音楽室

澪「……」

澪(澪ちゃん、か…記憶はなくなっても唯は唯なんだな…)

澪「ていうかなんで私…音楽室来てるんだろ…誰もいないのに」

ガチャ

澪「誰…?」

さわ子「ちょっとムギちゃ…あら?澪ちゃん一人?」

澪「…さわ子先生は…忘れてないんですね」

さわ子「は?なに?」

澪「いえ、こっちの話です…で、なんですか?」

さわ子「ああそうそう、ムギちゃんたら合唱部に入部届なんか出して…どういうこと?」

澪「あ…そういえば…」

澪「ムギ、合唱部に入りたいって言ってたんです…掛け持ちはダメなんですか?」

さわ子「ウチは基本は掛け持ちはダメだから…」

澪「そう…ですか…」

さわ子「ねえ、あんたたち最近どうしたの?練習全然やってないみたいだけど」

澪「なんでもないです…合唱部のことはムギに直接言ってください」

さわ子「そう?まあしっかりやんなさいよ!じゃあ」

澪「先生!」

さわ子「ん?なに?」

澪「軽音部のこと…絶対忘れないでくださいね」

さわ子「は?なに言ってんの?当たり前でしょ!じゃあまたね~」

澪「絶対…ですから…」


夕方

澪「私なにやってんだろ…ずっとベースの練習しちゃった…あはは…ムギ、ちょっとお茶…!」

澪「あ……」

澪「なに…やってんだ私…結局なにも出来てないじゃないか…」

澪(嫌だ…忘れたくない…軽音部のことを忘れたくない!)

澪「そうだ…私は忘れない…私は絶対に忘れない…!」

澪「今夜はここに泊まって一晩中起きてよう…そうすれば!」

さわ子「まあ泊まるのはいいけど…ホントに後でみんな来るのね?」

澪「はい!だから先生も帰って大丈夫です!」

さわ子「じゃあ…またね?」

澪「はい!」

バタン

澪「……」

澪(ずっと寝なければ大丈夫だ…ずっと軽音部のこと考えてれば大丈夫!)


3時

澪「えっと…ここはこうで…ふう…もうこんな時間か…」

澪(そういえば…いつだかみんなで唯の追試の勉強したっけ…)

澪「ちょっと眠いけど…起きてなきゃ…ダメだ…寝ちゃ…」

澪(あの時も外暗かったけど…なんか今日はすごく暗いな…時間が違うからかな)

澪「寝ちゃ…だめ…だ…」

澪(そうだ…みんなと…また…いっしょ…に…)

澪(ん…あれ…朝…私…)

澪「なんだここ…音楽室?なんで?」

澪(なんか…なんか忘れてるような…なんだろ…?)

澪「まあいいや…よくわかんないけど、帰ろうかな…ってベース?…なんで私こんなの持ってんだろ…」


1週間後

梓「はぁ…今日も予備校か…嫌だなあ」

梓(なんだろ…なんか夏休みに予定があったような気がしたのにな…)

梓「あ!そうだ…久しぶりにギター弾いてみよう!」

梓(それに、こないだの唯さんの演奏…なんか気になるんだよなあ…)

梓「よいしょっと…あれ?妙に綺麗だな…私、ギターなんて高校入ってから弾いてないはずなのに…」

梓(あれ…なんだろ…なんか変な感じ…)

梓「ま、いいや…なに弾こうかなあ」

梓(ふわふわ時間…か…おかしな名前…えっと…)

ジャジャ~ン…

梓「あ…あれ?弾ける?一回も練習してないのに…なんで?そ、それに…」

梓(なんで…こんなに楽しいんだろ…?)


……

紬「ふぅ…ただいまー」

斎藤「お帰りなさいませお嬢様…部活はいかがでしたか?」

紬「ええ、楽しかったわ…でも…」

斎藤「でも?」

紬「な、なんでも…」

紬(楽しいけど…なんか物足りないな…もっと、ずっと楽しい仲間がいると思ったのに…)


……

律「ただいま~!いや~!やっぱ中学時代の友達は気心が知れてていいわ!」

聡「おい姉ちゃん…最近遊びすぎじゃないか?」

律「え?前からこんなもんだろ?」

聡「まあ別にいいけどさ…今の姉ちゃん、なんかかっこ悪いぜ」

律「は?どういう…」

聡「あー腹減った!俺おやつ買ってくる!」

律「お、おい!」

律「なんだよあいつ…あーダルい、また映画でも見るかな」

律(まただ…なんだろこのモヤモヤ…どんなに遊んでもスッキリしねえ…)

律「…ドラムかぁ…」

律(そういや昔ドラムセット買ったのに…どこやったんだろ…)

律「あー!!なんなんだー!きー!!」


……

ピンポーン

憂「あ、和さん…こんにちは」

和「こんにちは…唯は?」

憂「います…けど…」

唯「あ゙ーづーいー…あ゙ー、和ちゃーん…おいーっす」

憂「お姉ちゃん!だらけすぎだよ?」

和「唯……」

和「どうしちゃったの唯?なんか前よりいっそうだらけてない?」

憂「はい…なんか最近、軽音部に全然行ってないみたいなんです…聞いてもそんなの知らないって言うばかりで…私、何がなんだか」

和「そうなんだ…」

唯「和ちゃ~ん、今度宿題見せて~ん?」

和「ねえ唯、軽音部はどうしたの?最近音楽室、誰も使ってないみたいだけど」

唯「検温部~?なあにそれ~?」

和「軽音部!あんたたち、合宿行かないの?練習しなくていいの?」

唯「軽音…部…」

唯(あれ…?なんだろ…なんか…ものすごく…)

憂「お姉…ちゃん?」

和「唯…?」

唯「ギ…ギ…うっ…うぅ…ギ…」

和「ギ?どうしたの唯?」

唯「なっ…なんか…すごく大切なものを…うぅ…忘れてる気がするぅ…」

憂「もしかして…えっと…ギー…」

唯「わ…私…行かなきゃ!」

和「行くって?」

唯「学校!!なんか呼んでる気がする!」

憂「お姉ちゃん!!せめて着替えて!」

唯「あ…んもー!」


……

澪「はぁ…宿題終わりっと…」

澪(最近、なんかつまんないな…律とも連絡取らないし…)

澪「……ん?」

澪(こんなノート…持ってたっけ?)

ペラ

澪「君を見てると…いつも…ハート…DOKI☆DOKI…な、なんだこれ…はずかしい歌詞!」

ペラ

澪「放課後…ティータイム…?」

澪「……!」


学校

唯「はぁ…はぁ…あ、あれ?」

梓「あ…唯さん」

唯「確か…憂の友達の…梓ちゃん!」

梓「え…?」

梓(なんだろ…この違和感)

唯「ありゃ…?梓…ちゃん?」

唯(なんか呼び方が違うような…)

紬「あ…あのー…」

唯「あ…確か同じクラスの…紬ちゃん!…ありゃ?」

紬「つむぎちゃん?なんか…変ねえ」

唯「そうだね…あはは…」

梓「ところで…二人とも何しに来たんですか?また軽音部がどうとか?」

唯「あ…あずさちゃん!?」

紬「軽音部ってなあに?聞かせて!」

梓「え?ええ?」

律「ちょっと待った!私にも聞かせてくれ!」

唯「あ…律ちゃん!」

紬「田井中さん?」

梓「田井中…さんでしたっけ」

律「な、なんだこのモヤモヤは!いいから中野…いや!梓!話を聞かせろ!」

梓(梓…なんか、落ち着くな…)

梓「…コホン、…先週、私が家にいたらいきなり皆さんが…」

唯「そんなことが…私全然わかんないや」

紬「私、合唱部に入ったあとに平沢さんたちが来たのと、演奏を聞いたのは覚えてるわ」

律「私も…なんか演奏を聞いたな…あれ?確か澪とひ…平沢さんって、一緒に演奏してたじゃないか」

唯「え…?」

梓「そうです!唯さんはギターやってたじゃないですか?」

唯「う…おお…?」

律「あれ?梓、ギター持ってるのか」

梓「はい…なんか弾いてたら気になって学校に来ちゃったんです」

律「私も…ドラムが音楽室にあったの思い出して学校きたんだ」

紬「私も…キーボードが無性に弾きたくなったから…」

唯「ギ…ギ…」

律「どうした?」

唯「私…すごく大事なものの名前がどうしても思い出せないの…ぎ…ぎ…ギー…ギー…あうぅ…思い出せないぃ…」


澪「ギー太だよ!!唯!」

律「澪…?」

紬「秋山…さん…」

梓「ギー太って…?」

唯「ギー太…そうだ…すごく大事なものの名前だ…どうして思い出せなかったんだろ…」

律「なあ、お前なにか知ってるのか?澪!」

澪「…律、お前は…軽音部のドラムで部長なんだよ」

律「わ…私が…?」

澪「それで…ムギはキーボード!梓はギター!」

紬「私が…軽音部…」

梓「私…軽音部にいたんですか?」

澪「それで…唯もギター!ギターの名前はギー太だ!」

唯「私がギター…」

律「でも…そんな記憶ないぞ…ホントなのかよ澪?」

澪「……」

澪「なあ皆…音楽室に行って、演奏しないか?」

律「でも…私ドラムなんて高校入ってからやった記憶なんて…」

唯「私もギター触った記憶ないよ…すごく大切に思ってるけど…」

紬「私も…いきなり皆で合わせるなんて…」

梓「私は…だ、大丈夫…だと思います!」


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最終更新:2010年01月22日 14:55