ガチャ

和「ちょっといいかしら?」

唯「あっ!和ちゃ~ん!」

梓(なっ!?ここで和先輩だと!?)

梓(いや、ここはチャンスでは…?)

梓(唯先輩と長い付き合いになる和先輩なら、さりげなく気付かせることが出来るはず…!)

澪「どうした和?また律が何かしたか?」

律「えっ?こ、今度は何をしましたでしょうか…?」

和「ううん、今日は違う用で来たの。唯にペンを返しにね」

澪「へえ。和でも忘れ物することあるんだ」

和「書いてる途中でインクが切れちゃって…たまたまいた唯に借りたの」

唯「えへへ~、たまには和ちゃんの役に立たないとね!」

和「ええ、助かったわ。…あれ?唯、あなた…」

唯「ん?なに?」

梓(気づいたか!さあ、鼻毛の呪縛を解いてくれ!)

和「…あははっははっはははっははっ!!」ゲラゲラ

唯「えっ!?なに!?」

和「唯、は、は、あひゃひゃっははっははは!!」ゲラゲラ

梓(なっ!?)

律「ど、どうしたんだ?壊れたのか?」

澪「こわい…」

和「あ~もう、おなか痛い!私帰る!あははは!」バタン

唯「えっ…私のペン…」


梓(なんということだ…顔を見て笑うだなんて…それが幼馴染のすることか…!)

梓(このままでは…『何か顔についてたのかな?』→『あっ!唯、鼻毛出てるぞ!』→『えっ…?そんな…』という最悪のシナリオに…)

梓(まずい!わたしがフォロー的なことしないと…)

唯「どうしたのかな?私の顔に何かついてたのかな?」

梓「あっ!そういえば和先輩って突然笑い出す病気にかかってるって言ってましたよ!」

唯「えっ!?そうなの?」

澪「そんなの聞いたことないぞ?」

梓(くっ!鼻毛には気づかないのになんでそこには食いつくんだよ!)

梓「いえ!昨日言ってましたよ!」

律「…梓」

梓(やっぱりダメか!)

律「そういうのはわたしたちにも言えよなー!」

唯「そうだよ!もう和ちゃんったら!私に言わないであずにゃんに言うなんて!」

梓(ほっ、この人たちが馬鹿…ゲフン、純粋でよかった)

唯「そうと決まれば、和ちゃんの助けになろうか!」

律「そうだな!いきなり笑いだすなんて…そうとうきついだろうしな」

澪「わたしも相談に乗るよ」

梓(和先輩、あらぬ誤解をつけてすみませんでした)

紬「さ、さあお茶の続きをしよう?」

唯「あずにゃん、はいあ~ん」

梓「あ、あ~ん」パクッ

唯「おいしい?」

梓「おいひいでふ」モグモグ

梓(ああ、もう鼻毛のことなんて忘れようかな…)

ガチャ

憂「すみません、失礼します」

唯「あっ!うい~!」

梓(なっ!?ここで憂だと!?)

梓(まずい…もし憂が気づいたら殺されるのでは!?)

梓(『何でお姉ちゃんの鼻毛が出てるのを無視したの?』とかで…)

梓(いや…さすがにそれはないだろ…動揺しすぎだろ…)

梓(もうこれ以上は混乱したくないからどうか気づかないでくれ…!)

唯「どうしたの?」

憂「うん!今日のご飯はハンバーグだよって伝えに来たの!」

唯「ほんと!?わ~い!」

律「わざわざここまで来なくても…」

憂「お姉ちゃんの喜ぶ顔が見たくなっちゃって…」

澪「さすがは憂ちゃんだな」

唯「もう!この子は~!」ギュー

憂「あうっ、お姉ちゃん苦しいよ…///」

梓(ああ、うらやましすぎる…今すぐにでも代わってほしい…)

憂「…! お、お姉ちゃん?」

唯「ん?なに?」

憂「あ、あ、あ、あ、あ…」ガクガク

唯「うい?どうしたの?」

鼻毛「ヒョイヒョイ」

憂「こんなの…こんなのお姉ちゃんじゃない!!」ダッバタン

唯「えっ?えっ?」

梓(…やってしまった)

梓(まさかあまりのショックで逃げ出すなんて…)

梓(これじゃ…『こんなのってどんなの?』→『あ!唯、鼻毛が出てるぞ!』→『えっ…?そんな…』という最悪なシナリオに…)

梓(やはり私がフォローしなければ…!)

唯「どうしたんだろう…こんなのってどんなの?」

梓「ああっ!最近憂がなんか幻覚が見えるようになったのって言ってましたよ!」

唯「ええっ!?そんな…憂が…」

律「例えばどんな?」

梓「唯先輩が化け物に見えるとか…」

唯「うそ…うい…」

律「…今まで苦労したんだろうな…唯が化け物に見えるようになっても、普段通りに付き合っていったんだ」

澪「そんな…憂ちゃん…」

梓(取り返しがつかないなこれは)

唯「…私、憂を病院に連れてくよ!」

律「ああ、大変だろうけどがんばれよ」

澪「私たちも相談に乗るからな」

唯「うん!」

梓(後で憂に謝ろう…)

紬「み、みんな!お茶の続きをしよ?」


唯「……」

律「……」

澪「……」

梓(やばい!さっきのは冗談にならなかったか!?)

ガチャ

さわ子「やっほ~!みんなやってる~!?」

シーーン…

さわ子「あ、あれ?何この空気?」


梓(ついに来たか…核弾頭が)

梓(こうなればその無神経さで鼻毛を抜いてくれ…)

梓(…はっ!ダメだダメだ!そんなことになったら唯先輩が…)

梓(よし!わたしは唯先輩を守って見せる!)

さわ子「ね、ねえ、みんなどうしちゃったの?」

唯「あのね、ういがね、幻覚が見えるようになったって…」

律「唯の顔が化け物に見えるそうなんだ…」

澪「何とかしたいんですけど…どうしたら…」

さわ子「なにそれ?ヤクでもやってるの?」

紬「そ、そんなことないです!」

梓「そんなわけないでしょう…」

さわ子「じょ、冗談よ」

唯「さわちゃん、ういのこと嫌いにならないでね?いい子だから…いい子だから!」ウワアアン

さわ子「わ、わかったから泣かないでよ!」

梓(これ憂になんて言えば…)

さわ子「…あら?唯ちゃん、あなた…」

紬「!」

梓(こ、このタイミングでー!?やめろ…やめてくれ!)

さわ子「はな…」

梓「わーわーわー!」

さわ子「うわっ!梓ちゃんどうしたの?」

梓「すみません…なんか叫びたくなって」

紬「梓ちゃん…」

梓(まずい…!これじゃ変人だ…!)

さわ子「そう…で、唯ちゃん、鼻…」

梓「ひゃほーーい!!」

唯「ふえっ!?あずにゃん!?」

律「梓!大丈夫か!?」

梓「すみません…」

澪「梓…」

梓(くそっ!このままじゃ私は黄色い救急車に乗ってしまう!)

さわ子「大丈夫?…ところで唯ちゃん、はな…」

梓「うわーーーーーーーーーっ!!」ビタン

唯「いやあ!?あずにゃんが壊れた!?」

律「梓!?しっかりしろ!」

澪「いやああああああ!?」

紬「梓ちゃん!しっかり!」

梓「ひょえーーー!ひえーーーー!」バタンバタン

律「もう手遅れだ…遅すぎたんだ」

紬「梓ちゃん…」

澪「ミエナイキコエナイ…」ガクガク

さわ子「かわいそうに…」

唯「ああ…ああ、あずにゃん…」

梓(もうだれか殺してくれ…)


紬「落ち着いた?梓ちゃん」

梓「はい…ご迷惑をおかけして…」

唯「ううん、あずにゃんが戻ってよかったよ」

律「ほら、澪も戻ってこーい」

澪「ミエナイキコエナイ…」ガクガク

唯「あれ?さわちゃん先生は?」

律「なんか急に仕事はいったんだってさ」

唯「そうなんだ」

梓(ふう、何か大事なものを失った気がするけど、無事に唯先輩の鼻毛を守りきったぞ!)

梓(…そろそろあの忌まわしい鼻毛を引っこ抜かなければ…!)

梓(だが、どうやって…?)

紬「ね、ねえ唯ちゃん、トイレに行かない?」

梓(なっ!?ついにムギ先輩が実力行使に出たか…!?)

梓(トイレの鏡で鼻毛が出ているのに気付かせる…)

梓(少々暴力的だが、これしか方法が…)

唯「えっ?連れション?」

澪「こら唯!そんな汚い言葉は使うなよ」

唯「えへへ~ごめんごめん」


律「ムギ!私行きたくなったから、私と行こうぜ!」

紬「えっ!?」

律「えっ!?ってなんだよ…」

梓(このデコ野郎が…邪魔ばっかりしやがって…)

律「ほら!行こうぜ!」グイッ

紬「あっちょっと、りっちゃん!」

バタン

梓(最後の希望もついえたか…)

澪「あーそういえば、わたしもトイレに行きたくなってきた」

唯「んもう、澪ちゃん、りっちゃんがとられちゃうからって」

澪「ち、ちがう!そんなんじゃない!」

梓(はっ!これはチャンス!二人っきりになったときに何とか抜けば…)

梓「澪先輩、はやくいってきたらどうですか?」

澪「う、うん」

バタン

梓(ふふふ、二人っきり、か…)

梓(よし!…これより、唯先輩に緊急手術を行う!!)

唯「なんだか、静かになっちゃったね~」

梓「そうですね…」

梓(まずは唯先輩に近寄る…!)ジリ

唯「ねえねえあずにゃん、これおいしいよ?」

梓「ほんとですか?いただきます」パクッ

唯「おいしい?」

梓「おいひいでふ」モグモグ

梓(そして!唯先輩にあ~んさせてそれと同時に抜く…完璧だ!)


梓「…唯先輩」

唯「なーにー?」

梓「あ、あ~んです」

唯「おおっ!あずにゃんから…じゃ、あ~ん…」

梓(よし!このまま…抜く!)

ヒュン

梓(! 鼻毛が…消えた…?)

梓(そ、そんな!いったいどこへ…)

ヒョイ

梓(!! 反対の穴から出てきた…だと!?)

唯「あ~ん…」

梓(あ、あ、あ…そんな…どうすれば…)

ヒュン

梓(!!! また消えた!?)

梓(い、いったい何が起こって…)

ヒョイ

梓(!!!! またさっきのところから!?)

唯「あ~ん…」

梓(はやく…抜かなければ…でも…!)

ヒョイ

梓(!!!!! りょ、両方だと!!?)


唯「…もう、あずにゃん?どうしたの?」

梓「あ、ああ、ああああ…」ワナワナ

唯「? あずにゃん?」

梓「う、う、うわあああああああああ!!」ブチブチ

唯「いてええええ!?」



律「つまり唯の鼻毛が出てたのか」

澪「全く気付かなかったな」

唯「もう、別にわたしは気にしないから、言ってくれてもいいのに」

梓「すみません…」

唯「でも、ありがとうね!私のためにあずにゃんががんばったなんてうれしいよ!」

梓「ほ、ほんとうですか!?」

唯「うん!あずにゃん大好き!」ダキッ

梓「はう~///」

梓(ああ、今までの苦労が消えたよ…)

律「まあ、終わりよければすべてよし、だな!」

澪「ああ」

紬「…あの、ちょっといい?」

梓「はい、なんですか?」

紬「その、言いにくいんだけど…」

唯「どうしたの?ムギちゃん」

紬「梓ちゃんも、その…鼻毛…出てるよ」

梓「えっ!?…あ」




おわり



最終更新:2010年02月01日 00:16