放課後

澪「唯いくぞ~」

唯梓「あ、うん」

昨日雨でギターおいてきたし忘れてたけど、ギター違うの使うんだ…

私は大丈夫だけど、唯先輩大丈夫かな?

梓唯「こんにちは~」

律「おっ、きたきた」

紬「梓ちゃんとりあえず座って」にこにこ

唯梓「ほら、お茶のも?」

なるべく唯先輩っぽく…
とか思っていたんだけど、だめだったみたい。
唯先輩はとんでもないことを言い出した。

梓唯「あれ、唯先輩抱きついてくれないんですか?」

唯梓「なななななななっ…」

なに言ってるんですか!?
顔が熱い。

紬「あら♪」

律「なんだー?唯赤くなってるぞ?」

唯梓「なってないです!」

……やらかした…

律「唯、大丈夫か?なんか梓みたいだな?」

澪「ははっ、ほんとだよな」

おおおっっ
やばい、非常にやばい。

唯梓「そんなことないよ!?ね、あずにゃん?」

梓唯「そうですかね?唯先輩おかしいですって」にやにや

あーもうっ
しかたない…

唯梓「何いってるのあずにゃん。いつも通りだよ」だきっ

律「うん、それでこそ唯だな!」

唯梓「じゃあ練習しよっか!」

…もうやだ。
なにいってんの私。

梓唯「そうですね、唯先輩が言ってるんですもん。練習しましょう」

ナイスフォロー!
ここは私もフォローするんだ!

唯梓「あずにゃん、たまにはギター交換しない?」

梓唯「しょうがないですねー、いいですよ」

澪「しょうがないとか言ってる割に嬉しそうだな梓」

律「ラブラブですなー」

梓唯「えへへ…」

紬「あら?」

唯梓「ほらっ、練習するよっ!!」


帰り道

唯梓「ほんと疲れましたよ…今日は」

梓唯「そうかな、私は楽しかったよ?」

唯梓「からかわれてる人の身にもなってくださいよ…」

唯梓「あっそだ、唯先輩、憂のお弁当食べたくありませんか?」がさごそ

梓唯「食べたい食べたい!」

唯梓「唯先輩のために残してきたんですよ、はいどうぞ」

梓唯「あずにゃん食べさせて?」

唯梓「嫌ですよ」

梓唯「唯先輩なら食べさせてくれるんだけどなぁ~」

唯梓「わかりましたよもうっ。そこの屋根の下行きますよ?」


―――

唯梓「ただいま~」

憂「おかえりお姉ちゃん、今日もギター置いてきたの?」

唯梓「うん」

憂「そっか~、大変だね。じゃあご飯にしよっか」

唯梓「わかった。すぐ行くよ」


唯梓「ごちそうさまー」

唯梓「部屋行ってるねー」

唯先輩の香りはいつもドキドキしてしまう。
部屋にはいるたび困るよ…

ん?携帯が光ってる?
唯先輩かな?そうだといいなぁ。

いやいや何言ってるの私は。

携帯を開ける。
着信が3件、どれも唯先輩からだ。

ここで嬉しいと思ったのはなんでだろう?

私は唯先輩に掛け直す。

唯梓「もしもし唯先輩?どうしたんですか?」

梓唯「いや、特に何もないよ。ないけどね、あずにゃんのお母さん綺麗だね~」

唯梓「なんだそんな事ですか。ありがとうございます。切っていいですか?」

梓唯「あ、いいよ~。じゃあね」

唯梓「はい、では」


憂「お姉ちゃん入るよ~?」がちゃ

憂「また梓ちゃんと電話なんだね」

唯梓「うん、そうだよ」

憂「お姉ちゃん、ちょっとお話しよっか…」

いい予感はしなかった。
かと言って悪い予感でもない。

ただ、何故か憂がこわかった。

唯梓「うん…」

そう答えないといけない気がした。

憂「あのね、お姉ちゃん」


憂「梓ちゃんはお姉ちゃんの事好きだと思うよ?」


はい?

唯梓「へ?何言ってるの?」

憂「だから、そのままだよ」

唯梓「ちょっとよくわからないんだけど、そもそも私あずにゃんの事が好きだなんていったっけ?」

憂「何年お姉ちゃんと一緒にいると思ってるの?それくらいわかるよ」

唯梓「そっか…じゃああずにゃんが私を好きっていうのは?」

憂「それはね、お姉ちゃん、最近梓ちゃんと毎日電話してるでしょ?」

唯梓「うん、まあね…」

憂「しかもそれは梓ちゃんから掛かってくるって。これはもう少なくとも梓ちゃんは好意があるって事だよね?」

唯梓「そうなのかな?」

憂「それで梓ちゃんにお姉ちゃんが抱きついた時、梓ちゃんは嫌がらないよね?これはそういうことだよ!!」


わかってた。
私がたぶん唯先輩の事が好きなんだってことは。

唯先輩といるだけでドキドキしたりするしね。

でも、普通じゃないし、おかしいし…
そんな気持ちがあったんだと思う。


でも、今気づいた。
私は唯先輩が好き。それだけでいいじゃん。

唯梓「そう…だね。私…」

憂「傘、ちゃんともっていきなよ?」

唯梓「ありがとう憂!いってくるよ!」

靴を履きながら私は憂に言う。

唯梓「ほんとに憂は私のことなんでも分かるね」

憂「さっきも行ったでしょ?何年一緒にいると思ってるの?」

唯梓「そだね。いってきます!」


私は雨の中を駆ける。

憂「ほんとに…何年お姉ちゃんと一緒にいると思ってるの?そりゃお姉ちゃんのことならなんでも分かるよ」

唯先輩…

憂「でもね、わからないことが一つだけあるんだ」

大好きな、唯先輩に

憂「毎日梓ちゃんから掛かってきた電話、なんで最近だけお姉ちゃんから掛けてたんだろうね?」

私の想いを伝えるんだ。

憂「頑張ってね、お義姉ちゃん。なんてね~。ふふっ♪」


ぴんぽーん

「はーい」がちゃ

出てきたのは私の母だった。

唯梓「あの、平沢唯といいます」

梓母「あなたが唯ちゃん?」

唯梓「はい」

梓母「うちの梓がね、いつも唯先輩唯先輩って言ってるからどんな子なのかなって思ってたのよ。さっ、あがって」

私そんなに唯先輩の話してたかなぁ

梓母「梓の部屋は分かるかしら?」

唯「はい、前にも来たことあるので」

梓母「そ、じゃあゆっくりしていってね」

私の部屋の場所を知らないはずがない。

私は私の部屋の前に立った。

唯梓「唯先輩入りますよ」

梓唯「あー、あずにゃーん!はいってはいって~」

がちゃ

梓唯「あずにゃんどうしたの?」

唯梓「ちょっと話しませんか?」

梓唯「いいよ~」

それからしばらく私達は、入れ替わっての生活のことをたくさん話した。

梓唯「あっ、あずにゃんもうそろそろ帰らないと」

いつまでも先延ばしにするのは良くないよね。

唯梓「…唯先輩」

梓唯「なに?あずにゃん?」

もう戻れない。

唯梓「好きです」

梓唯「…え?」

唯梓「私、唯先輩が好きです」

梓唯「あずにゃん…それほんと?」

唯梓「こんな時に嘘なんかつきません……よ…?」

唯先輩は、私の瞳から涙をこぼした。

梓唯「あずにゃん、ありがとう。私もだよ」

唯梓「へ?ほ、ほんとですか?」

梓唯「うん!」


ぶるるるる…

なんてタイミングに着信が…

『from憂

今日雨で洗濯物干せてないから寝まきもないんだ…
ごめんね、おねえちゃん

梓ちゃん家にとまりなよ』

変換するの忘れたのかな?



翌日

唯梓「唯先輩起きてください!」

梓唯「もうちょっとだけ…」

唯梓「なにいってるんですか!私の制服取りに戻らないといけないんですよ?」

梓唯「あ、そっか~。ちょっと待っててね」

梓唯「さあ降りよっか」

私は階段を降りる。

後ろから「あっ」と聞こえて振り返る。

そこには私の顔があった。
唇が重なる。
そのまま階段を転げ落ちる。

いてててて…
朝から階段転げるなんて…


……!

ってか今唯先輩とキスしたの?
うわ~どうしよう、恥ずかしい。

とりあえず唯先輩大丈夫かな。
私は唯先輩振り返る。






おしまい



最終更新:2012年05月24日 23:12