律「なんだ……ばれていたのか……」

澪梓紬唯「え?」

律「そうわたしはリッツン星からはるか遠くやって来たリッツン星人だっ」

梓唯澪紬「ええーっ」

律「そしてバレてしまったからにはしかたない……」

唯紬梓澪「何をする気だっ」

律「お前らを生きては還さん!」

紬澪唯梓「な、なんだってー」


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律「……ぶおんっ」

唯「あ、あれはライトセイバー……」

律「ぶおんぶおんっ……てやっ」

澪「……え?」

紬「澪ちゃーんっあぶなーーいっ」

どすっ

澪「うわあああああっ……服が……服がーっ……溶けるー」

律「ふははーっ。どうだあーこの服だけ切り裂くライトセイバーの力はー」

唯「なんとっ」

律「くらえっライトセイバー」

ぶおんっ

唯「きゃっ」

律「ライトセイバー」

ぶおんっ

紬「きゃっ」

律「触手っ」

にゅるんっ

澪「うあっ」

梓「どこの漫画ですか……」

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律「なんだと。じゃあ本気を見せてやるっ!……ぶおんっ」

梓「わあっ。机がまっぷたつですっ」

唯「ムギちゃ右からくるよっ」

律「ぶおんっ」

紬「ひょいっ」

唯「次はひだりっ」

律「ぶおんっ」

紬「ひょいっ」

律「くっそー……まずはお前からだ唯ぃぃっ」

唯「うわああっ」

紬「唯ちゃんっあぶない……ぽちっ」

ごおおおおおおおっ。

びゅんっ。

律「へ? うわあっあぶねえええっ」

ぱりーんっ。ひゅーーん。

澪「……ろ、ロケットパンチ?」

紬「ロケットパンチっ」

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律「よくもやったなああああ」

紬「ふふっまだ左があるわ」

律「それがどうしたっ」

唯「りっちゃんの行動はお見通しだよ」

律「ぐっ……」

澪「ふれーふれー」

律「こうなったらああ……」

梓「みなさんっ……もうやめましょうっ」

みんな「え?」

梓「こんなことして何になるんですっ」

唯「あずにゃん……」

律「でも……も、もうあとにはひけないんだっ!」

梓「律先輩っ」

律「なんだよっ」

梓「……えいっ」

ぴくっ

律「……」


紬「……」

澪「……」

梓(す、すべったあー)

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梓「あ、あの続けて。くださいどうぞファイッ」

律「……あのさ」

梓「はい」

律「やっぱ和むなーっ」

唯「和むねー」

澪「和む」

紬「和む和む」

梓「あれ?」                                                      70


澪「で、律どうしてこんなことしたんだ?」

律「別に……気まぐれだよ」

唯「わたしの星は地球から2億三万光年先にあった。
わたしたちの文明は急速に発展し宇宙を旅することができるようになった。だけど……」

律「勝手に語るなっ……むぐっ」

紬「どうぞ続けてくださいー」

律「はーなーせー」ジタバタ

紬「だめー」

唯「わたしたちはあるときはなせはなせ恥ずかしいだろっボロボロの星で
  自らの運命を予言することのできる不思議な本を見つけたんだ。
  それはすっごい発見でみんなお祭り騒ぎだった。
  でもな……みんな死んだんだ。自殺したんだ。
  残ったのはわたしと数人ムギぃさり気なく胸触るなよぅだけだった」

律「……ちょっとやめて自分で喋るから、ね」

唯「わたしたちは必死に原因を探したさ。
  でも、答えはひとつしかないだろ?あの本おっぱいだった。」

律「だからやめろっ。それにわたしおっぱいなんて考えてないぞっ」

唯「仕方ないよー他の人の心も強いとはいってくるんだよー」

紬「……ごめんなさいっ」

律「おいお前なのかっ。
  わたし喋るから、な。えと、そう……それで星を捨てたわたしはたまたま地球にたどり着いた。
  自分とそっくりな人々がいたのは幸運だったんだろうな。
  その頃まだわたしはこっちでいう小学生くらいだった。
  だから、まだ知識も不十分でゆっくりと大人になりながらあの本について調べた。
  あの本は台本だった……ひゃんっだから胸もむなっ」

紬「くせになっちゃった」

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律「続けるぞ……その台本はわたしたちよりひとつ高次元の人々ものだったんだ。
  リッツン星人は次元跳躍飛行をほぼ可能にしてたんだ。こんなふうに言っても何のことだかわかんないよな。
  それは地球人がまだ単次元的な考えしかできないからなんだけど。
  つまりさ、わたしたちはどこか別の世界の台本にそって演じてるだけなんだ。
  それに嫌気がさしたやつらはみんな自殺した。でも、それすら台本どおり。ほれ、これがその台本」

唯「厚っ」

澪「なになに……『宇宙のことがよくわかる本第38巻』?」

律「全1000000000000000000000000000000000の
  1000000000000000000000000000000乗を
  1000000000000000000000000繰り返した巻ある」

紬「そんなにいっぱいあるの?」

梓「それに変な名前ですね」

律「リッツン語から日本語への翻訳は難しいんだよっ」

唯「だからりっちゃんはテストで点が取れなかったんだねっ」

律「そうだぞーってそれは今関係ないっ」

紬「これにわたしたちの運命も書いてあるの?」

律「50ページから400ページの間に。でも見ちゃダメだっ。自分の運命なんか見たら頭がおかしくなる」

紬「うん」

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梓「でもなんで律先輩はわたしたちを……」

律「結局、そういう台本だったってことなんだろうな」

紬「りっちゃん……」

律「でも、信じてもらえないかもしれないけどわたしもみんなを殺すつもりはなかったんだぜ」

澪「うん」

律「あのさ、わたしはみんなを仮死状態にしてそれでどこか別の高次元につれていくつもりだったんだよ。
  地球人に次元跳躍は耐えられないからな。
  それにそこなら台本の影響を受けないと思ったんだ」

梓「唯先輩は知ってたんですか?」

唯「ううん。わかんなかったよ」

律「だから地球人に多次元的な考え方はできないって言っただろ」

紬「でも、なんで?」

律「わたしは嫌だったんだよ」

唯「なに?」

律「わかんないじゃん。こんなに仲がいいのにいつかちょっとした台本の気まぐれでさ
  憎みあったり傷つけあったり自分で自分の未来も決められないんだ。
  わたしは心の中で泣きながらみんなにつばをはかなきゃならないかもしれないんだ。
  それは嫌だからさ……でもごめんな」

澪「なにが?」

律「だって、ほらみんなは知らなかったわけだから。自分が好きでそうしたって思えてたのに」

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澪「律は間違ってるよ」

律「なんで?」

澪「こんな言葉があるんだ。マクレーン刑事がファックユーというときそれは日本語でありがとうだ」

律「……なんのはなしだよっ」

澪「ダイ・ハードだよっ」

律「知ってるよっ」

澪「知ってるのか」

律「いやだからダイ・ハードは知ってるけどその格言は知らないんだ」

澪「つまりさ、わたしたちのすべてが演技ならお互いを心から憎み合ってる時でさえ、
  本当のとこでは笑ってられるんじゃないかってことだよ」

梓「そうですよっ律先輩がわたしたちは台本に従って生きているっておしえてくれたおかげで
  わたしたちはもう何があってもお互いを嫌いになれなくなったんですよ」

唯「放課後ティータイムは宇宙最強だからねそんな紙っぺらなんかに負けないから!」

紬「うんうん。だからりっちゃん心配しないで、ね」

律「お前ら……」

澪「どこいくんだ?」

律「ちょっと風にあたってくるわ」

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律「あーあ……いいやつらだよなあ」ポロポロ

律「なんであんなにやさしいんだろ」

律「地球人って宇宙でいちばんポジティブかもな」

律「わたしもいつでもあいつらみたいに前向きでいれたらいいのに」

ぽとっ

律「あ、本が落ちた……ん79ページ?」

律「……真っ白」

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唯「わあああああっ」

梓「もっと早く走ってくださいっ」

澪「ムギっこっちくるなっ」

紬「ひどい。さっきみんなで絆を確認しあったばっかなのにー」

梓「それとこれは話が別ですっ」

唯「なんで忘れてるのーっ。ムギちゃんのばかばかばかあっ」

紬「ぞくぞく……これがさっき言ってた悪口言われても幸せってことかしら?」

澪「違うよっ。目覚めるなっ」

律「どうしたんだよ?」

唯「ムギちゃんのロケットパンチはブーメラン式だったんだよーっ」

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律「ああ……そっかそういう運命なのか」

澪「律走れっ」

律「いやもういいんだ。無駄だって。それよりみんなに言いたいことがあるんだよ」

梓「なんですかこんなときに」

律「わたしはみんなが大好きだよっ。今までありがとっ」ニコッ

唯「ふせろーっ」

ちゅどーんっ
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みんな真っ黒焦げ

顔を見合わせて大爆笑

灰になった本が風に舞って空に散る


以下ずっとアドリブ……


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                  めでたしめでたし




                                               400

『宇宙のことがよくわかる本第38巻 けいおん!みたいなけいおん!の話より』



最終更新:2012年08月14日 02:42