70 :いえーい!名無しだよん! 2012/06/16(土) 00:59:54 ID:.kU46tCc0


りっちゃん

71 :いえーい!名無しだよん! 2012/06/16(土) 00:59:56 ID:xAW2d19o0


和!

74 : ◆RvtYZBfdcE 2012/06/16(土) 02:32:22 ID:zgaKPbCA0


「お二人さーん、仲いいっすねー!」

あの時はただ単に澪を取られたような気になって彼女にくってかかった

そのはずだった
自分ではそう思っていた

子どもだったと思う

その件以来、私と澪がいっしょにいる機会は少しずつ増えていった
彼女がそう促してくれているのだろう

彼女が大人に思えた

ある時、澪が家の都合で早退した
たまたまその日唯は憂ちゃんといっしょに帰った

偶然彼女も生徒会の用事が無い日で
奇遇にも帰る時間がかぶって学校の下駄箱でばったり会った

今では彼女とも打ち解け、良い友人だ
何を気後れする必要がある?

そう、良い友人なのだ

それでも、私は勇気を振り絞らねば彼女に声もかけられなかった

もうあの頃の私ではないっていうのに

私は少し上ずった調子で彼女に言った

「いっしょに帰ろうよ、和」

私、少しは大人になったからさ



75 : ◆btTJ43cdZM 2012/06/16(土) 03:10:30 ID:dfzwpjrwO



ほうかご

和「それで、世界史の復習はできてるのね?」

律「もっちろーん!」

和「康煕帝、乾隆帝。その間は?」

律「……よ、よーだ?」

和「それじゃあスターウォーズじゃない。はぁ……嘘ついたわね」

律「ええー中国史だけはマジ無理だって・・・」

和「嘘つきは嫌いなんだけど。私」

律「ま、真顔で言われると結構クるんですけど和さん・・・」

和「なら嘘にならないように頑張りなさい。受験もそう遠くはないのよ?」

76 : ◆btTJ43cdZM 2012/06/16(土) 03:11:00 ID:dfzwpjrwO



律「わかってるってばー……あ。そういや和って視力いくつだっけ?」

和「藪から棒ね。高くはないわよ、小学生からかけてるもの」

律「ふぅん・・・? じゃさ、メガネとったらどんぐらい見えんの?」

和「……この距離でも、律と唯の区別が付かないと思う」

律「えっ?! だって、机いっこ分じゃん!」

和「普段はかけたままだから、気にならないけどね」

律「へー。じゃあ取ってみてよ」

和「え?」

77 : ◆btTJ43cdZM 2012/06/16(土) 03:11:38 ID:dfzwpjrwO



律「……おお」

和「どうしたのよ、その目は」

律「いや、……なんか初めて見た気がして」

和「修学旅行でも見たでしょう?」

律「そうだっけ? いやーあの時はこう、テンションあがってたし」

和「ふふ、そうね。でももう十月なのね…」

律「……あーそだ。あたし、見える?」

和「え? ……うーん」

律「マジで見えないんだ…」

和「……もうちょっと、近く寄ってくれる?」

78 : ◆btTJ43cdZM 2012/06/16(土) 03:12:05 ID:dfzwpjrwO



律「え、こう?」

和「……ダメ。分からない」

律「えー? ってかこの体勢きついんだけど」

和「ふふ、じゃあこっち来ればいいじゃない。机の向こうからじゃなくて」

律「てかさーのどかー、ホントに見えないの?」

和「私の視力は本物よ」

律「それ、エラそうに言うことじゃないだろ…」

79 : ◆btTJ43cdZM 2012/06/16(土) 03:12:33 ID:dfzwpjrwO



律「こ、このぐらいは?」

和「……ダメ。能天気にカスタネット打ってる姿が浮かんできそう」

律「えー? もうこんな距離だよ? それもう目が悪いとかと違う問題なんじゃ」

和「いいからもう少し近づいて。分からないでしょう」

律「え、だって、」

和「はやく」

律「……あ、ああうん」

80 : ◆btTJ43cdZM 2012/06/16(土) 03:13:00 ID:dfzwpjrwO



和「……」

律「……あは」

和「人の顔みて笑わないでよ」

律「いや、だってさ、こんな近くで和の顔見たの初めてだし」

和「……そうね」

律「てか、そろそろ鼻がくっつきそうなんだけど――」

和「見えない」

律「え。あの、」

和「見えないから、もっと近くに」

律「……からかってる?」

和「最初に言い出したのは、律のほうじゃない」

律「そ、そうだけど……ひゃっ」

81 : ◆btTJ43cdZM 2012/06/16(土) 03:13:26 ID:dfzwpjrwO



律「……あ。あのさあ和」

和「……」

律「その、わたし、動けないっていうか、」

和「……やっぱり、ダメ」

律「……てか、これ以上近づいたらこう、なんか、やばいっていうか、」

和「いいから。いいから」

律「……」

和「……いやなの?」

律「……いやじゃ、ない、けど…」

和「……」

律「…あは……」

82 : ◆btTJ43cdZM 2012/06/16(土) 03:13:50 ID:dfzwpjrwO



和「・・・・・!?」

ぐいっ

律「うぎゃっ?! ってえーっ…なんだよ、もう!」


 「あれーっ、和ちゃんまだ残ってたのー?」


和「……うん。律に古典と世界史教えてて」

律「いたたた……あ。唯」

唯「えー、りっちゃん世界史できるの?!」

律「できないから教えてもらってたんだってば……あーなんかすげえ疲れた」

83 : ◆btTJ43cdZM 2012/06/16(土) 03:14:14 ID:dfzwpjrwO



和「さっきはできるって言ってたのに」

律「うっせ。どうせ私は嘘つきだーい」

唯「あれ? 和ちゃん、なんでメガネはずしてるの?」

律「あ、それはその……なんていうか」

和「ところで唯。あんた、数IIの微積分やった?」

唯「……そ、そうなんだ。じゃあ私あずにゃん家でギー太とお話しするね」たたっ

和「あっちょっ待ちなさい! ……まったく、変わらないんだから」

律「……」

84 : ◆btTJ43cdZM 2012/06/16(土) 03:15:02 ID:dfzwpjrwO



和「じゃ、気を取り直して続きを」

律「続きって?」

和「……勉強に決まってるでしょう。私たち、受験生なんだから」

律「……あのさ、和」

和「?」

律「和だって……嘘つきじゃん」

和「……言われなくても」

律「……」

和「嘘つきは、嫌いなのよ」

律「……」


和「メガネ、返して」

律「・・・・はぁ。はいはい」

85 : ◆btTJ43cdZM 2012/06/16(土) 03:15:34 ID:dfzwpjrwO



和「ふぅ。やっぱり落ち着かないものね、慣れないことすると。じゃあ続きを、」

律「……あたしはさ、」

和「え・・・・?」


律「嫌い、じゃない……よ?」

和「……そうなんだ」

律「続きって、世界史の?」

和「どっちだと思ったのよ・・・」

律「どっちって何が?」

和「……何って、なんのこと」

律「和。……やっぱ、メガネ返してよ。続き」

和「……壊さないでよね。大事にしてるんだから」

律「・・・・努力する」


おわり。

86 :いえーい!名無しだよん! 2012/06/16(土) 03:24:04 ID:dfzwpjrwO


10分過ぎてるから和律を継続かな
安価なら紬

90 :いえーい!名無しだよん! 2012/06/16(土) 11:38:30 ID:NA/doS5c0


遅くなったけど和律いきます

91 : ◆Q9Tanlls9c 2012/06/16(土) 11:40:18 ID:NA/doS5c0


和「ただいま」

律「おかえりー、遅かったんだな」


和「朝言ったでしょ、結婚式の二次会があるって」

律「ああなんかそんな事言ってたよなあ。 会社の同僚だっけ?」

和「そうよ。 はいこれ、もらってきた」

律「おっ!?可愛い箱だな ケーキ?」

和「クッキーだって、新婦の手作り」

律「なんだ、クッキーか」

和「文句言うならあげないわよ」

律「いやいやそんな、文句なんてありませんって。 ありがたく頂戴しまーす」

92 : ◆Q9Tanlls9c 2012/06/16(土) 11:41:48 ID:NA/doS5c0


和「ふふ……」

律「て言うことは夕食済ませてきたんだなぁ。 忘れてたんで作っちゃったよ」

和「いいわよ食べるから。あんまり食べて来なかったんだ」

律「じゃ後片付けよろしくー」

和「はいはい」


~~~~~~~~~~


和「ごちそうさまでした。 美味しかったわ、いつも悪いわね」

律「なにをそんな、こちとら居候の身ですから」

和「……居候なんて思ってないわよ」

律「へへへ」

93 : ◆Q9Tanlls9c 2012/06/16(土) 11:43:21 ID:NA/doS5c0


和「ふう……今日はなんだか疲れたわ」

律「ん? 二次会?」

和「うん」

律「幸せそうだった?」

和「ええ、とっても」

律「結婚かぁ……あたし達には縁のない話だなあ」

和「……そうね」

94 : ◆Q9Tanlls9c 2012/06/16(土) 11:45:15 ID:NA/doS5c0


律「でも……なあ、和」

和「なに?」

律「そういう気になったら早めに言ってくれよ。 あたしならいつでも出て行くからさ」

和「そうね、そうさせてもらうわ」

律「え……?」

和「じゃあ来週」

律「……マジで?」


和「ふっ……馬鹿」

律「なんだよ、もー」

和「うふふ」

95 : ◆Q9Tanlls9c 2012/06/16(土) 11:46:44 ID:NA/doS5c0


律「そういや今日澪から電話あった」

和「澪から?……へえ」

律「うん」

和「で?」

律「え?」

和「澪……なんだって?」

律「へへ、気になる?」

和「別に。 律が言いたそうにしてるから聞いただけ」

律「そっか」

和「そう」

96 : ◆Q9Tanlls9c 2012/06/16(土) 11:47:51 ID:NA/doS5c0


律「今度の土曜に会う約束した」

和「へえ」

律「いいかな?」

和「それって私の許可が必要なことかしら? 勝手にすれば?」

律「あれ? 怒ってる?」

和「そんなわけないでしょ」

律「ならいいんだけどさ」

和「……」

97 : ◆Q9Tanlls9c 2012/06/16(土) 11:49:59 ID:NA/doS5c0


律「それでさ……」

和「だから勝手にすればって言ってるじゃない」

律「唯にも声かけようと思ってる」

和「えっ?……唯にも?」

律「うん、あいつらに私達のこと話そうと思ってる」

和「そう……なんだ」

律「いいかな?」

98 : ◆Q9Tanlls9c 2012/06/16(土) 11:51:13 ID:NA/doS5c0


和「別にいいわよ、律と暮らしてること隠してるわけじゃないし」

律「うや、そういうことじゃなくてさ。 わかってるだろ?」

和「判らないわね」

律「なんで?」

和「だって律、ちゃんと言ってくれたこと無いじゃない」


和「私達のことって……私達の関係って何?」

99 : ◆Q9Tanlls9c 2012/06/16(土) 11:52:14 ID:NA/doS5c0


律「え……」

和「律の気持ち、私何も聞いてない」

律「あ、そ、それはそのなんだ、えー」

和「私から言わせる気?」

律「いやだめっ、だめだめっ」


律「ちゃんと、ちゃんと言うから」

100 : ◆Q9Tanlls9c 2012/06/16(土) 11:54:20 ID:NA/doS5c0



律「す……好きです」

和「……」

律「ど、どうでしょうか……」

和「遅いのよ……もう、昔から全然変わらない」

律「ご、ごめん」

和「それで?」

律「え?」

和「それから?」

律「え? え?」

101 : ◆Q9Tanlls9c 2012/06/16(土) 11:57:14 ID:NA/doS5c0


和「もういいわ」

律「え?」

和「こうするのよ」

 ちゅっ

律「んひっ!」


和「ありがとう、律」

律「あ……あうあうっ」

                       おしまい


「いつもの時間にお逢いしましょう。待っています。xxx」 5

最終更新:2012年06月20日 22:19