唯「あ、あの二人とも、早く食べないと時間が…」

律「あのなあ!唯には私みたいな明るくてかわいいチャーミングな美少女が似合うの!」

澪「いや、元気でおもしろい、じゃなかったか?」

和「唯にはしっかり面倒みてあげられる、落ち着きのある人じゃなきゃダメなのよ」

紬「それって…和ちゃんのこと?」

和「う…まあ…」

律「だいたい和は10年以上唯と一緒にいるんだろ!?」

和「そうだけど…それが?」

律「そんな長くいると…唯も飽きたんじゃないか?古女房ってヤツだな!」

和「……!ふ…ふる…」

律「唯~ぴっちぴちの私と仲良くしような~」

唯「ふえ!?う、うん…」

和「……」

澪「な、なあ和、さっきの話は気にするなよ?律はちょっと意地っぱりなだけで…」

和「ねえ澪…律って唯のこと好きなのかしら」

澪「いやまあ好きは好きだろ…?友達だし…私も唯のことす、好きだし」

和「そうよね…私みたいな古女房より新しい友達のほうがいいわよね…」

澪(根に持ってる…)

澪「和、こうなったらどんどんアプローチしなきゃダメだ!」

和「え?」

澪「幼なじみなんだし、唯のことよくわかってるんだろ?その利点を活かして仲良くするんだ!」

和「そうね…あの子は私がいないと危なっかしいし…世話してあげないと!」

澪「素直じゃないなあ…」


放課後、音楽室前

和(よし、生徒会の用事で来たって言おう…ん?もういるのかしら?)

律「唯、大丈夫か?」

唯「うん、でももうびしょびしょ…」

律「ホントだ…あっという間にびしょ濡れだな…ペロ」

唯「あ、りっちゃん、なめちゃダメだよう…」

和(な…な、なにをしてるのかしら…)

和「ちょ、ちょっとあんたたち!なにやってんの!い、いくらなんでもそんなこと…」

唯「あれ?和ちゃん?」

律「唯のヤツがジュースこぼしちゃってさあ、制服びしょびしょになっちゃったんだよ」

唯「んもう!りっちゃんこぼれたのなめちゃダメだよ?」

律「だってもったいないだろ~?」

和「え…あ、そう…」

紬「ふふ♪なにを想像してたのかしら?」

和「い、いたの?べ、別に私はなにも…」

紬「うふふ~…」

律「しかし唯、ホントにびしょびしょだな…
 しょうがない、ジャージ貸してやるからスカート脱いで乾かすんだ!」

唯「らじゃ!」ゴソゴソ

和「ちょ、ちょっと!」

唯「ほえ?なあに和ちゃん」

和「そんな…みんなの前で脱いじゃダメでしょ!」

唯「え、そうかなあ?」

律「なにいってんだ和、今さら恥じらいなんかないって!ここは女子校だぞ?
 さあ唯、今日はどんなパンツだ?早く見せてみろ!」

唯「いや~ん♪みたい~?」

律「ええい、じゃあ私が脱がして…」

和「だ、ダメぇ!」

律「なんだよ和ー」

唯「どうしたの?」

和「唯、ちょっとこっちきなさい!音楽室の前で着替えるわよ!」

唯「ええ、なんでえ?」

和「いいから!あと律、ジャージは私が貸すから!」

律「え…そうか?」

紬「ふふ…和ちゃんたら…」

唯「和ちゃんどうしたの?別に中でもよかったのに」

和「いいのよ別に…さあ、早く着替えちゃいなさい」

唯「わかった~うんしょっと…」

和(な、なんでこんな気にしてるんだろ…幼なじみだっていうのに)

唯「ふう~蒸し暑いしこのままパンツでいちゃダメ?」

和「ダメ!早くジャージはきなさい!」

唯「ちぇー」

和(まったく……)

唯「う、お、お、おっとっと…」

和「ちょっと唯?あぶな…」

唯「あだっ!」

ドサッ

和「いった…唯、大丈夫?」

唯「うん…和ちゃん、受け止めてくれてありがとー」

和「いいのよ…まったくドジなんだから…」

唯「えへへ…和ちゃんに抱きつくと落ち着くなあ♪」

和「…あんたは変わらないわね…」

和(唯の匂い…昔と同じだな…)

澪「な…なにをしてるんだ二人とも…?」

梓「そんなところでなにを…」

唯「あ、澪ちゃんにあずにゃ~ん、おいーす♪」

和「こ、これはその…」

澪「って唯!なんでスカート履いてないんだ!?」

唯「え?ああ、濡れちゃったから…」

澪「ぬっ…」

梓「先輩フケツです!なに考えてるんですか!」

唯「ええ?なんでそんなに怒るの?」

和「もういいから早くジャージ履きなさい!」

和(唯といると疲れるこの感じ…これも久しぶりね…)



和「ほら唯、口の周りにクリームが…」

唯「うう…ありがと和ちゃん!」

和「どういたしまして…まったく、幼稚園の時から変わらないわねえ」

唯「そうかな~?」


澪「…あの二人、ホント幼なじみって感じだな」

紬「なにか雰囲気が違うわよね」

梓「そうですねえ」

律「……」

律「…そんで和、生徒会の用事ってなんだよ?」

和「え?あー…ええと…」

律「私たち練習あるし、食べ終わったら出てってくれよな」

和「そんな…」

澪「律、そんな言い方ないだろ?見ていってもらえばいいじゃないか」

紬「そうよ!きっと励みになるわよ!」

律「おまえら……」

律「部外者がいたら集中できないだろ!さ、わかったら和、早く出てけよ?」

和「ねえ律、見学ってことで…いてもいい?私、たまには唯…皆の演奏見てみたいし」

唯「そうだよ~和ちゃんがいた方がやる気でるよ!」

律「聞こえなかったのかよ!集中できないから早く出てけって!」

和「べ…別にいいでしょ?ただ見るだけなんだから!」

澪「おい律、なにさっきからピリピリしてるんだよ?」

律「別に…」

紬「りっちゃん、大丈夫よ!和ちゃんは邪魔したりしないから」

梓「そうですよ、観客がいた方がいいですって」

律「…わかったよ…じゃあ見てるだけな」

唯「わーい、和ちゃん、見ててね?私頑張るから!」

和「うん…頑張って」

律「……」

ジャーン…

唯「どうだった和ちゃん!」

和「うん、すごくよかったわよ皆!」

澪「やっぱり観客がいると調子いいな!」

梓「唯先輩もいつもより上手にできてましたよ!」

紬「よかったわねえ、りっちゃん?」

律「うん…そうだな…」

唯「和ちゃん、もっと褒めて~?頭なでなでして~?」

和「はいはい…よくできました」

唯「えへへ~」

紬「あらまあ♪」

澪「あはは…ホントに仲いいな」

梓「なんだか微笑ましいです」

律「…唯!」

唯「ん?なあにりっちゃん?」

律「こっち来い!」

唯「え?なにか用?」

律「いいから来い!」

唯「うん…」

澪「ん?どうしたんだ律?」

梓「さあ…」

和(律…?)

唯「なあに?」

律「私のひざの上に座れ!」

和「なっ…」

紬「まあ!」

唯「え?ひざ?なんで?きっと重いよ…?」

律「いいから座れ!」

唯「うう…わ、わかったよ…」

澪「な、なに考えてんだ律…」

梓「皆目わかりません…」

和(律…どういうつもりなの…?)

唯「よっと…重くない?これじゃひざ枕じゃなくてひざ椅子だね」

律「重くない!」

澪「なあ律、お前なにを?」

律「別にー?ちょっと唯と遊びたくなっただけだよ」

和「な、なんで私を見るの!?」

律「ゆーいー、遊ぼうぜー?」

唯「おわ、りっちゃんくすぐったいよう!」


和「なによ…もう…」

律「ゆーいー♪」スリスリ

唯「もう、どしたのりっちゃん?なんかいつもと違うね!」

紬「うふふふふふふ…」

澪「おい律、いい加…」

和「ちょっと律!いい加減離れたらどうなの!?唯だって嫌がってるでしょ!」

澪「の、和?」

律「えー?そんなことないよなぁ唯ー?」

唯「え、まあ嫌じゃないけど…」

和「唯…」

律「ほらな?二人で仲良くしてるんだから邪魔しないでね古女房さん♪」

和「ま、また言ったわね…だいたいそんな体密着してたら暑いでしょ?
 唯が汗かいてあせもができたらどうするのよ!」

梓「あ…あせも…」

紬「さすが和ちゃん…心配するレベルが違うわね!」

澪「まるでマ…じゃない、お母さんみたいだな」

律「ふ、ふん!その時は私が薬つけてやるからな唯!」

唯「ホント?お願ーい」

律「へん!私たちだってこれくらい仲良いんだぞ和!」

和「う…」

和「い…いいから離れなさい唯!」グイッ

唯「うお…」

律「あ!やめろ和!まだ座ったばかりだろ!」グイッ

唯「ひえ…」

和「もういいの!」グイッ

唯「おお…」


紬「…なんだか3人ともとってもいい雰囲気ねえ」

澪「どこが…?」

梓「あの、ところで練習は…?」

紬「じゃあこういうのはどうかしら?
 唯ちゃんが和ちゃんとりっちゃん、どっちと仲良くしたいか決めるの♪」

律「そいつはそうだな…唯、どっちがいいんだ?」

和「唯、律みたいにうるさすぎる人は苦手よね?」

律「あん?」

唯「ど…」

律「ど?」

和「なに?」

唯「どっちかなんて決められないよ…私、どっちも好きだから…だから二人とも仲良くしよう?」

律「う…まあ別に…」

和「いいけど…」

唯「ふう、よかったー」

紬「唯ちゃんたら、罪な子なんだから…」


帰り道

和(…でも私より律の方が唯とスキンシップしてるのは事実よね…)

和「うーん…」

唯「どしたの和ちゃん?」

和「あ、別に…じゃあここで」

唯「あ、和ちゃん、家よって行かない?」

和「な、なんで?」

唯「あ…あの…私、今日ずっと和ちゃんに言おうと思ってたんだけど…」

和「え…?」

唯「宿題…教えて?」

和「な…なんだ…自分でやらないとためにならないわよ?」

唯「う…そうだよね…やっぱり自分でやらなきゃだよね…」

和「え?」

唯「ごめんなさい和ちゃん、私自分で…」

和「ちょ、ちょっと待って唯!わかったわ!今日は特別に教えてあげる!」

唯「え?ホント?ありがとー!」

和(しまった…まあ、別にいいわよね…今回だけだし…)




唯「ただいま憂!」

和「お邪魔します」

憂「おかえりなさいお姉ちゃん、和さん、こんばんは!どうしたんですか?」

和「こんばんは…今日は唯の宿題見てあげにきたの」

唯「憂ー、和ちゃんにお菓子をお出しして!命の恩人だから!」

憂「命の…?じゃあお菓子、後で持っていくので待ってくださいね?」

和「うん…ありがとう」

和「で、今日の宿題は?」

唯「これなんだけど~全然わかんないの~」

和「えっとこれはまず…」

和(それにしても…唯の部屋で勉強教えるなんて久しぶりだな…)

唯「和ちゃん?続きは?」

和「あ、うん…ねえ唯、普段は勉強どうしてるの?」

唯「うーん、澪ちゃんとかムギちゃんに教えてもらったりしてるかな」

和「ふうん…」

和「じゃあ今度から…」

ガラ

憂「お茶とお菓子持ってきましたよー?」

唯「わーい!」

和「あ…ありがとう憂ちゃん」

憂「いえいえ…あ、ところで和さんに一つ聞きたいことがあるんですけど…」


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最終更新:2010年01月02日 18:14