梓「憂にも唯先輩にも連絡取れないから家まで来たものの」
純「あの……今日見たいドラマあるからもう帰っていいかな」
梓「いいわけないでしょ!ちょっとは心配しなよ!」
純「携帯通じないことってそんな珍しいことじゃないってー」
梓「どーせ私は心配性ですよ」
<ピンポーン
純「ほら留守なだけじゃん。出かけてんだよ」
梓「でも電気ついてるし……」
純「消し忘れたんでしょ、早く帰ろうよドラマ始まっちゃう!」
梓「気のせいなのかなぁ……ん?」
純「ていうかあれ先週も見逃しちゃったから今週こそちゃんと観なくちゃなんだよねー」
梓「……純!!ま、待って!これ!この手紙!」
ウィンウィンウィンウィン
憂「……先生、私のイモート素粒子を取り出してどうしたいんですか?」
さわ子「ふふふふふ、よくぞ聞いてくれました」
さわ子「私ね、最近好きな人がいたのよ」
さわ子「この人となら生涯を共にできる……そう思っていたの」
さわ子「そしてこの間ついに、勇気を出して告白したわ」
さわ子「そしたら彼なんて言ったと思う?」
さわ子「俺、なんというかこう妹みたいなか弱い女の子が好きなんだ、ってね」
憂「……アチャー」
さわ子「ふふふふふ……そんな時に聞いたのがあなたの噂」
さわ子「2年の平沢が桜高を破産させるほどの妹力を持っている」
憂「ま、まさか……!」
さわ子「そう!あなたのイモート素粒子をもらって、私は……私は!」
さわ子「私は、妹になる!!!」
ウィンウィンウィンウィン
憂「そんな……」
さわ子「バカみたいって思ってるでしょう?でもねそんなことを言ってる余裕はないの」
さわ子「友達の結婚式に呼ばれ続ける気持ち、わかる?」
憂「……」
さわ子「私は今日、妹になる。妹になれば、妹になればきっと……私にはもうこれしかないのよ!」
憂「でも……そんなのって」
――――
タッタッタッタッ
純「誘拐事件!?誘拐事件なの!?」
梓「あーもー!さっきから純うるさい!」
純「でもだってこの呼び出し状!!呼び出し状って!!昭和か!!」
梓「さっきまでは全然無関心だったくせに」
純「だってこんなことになってるなんて夢にも思わなかったんだもん!!」
梓「だから今頑張って走ってるんでしょ!」
純「っていうか体育館行っていいの!?こういうのって通報が先じゃない!?」
梓「ううん……通報はいらないよ。だって犯人は多分……」
――――
ウィンウィンウィンウィン
憂「……」
さわ子「なにか言いたげね」
憂「……せ、先生は間違ってます」
さわ子「あら?先生に向かってお説教?」
憂「お姉ちゃんは言ってくれました……良いところも悪いところも、全部含めて私なんだって……」
さわ子「はぁ……?」
憂「私は、私のままでいいって」
さわ子「……知ったふうな口を」
――――
梓「着いたー!!!」
純「って体育館閉まってるし!?」ガンガンガン
梓「そりゃもう夜……待って、なんか聞こえない?」
純「ん?」
・・・・・ウィンウィンウィンウィン
純「なんかの……機械?」
梓「間違いないよ。憂も唯先輩もここにいる!」
純「まずいよ!早く助けなくちゃ!2人とも謎の機械で何されてることか!!」
梓「で、でもドアが……」
純「?・っ!開いてよもー!!!」ガンガンガン
――――
憂「だってこれじゃあ先生は誰からも好かれない」
さわ子「……っ」
憂「ありもしない要素で相手の気を引いたってそれじゃ相手は先生のことなんか見てないってことじゃないですか!」
憂「そんなの……そんなの虚しいだけですよ!」
憂「こんな方法を使って好かれたって……それは……」
さわ子「わかってるわよそのくらい!!!」
憂「」ビクッ
さわ子「私だって私をそのまま好きになってほしいわよ!!」ドンッ
憂「……」
さわ子「………そうねこれじゃ私は愛されない」
さわ子「……もういいわ……どうせ…どうせ私なんか……」
さわ子「……ふふふふふふふふふ」
さわ子「」ピッピッピッ
憂「何を?」
さわ子「さすが憂ちゃんねぇ、こんなにイモート素粒子を抽出したのにまだ半分も取り出せていない」
さわ子「でも、もう十分よ」
憂「?」
さわ子「人間の神経興奮は電気信号だっていうのはもう習った?」
さわ子「例えばこの大量の素粒子に電流を流したら、どうなると思う?」
憂「せ、先生……?」
さわ子「ふふふふふふふふふ………」
ドンッ
純「ちょっ!何の音!?何の音!?」
梓「憂を助けるため唯先輩を助けるため憂を助けるため唯先輩を助けるため……」ブツブツ
純「梓!何ブツブツ言ってんの!早くこのドア開けなくちゃ!!」
梓「純!!」
純「だから何!!!」
梓「……愛してる」チュッ
純「!!?」
ズドオオオオオオオオズガアアアアアアアカン!!!!
憂「!?」
さわ子「な、なに!?」
モクモクモクモク
純「……ひ、ひ、ひ、人様の初キッスをなんだと思っとるんじゃー!!!」
梓「しょ、しょうがないじゃん!こうでもしないとドア開かなかったんだもん!」
純「だからって……だからってさあ!」
梓「っていうかほら!さわ子先生!やっぱりさわ子だったんですね!」
純「犯人とか今どうでもいいから!私の初キッスの話だから!」
さわ子「なんであなたたちがここに……」
憂「純ちゃん!梓ちゃん!先生を止めて!!」
純「止めてってなにを?」
梓「あっ、ホラ見て!見るからに危なそうなスイッチ!」
さわ子「ご名答、このボタンをポチッと押したらみんなもろとも木っ端微塵よぉ!」
純「は、はぁ!?」
梓「何言ってるんですか先生!」
さわ子「ふふふ…もういいのよ……どうせ誰にも好かれないなら……もういっそ……」
さわ子「ふふふふふふふふふ……」
純「せ、先生!!」
唯「…………ん、くぁああ。あれ?ここどこ?」
憂「お姉ちゃん!」
唯「あ、あれ?憂なんでそんなとこに……っていうかあずにゃん?純ちゃん?…わ、さわちゃんまで!」
梓「」ピーン!
梓「唯せんぱーい!!ウ、ウインク!ウインクしてください!!憂に向かって!!」
純「梓?」
唯「えっ?ウインク?」
梓「そうです!早く早く!!急いで!!今すぐに!!」
さわ子「一体何なの……」
唯「じゃあえーっと……憂ー?」パチンッ
憂「」キュルルルルリンッ☆
さわ子「……あっ!?」
「萌え」
「萌え」
「キュn
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『ねえ、梓。どうして妹は爆発するのか、考えたことある?』
『えっ?それは妹の体内のイモート素粒子と電気信号が……』
『ノンノンノン。そーじゃなくってさ。もっと根本的に、妹が爆発するその理由』
『えー……どうしてって言われてもなぁ』
『正解はねえ、みんなが好きだからなんだよ!』
『はあ?』
『大事な人がいて、その大事な人を想う気持ちが胸の奥から溢れだす……それが爆発してるんだよ』
『ふーん……?』
『聞いたことない?妹の爆発で何故か人的被害が全然出ないって話』
『うーん……あるようなないような』
『だってそうでしょ?大切な人を想う気持ちが大切な人を傷つけるなんて、そんな馬鹿な話あるわけないじゃん』
『へぇー……』
『だからさ、憂のこの優しい気持ちだって決して誰かを傷つけることはないわけよ』
『私も梓も唯先輩も、そしてもちろんさわ子先生だって、ね!』
『どんなご都合主義だろうとハッピーエンドに越したことはない、でしょ?』
『……今日の純、ちょっとクサイ』
『私に言うな……それは多分こんな爆発に巻き込んだ憂が悪い』
こうして
平沢憂の身の回りに起きた愉快な事件は幕を下ろしたのでした
爆発に当てられて落ち着いたさわ子先生はそのまま生徒4人を連れて酒屋へ直行
朝まで延々愚痴を聞かせてヤケ酒という形で踏ん切りをつけたようです
え?朝までそんなのに付き合って学校は大丈夫なのかって?
ご心配なく
体育館が吹き飛んだので次の日学校はお休みになったのです
幸い学校側に今回の事件がバレることはありませんでしたが
本当に桜高を破産スレスレまで追い込んだ女として、お姉ちゃんたちから伝説扱いされてしまいましたとさ
ちゃんちゃん
おわり
最終更新:2012年08月12日 22:36