紬(えっ・・・今唯ちゃんが私の事紬・・・って)

紬「ゆ、唯ちゃん今わた」

律「やっほー!部長の登場だー!」

澪「悪い、途中さわ子先生と会って少し遅れた」

唯「二人ともおっそーい!あずにゃんまだ来ないし!」

澪「梓は今日家庭の用事で来れないって行ってたぞ」

唯「えー・・・じゃああずにゃんの分のケーキ貰いっ」

律「あ、唯ずるいぞ!ここは部長の私だろ!」

唯「え~早い者勝ちだよねムギちゃん!」

紬「えっ?あぁ・・・そうね半分ずづじゃ駄目かしら?」

律「むーそうだな」

紬(結局唯ちゃんは何で・・・私の聞き間違いかな・・・)

唯「ムギちゃーん今日は何~?」ニコニコ

澪「催促するなよ・・・」

律「なんだかんだで澪も楽しみにしてるくせに~」

澪「うっ・・・まぁ折角ムギが好意で持ってきてくれてるわけだし・・・それを断るのも・・・美味しいし・・・」

律「あーわかったわかった私が悪かったって~」

紬「はい唯ちゃん今日はロールケーキ!」

唯「おぉ~!待ってました~!」

律「待ってましたー!」

唯「いただきまーす!」

・・・

唯「ふーご馳走様ムギちゃん!」

紬「お粗末様~♪」

律「紅茶おかわりー!」

澪「部長なんだからたまには自分で淹れたらどうだ?」

律「私が淹れられると思ってるのか!」

唯「じゃあ私が淹れる!」ハイッ

澪「えっ」

律「えっ」

唯「二人ともその反応は予測してましたぜっ!」

紬「でも唯ちゃんならきっと大丈夫よ~」

唯「まかせなさいっ!」



唯「おまたせー!」

律「思ったより早かったな」

澪「まぁムギが凄すぎるだけな気もするけど」

紬「初めてにしては十分早いわよ~」

唯「はいりっちゃん!とりあえず飲んでみてよ!」

律「じゃあ頂くか・・・」

澪「私も」

唯「ムギちゃんにはいつもお世話になってるしね!はいっどーぞ!」

紬「ありがと~♪」

律「おっ・・・コレは・・・」

澪「・・・普通だ」

律「うん!普通!」

唯「え~!?」

紬「あら?普通に美味しいけど・・・?」

律「うん、普通に美味しいからちょっとビックリした」

唯「えぇ!?りっちゃんはともかく澪ちゃんは信じてたのに!」

澪「ごめんごめん、でも美味しいよ」

唯「えっへん!」

紬「でも初めてでここまで淹れられるのは凄いわよ?」

唯「いつもムギちゃんが入れてくれるの見てたからね!」

紬「あら嬉しい」ニコッ

律「・・唯の恩返し」ボソッ

澪「ちょ、律やめろっ!」クスッ

紬「唯ちゃんありがとう、とても美味しかった!」

唯「いやいやー!むしろいつもありがとうだよ!」

紬「ふふっじゃあ片付けは私がやるね?」

唯「折角だから全部やるよー!」

紬「あら、じゃあ一緒に運ぶ!」

唯「ありがとー!」

紬「片付けちゃうね?」

律「おぉすまんっ!」

澪「ありがとうムギ」

唯「あ、そこに置いておいてくれれば残りは任せてくださいなっ!」フンスッ

紬「じゃあお願いしようかしら?」

唯「うん!ムギちゃんは休んでてー」

紬「ありがとう」ニコッ

紬(・・・いつもの唯ちゃんよね)

紬(いつも優しいけど今日はもっと優しく感じる・・・)

紬(・・・あんまり気にしすぎちゃ駄目よね)

律「おっムギ!唯に任せて平気かー?」ニヤニヤ

紬「きっと大丈夫よ~唯ちゃんは出来る子だもの」

澪「普段からもっとやる気があったら凄いんだろうけどな・・・」

・・・

澪「・・・結局今日も練習は殆どしなかったな」

律「唯がドラム叩き始めたからな」

唯「面白かったです!」

紬「よかったわね唯ちゃん」

澪「まぁ梓も居ないしあんまり根詰めるよりは良いのかな・・・」

律「それにしても今日の唯はアグレッシブだったな!」

唯「仕事の出来る女・・・平沢唯!」キリッ

紬「かっこいい~!」

澪「じゃあ普段のムギはエリートだな」

紬「そんなことないよ~」

唯「ムギちゃんにはいつも助けてもらってるからね!」

律「おぉ!唯偉いぞっ!」

澪「部長も少しは見習うべきだな」

律「・・・唯頑張れっ!」

澪「おい」

唯「じゃあ澪ちゃんりっちゃんまた明日ねー!」

澪「また明日」

律「遅刻するなよー!」


紬「今日はありがとう♪」

唯「いつもムギちゃんに淹れて貰ってるからね!」

紬「ふふっ、じゃあ私駅行くね!」

唯「うん!明日のおやつも楽しみにしてるねっ!」ダキッ

紬「じゃあ唯ちゃんの好きなもの選んじゃおっか!」

唯「おぉ!ありがたやーありがたやー!」

紬「じゃあまた明日ね!」

唯「うん!また明日ね・・・紬」ボソッ

紬「!」

唯「ばいばーい!」タッタッ

紬「えっ唯ちゃ・・・」

紬(行っちゃった・・・でもやっぱり)

紬(急に紬って・・・急にどうしたんだろ・・・)

紬(と、とりあえず帰りながら考えよっ)

紬(・・・)

紬(紬・・・か)

紬(おかしいな、お父様にはそう呼ばれてるのに唯ちゃんに呼ばれると何か・・・違和感?)

紬(別に嫌って訳じゃないし今まで無かったあだ名で呼んでくれるのも嬉しい・・・でも何で?)

紬(む~・・・)

紬(わぁ~唯ちゃんどうしたんだろ・・・)


―――

唯「ただいまー!」

憂「おかえりお姉ちゃん!」

唯「ふぅ走ってきたからちょっと疲れたよ~」

憂「あれ?見たいテレビとかあったけ?」

唯「いや~お姉ちゃんって生き物はたまに走りたくなるのだよ憂さん!」

憂「そうなの?」キョトン

唯「そうなんですっ!」

憂「・・・あれ、お姉ちゃんちょっと顔赤いよ?」

唯「!あっ・・・多分走ってきたからかな~?先にお風呂行ってくるね!」

憂「後でタオル出しに行くね~」

唯「ありがとぉ!」


―――

紬「ただいま~」

斉藤「お帰りなさいませ紬お嬢様」

紬「ただいま斉藤・・・ねぇ?」

斉藤「いかがなさいました?」

紬「その『お嬢様』抜きで私を呼んで見て?」

斉藤「・・・はて?紬様どうかされましたか」

紬「・・・いえ、なんでもないわ!ごめんなさい斉藤」

斉藤「いえ、御夕飯までもうしばらく掛かるとのことなので自室でお寛ぎ下さい」

紬「えぇありがとう、そうさせてもらうわニコッ

紬(・・・やっぱり唯ちゃんに呼ばれた感じとは違う)ガチャ

紬「ふむぅ・・・」ポムッ


――

紬「ご馳走様」

紬父「どうした紬、食が細いようだが」

紬「ちょっと疲れてるみたいで・・・」

紬父「そうか明日に残らないようにしっかり休むといい」

紬「えぇ・・・おやすみなさい」

紬(食事中もシャワーを浴びてるときも考えてしまう・・・)

紬(いつものように唯ちゃんらしく呼んでくれたんだと思いたいけど)

紬(どうしても嫌なほうに考えがいっちゃう)

紬(でも嫌ってる感じには見えなかったから・・・真意がわからない・・・)

紬(・・・明日になったらいつも通りの唯ちゃんになってるのかな・・・)

紬「・・・もう寝ましょうか」

・・・

紬「行ってきます」

斉藤「お気をつけていってらっしゃいませ紬様」

紬(・・・斉藤も律儀ね)ニコッ

紬(・・・結局あまり寝れなかったなぁ)

紬(電車の待ち時間が過ぎるのがあっという間)

紬(・・・こんなに唯ちゃんの事考えてるの初めて)

紬(でもなんでだろ)

紬(嫌なことも考えちゃうけど・・・早く唯ちゃんに会いたいと思ってる私が居る)

紬(今日のおやつ喜んでくれるかな・・・)ニコニコ


紬「おはよー♪」

瀧「おっはー!」

姫子「おはようムギ」

澪「おはよう、少し暖かくなってきたな」

律「というかもう暑いんだよー!もー!!」キー

紬「りっちゃん朝から元気ー!」

律「ムギは暑くないのかー?髪とか蒸れたりさー」

紬「あらそれなら澪ちゃんだって同じじゃない」

澪「まあ正直少し邪魔というか・・・でも折角伸ばしたしなー」

紬「いきなり切るのもちょっとね」

唯「ムギちゃんおっはよぉぉ!!」ダキッ

紬「!」

律「唯おはよー丁度暑いって話してたのに抱きつくとは・・・流石は唯隊員・・・」

澪「確かに夏場だったら絵的にも暑そうだ・・・」

唯「皆おはよ!」

紬「・・・唯ちゃんおはよう!」ギュッ

唯「えへ~」

律「ムギの反撃だ!・・・って二人とも暑くないのか?」

紬「唯ちゃんはいつも暖かいよ?」

唯「えっへん!」

澪「えばる事なのかそれ・・・」

・・・

紬(結局放課後まで唯ちゃんはいつも通り・・・)

紬(やっぱり気のせいなのかな?)

紬(普段どおりの唯ちゃんを見てるとそんな気もしてくる)

唯「ムギちゃん!今日は楽しみにしてるよ!!」ビッ

紬「えぇ今日は皆が好きそうなの持ってきたの!ちょっと待っててね~」

梓「そういえば唯先輩、昨日はちゃんと練習したんですか?」

唯「もっちろんだよ!」

律「ドラムのな」

梓「へ?ドラム?」

澪「唯が急にドラム叩きたいって律と遊んでた」

唯「えっと・・・えへへ・・・」

梓「はぁ・・・まぁそんな感じだとは思ってましたけど」

律「あら随分信頼がありませんことね!」

唯「もう少しは先輩を信用してもいいですのよ!」

梓「昨日は何やったんですか?」

唯「ごめんなさいでした」

澪「今日は梓も居るしちゃんと練習出来そうかな」

紬「おまたせ~今日はシンプルにショートケーキにしてみました~♪」

唯「流石ムギちゃん!王道で攻めてくるとは!!」

律「今日も唯が淹れるのか?」

梓「えっ昨日何かあったんですか?」

澪「あぁ唯の気まぐれで昨日は唯が紅茶を淹れてくれたんだ」

唯「えっへん!」

梓「え・・・大丈夫・・・でした?」

唯「しどい!」

紬「とっても美味しかったわよ~最初の私なんかよりも上手!」

律「いやムギも最初から十分美味しかったけどな」

澪「実際どっちも美味しかったからな」

梓「正直意外でした・・・」ゴクリ

律「まぁ私たちも逆に裏切られた気分だった」

唯「む~!りっちゃんひどい~!」

律「はは、冗談冗談!」

紬「昨日は唯ちゃんに入れてもらっちゃったから今日は私が淹れるね」

唯「うん!ムギちゃんの紅茶飲みたいっ!」

紬「えへ、もう淹れちゃってるんだけどね」つ

律「おぉさんきゅ!」

唯「じゃあ頂きますか!」フンスッ


唯「ん~・・・!美味しい~!!」

澪「いつも美味しいけど今回は何か更に美味しい気がする・・・」

律「確かに!やっぱショートケーキは一味違いますなっ!」

紬「ふふ、昨日唯ちゃんと約束したからね」ニコッ

律「なぁに~!?唯ずるいぞー!」

梓「でも結局皆好きですよねショートケーキ」

唯「あずにゃんいい事言った!」

澪「女の子は嫌いって子のが少ないと思うけど」

紬「でもちゃんと唯ちゃんの事考えて選んだよ?」ニコッ

唯「えへ~ムギちゃんありがとぉ~♪」

律「唯ずるいー!私もー」

紬「今度りっちゃんの要望も聞くね」

律「やっりー!何にしよっかなー!」

澪「律はしたないぞ」

梓「まぁ唯先輩は憂にも頼めますしね」

唯「ムギちゃんのお菓子は憂とは別だよ~」

紬「あらあら」

梓「憂のクッキー美味しかったですけど・・・」

唯「勿論憂のお菓子も美味しいけどね!ムギちゃんのも美味しい!」どやっ

・・・

澪「今日はちゃんと練習できてなによりだな」

梓「まぁそろそろ文化祭もありますしね」

律「ってことは明日はおしゃべりだな!」

澪「おいっ!」

唯「明日はカステラがいいな!」

紬「考えておくね」

律「あっ唯ずるいー!」

梓「カステラって何だかんだあんまり食べないですよね」

澪「確かに頂き物くらいかな・・・?」

律「んーそう考えると食べたくなってくるから不思議だよなー」

唯「じゃあ決定だね!」

紬「責任重大!」

律「うむ、よきにはからえ」

梓「それ使うタイミング合ってましたっけ」

律「わかんない☆」

澪「全く・・・」

梓「じゃあ私はちょっと買い物していくのでここで」

澪「あぁまた明日な」

律「無駄遣いは駄目ですよー!」

唯「あずにゃんまたねー!」

紬「また明日ね」

梓「はいっお疲れ様です!」

澪「じゃあ私たちも行くか」

律「だなーじゃあ唯、ムギまた明日ー」

唯「ばいばーい!」

紬「また明日ねー」

紬(・・・そういえば昨日はここで二人になったときに)

紬(・・・)

唯「あれ?ムギちゃんどうかした?」

紬「あ、いや明日のカステラのこと考えてたの!」

唯「なるほど!美味しいよねカステラ!」

紬「憂ちゃんなら作れるんじゃない?」

唯「んー多分作れると思う・・・」

紬「カステラってどうやって作るんだろうね」

唯「んー食べたいって言ったら作る憂が簡単に想像できるけど材料まではわかんない!」

紬「やっぱり憂ちゃん何でも出来ちゃうね」

唯「自慢の妹です!」

紬「じゃあ私もそろそろ行くね」

紬(・・・)

唯「うんっ!ムギちゃんまた明日ね~!」

紬「また明日ー」

紬(・・・普通だった・・・よね?)

紬(やっぱり私の勘違いだったのかな)

紬(・・・気にしすぎだったのかな)

唯「」ギュッ

紬「ひゃっ!?」

唯「気をつけて帰ってね・・・紬・・・」

紬「ゆ、唯ちゃん!?」

唯「えへー後姿みたら抱きつきたくなっちゃった!」

紬「唯ちゃん・・・あ、あのっ!」

唯「!じゃ、じゃあまたねー!」タッ

紬「え・・・あっ・・・うん、また・・・明日・・・」ポカーン

紬(えっと・・・)

紬(・・・)

紬(考え事してたら唯ちゃんに抱きしめられて)

紬(耳元でまた『紬』って・・・)

紬(なんだろう・・・いきなりすぎて頭が働かない・・・)

紬(でも嫌じゃない、むしろ嬉しいんだけど・・・)

紬(なんでいきなり・・・皆が居るときは普通だし・・・)

紬(・・・わかんないよぉ)

紬(・・・とりあえず明日は唯ちゃんのリクエストどおりカステラにしよっ)


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最終更新:2012年07月11日 08:00