律「澪!このボタンしばらく押さないと開きっぱなしならないみたいなんだ!だから先にくぐっててくれないか?」

澪「……本当にか?律」

律「(うっ…ちょっと苦しかったか。こんなこと信じるのは唯くらいか…)」

律「正直に言う、このボタンとそのドアは連動してる」

澪「ってことは……」

律「あぁ、一人しか通れない。けどここにこうとも書いてある。扉が開く第2条件は、タイラントの静止、つまりタイラントを倒せば開くってわけだ」

澪「でも一人でなんて無茶だ!二人で倒して一緒に出よう!二人ならなんとかなるよ!」

律「……澪、わかってくれ。私は澪に生きててほしいんだ。自分の命より大切なんだよ、澪のことが。だから、行ってくれ……澪」

澪「そんなこと…出来るわけないだろう!律が行かないなら私も行かない!」

律「わがまま言うなよ…」

澪「わがままなんかじゃない!私だって同じくらい律が大切なんだよ!これからも…ずっと一緒に生きていたい…」

律「誰が死ぬなんて言ったよ?澪。大丈夫、私は死なないよ。約束する。のどかだって守ったじゃないか。私だって守るさ、この約束」

澪「そんな約束…信じられない…」

律「……頼む…澪、もうじきこいつが動き出す…そしたら一人の命もここから出られないかもしれないんだ。ここは一人が死ねば片方もまた死ぬ…そんな場所なんだよ」

澪「だからって…律を置いて……行くなんて……」

緑色の液体はもうほとんどなくなっている…

律「みおぉぉぉぉぉぉぉぉ!早く!」

「ウォォォォオオオ!」

目の前タイラントが目覚める……

澪「絶対……絶対生きて……帰ってくるんだぞ……律……」

タッタッ…

ボタンを離すと同時にタイラントから距離を取る

さっきまで唯一の出口だった場所はふさがれタイラントと一対一になる

律「澪、生きろよ。私の分まで」

カチューシャに手をかけ外す……

律「ふふ…似合ってねーよな。髪型も…やることも…さ」

でも、これでいい。そう自分自身が言っている

マシンガンとコルトを両手にかかえて言い放つ
律「Shall we dance?」


唯「憂!憂!開けてよ!憂ィィ!」

憂「お姉ちゃん…今までありがとう。私はどうしてもお姉ちゃんに生きて欲しくて…お姉ちゃんに産まれて初めて嘘ついちゃった…」

唯「うい……」

憂「私お姉ちゃんの妹に産まれて本当に幸せだったよ。暖かいお姉ちゃんが本当大好きで……」

唯「開けてよ……憂!」

憂「また生まれ変わるならお姉ちゃんの妹がいいな」

唯「開けろよ!憂!!!」

ドンッドンッドンッ!

唯「こんなことして私が喜ぶと思ってんの!?憂!?答えてよ!憂!」

憂「絶対に開けないよ。私はお姉ちゃんに生きててほしいから。私は一回は死んだ命なの…それに左手はもう動かないし…」

唯「動かなくたっていい!私が毎日ご飯作って…洗濯して…掃除もするから!だから!」

憂「行って、お姉ちゃん。お願いだから…。私の、本当の最後のお願い。生きて、お姉ちゃん。」

唯「うあ…う…う…い…ぃ……」

もう話すことはなかった。これ以上話しても悲しくなるだけだから……彼女は中央に体操座りをする

憂「きっと、また会えるよね、お姉ちゃん」


澪「……」
何を考えていいかわからない…ただひたすら走った。

律のことを考えるたび胸が痛い……。
もしかして他の部屋こうなってるのだろうか……じゃあヘリポートへついているのは…一人か二人か…

STARSのメンバーならもしかしたら何とかしてくれるかもしれないと言う期待感もあった。

ただ走った。

律は自分を犠牲にしてまで私を助けた

なら生きなきゃ嘘だ…。律の行為が無駄になることだけは許されない…

だから絶対私は死ねない、また再び律に会う日までは



ずっとあそこにいたかった。けど呼びかけても呼びかけても憂はもう答えてくれなかった…。
弱い私が嫌だった。物理法則なんか全部ねじ曲げでも救いたかった。

でも私の足は上へ、上へと歩いて行く

そんな気まるでないのに……

唯「う……い…なの?」

そうだよ、お姉ちゃん。離れてても、私達はずっと一緒だよ

唯「憂……」

生きて、お姉ちゃん。私の分まで、精一杯

唯「うん…うん…」

妹の最後のお願い…姉として約束守らないと…

憂…私…生きるね…

次産まれて来るときも、姉妹がいいね。

憂──────。


「はあ……はあ……、絶対に……死なせ…ない。」

モニターに映る二人の姿を見る

「あなたたちは生きる……義務があるの……だから……」

ピッ……

「…………」

ガクッ……



紬邸屋上、ヘリポート

和「遅かったわね。律は?」

澪「……二人に一人しか…出られない仕組みだったんだ」

和「……そう…。私は一人だったからか初めてから開いてたわ。ボタンを見て薄々は感じてたけどね…。体温センサーまでついていたし…」


唯「お~い…」

和「唯、無事だったのね…。でも…」

唯「憂は…いつも私と一緒だから……」

澪「……」


和「……どちらかに私が行けば良かったわね…そうしたら躊躇なく私を選べてたのに…悪いことをしたわ…」

澪「一緒だよ。和だって私達のかけがえのない存在なんだから…」

唯「うん…。私は誰と一緒でも私が残りたかった…けど憂に先越されちゃってさ…。」

澪「私も似たような感じかな…」

和「そう……ありがとう、二人とも」

ブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥン……

ヘリ特有のソニックブームが聞こえる……。

和「爆破まで残り10分ってところか……ギリギリね」

どんどん降下してくるヘリ、それを眺める三人……

だが、最後の最後まで、悪夢は終わらない

「ウォォォォオオ!」

ドォォゴォォォン!

和「!?まさかタイラント!?」

澪「まさか…いやさっき出たやつとはちょっと違うな」

和「くっ…こんな時に!」

「ウォォォォオオ!」

剥き出しになった尖った爪が恐怖感を駆り立てる。

和「はああああ!」

ガキィン!

和「駄目っ…この刃物じゃ歯が立たない!」

パァン!パァン!
ドフゥン!ドフゥン!

「ウガアアォォオオ!」

澪「火力が足りないか…」

唯「どうしたら…」

その時だ、低空飛行していたヘリから何かが投げ落とされた

クリス「それをつかえ!」

和「あれは…ロケットランチャー!あれならもしかして…。唯、澪、私があいつの気を引くからその間に!」

二人とも黙ってうなずきロケットランチャーに向かって一目散に走り出す。

「ウォォォ!」

ガキィン!

和「あんたの相手は私だよ」

ロケットランチャーの組み立て方がわからない二人は四苦八苦しながらも何とか組み立てた。

唯「うっ…おも…」

澪「みんなで持とう、唯」

唯「うん!」

目には見えないけど確かに感じるよ…りっちゃん、むぎちゃん、憂…、あずにゃん…

自然とロケットランチャーが軽くなった気がした

「ウォォォガァ!!」

澪「これが」

唯「軽音部の力だ!」
カチャ

ヒューーーー

ズゴォォォォォ

タイラントは木っ端微塵に跡形もなく吹き飛んだ

クリス「早く捕まれ!」
上からロープの梯子が降りて来る。
それに捕まる三人

クリス「よ~しあげろ!」
ブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥン……

私達が上空へ避難してすぐだった……
さっきまでいた紬邸は轟音をあげながら建物の概要をなくしていく……
澪「律……」
唯「憂…」

生きるね…私達、あなたたちにもらった命の分も

クリス「ギリギリだったな…。」

和「そうね。もうちょっと迎えが早いと助かるわ、クリス」
澪「えっ…なんで」
クリス「ん?あれ?話してなかったのか?」
和「私もね、S.T.A.R.S.のメンバーなのよ」
澪.唯「ええええええ!?」
和「でもちゃんと言ってたじゃない、S.T.A.R.S.って」
S.T.A.R.S.のメンバーね、みんな点をつけるのよ
澪「どうりで…」
唯「お強いわけだ」
この物語はまだ表向きにしか終わっていない、知られざる裏の出来事を知るその日まで
今はゆっくり体を休めるといい…彼女らと同じく



表 終わり




次回予告


あれから二年経った。
紬邸後─────

澪「これ……律の……」

瓦礫の中から律のカチューシャを見つける

澪「律……一体どこへ行ったんだ」

私は律を探すため、それとバイオハザードの実態を世間に明らかにするためにフリーのカメラマンになっていた

元々カメラを撮るのが好きだったのもあるけど…やっぱり一番の理由は律を探すためだった

他の軽音部のメンバーも消息がわかっているの唯だけとなっていた。

澪「でも…諦めないから、私」


「はいじゃあ自己紹介して」

唯「きょ、今日からこちらで配属になりました平沢唯でで、す!よろしくお願いします!」

パチパチパチ

唯「てへへ//」

あれから二年経ちました。私は私なりに考えて警察官になりました
これ以上憂や他のみんなみたいな悲しい人を出さない為に

和ちゃんからはすたぁず?ってところに入らない?って言わたけど…
私は自分の足で歩きたかったから

その一歩を今日踏みしめた

まだみんなでライブする夢を私は諦めない
だってみんなきっとどこかで生きている。
そんな気がするから

へっくしっ

「う~さむっ…」

新聞を取りアパートへ戻る

「え~と何々…またもバイオテロか?死人は推定5000人、だってさ、レオン」

レオン「…そうか」

律「はあ…。…そうか、じゃなくて良いのか?このまま野放しにして。私らはアンブレラを潰す為に動いてんだろ?」

レオン「……。まだその程度様子見だ。近い内にもっと大規模なやつが起きる…。」

律「ほんとかよ…」

レオン「あぁ、間違いない」

その時が奴等の最後の日だ


全ての始まりに、終わりを告げる日が来た。

再会、

澪「律…?」

律「伏せろ、澪」

──────。

衝突

和「あなたが行かないなら無理矢理でも連れて行くわ」

律「やってみろ…メガネっ子」

──────

S.T.A.R.S.VSアンブレラVS桜高軽音部

1の次回作にご期待ください




最終更新:2010年02月01日 22:59