まさか…唯が…そうだった。唯はひとつのことだけさせれば天才だったっけな
ってことは当分ギターは弾けないか…
銃弾を受けた反動で澪側によろけるハンター
そこには…
デザートイーグルを構えた澪が────
澪「Shall we dance?」
ズォンッ
「ギャイ……」
ドスン…。
律「澪……。」
澪「ふぅ…何とかなっ(ry」
律「きーたか唯!シャルウィーダンス?だってよ!」クスクスプフー
唯「ほえ?どう言う意味?」
紬「踊りませんか?ってことよ唯ちゃん」
唯「……。これと!?」
ハンターを指さし目を丸くする唯
律「例えだよた・と・え。ほら、拳銃で、特にデザートイーグル何かで撃ったらその弾圧で当たった方は吹っ飛んだりよろけたりするだろ?」
唯「うんうん」
律「それをダンスに例えた澪の……」
澪「私が悪かったからやめてよぉ~!!」
律「さて、今はこんな笑い合ってる場合じゃなかったな。」
紬「えぇ。停電でオートロックが全て解除されたわ。閉じ込め防止の為が裏目になるなんてね…」
澪「むぎ、ブレーカーは?」
紬「……多分…電気室だと思う。」
律「さすが豪邸…家に電気室があるとは」
電気室とは50KVA以上2000KVA以下の中規模な建物に適用される。
普通はマンションや、工場についているものである
澪「場所は?」
紬「かなり遠いわ…。だから私が案内するわ」
唯「こんな暗い中を…」ブルブル
憂「……」
紬「一回武器庫に行きましょう。まさかここまで本格的に入り込むなんて思わなかったでしょうからみんな軽装だよね」
澪「あぁ、念のために他にも色々持って行った方がいいかもな」
律「車で端まで5分かかる家だ…しばらくは帰って来れないだろう」
紬「だから言い過ぎよりっちゃん//」
…
律
コルトM19
MP5
救急スプレー
手榴弾×5
澪
デザートイーグル
M1873
救急スプレー
閃光弾×3
唯
ベレッタM92
コルトSAA
救急スプレー
紬
ベレッタM92
AK‐47
救急スプレー×2
憂
ベレッタM92
M79グレードランチャー
硫酸弾
火炎弾
救急スプレー
…
律「おぅっしゃあ!負ける気がしねぇ!」
澪「律~バレルの調整してくれないか?」
律「はいは~い」
唯「リロードは……うんたん♪うんたん♪」
憂「お姉ちゃん可愛い…」
紬「なにこの部隊」
───────。
エントランスホールの一番真ん中にある大きな扉の前に5人は並び立つ。
紬「電気室はこの先、大広間を直進して…」
律「聞くと元気なくなりそうだからやめといてくれ。その場その場で教えてくれよ」
紬「わかった」
澪「早めにブレーカーを戻さないとな。またSTARSから何か連絡が来るかもしれないしな」
律「いくぜ!」
ギィ……バタン
「アァァ」
「ウゥゥ」
「ウーシャウッ!」
「ブルアァァ」
澪「何かいっぱいいるー!」
唯「すちゃっ!」
パンパンパン
カキンッ!キンッ!ヒュン!
弾が跳弾し何発かはゾンビに。何発かは
律「ちょ、唯ちゃん危ない」
唯「ごめんねりっちゃん!でも…この子私の言うこと聞かないじゃじゃ馬でさ!」
律「いってろ!」
パァン!パァン!
ガッチャン
澪「らぁー!」
ドフゥン!
律「走るぞ!」
その一言でみんなが走り出し奥へ向かう
しかし気付いた
律「奥が見えねー!どんだけ」
紬「500Mくらいだから大丈夫」
澪「本当に家かここ」
唯「ジュー太に弾が詰まっちゃったよぉ~」
律「唯、その銃身に描かれたエングレブは何のタクティカルアドバンテージはない。それに、お前にそれは直せない」
唯「シット!」
紬「次の柱を右よ!」
そこにある扉に入ると黄色チックな壁紙が目につく。右側にはステンドグラスがあしらわれておりなかなか凝った印象だ
5人はそのままこの部屋を走り去ろうとした時だった。
丁度ステンドグラスを通り過ぎた時────
バァリィン!
ステンドグラスが割れ、そこから何と
律「犬?!」
紬「ゾンビ犬よ!」
ステンドグラスの丁度横にいた澪に噛みつこうとしている
澪「きゃあぁっ」
律「(一々銃取ってちゃ間に合わない……!)なら素手しかない!」
オラ、
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!
「キャゥンッ」
更にコルトを抜き撃ち込む
パァン!
律「ごめんな…」
犬好きだとかそんなチャチなもんじゃねぇ…とか今はそんなこと言ってる場合じゃない
それからもハンターやゾンビを蹴散らしつつようやく電気室に辿りつく。
律「思ってたより近くて良かった…」
紬「当たり前でしょ!」
澪「それでも1kmはあったんじゃないか…?」
唯「りっちゃんこれ治して~」
憂「……っ」
律「とりあえずブレーカー上げてからだ。」
配電盤にある一際大きいレバーを上げる
ウゥイーン
電気が復活し闇に慣れている目が痛む
律「電気ってすっばらしぃ~」
澪「全くだな」
万事解決し、戻ろうとした、しかし、
唯「憂!ういぃ!」
憂「うぅ……」
腕を抑えつけたまま踞っている憂。
紬「憂ちゃん、腕を見せて」
憂「……」
何も答えない憂。
紬は無理やり腕を見ようとする
憂「ゃめて……やめてよ!触らないで!」
唯「憂?!」
憂「ごめんね…お姉ちゃん…私…言い出せなくてぇ…」
唯「うい…腕、見せて」
憂「……。」
唯がそっと憂の手を取り長袖を捲ると
澪「ぐっ…」
律「憂ちゃん…」
憂の左腕は酷く化膿しボロボロになっていた。それは、上へ上へと進行しており今では肩の辺りまで至っている
唯「ういいぃ……」
憂「私がゾンビになったらさっきの人達みたいに殺すんだよね?」
憂「何か言ってよ……言ってよ…」
紬「……。」
紬はポシェットから救急スプレーと包帯を取り出す
紬「ちょっと染みるけど我慢してね…」
シューッ
憂「うっ……」
慣れた手つきで憂の腕に包帯を巻き付ける
憂「こんなことしたって一緒だよ……その内体全身がこうなって…」
唯「ありがとうむぎちゃん。憂、痛くない?」
憂「えっ…」
澪「憂ちゃんを撃つなんてこと…しない。したくない」
律「全くだ」
憂「でも…私がゾンビになっちゃったら…」
唯「させない…そんなこと」
憂「でもっ!」
唯「言わないでよそんなこと!憂は私が守るの!だから……言わないで……。」
唯はそっと泣きながら憂を抱きしめる。
憂「お姉ちゃん…お姉ちゃぁん……」
律「むぎ、治す方法…あるよな?この無駄に広い家なら」
紬「……」
澪「……」
私達は、それ以上憂に何も言えなかった
私達は電気室の近くにある部屋でずっと佇んでいる。
唯はずっと憂ちゃんの傍でただ痛がるのを見ていることしか出来ないでいた
澪はぐったりした様子でソファーに腰かけている。
私はと言うと唯がジャムらせたアーミーの修理だ。
もう何時間たったろうか…まだ雷は止んでいないからSTARSが来ることはないだろう
唯「ねぇ…みんな」
律「ん?」
唯「みんな…一緒に……」
澪「唯……」
唯「死のう?」
紬「唯ちゃん……」
唯「私にはもう無理だよ…このままゾンビになる憂を見るのも…それを殺して生きるのも」
澪「だから死のうって!それは間違って…」
唯「憂とはね…ずっと一緒だったの。うちはお母さんやお父さんが良く出掛けたり単身赴任するから家で二人のことが多かったの。一緒に泣いたり笑ったり…アイス食べたり…」
憂「はあ…はあっ…」
唯が憂の汗を拭く。
唯「憂のこと…誰よりも大好きだからぁ…。」
溢れ落ちる涙も無視して喋り続ける
唯「ういが…死んじゃう゛なん゛て……やだよぉ…」
何で神様はこんなにも中睦まじい姉妹にこんな過酷なことを強いるのだろう…。
澪「うっぅ……ごめん…ごめんなぁ……」
澪も何も出来ない無力さからか泣くことしか出来ない。
律「……」
紬「……」
どうしよもうもないのだろうか……本当に。
出口が見えない袋小路に迷い込んだようだった。
このままただ時間が経ち彼女がゾンビになるのを待つしかないのか……そしてそのゾンビになった憂を…
みんながそれしか頭に浮かばなくなっていた。
でも、神は、この姉妹をただ見捨てる様な真似はしなかった
「らしくないわね、あなたたちがこんなお通夜みたいな空気出すなんて」
まさか…でもこの声は!
唯「和ちゃん!!?」
和「久しぶりね唯。それにみんな。話は聞かせてもらったわ。」
そこにいるのは間違いなく和で、それが女神に見えたのは気のせいではないだろう
澪「和!!!やっぱり無事だったんだな!」
和「えぇ、何とかね。色々してたらここへ来るのが時間がかかったわ」
律「来て早速で悪いんだけど憂のこと見てやってくれないか?和なら何か治し方がわかるかもしれない」
和「わかったわ」
紬「……なんで…」
和「……。化膿しているのはとりあえず腕だけね……。腕を切り落とせばとりあえずは生きられるわ」
唯「えぇぇぇ?!」
和「死ぬのとどっちがましよ?」
律「そりゃそうだが…さすが和だな…大胆と言うか何と言うか」
澪「あわわわわ」
和「冗談よ。男ならともかく女の子を腕を切り落として生きさせるなんて酷いやり方しないわ。大丈夫よ、このウイルス、Tウイルスのワクチンはあるわ。それもこの家にね」
唯「本当に?!」
和「そうよね?紬。いえ、アンブレラの社長令嬢の
琴吹紬…と言った方がいいかしら」
澪「それってどう言う…」
和「このTウイルスはね、作られたウイルスなの。通常では出来えないウイルス。それを撒き散らし人間への感染率、時間を調べてるの。前3件も全てアンブレラの仕業よ」
律「ちょっと待ってくれよ!じゃあこの街がこんな状況になったのもアンブレラがそのウイルスを撒いたせいってことか?で…その社長はむぎのお父さん…」
紬「ギリッ……」
最終更新:2010年02月01日 22:54