――――


153. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:15:26.74 ID:VLsAPKcB0
唯「ふふ……」

澪「ん?」

唯「ああ澪さん」

澪「どうかした?」

唯「いえね、昔の事を思い出してたんですよ。高校の頃」

澪「へえ懐かしいなぁ」

唯「同じ大学へ行くために二人で受験勉強したね」

澪「したした。唯に教えるの大変だったんだよ」

唯「そうでしたっけ?」

澪「そうだよ。まだ何となく覚えてる」
155. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:21:01.05 ID:VLsAPKcB0
唯「大学出てから一緒に住みだして」

澪「唯のだらしない生活に頭にきたっけ」

唯「あはは、昔の事だよ」

澪「さっき牛乳パック出しっぱなしでしたよ」

唯「あれま、いやーもう頭がボケてきちゃって」

澪「昔からだろ」

唯「えーそれはひどくない?」

澪「それとも本当にボケちゃったのか?」

唯「大丈夫だって。今日は澪さんと一緒になってからちょうど50年ですからねえ」

澪「覚えてるんじゃないか」

唯「やだねえ当たり前ですよぉ」

澪「唯」

唯「澪さん」

   「これからもよろしく」



158. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:28:16.87 ID:VLsAPKcB0
■転機到来篇


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ


唯「HTTのライブが大成功。そこへ現れる謎の人物」

   「少しお話よろしいですか。私こういうものですけども」

唯「レコード会社の名刺!?  これってもしかして……」

   「うちのレーベルからデビューしてみませんか?」

唯「きったーーー!  HTTも遂にメジャーデビュー!?」

   「ただし、我が社としてはあなたに興味がありまして」

唯「……つまり?」

   「デビューするのは平沢唯さんだけ、という事になります」

唯「なんですと……」

160. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:34:40.13 ID:VLsAPKcB0
唯「目の前に現れたスターへの階段。私もレッドカーペット勢に仲間入り?」

唯「だけど放課後ティータイムのみんなと一緒じゃない」

唯「だけどデビューすればバラ色の人生が私を待っている……」

唯「どうする?」

┏━━━┓┏━━━┓┏━━━┓
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┃  即  ┃┃  相  ┃┃  辞  ┃
┃  決  ┃┃  談  ┃┃  退  ┃
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┗━━━┛┗━━━┛┗━━━┛

唯「どうするの、私?」

唯「どーしちゃう?」

唯「どーしたらいいのよー!?」

163. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:40:16.62 ID:VLsAPKcB0

┏━━━┓
┃      ┃
┃  相  ┃
┃  談  ┃
┃      ┃
┗━━━┛

唯「……少し考えさせてもらってもいいですか?」

   「ええ。いい返事を待ってます」

唯「……」

唯「どうしよ」


165. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:46:17.07 ID:VLsAPKcB0
翌日

梓「お疲れ様です」

律「おつかれー」

澪「おつかれ」

紬「おつかれ」

唯「……はぁ」

梓「唯先輩はどうしたんですか?」

律「朝からずっとこの調子なんだよ」

唯「……あの、みんなに聞いてほしい事があるの」

166. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:51:23.84 ID:VLsAPKcB0
律澪紬梓「えーーーー!?」

律「唯がデビュー!?」

紬「すごーい!」

唯「……あ、あれ?  怒らないの?」

梓「何言ってるんですかすごい事じゃないですか!」

唯「でも私だけなんて……」

澪「それは本当に残念だけどさ、悩んでるって事は挑戦してみたいんだろ?」

紬「私達の事を気にしてずっと悩んでいたんだよね」

梓「唯先輩と一緒にバンドやれないのは寂しいですけど……唯先輩が大勢の人の前でライブするところを見てみたいです」

律「ま、そういうこった!  唯のやりたいようにやってみろって。私達は応援するぞ!」

唯「みんなぁ……!」

167. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:56:15.54 ID:VLsAPKcB0
数年後


   「唯さーん!」

唯「はいはーい!  みんな揃ってるね?」

唯「では……」

唯「今日は念願の初武道館です。ここまでこれたのもみんなやファンのおかげです!」

唯「気合い入れて成功させるぞーーーー!!  ファイッ!!!!」

   「おーーーー!!!!」

唯(みんな……遂にここまで来たよ)

唯(辛い時も苦しい時も頑張れたのは背中を押してくれたみんながいたから)

唯(放課後ティータイムの一員として恥のないライブにするよ)

唯(だから……私の事、ちゃんと見ててねっ!)



169. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:02:17.30 ID:5mN7qVgH0

┏━━━┓
┃      ┃
┃  即  ┃
┃  決  ┃
┃      ┃
┗━━━┛

唯「お願いします!!」

   「わかりました」

唯「こんなチャンスを逃すわけにはいかないもんね」

唯「みんなには悪いけど私は羽ばたくよ!」

   「それでは早速デビューに向けて打ち合わせしましょう」

唯「はいっ!」

171. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:07:40.41 ID:5mN7qVgH0
紬「最近唯ちゃん来ないね……」

澪「もうすぐ新歓ライブなのに何やってるんだ」

梓「みなさん大変です!  これ見て下さい!」

律「なにこれ」

梓「CDショップで貰える新譜情報が書いてあるチラシです!  ここ見て下さい!」

澪「何々……ゆいーぷにゅぷにゅファーストSINGLE『ごはんたべる』?  ってこの写真!」

紬「唯ちゃん!?」

律「嘘だろ!?  あいつCD出すなんて一言も言ってなかったぞ!」

梓「私達に黙って歌手になっていたなんて……」

174. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:13:27.10 ID:5mN7qVgH0
数年後


唯「あのー、この路線やめにしませんか?  私ギター弾いたりしたいんですけど……」

   「その事なんだけどね」

唯「はい!」

   「CDの売れ行きも良くないしライブもチケット全然売れないから契約解除って事で」

唯「はい!  ……え!?」

   「そういうわけだから」

唯「ちょっまっ!?」

唯「……」

177. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:19:23.97 ID:5mN7qVgH0
唯「はぁぁぁこれからどうしよう」

唯「そうだ、自分でCD買って売り上げ伸ばせば考え直してくれるかもしれない!」

唯「すみませんこのCD在庫含めてあるだけ売ってください」

唯「重っ!?  どんだけ売れてなかったんだろう……」

唯「はぁ……家まで持ち帰るのも一苦労だよ。ちょっと休憩」

唯「あ、新譜のチラシが入ってる。最近こういうの見てなかったなぁ」

唯「どれどれ……放課後ティータイム待望のメジャーファーストシングル発売……へぇ」

唯「……」

唯「えエエェェッ!!!?」

178. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:25:09.26 ID:5mN7qVgH0
唯「……」

唯「ファーストシングル発売にあたりメンバーのインタビューを掲載……」

唯「『ゆくゆくは武道館でライブがしたい。とある悔しさをバネにここまでやってきた』」

唯「『いまの放課後ティータイムをもっともっとたくさんの人に見てほしいです』」

唯「『ある人を見返したくて頑張りました』」

唯「『ほ。裏切るより裏切られる方がいい。だってその方が傷つかないから』……これは澪ちゃんだな」

唯「ちゃんとバンドとしてデビューしたんだ……いいなぁ」

唯「いまさら戻れないし……くそぉぉぉなにやってるんだ私」



181. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:30:20.79 ID:5mN7qVgH0

┏━━━┓
┃      ┃
┃  辞  ┃
┃  退  ┃
┃      ┃
┗━━━┛

唯「ありがとうございます」

   「それでは……」

唯「だけど、私にとっての音楽は放課後ティータイムなんです」

唯「放課後ティータイムだから楽しくて、素敵な音楽が出来るんです」

唯「私だけデビューしても意味がないんです」

唯「だから……ごめんなさい」

   「そうですか、わかりました……」

183. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:35:35.38 ID:5mN7qVgH0
唯「……」

律「あーあーもったいねー」

唯「りっちゃん!?」

梓「そうですよ。プロへのお誘いが欲しい人は沢山いるんですよ?」

唯「あずにゃん……みんな聞いてたの?」

澪「悪いとは思ったんだけど、つい」

紬「でも私感動しちゃった!  なんだかすっごく嬉しい!」

唯「ムギちゃん……」

澪「確かに放課後ティータイムだから楽しいんだよな。私もだよ」

唯「澪ちゃん」

184. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:40:13.79 ID:5mN7qVgH0
律「やっぱり放課後ティータイムでなきゃな!」

唯「りっちゃん」

梓「……わ、私も唯先輩と一緒にバンド出来ないなんて嫌です」

唯「あずにゃん……!」

律「なんだよー私達とは一緒じゃなくてもいいのかー?」

梓「ち、ちがいますっ!  そういう意味じゃなくて!」

紬「酷いわ梓ちゃん!」

梓「もうっ!」

唯「あはは」

185. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:45:45.47 ID:5mN7qVgH0
澪「ちょっとだけもったいない気もするけどな」

唯「いいんだよ〜澪ちゃん。だって私達は放課後ティータイムなんだよ?」

唯「私達はいつまでも放課後なんだから!」

澪「はは……まあ言いたい事は何となくわかったかな」

唯「みんなの想いも確認出来た事だしさっそく!  ……さっそく!  ……ほれ、あずにゃん」

梓「へ?  ……ああ」

梓「練習ですか?」

唯「お茶だよ〜♪」

梓「はいはい」

紬「やっぱりこれが放課後ティータイムよね♪」

唯「そうそう!  ノーHTT、ノーライフ!」



189. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:51:57.61 ID:5mN7qVgH0
■卒業篇


唯「私達も卒業だねぇ」

律「なんかあっという間だったよなぁ」

澪「そうだな」

紬「お茶入りました〜」

律「サンキュー」

ガチャ

澪「お、梓」

梓「すみません、今日くらいは私がお茶入れようと思ったんですけど」

律「あーずさっ、こっちこっち」

191. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:56:23.90 ID:5mN7qVgH0
唯澪律紬「……」

律「なあ、梓」

梓「っはい」

律「これからの事なんだけど……」

梓「大丈夫です!」

唯「でも、私達今まであんまり……」

梓「本当に大丈夫ですから!  新入部員ビシビシ勧誘しますし、絶対絶対ぜっったい廃部にはしません!」

紬「梓ちゃん……」

梓「それよりっ、今まで私ちゃんと先輩方にお礼を言ってなかったような。だから、お礼の手紙を書いて……さっきまで書いてたんですけど……」

梓「律先輩、澪先輩、ムギ先輩、唯先輩」

律「サンキュ」

澪「ありがとう」

紬「ありがとう」

唯「ありがとー」
193. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:02:11.67 ID:5mN7qVgH0
梓「先輩方っ、ご卒業おめでと……っ」

梓「……」

唯「どしたの?」

澪「梓?」

梓「……卒業しないでください」

律「梓?」

梓「もう部室片づけなくても、お茶ばっかり飲んでても叱らないから……」

梓「卒業、しないでよ……ふえぇぇえぇん……!」

唯「あっ、あずにゃん……!」

梓「すみません……あのっ、泣かないつもりだったのに……ひっく」

梓「笑って、見送ろうと……ぐすっ」

唯「うん」

梓「私だいじょぶですっ、ちゃんとけいおん部続けて、あの、トンちゃんもいますし……」

唯「これをあげよう」

195. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:07:27.38 ID:5mN7qVgH0
梓「ふぇ……」

┏━━━┓┏━━━┓┏━━━┓
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┃..LIFE ┃┃..LIFE ┃┃..LIFE ┃
┃.カード..┃┃.カード..┃┃.カード..┃
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┗━━━┛┗━━━┛┗━━━┛

梓「……なんです、これ?」

唯「ライフカード。この先あずにゃんが大事な事を決める時にきっと役に立ってくれるよ」

律「なーにかっこいい事やってんだよっ」

紬「唯ちゃんずるい〜」

唯「えへ〜」

澪「梓、聞いて欲しい曲があるんだ」

律「んなっ!?  澪まで〜!」

唯「あずにゃんの為に作ったんだよ」

紬「唯ちゃんそれは私の台詞っ!」

梓「……うふふっ」
197. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:12:44.84 ID:5mN7qVgH0
梓「ありがとうございます」

唯「いいんだよ〜。あずにゃんがあずにゃんの一歩を踏み出せるように」

唯「軽音部はあずにゃんに任せた!  あずにゃんがつくるけいおん部楽しみにしてるね!」

梓「はい、私頑張ります!」

唯「それと……最後にこの言葉をあげよう」



唯「カードの切り方が人生だよ!」



タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ
http://www.dailymotion.com/video/xqbzjo_music
200. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:17:27.60 ID:5mN7qVgH0
梓「ライフカード……何が書いてあるんだろ」

ペラッ

┏━━━┓┏━━━┓┏━━━┓
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┃  留  ┃┃  留  ┃┃  留  ┃
┃  年  ┃┃  年  ┃┃  年  ┃
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┗━━━┛┗━━━┛┗━━━┛

梓「」

梓「ちょっこれ……唯先輩?」


203. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:20:13.17 ID:5mN7qVgH0
梓「あれ、唯先輩は?」

律「逃げた」

梓「え!?  そういえば私まだ曲聞かせてもらってないですよ!」

紬「梓ちゃん、これ唯ちゃんから」

┏━━━┓
┃      ┃
┃..LIFE ┃
┃.カード..┃
┃      ┃
┗━━━┛

梓「う、またライフカード……」

ペラッ

┏━━━┓
┃      ┃
┃ END. ┃
┃      ┃
┃      ┃
┗━━━┛


梓「もおおおおおお!」







最終更新:2012年05月19日 23:50