紬「だが断る!」

梓「なん……だと」

梓「そんなのは駄目です。ムギ先輩は私に服従するです」

紬「……どうして私が梓ちゃんに服従しなくちゃならないのかな?」

梓「理由なんてありません。ムギ先輩は黙って服従すればいいんです」

紬「ごめんなさい梓ちゃん。それは無理」

梓「私に服従すれば三食に間食つきです。どうですか?」

紬「私、食べるのに困っていないの…」

梓「それなら私をナデナデする権利をあげましょう」

紬「梓ちゃんをナデナデするの……?」

梓「そうです!」

紬「それで私に何の得があるのかしら?」

梓「私のことナデナデしたくないんですか?」

紬「うん」

梓「そんな……こんなのってないよ」シュン

紬「あ、梓ちゃん、落ち込まないで! 私、梓ちゃんのこと嫌いじゃないよ」

梓「本当ですか? じゃあナデナデしたいですか?」

紬「う、うん。トッテモナデナデシタイナー」

梓「それなら私に服従するです、ムギ」

紬「それは嫌」

梓「……仕方ないですね。じゃあお試しで頭をなでさせてあげるです」

紬「えっと」

梓「何をしてるんですか、ムギ先輩。早く頭をなでるです」

紬「これでいいのかな」ナデナデ

梓「ええ。これでいいんです」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「これぐらいでいいかな」

梓「手をとめちゃ駄目です。もっと撫でるです」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「えっと、もうそろそろ」ナデナデ

梓「もっと撫でるです」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「……」ナデナデ (手が痛い)

梓「……」

紬「……」ナデナデ (これって新手のイジメなのかな)

梓「……」

紬「……」ナデナデ (梓ちゃんとっても幸せそうな顔してる)

梓「……」

紬「……」ナデナデ (私をイジメるのがそんなに楽しいの?)

紬「つっ……」

梓「どうしました?」

紬「手を攣ってしまったみたい、痛っ…」

梓「それは大変です。ちょっと待っていてください」


梓「氷をもらってきました。これをバケツに入れて……ここに手を入れてください?」

紬「冷たっ」

梓「我慢してください」

紬「……」(梓ちゃん凄い真剣な顔してる。断ったら怒られちゃいそう)

紬「……」(冷たい…手の感覚がなくなってきた)

紬「……」(なんで梓ちゃんはこんな意地悪ばっかりするんだろう)

紬「……」(私、そんなに嫌われるようなことしたかな?)

梓「もうそろそろいいでしょう。腕はどうですか?」

紬「感覚がなくなっちゃった」(なにがもういいの?)

梓「ならもう大丈夫です」

紬「……」(十分にイジメたってことかな…)

梓「ムギ先輩、今日はもう帰りましょう」

紬「え、もう帰っていいの」

梓「はい、あんまり無理をさせてもいけませんし」

紬「さようなら」(生かさず殺さずってことかな)


―――

唯「最近ムギちゃんあずにゃんに対してよそよそしくない?」

紬「えっ?」

唯「今日みんなであずにゃんの髪を触ってたときも、ムギちゃん遠くから見てたよね」

紬「ええ」

唯「いつものムギちゃんなら自分も混ざるか、撮影すると思うんだけどねー」

紬「……」

唯「ムギちゃんとあずにゃんの間に何かあった?」

唯「よかったら話してみてよ」

紬「実は……私、梓ちゃんにイジメられてるの」

唯「えっ? それはないと思うけどなー」

紬「どうして?」

唯「あずにゃんも最近寂しそうな顔してるからだよ~」

紬「それは最近イジメる相手がいないから…」

唯「ねぇ、どんな感じにイジメられたのか詳しく教えてくれる?」

紬「えっと……まずナデナデを強要されたわ」

唯「それって、ムギちゃんのことが好きだから」

紬「それも凄く長い時間」

唯「その間あずにゃんはどんな顔してた?」

紬「とても幸せそうな顔してた。きっと私をイジメるのが楽しかったの」

唯「それはきっとムギちゃんのナデナデが気持ちよかったからだよ~」

紬「でもその後、私の手を氷水につけたんだよ」

唯「えっ? あずにゃんがそんなことしたの!?」

紬「うん。手を攣るまでナデナデさせられた後、手を氷水に突っ込むように命令されたの」

唯「ムギちゃん……それはアイシングだよ」

紬「アイシング?」

唯「そう。手を攣ったり捻挫しりしたとき冷やすことで治療するの」

紬「えっ?」

唯「アイシングの後、痛みはあった?」

紬「そういえばいつの間にかなくなってたような……」

唯「やっぱりあずにゃんはムギちゃんのこと好きなんだよ!」

紬「……」

唯「なかなおりしなきゃ駄目、だよ」


―――

梓「放課後に呼び出してどうしたんですか、ムギ先輩」

紬「……」

梓「私に服従する決意ができたですか、ムギ」

紬「……」

梓「何かしゃべるです、ムギ…」

紬「……」

梓「しゃべるです、ムギ先輩」

紬「……」

梓「お願いします。何かしゃべってくださいムギ先輩」

紬「……」

梓「ムギ先輩……ムギ先輩……無視しないでください。私のこと嫌いになってしまったんですか?」

紬「……」

梓「ムギ先輩?」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「梓ちゃん……私のこと好き?」ナデナデ

梓「す…好きか嫌いかで言えば……好きです」

紬「そう…」ナデナデ

梓「ムギ先輩ごめんなさい」

紬「どうしたの?」ナデナデ

梓「もう私に服従しろなんて言いません。だから元のムギ先輩に戻ってください」

紬「……」ナデナデ

梓「お願いします」

紬「……」ナデナデ

紬「梓ちゃんは私を服従させてなにがしたかったの?」ナデナデ

梓「それは……」

紬「……」ナデナデ

梓「一緒にギターの練習したり」

紬「……」ナデナデ

梓「休みの日に一緒におでかけして、お揃いの洋服を買ったり」

紬「……」ナデナデ

梓「放課後二人で遊びにいったり」

紬「……」ナデナデ

梓「そういうことがしてみたかったんです」

紬「そう…」ナデナデ

梓「……」

紬「……」ナデナデ

梓「……」

紬「じゃあもう一つ質問、なんで『ムギ』って呼び捨てしたの?」

梓「対等になりたかったんです」

紬「対等に?」

梓「ムギ先輩はいつも子供を見るような目で私を見てたから…」

紬「そう…」

梓「……」

紬「ねぇ、梓ちゃん。私、梓ちゃんに服従してもいいよ」

梓「えっ?」

紬「だって、服従してもそれだけなんでしょ。なら私は大歓迎だもの」

梓「……」

梓「……」

梓「……」

紬「梓ちゃん、どうしたの?」

梓「ムギ先輩、ごめんなさい。私、間違ってました」

紬「…?」

梓「照れ隠しに強い言葉を使ってしまいました」

紬「……」

梓「私、本当はムギ先輩を服従させたいんじゃありません。本当は……こ」

紬「友達になりたかったのね」

梓「……えっ?」

紬「うん。私も梓ちゃんと友達になりたい!」

梓「えっと……はい、私もなりたいです」

紬「じゃあ今日から梓ちゃんは友だちだね!」

紬「じゃあ友達にお願い。私にナデナデしてくれる?」

梓「えっ?」

紬「大きくなってから、やってもらったことなかったから」

梓「はい。いいですよ」ナデナデ

紬「……気持ちいい」

梓「ちょっと頭が高くてやり難いです。えーっと、私の膝に乗ってくれますか?」

紬「膝枕?」

梓「はい」

紬「……重くない?」

梓「大丈夫です」ナデナデ

紬「……」

梓「……」ナデナデ

紬「……」

梓「……」ナデナデ

紬「……」

梓「……あの…もうそろそろ」ナデナデ

紬「まだ駄目」

梓「……」ナデナデ

紬「……」

梓「……」ナデナデ

紬「……ねぇ梓ちゃん」

梓「なんですか」ナデナデ

紬「さっきはちょっと意地悪しちゃった」

梓「えっ?」

紬「手をとめちゃ駄目」

梓「あっ、はい」ナデナデ

紬「私が眠るまでこうやってナデナデ続けられたら」

梓「続けられたら?」ナデナデ

紬「梓ちゃんの望む関係になってあげる」

梓「えっ……それって」ナデナデ

紬「……」

梓「……」ナデナデ

紬「……」

梓「……」ナデナデ

紬「……」

梓「……」ナデナデ

紬「zzz」

梓「zzz」

the end



戻る
※立て逃げ乗っ取りスレ
最終更新:2012年07月04日 21:17