梓「はい。そうですが」

紬「じゃあ、この人達はなんで盛り上がってるんだろ?」

梓「PCを見せてください……あぁ、この人達はあずささんの誕生日を祝ってるんです」

紬「あずささん?」

梓「ムギ先輩知らないんですか? 765プロのアイドルですよ」

紬「あっ……知ってるかもしれない」

梓「えーっと……この画像の人です」

紬「綺麗な人ねぇ」

梓「えぇ、765プロのアイドルのなかでは最年長ですが、シミ一つない綺麗な肌ですよね」

紬「それにとっても優しそう。私もこういう大人になりたいわ」

梓「そうですね」

紬「あっ……この画像ちょっと凄いね」

梓「パソコンにあずささんの画像を映して、自作ケーキでお祝いしてますね」

紬「ふぅん。こうやってお祝いするのね」

梓「私も7月2日のムギ先輩の誕生日には家でやりましたよ」

紬「えっ?」

梓「……冗談です」

紬「もう…梓ちゃんったら。びっくりしちゃった」

梓(……ムギ先輩の誕生パーティーは二人だけでやったじゃないですか)

紬「ふぅん。こういうお祝いちょっとやってみたいかも」

梓「じゃあやってみます?」

紬「でも私、765プロの中だと千早ちゃんが好きなの」

梓「私はあずささんが好きだから問題ありません」

紬「名前が同じだから?」

梓「それもありますね」

紬「他にも理由があるんだね」

梓「はい。あずささんの歌は「深い」感じがするんですよ」

紬「それなら私の千早ちゃんも負けてないと思うけど」

梓「いつからムギ先輩のものになったんですか……あずささんと千早さんの歌は方向性が違うと思います」

紬「あっ、わかるわかる」

梓「あずささんの歌は年齢に裏打ちされた優しさ、包容力みたいなのを感じるんです」

紬「千早ちゃんの歌も深いけど、優しさというより、真っ直ぐな力強さって感じたもんね」

梓「はい。私もそう思います」

紬「今度一緒に765プロのライブに行こうか。あずささんの歌を生で聴いてみたくなっちゃった」

梓「そうですね。私も千早さんの歌を生で聴いてみたくなりました」

紬「それで……結局やる?」

梓「あずささんのモニター誕生会ですね」

紬「モニター誕生会?」

梓「今命名しました。モニターの前でやるからモニター誕生会です」

紬「…せっかくだからやってみましょう!」

紬(梓ちゃんの誕生日にもモニター誕生会やってみたいし…予行練習してみなくっちゃ!)

梓「そうですね。じゃあまず何を作るか決めましょうか」

紬「あずささんって、どんなケーキが好きなんだろう?」

梓「甘いモノは好きなはずですが、どんなケーキが好きかまでは知りませんね…あっ、でも」

紬「でも?」

梓「ピザトーストが大好きだったはずです」

紬「じゃあそれも作りましょうか」

梓「夕御飯に決定ですね」

紬「じゃあケーキは簡単なものにしましょうか」

梓「難しいケーキに挑戦して挫折したんじゃ本末転倒ですからね」

紬「やっぱりショートケーキかなぁ」

梓「ええ、やっぱり丸いショートケーキが誕生日って感じがしますよね」

紬「じゃあ買い物に行きましょう」


*買い物中
梓「ムギ先輩、お菓子をカゴ入れるのはいいですが…それはやめておきましょう」

紬「……? きのこの山のこと?」

梓「はい。あずささんがどちら派か分かりませんが…もしたけのこ派だったら……」

紬「何かあるのね…!」

梓「はい。誕生日はアルフォートあたりで無難に抑えておくのがいいと思います」

梓(最悪、戦争になりますから…)

紬「ふむふむ。梓ちゃんってものしりなのね。勉強になるわ」


*帰宅
*スポンジ作成中
*スポンジ作成終了
*生クリーム泡だて完了

梓「じゃあケーキに生クリームを塗っていきましょうか」

紬「待って、梓ちゃん。スポンジを冷やしてからじゃないと」

梓「あっ、忘れてました」

紬「生地は冷蔵庫で冷やしておいて、先にピザトーストを作りましょ」

梓「はい」


紬「食パンに」

梓「ケチャップを塗って」

紬「パプリカを載せて」

梓「チーズを振って」

紬「あとは焼けば完成ね!」

梓「えっ? 具はこれだけですか?」

紬「だって…太っちゃうから」

梓「でも誕生日ぐらいは」

紬「あずささんだってきっと体重管理にに気を遣っていると思うの」

紬「そう、あずささんのためにも具はこれだけでいいと思うの」

梓(絶対ムギ先輩が太りたくないからだ……)

梓「でもその考えには同意です」

紬「えっ…」

梓「モニター誕生会は、相手が本当にいると思ってやらないと、あんまり意味が無いです」

紬「……」

梓「だから、そういう気配りは必要なことだと思います」

紬「……やっぱりサラミも載せよう」

梓「ダイエットはいいんですか?」

紬「あずささんも……誕生日ぐらい好きなもの食べたいだろうから」

梓「……はいです!」

紬「じゃあオーブンに入れて……」

梓「その間にケーキに生クリームを塗りましょう」

紬「実は私、これ苦手なんだ」

梓「私はやったことさえありません」

紬「まずはスポンジを上下に切り分けて」

梓「間に生クリームとカットしたイチゴをはさむんですね」

紬「うん。この作業は簡単ね」


紬「次は外側にクリームを塗っていきましょう」

梓「はい」

*作業中

紬「なかなか綺麗に整えられないね」

梓「これくらいで妥協しておきましょうか?」

紬「うーん。でもあずささんのことを考えたら、もう少し綺麗なケーキ作ってあげたいな」

梓「……! そうですね。じゃあもうちょっと頑張ってみましょうか」

紬「だいぶ綺麗になったね」

梓「はい。これならあずささんも喜んでくれると思います」

紬「モニター越しだけどね」

梓「モニター越しでも、です」

紬「あっ、ピザトーストも焼けたみたい」

梓「じゃあさっそくパソコンの前に並べましょうか」

紬「あっ、私が持っていくから梓ちゃんは画像セットしておいて」

梓「はい」

紬「モニター誕生会の準備って意外と楽しいね」

梓「……」

紬「梓ちゃん?」

梓「それはきっと二人でやったからです」

紬「もう…梓ちゃんってば///」

梓「いえ……そうじゃなくて…一人でモニター誕生会をする人はきっと大変だろうなって」

紬「……そうだね。一人だとモチベーションが続かないよね」

梓「でも、こういう愛の表現ってありだと思います」

梓「なんて言えばいいのかな……本当に相手を大切にしてる感じがするんです」

紬「梓ちゃんはモニター誕生会好きなんだ」

梓「はい」

紬「私、絶対梓ちゃんのモニター誕生会もやるから!」

梓「それは駄目です」

紬「えっ」

梓「私の誕生会は軽音部のみんなでやると思いますから」

紬「…! そうだね」

梓「その後二人だけで延長戦をやってもいいでけど…」

紬「延長戦?」

梓「……楽しみにしておいてください」

紬「うん。楽しみにしておくねっ!」


梓「それじゃあそろそろ」

紬「うん。ろうそくに火を灯すね」


梓「あずささん。本日は私どものPCにお越し頂きありがとうございます」

紬「ささやかな誕生日パーティーですが、楽しんでいただければ幸いです」

モニター「……」

梓「はっぴばーすでーとぅーゆー」

紬「はっぴばーすでーとぅーゆー」

梓「はっぴーばーすでーでぃああずささん」

紬「はっぴばーすでーとぅーゆー」

パチパチパチパチ

紬梓「ふーーっ!!!」

紬・梓「あずささん。誕生日おめでとうございます!」

モニター「……」

oshim@i!


あずささん誕生日おめでとうございます




最終更新:2012年07月19日 22:12