紬「最近斎藤の横暴が目に余るわ」
菫「お姉ちゃん……」
紬「菫に『お嬢様と呼べ』と命令するなんて」
菫「……」
紬「それだけならまだしも、『あんまり馴れ馴れしくするな』だなんてあんまりよ…」
菫「でも仕方ないよ。お姉ちゃんと私は…」
紬「姉妹、でしょ」
菫「……うん!」
紬「菫、こうなったら例の計画を実行するしかないわ」
菫「例の計画って……駆け落ち!?」
紬「ええ。さっそく荷物をまとめて>>4に行きましょう」
※北海道
紬「駆け落ちと言えば北ね」
菫「そ、そうかな?」
菫(そういえばお姉ちゃんに読ませた漫画にそんなシーンがあったような…)
紬「目指すは北海道! そうと決まったら駅に行かなきゃ」
菫「電車で行くの?」
紬「もちろん。駆け落ちといったら電車!」
>東京駅
紬「人でいっぱいね」
菫「うん。でも標識があるからどこへ行けばいいのかわかるね」
紬「切符はあそこで買えばいいのね」
菫(北海道かー。でも家にバレたらどうなっちゃうんだろう)
菫(家にメールしとこう)
菫『お姉ちゃんと二人で旅行に行ってきます。心配しなくても大丈夫』ポチポチ
>電車内
紬「これが東北新幹線なのね!」
菫「『はやて』っていうらしいよ」
紬「さっそく駅弁を買いましょう」
菫「え、もう?」
紬「……駄目?」
菫「駄目じゃないけど、さっき食べたばかりだよ」
紬「このお弁当二つお願いします」
客室乗務員「はい。2000円になります」
紬「お金はこれで」
紬「私、新幹線のなかで妹と駅弁食べるのが夢だったの!」
菫(お姉ちゃん楽しそう…)
>>9「あれ、今の声どこかで聞いたような」
※さわ子
さわ子「あれ、ムギちゃんじゃない」
紬「先生!」
さわ子「奇遇ねぇ」
菫「あの、この方は?」
紬「この人はさわ子先生。私の担任であり、軽音楽部の顧問でもあるのよ」
菫「は…はじめまして、斎藤菫と申します。」
さわ子「ムギちゃんの友達?」
菫「あ、えーっと……」
紬「私の妹よ」
さわ子「へー」(何かありそうだし、苗字については触れないでおこうかな)
紬「ところで先生はどうして東北新幹線に?」
さわ子「私は>>12」
※夜逃げよ
紬「夜逃げ……ですか?」
さわ子「ええ。ちょっとお金を借りすぎちゃってね」
紬「その……いくらぐらい借金してしまったのですか」
さわ子「>>15円よ」
※15円
紬「……庶民って15円で夜逃げするものなのかしら」コソコソ
菫「さ、流石にそれはないと思うよ」コソコソ
さわ子「なにこそこそ喋ってるのよ」
紬「あのっ! 15円なら貸してあげられますから」
さわ子「本当!」
紬「はい」つ⑮
さわ子「やった。これで家に帰れるわ。じゃあ私次の駅で降りるから。ムギちゃんありがとう」
菫(15円の借金に悩む人が、どうやって新幹線に乗ったんだろう)
菫(どうやって駅から家まで帰るんだろう……)
菫(こまかいことは考えなくてもいいか)
>新青森駅
紬「やっと着いたわ」
菫「でももう真っ暗だね」
紬「今日は>>19に泊まりましょう」
※近くの別荘
菫「そういえば青森にも別荘あったね」
紬「ええ、鍵も持ってきてるし。タクシーで行きましょう」
>別荘
紬「とうちゃくっ!」
菫「琴吹家で12番めに大きな別荘だね」
紬「ええ、でも二人で使うには大きすぎるぐらいよ」
菫「途中スーパによってもらって、>>23の材料も買ったね」
紬「ええ。さっそく>>23を作りましょうか」
※ビーフストロガノフ
紬「ふっふんふー」
菫(お姉ちゃんの鼻歌なんてはじめてきいたかも。凄くごきげんだ)
紬「さぁ、さっそくビーフストロガノフを作りましょう」
菫「じゃあ私マッシュルーム切るからお姉ちゃんは玉ねぎ切って」
紬「ええ」
菫「……」ザシュ ザシュ
紬「……」ザンザン ザッザッザッザッ
菫「……」ザシュ ザシュ
紬「……」ザッザッザッザッザッザッ
菫「こうやって一緒に料理するのも久しぶりだね」
紬「最近は台所に立つのを許してもらえなかったものね」
菫「久しぶりのお姉ちゃんとの料理、楽しいよ」
紬「菫………」グスッ
菫「お姉ちゃん、泣いてる?」
紬「玉ねぎが目に染みただけよ」グスグス
菫「もう、お姉ちゃんったら……」
紬「いつまでも子供のままでいられたら良かったのにね」グスグス
菫「……うん」
紬「うん。みじん切り終わったわ」グス
菫「こっとも終わったよ」
紬「じゃあバターで炒めて」
菫「スープを入れて」
紬「サワークリームをたっぷり添えて」
菫・紬「完成!」
菫「うん、美味しいね」
紬「菫と二人で作ったんだもの、不味いわけないわ」
菫「お姉ちゃん……」
紬「じゃあ次は>>31をしましょうか」
※麻雀
菫「麻雀は四人いないと盛り上がらないよ」
紬「じゃあ誰か呼びましょうか」
菫「お姉ちゃん、青森に知り合いはいないよ…」
紬「困ったわ……」
トントン
>>37「すいません、誰かいますか」
>>38「ちょっと道を訪ねたいのですが」
※ラオウ・さわ子
紬「さわ子先生! もう一人は……」
ラオウ「俺は世紀末覇者拳王ラオウ。うぬが
琴吹紬であるか?」
紬「は、はい」
さわ子「実はお金がなくて帰るに帰れなかったところを、ラオウさんに拾われたのよ」
ラオウ「うむ」
紬「このおうまさんは?」キラキラ
黒王号「……」
ラオウ「黒王号である」
紬「乗ってもいいですか?」
ラオウ「落馬せぬように気をつけてな」
紬「私、黒馬に乗って駆けまわるのが夢だったの~」
菫「お、おねえちゃん! 危ないよ!!」
黒王号「………」パッパカパッパカ
ラオウ(黒王号が背を許すとは…)
ラオウ「俺に麻雀の面子に入れと?」
菫「は……はい」(この人怖い……)
さわ子「私はいいわよ」
ラオウ「うむ。それなら俺も久しぶりに本気を出させてもらうとするか」
菫「お姉ちゃーん。そろそろ馬から降りてきて。麻雀はじめるよ」
さわ子「あれ、やけに薄い牌ね」
紬「じゃあはじめましょ。この四角い箱の中に牌を全部入れて……」
紬「えいっ」
紬「さぁ、始めましょう」
さわ子・ラオウ(麻雀崩しだと!!!!)
ラオウ「北斗神拳奥義無想陰殺」シュン シュン
紬「なんて無駄ない指さばき」
菫「すごいスピードなのに全く音が立たない」
さわ子「あなた一体何ものなの」
ラオウ「世紀末覇者拳王ラオウである」
ラオウ「邪魔したな」
さわ子「じゃあそろそろ私たちは行くわね」
黒王号「ヒヒーン」
紬「ふぅ。麻雀楽しかったね。また黒王号さんに乗りたいな」
菫「うん。でもちょっと疲れちゃった」
紬「そう。じゃあそろそろ>>47」
※寝る
菫「うんそろそろ寝よ」
紬「一緒のベッドで寝る?」
菫「うん!」
紬「今日は楽しかったね」
菫「うん。お姉ちゃんと一緒にいろいろできて楽しかったよ」
紬「こんな生活がずっと続けばいいのにね」
菫「…‥それはたぶん無理だよ。いつかはお金だったなくなるし」
紬「そうだね…」
菫「ねぇ、お姉ちゃん。実はお爺ちゃんに『旅行に行きます』ってメール入れておいたんだ」
紬「……」
菫「数日で帰れば、旅行ってことで通せると思う」
紬「菫はそっちのほうがいいと思う?」
菫「うん。二人で駆け落ちしたってわかったら余計引き離されちゃうよ」
紬「……そうね」グス
菫「もう、お姉ちゃん泣かないで」
紬「だって……」グス
菫「私はずっとお姉ちゃんの妹だよ」
菫「『お嬢様』って呼ばなくちゃならないとしても、ずっとずっと妹だよ」
菫「もしお姉ちゃんが誰かと結婚したとしても、私はずっとついてくから」
菫「だから泣かないで、お姉ちゃん」
紬「菫っ!」グッ
菫「お姉ちゃん、そんなに強く抱きしめられちゃ苦しいよ」ナデナデ
紬「約束よっ! 菫はずっとずっと私の妹なんだからっ!!」
菫「うん。約束」
菫「ねぇ、お姉ちゃん。一週間ぐらいなら旅行ってことで通せると思うの?」
紬「えっ?」
菫「だから一緒に北海道見て回ろう?」
紬「……うん!」
おしまいっ!
最終更新:2012年07月03日 01:39